読切小説
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捧げものの花婿と素敵な奥さん
「旦那様。お茶をどうぞ…。」

「悪いね。ありがとう…。」

 ある穏やかに晴れた日の事。暖かい日の光が差し込む部屋の片隅で、青年が書状をしたためている。一人の女性がその様子を見守っていたが、見計らったかの様にすっとお茶を差し出した。
 青年はまだあどけ無い表情で、むしろ少年と言っても過言ではない。お茶を差し出した女性を見つめると無垢な瞳でにっこりと笑った。女性も穏やかな笑みを返すと再び傍に控える。

 後はお互いに言葉を無くし、時折身動きする音が聞こえるのみだ。そんな静かな時間がどれだけ過ぎた事だろう。痺れを切らしたかのように女性は青年の顔を覗き込む。

「旦那様…。あまりご無理をなさってはいけませんよ。後はこの彗にお任せくださいませ…。」

 自らを彗(すい)と名乗った女性は真面目な表情で青年をじっと見つめた。よく見れば瞳は異国の宝石の様な燃える紅色で、切りそろえた長い髪は白銀の輝きを帯びている。そして人ではありえない長く尖った耳で、驚くほど見目麗しい顔立ちだ。
 何より特徴的なのは白く長い蛇の下半身。その体を青年に伸ばして優しく巻き付けているのだ。

 そう…彼女は魔物娘。白蛇と言う種族に属している。とはいえ人魔が平和的に共存するこのジパングではその身を隠す必要など無く、当たり前の様に人の世で暮らしている。むしろ彼女はこの地の水の力を司る、神に近い存在として崇められているのだ。

「いや…。これはお礼の書状なんだから。僕が書かなければいけないよ。」

 青年は彗をたしなめる様に言うが彼女は聞く気配を持たない。

「旦那様。私達は一心同体の夫婦ですよ…。私が書状をしたためても何の問題も無いと存じますが?ご安心ください。旦那様の筆跡と瓜二つにして書き上げてご覧に入れますので…。」

 粋は胸を張ると青年を安心させるかのように朗らかに笑う。その様子を見た青年は仕方ないなあとでも言うかのようにため息をついた。二人は夫婦になって一年程の関係なのだが、そもそも異種族の二人がなぜ夫婦になったのかと言えば………














 
 青年の名は憐(れん)。村長の四男坊だが病弱で、普段はあまり外に出る事も無かった。そんな彼を豊作を願う神事のおり、巫女として務めていた彗が見初めたのだ。
 病弱さ故に家に閉じこもりがちで、純粋で世間知らずの憐の事を彗は一目で気に入った。白蛇という種族柄、己の事だけをいつも見つめてくれる男を欲していた彗にとって、憐はまさに格好の獲物だったと言える。

 それからは何かと口実をつけては憐の実家に押しかけて、彼の心を掴むことにひたすら尽力した。当初は困惑していた憐も、彗の献身的で深すぎるぐらいの情愛に、次第にほだされて行った。
 だが、それを知った憐の両親を始めとする親族たちは、ある意味彗以上に熱心に二人を結びつけようとしたのだ。

 そもそもこのジパングでは人魔が番いになる事は全く珍しい事では無い。さらに彗は形式的には『龍』の臣下とはいえ、実質この村を含む近隣一帯の水と豊穣を司る存在だ。もし憐が彗に婿入りする事にでもなれば、白蛇の身内となった村長一族は近隣の村々に対して大きな影響力を及ぼせるようになる。
 もちろん憐が惣領息子であれば、異種の女を妻に迎える事には抵抗があったかもしれない。だが四男坊でしかも病弱である憐は、くれてやって惜しくない格好の生贄だったのだ。

 憐自身も自分の事を良く分かっていた。村長の息子という立場上公然と非難される事は無かったが、己に対する冷ややかな視線はいつも意識していた。
 農繁期にもろくに働けない自分自身に絶望感を募らせていた憐は、彗の婿にならないかという両親の勧めを従容と受け入れた。勧めと言っても、村のためにお前のような者が役立てるのだから有難いと思え。ぐらいの高飛車なものだったが…。
 
