連載小説
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八日目
旅程としては、今日件の村の前にある森に入り一泊、明日、遅くても明後日には森を抜けて村に入るか森の近くの平野で野宿・・・という予定だ。
予定というか希望といったような感じだけど。
幸か不幸か食料は余分にあるが、早く着くことに越したことは無い。
早くドナーを見つけて一発ぶん殴りたい。

まぁそれはそれとして。
*森の中にいる*
ワルフの群れを探しに入った森よりは深い森ではない。
ちゃんと木々の葉の間から空も見えるし、足元にも木漏れ日が差し込んでいる。
それなりに人が通っているようで、踏み固められて道も出来ているおかげで、案外希望ではなく現実的な予定となりそうだった。

森に入ってから約一時間。
「ちょっと休憩しようか」
「はーい」「・・・うん・・・」
たぶんこの二人は、休憩なんか取らなくても余裕でもっと進めるだろう。
だからこれは二人に休憩しようといったわけではなく、ただ単に自分が休憩したいからの提案だった。
俺よりも二人のほうが圧倒的に力持ちだが、流石に重いものを女の子に持たせるわけにもいかないので重いものは俺が背負っている。これくらいの見栄は張らせてほしい。
とはいえ、見栄の代償として体力はがりがり削られるわけで。
はっきり言おう。見栄なんて張るんじゃなかった。いやこれマジで。
今更撤回できないのでもう頑張るしかないけど。
「ふぃー」
荷物を下ろして切り株に腰かけ一息つく。これだけでも生き返るような心地だ。
「お疲れ様です。はい、どうぞ」
「ん、ありがと、ワルフ」
すぐにワルフが水を差し出してくれる。出来た嫁だ。
そしてルゥはというと
「どうしてそうなるのかな、ルゥさん?」
俺のズボンの前を開け、ナニを頬張っていた。
「・・・つかれれるふぁふぉおおって(疲れてるかと思って)・・・」
「あっ、ルゥちゃんずるい!私も!」
ごめんワルフ、一緒になってするんじゃなく、ルゥをとめてくれないかな・・・。
まぁそんなこと無理な相談だろうが。
「まったく・・・一回だけだからな・・・」
「ふぁい♪」「・・・ん・・・♪」
獲物となった俺は早々にあきらめて身を任せ、誰も近くを通りませんように、と祈るのだった。


「そろそろ野宿の準備をしようか」
「はーい」
天にかかる木の葉の隙間から見える空が黄色を帯びてきた頃。
そろそろ野営の準備に取り掛からないと、手元が見えなくなってしまう。
とはいえ、出発の前から練習していたし、もう6日目なので手馴れたものである。
半分くらい野宿じゃないって?気にしたら負けだよ。
しかしこの作業ではルゥはまったくの役立たずなので、おいおい教えていかないといけない。

「ワルフー、大丈夫かー?」
「大丈夫ですー」
今夜の宿もちゃんと完成だ。
「ふぅ、お疲れ様・・・あれ、ルゥは?」
声を掛けようと思って辺りを見回したら、ワーウルフ二号が見当たらない。
「さっき森の中に走っていきましたけど・・・」
「ふむ・・・ルゥならまぁ大丈夫だろ・・・」
最悪はぐれても目的地は教えてあるし、ワルフより鼻も利くだろうし。
いないならいないでワルフと二人きりでいられるし。いないならワルフと二人きりだし。
大事なことなので二回言いました。
「晩御飯の用意しとこうか」
「ですね」
とりあえずルゥは放置で準備を進めることにした。

「・・・ただいま・・・」
「おかえり、何してたんd・・・どうした、それ」
戻ってきたと思ったら、兎を二羽捕まえてきていた。
「・・・狩ってきた・・・」
「お、おう・・・」
いなかったのはどうやら兎狩りをしていたらしい。
兎をこっちに持ってくると、褒めてほしそうにこちらを見ている。
「ありがとな、今晩はご馳走だ」なでなで
「・・・くぅん・・・♪」
貧乏性なせいか、手持ちの食料とかを消費しないで済むという風になるとすごく嬉しい。
ルゥもたまには役に立つな。
「ワルフー、兎の解体頼んだー」
「はーい」
母さんに教わってワルフも一通り料理が出来るようになった。
が、なぜか解体というか捌くのだけは教える前からプロ並の腕を持っていた。
もしかしたらワーウルフの共通スキルなのかと思ったが、ルゥのほうを見たら思い切り目をそらされたので多分違うのだろう。
ルゥにも追々教えていかないとな・・・。


続く
13/09/13 02:40更新 / マオ・チャルム
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■作者メッセージ
お、お久しぶりです・・・(こそっ
学校始まったり続きどうしようって考えてたらこんな空いちゃったと言い訳させてください(震え声

さて8日目です。*おおっと* 森の中にいる。
頑張って料理を覚えたワルフと料理がまったく出来ない野生児ルゥちゃん。
料理できるっていいよね。果たしてルゥちゃんは料理が出来るようになるんでしょうか・・・。

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