 だが、憐はそれも当然の結果だと思っていた。どのみち僕は四男坊。無能の冷や飯食いと生涯蔑まれるぐらいなら、仲良くなった彗の所に行けばいいや…。という自暴自棄に近い思いだった。

 だが…所詮己は供物なんだと卑屈な思いで婿入りした憐を、彗は大切な夫として大喜びで迎え入れた。常に自分は無用の者だという意識に苛まれていた憐に対し、「あなたは私の愛する人。かけがいのないお方です…」と甘く囁き、常に愛情深く接し続けた。

 跡継ぎにも労働力にもならなかった憐に対して両親はよそよそしかった。虐待する事こそ無かったとはいえ、手をかけ期待をかけるに値する存在では無かったのだ。周囲の人間も両親に準じて憐を冷たく扱った。

 そんな常に愛情に飢えていた憐を彗は己の事以上に大切にし続けたのだ。当初は自分に対する憐れみの情からの行為だと思ったが、もともと彗の心優しく温厚な人柄に憐はひかれていた。すぐにわだかまりは消え、今ではこの世の誰よりも大切な存在になっていた。

 ちなみに白蛇である彗としては己の夫を愛し、大切にするのはごく当然の事であり、憐れみという思いは意識すらしなかっただろう。いつも素直で自分の事だけを見つめていてくれる憐が愛おしくてたまらない、ただそれだけの事だったのだ。

 そして夫婦として肌を合わせる事は憐にとって素晴らしい喜びだった。未知の快楽に溺れ続けるうちに憐は不思議と健康を回復し続け、今では頑健そのものになった。疑問に思い彗に聞いた所、夫婦の交わりをするうちに魔の眷属になったからとの事。かつての己自身には嫌悪感を持っていた憐だったので、この変化は心からの喜びを持って受け入れた。

 彗もまた交わりのたびに己の胎内に注がれる、憐の精の味わい深さに狂喜し続けていた。彼の性格同様、優しくあっさりとしている中に重いコクの様なものがある味に夢中になったのだ。もう今ではこれが無ければ到底耐えられないだろう。

 つまり彗と憐はお互いにとってもう絶対に無くてはならない存在になっていたのだ。特に憐にとって、彗の存在は萎えきった自信を回復させる大きな要因になった。いつも優しく彼を蛇体に包み込み、「私にとってあなたが全てです。生涯離れる事はありません…。」と情愛を込めて囁く彗の姿には、どれだけ励まされた事だろう。

 そのような訳で大変仲睦まじい夫婦生活を送る様になった二人を見て、憐の親族達は喜び安堵した。そして、今までとは打って変わって親しげに振る舞う様になったのだ。常に冷淡だった彼の両親も、今まで見た事が無いような笑顔を浮かべて憐に会いに来た。両親のこの姿を見た憐は嘆いてため息をついた。

「僕は両親から優しい言葉を掛けてもらいたい、笑顔を向けてもらいたい、ってずっと思ってきたよ…。なのに二人とも僕を厄介者扱いして、まともに目すら合わせてくれなかった。
 それが君のお婿さんとして仲良くしているとわかった途端、にやにや愛想笑いを浮かべて媚びてくる。一体どの面下げて僕に会おうというんだろうね…。
 もう僕は我慢できない…。今度二人が来たら殴り飛ばして絶縁する覚悟だよ。そして君の傍でずっと暮らす。あいつらとは一生関わらない!」

 素直で純粋ゆえに両親の手のひら返しは許せなかったのだろう。だが彗はこれを聞くと遠く霧の大陸の史書からの一説を引用して憐に語りかけた。

「悲しい事ですがこの世は残酷で理不尽なものです…。地位や金がある者には人が集まり、そうでない者は相手にもされないのが道理です。
 売る物が沢山ある店には人は集まりますが、何もない店は見向きもされません。これは売る物がある店が好きで無い店が嫌いと言う訳ではなく、売る物が無い店には何の利益も期待できないからです。
 旦那様はご両親に邪険にされ続けてさぞ悔しかった事でしょう…。でもそれは憐れむべき人の持つ定めとも言うべきもの、旦那様の所にご親族の方が集まってくるのを絶つ事はお止めになって下さい。どうかご両親とはこれまで通りのお付き合いを…。」

 思いも寄らぬ言葉に全く納得できなかった憐は言葉を返そうとしたが、情深い表情でかぶりを振った彗は言葉を続けた。

「それと…義父と義母がいて下さったからこそ、素晴らしい旦那様が生まれ、私と夫婦になる事が出来たのです。私にとってお二人は恩人にも等しい存在でいらっしゃいます…。
 お願いです旦那様。お気持ちはお察ししますが、なにとぞどうかお怒りを鎮めて下さいませ…。」

 語り終えた彗は三つ指をついて深々と頭を下げた。憐は苦しそうな表情で彗を見つめていたが、再びため息をついた。

「ごめん。よく分からない…。正直許すことは出来そうもないよ…。でも、君がそう言うんだから僕はその言葉を信じる…。」

 彗の頭を優しくあげた憐は切なそうに笑った。その姿を見た彗は目を潤ませると彼を抱きしめて、暖かい蛇体でぐるぐる巻きにする。彗のぬくもりと甘い香りに包まれた憐は、いつしか暗い思いを忘れて行くのだった…。















 にこにこしている彗は筆をお貸しくださいと憐を促した。そして蛇体で憐の全身を拘束し後ろから抱きしめる。

「この書状は私にお任せください…。それよりも、もっと楽しい事を致しましょう…。」

 耳元でねっとりと語りかける彗の熱い吐息に、憐は体をぶるりと震わす。彗のその姿は妖艶に交わりを求める魔物そのものだ。

「駄目…だよ。彗…さんっ…いや彗!。」

 何故か憐は慌てて彗を呼び捨てにして言い直した。だが、一言も聞き漏らさずにいた彗は顔を強張らせて憐を見つめる。

「旦那様…。やはりまだ私に遠慮なさっているのですね…。あれほど遠慮も気兼ねも無用と申し上げておりますのに…。」

「ごめんね。彗…。」

 悲しげな瞳の彗に憐も申し訳なさそうにうなだれる。そう。気恥ずかしいと言って愛する妻を呼び捨てに出来ない憐を、彗は常日頃教え諭してきた。その様に距離を置くことはしないで下さい。私には遠慮や気兼ねは無用です。と。そう言ってもなおも恥じらう憐を、彗は半ば無理やり呼び捨てにさせてきた。
その甲斐あって最近ようやく抵抗なく「彗」と呼べるようになってきたのだが、ふとした事で、つい「さん」付けで呼んでしまうのだ。

「いいえ…。何も謝る事はございません。悪いのは全て私なのですから…。旦那様に遠慮をさせてしまう私にすべての原因があります…。」

「彗…。」

 申し訳なさそうに頭を下げる彗に憐は言葉も無い。暫くお互い言葉も無かったが、沈黙に耐え兼ねた憐が再度謝ろうとする。その時だった。

「と言う訳でご安心ください!旦那様のお心は私が責任を持って開いてご覧に入れます!」

 不意に笑みを見せた彗が右手を開くと、そこには青白い炎めいた光がぼおっと浮かび上がった。

「そ、それは!」

「はい!当然ご存知ですよね…。これを入れて差し上げれば旦那様はご自分の思いに正直に…お心のままになる事が出来ます!」

「だ、駄目だよそれは…。いいって…。」

 突然動揺して断り続ける憐を、彗は瞳の奥に若干の嗜虐的な光を浮かべて見つめた。そして青白い光が揺らめく右手を憐に当てようとする。そう…。これは白蛇の炎と呼ばれる白蛇の魔力の塊だ。

 憐が彗に遠慮している気配を察すると、彼女はいつもこれを生じさせ憐に注ぎ込む。確かにこれを入れられると憐は心を縛るすべてのものから解放され、己に正直になる事が出来る。だが、それと同時に狂おしいばかりの情欲に襲われ、目の前の彗を犯す事しか考えられなくなるのだ。

 その感触は決して不快では無く、むしろ素晴らしい快楽に満ち溢れている。だが異様なまでの興奮状態が去った後は無性に切なさに襲われて、彗に優しく抱きしめてもらわないと決して収まらない。

 そんな憐を彗はいつも笑顔で受け入れて、彼の気の済むまで甘えさせてくれる。だが、さすがにこのような事がいつも続くと、何かしらの悪影響があるのではないかと心配になってしまうのだ。まさか彗がとは思うが、禁制の麻薬の様な効果をもたらしているのでは?と言う不安すらある。

「ごめん!僕が悪かったから…。次からはこんな事しないから!だから…それは止めて…。お願い…。」

「ふふっ…。旦那様。遠慮は無用とあれほど申し上げているではありませんか…。さ…どうぞ。存分に堪能なさって下さいね…。」

 必死に懇願する憐だが彗は聞く耳を持たずに手をじりじりと近づける。身をもがいて避けようとするが、蛇体がしっかりと拘束しており動かす事すらかなわない。
 そして…歓喜に溢れる表情を浮かべた彗は右手をそっと憐に押し当てた。
















 途端に憐の体が燃え上がるような感触に襲われた。急激に性欲が高まり下半身が猛烈に切なく、欲望を吐きだす以外の事は考えられなくなる。その激しい思いに耐えきれす思わず叫ぶ。

「あ〜〜〜〜〜〜っ!彗!」

 憐はこの高まりを解放してほしいと言わんばかりの思いを込めて彗を見た。だが彼女は悪戯っぽい笑みを浮かべたまま彗を眺めている。たまらず憐は哀願する。

「おねがい…。すい…。おねがいだから…。」

「如何いたしました…?旦那様?ちゃんとおっしゃって頂かないとわかりませんが…。」

 彗はからかう様に言うとくすくすと笑う。いつしか瞳は意地悪な光を帯びていた。日頃はとても優しく献身的で、妻として非の打ちどころがない彗なのだが、この時だけは別だ。
 常軌を逸した様な欲望に耐えきれずに身もだえする憐を、加虐的に弄ぶ魔物としての一面をはっきりと見せるのだ。こうなった彗は何を言っても無駄だ…。憐は切なそうにため息をつくと言葉を発する。

「あの…して…ほしいんだ…。」
「はい…?ですから…するとはなにをすればよろしいのですか…?」

 なおも無慈悲な調子で憐を突き放つ彗だったが、そんな彼の瞳にはもう耐えきれないとでも言いたそうな切なそうな光が浮かんでいた。彗はやれやれとため息をつくと助け舟を出す。

「良いですか旦那様。何も遠慮はいらないのですよ。この彗に頼み事があれば何でもおっしゃって頂きたいのです。私に出来る事は何でも致しますゆえ…。」

 そう。彗は憐に淫らな言葉を言わせて、彼が羞恥心に身悶えするのを見るのが大好きなのだ。憐が日頃は絶対に言えない台詞も、魔力の影響でそれほど抵抗なく言うことが出来る。
 とはいえ彗にとってそれほど意地悪な気持ちがあってしている事では無い。可愛い憐のいやらしい姿を見たい…。心の底の欲望を私だけには遠慮なく見せて欲しい…。自分好みの淫らな旦那様に育てたい…。そんな思いの方が多いだろう。早い話、可愛くてたまらないからこそ少し悪戯したいのだ。

 憐はまだためらっている様だ。困ったような顔をしてきょろきょろと周りを見回す。すると先ほどまで使っていた筆が目に入った。そうだ…。これだ…。苦し紛れの憐は思わずこんな事を言った。

「僕の…筆を握って欲しい…。」

 それを聞いた彗は思わずぷっと噴き出した。なんて可愛い反応をするのだろうと言わんばかりに目を輝かす。

「筆…。ですか?」

「うん……。」

 顔を真っ赤にして俯く憐を彗はなおも嗜虐的に見つめる。そして…残酷にも卓に転がっている筆を手に取ると、わざわざ見せびらかすかのように彼の顔の前でしごいて見せた。

「こうでよろしいんですか…。旦那様?」

「ひどいよ…すい………。」

 我慢の限界に達しそうな憐は今にも泣きそうな顔で彗を見つめる。耐えきれずに己自身のものをしごこうと思ったが、蛇体がしっかりと絡みつき手を動かす事すら出来ない。さぞかし凄まじい情欲が彼を襲っているのだろう。何度も荒い息をつく。

 もう限界か?さすがに可哀そうになった彗は憐の耳元で熱く囁く。

「わかりました…。それでは私が旦那様のお考えを察して言います故、旦那様はその後に続けておっしゃって下さいませ…。」

 こくこくとうなずく憐に素敵な笑顔を見せた彗は彼の頭を優しく撫でた。そして耳に口が付かんばかりに近づけてそっと言う。

「僕のおちんちんを握って…。さっ。どうぞ…。」

 全てがもう限界を超えていた。暫く躊躇していた憐だが、精を吐きだしたい思いに耐えきれずに呟いた。

「ぼくの…おちんちんを…にぎって…。」

 ようやく言えた…。これでしてもらえる…。思わずほっとした表情で彗を見つめた憐だが、彗は残酷な表情でにやりと笑った。

「あらあら…そんな小さなお声では聞こえませんが…。」

 そんな…酷い…。なおもじらす彗を絶望的な眼差しで見つめていた憐だが、彼女はいたぶる様な嫌らしい笑顔を崩さない。
 もう駄目…。ううん。別にいいんだ。何も我慢する事は無いんだ…。なんでこんな事を我慢していたんだろう……………。その心の何かがふいに切れて……憐は知らず知らずのうちに絶叫していた。

「僕のおちんちんを握って〜〜〜〜〜っ!!お願いっ!彗〜〜〜〜っ!!」

 途端に憐の心からあらゆるしがらみとこだわりが崩れ落ちる。曇り空が晴れて青空が広がっていくかのような清々しさを覚える。

「まあっ…。そんな大声でっ!……でもちゃんとおっしゃる事が出来てご立派ですよっ。ふふっ…。それでは言う事が聞けた良い子にはご褒美を差し上げますね。」

 若干嘲る様な表情と声の彗だったが、それでも憐の猛りに猛った肉棒をそっと握ってくれた。だがそのままの状態で動かす気配が無い。憐は彗の反応を待たずにすぐさまおねだりする。

「それじゃあ駄目だからっ…。お願いっ!しごいてっ!おちんちんしごいてっ!」

「はいっ!喜んで!」

 己の欲望を偽らない憐を見て彗も嬉しそうだ。笑顔を浮かべて憐の一物をやさしくしごく。限界まで耐えさせられた憐の欲望はもう爆発しそうだったがその直前、不意にしごく手を止めた。

「なんでっ!どうしてやめるの…。お願いだよ。もっとしごいて…。出したいよっ!」

 泣きそうな声で叫ぶ憐の頭を彗は優しく抱いた。そしてなだめる様に囁きかける。

「ええっ!わかっておりますよ。これ以上我慢して頂く様な真似は致しません。…ただ。このまま手で出してよろしいのですか?もっと他に出したい場所があるのでは?」

 そう言ってからかう様に微笑む彗を見ていたら、知らずと淫らな単語が憐の口から飛び出て来た。

「そうだ!お○んこっ!彗のお○んこの中に出したいよっ」

「はい。よくできました…。正直におっしゃって頂いて嬉しいですよっ!それでは…私のぐちょぐちょでどろどろのお○んこの中に精をぴゅーぴゅー注ぎ込んで頂きますねっ!!」

 もはや憐は完全に理性のたがを外して懇願する。彗もその姿を見て歓喜に震える様子で卑猥な言葉を連発する。そして、くるりと体勢を入れ替え憐の魔羅を己の秘裂にあてがった。

「ふふっ……。それでは旦那様のおちんちん…頂きますっ。」

 早く僕のおちんちんを食べてと言わんばかりのつらそうな顔の憐だ。それを見てぞっとする様な淫らな笑みを見せた彗は、腰を下ろして憐の欲棒を咥えこむ。
 途端にきゅうっと絞めつけて怪しく蠕動する心地よさが憐の剛直を襲った。何度も何度も限界以上に我慢させられた憐はもはや耐えられなかった……。

「あ゛〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」

 たちどころに獣の様な絶叫を上げた憐は濁流の様な精を彗の蜜壺の奥に叩き込んだ。凄まじい快感が下半身を包み、頭の中で白い火花が弾け続ける。何度も何度も叫び続け、何度も何度も濃い精を彗の子宮に注ぎ込み続けた。

 そんな憐の様子を喜悦満面の表情で眺め、ひたすら腰を打ち付け続けていた彗だった。だが、胎内を満たし続ける精の味わいに酩酊したかの様に絶叫した。

「いっ…いいいいっ…!!お○んこっ!!お○んこがいいっ!!そんなぴゅーぴゅーされたんじゃっ…らっ…らめぇぇっ!!
だんなさまの精で…せいで赤ちゃんのお部屋がいっぱいになっちゃうううっ………………。」

 普段はお淑やかな彗もここぞとばかりに魔物の本性を見せて叫び続ける。どろりと輝く瞳は燃える様に赤く輝いている。憐は彗の淫らすぎる姿を目に焼き付けながら意識を失った……。















「ねえ…すい…。抱っこしてくれるかな?」

「はいっ…。こうですか?ぎゅーっ」

 あれから何度も何度も彗の胎内に精を注ぎ込み続けた。獣じみた情欲はようやく去ったものの、なおも心が疼くような切なさは憐の体内に留まり続けていた。すっかり理性から解き放たれた憐は彗にひたすら甘え続ける。今も彼女に抱きしめてもらって安らいでいる。

「きもちいいよ…。すい…。もっとぎゅーってして…。えーと…ぐるぐる巻きにしてもらっていい?」

「ふふっ…。とっても素敵な顔をしていらっしゃる…。可愛いですよ…。旦那様…。はいっ…。ぐるぐるーっ。」

 陶酔感でとろけそうな憐の顔を見て彗も心から喜ぶ。憐が何の気兼ねも無く自分を求めて、そして甘えてくれるのは、何よりも代えがたいほど嬉しい事なのだ。
 おねだりする憐に優しい笑みを見せた彗は、蛇体を彼を絡みつかせ優しく包み込む。彗の暖かい体と甘い匂いに全身を包まれた憐はうっとりとして身を委ねる。交わりが終わった後の優しく暖かい至福の時間だ。

「彗…彗…。大好きだよ…。」

 夢心地の憐は彗をぎゅっと抱きしめ顔を胸に押し付ける。とっても暖かい双丘の谷間…。これさえあれば何もいらない…。そう思わせてくれる癒しの空間に顔を埋める。

「私もです…。心からお慕いしております…。旦那様…。もっと…もっとよろしいのですよ…。存分に私の体をお使いください…。」

 彗の優しい囁き声を聞いていた憐はますます心に甘いものが満ちて行った。たまらず彼女の乳首に口を寄せちゅっちゅと吸い続ける。そんな彼を母親の様な慈愛深い笑みを浮かべて彗は見守り続ける。

 かつて憐が心から願い続けても母は優しく笑ってくれなかった…。ふと、その事を思いだした彼は思わず涙ぐんだ。いけない…。恥ずかしさのあまり顔を隠したが彗は何も言わず微笑んだ。そして労わるように憐の頭を抱いて甘くよしよしと撫でてくれる。その温かさと安らぎに憐はひたすら溺れて行った……。















「あの〜…。彗…。」

「如何いたしました?旦那様?」

 もう夜になりすっかり気持ちも落ち着いたが、相変わらず憐は彗に身を寄せて蛇体に包まれている。暖かで、安らかで、良い匂いで…この心地よさからはもう離れられないだろう。
 完全に魔の眷属になってしまったな…そんな諦観が少し心に浮かぶが、でも…別に気にする事は無いんだ。愛する彗のもとに居られるのだからそれでよい…。安らかな心持が憐の暗い思いをたちどころに打ち消す。

 でも…いつも注ぎこまれる彗の魔力の事は少し不安だ…。本当にあれはおかしくなりそうな位に気持ちが昂る。まさか彗が酷い事はすまいと思うが…。聞こうか聞くまいか躊躇する憐の思いを察した彗は、真紅の優しい目で憐を見つめる。

「旦那様…。なにかお悩みのようでいらっしますが…。私に話して下さいませんか?旦那様のお悩みは私の悩みでもあるのですから…。」

 心から安心させる様な笑顔の彗に勇気づけられた憐は決意して話し出す。

「あのね…。彗の魔力の事なんだけど…。あれって…。大丈夫…だよね?」

 憐の瞳に浮かぶのは不安そうな色だ。彗はしまった!と思わず罪悪感を抱いた。でも当然彗は悪気があった訳では無い。魔力を注ぎ込む時の憐の怯える表情がとても可愛らしく、彼女の情欲を最大限に高めてしまうのだ。
 
 それに魔力を入れるという行為にしても、憐の心を解き放ってあげたい…。ずっと私だけ見ていてもらいたい…。と言う願いからであり、苦しめてやろう。ひどい目に会わせてやろう。と言った嗜虐的な思いは皆無と言っていい。

 でも、その思いはどうあれ憐は少なからず不安に思ってしまっている…。愛する旦那様に申し訳ない事をしてしまった…。後悔した彗は憐を優しく抱きしめた。

「そうですよね…。本当に申し訳ありません…。私が旦那様のお気持ちを考える事無く無茶をしてしまって…。」

 すまなそうに何度も頭を下げる彗に憐は慌ててかぶりをふる。

「ううん!違うんだ。彗が変な事はしないって事は良く分かっているよ…。ただ…ちょっと不安になっちゃって…。ごめんね…。僕が臆病で細かい事を気にしちゃって…。」

 今度は逆に憐が申し訳なさそうな顔をする。旦那様のそんな愛らしい姿を見ていた彗の心はきゅうっと絞め付けられるように疼き、急激に庇護欲と独占欲が高まって行った。
 本当に素直で愛すべきお方だ。私が生涯守っていこう。骨の髄までとことん愛して差し上げよう…。そんな思いで心がいっぱいになった彗は、穏やかに教え諭すように語りかける。

「旦那様…。ご安心くださいませ!私の魔力は旦那様に全く悪影響は与えませんからっ!ただ…あれは旦那様と私が生涯ずっと離れず暮らせますように、と言ったお呪いみたいなものなのです。」

 自信を持って語る彗に憐の不安も溶けて行った。そうだ。間違っても彗は僕に酷い事をするはず無いじゃないかと。憐は安堵して思わず微笑む。それを見た彗もほっとした様な表情を浮かべた。

「それとも……旦那様はこの彗と離れ離れになりたいのでしょうか?もしそうでいらっしゃるのなら…」

「やめてよ。そんな訳ないじゃないか!もう僕は彗がいないと生きて行けないんだからっ!」

 からかう様にそっと笑った彗に慌てた憐はしがみつく。憐の可愛らしい姿を堪能した彗は、彼をなだめる様に蛇体で包み込むと優しく抱きしめた。
 もちろん白蛇の魔力はお呪い程度のものではない。憐は彗から別れようと思う事すら出来ないほど、魔力で心を支配されてしまっている…。

 だが、今後生涯を憐と共に生きていこうとする彗にとって、いかなる手を使おうと彼の心を己だけの物にするのは当然の事だ。それは全く考えるにも値しない事なのだ。

「申し訳ありません。旦那様のお気持ちは承知しておりますよ。もちろん私も旦那様が居なければ生きて行けません…。私たちは生涯ずっと共に、心まで一つになって生きて行くのですから…。」

 そう言った粋は華やぐような笑みを見せた。いつも憐が大好きな優しい微笑みを。そしてかつての憐が見ることが出来なかった母としての笑顔を…。
 素敵な笑顔に思わず見とれていた憐だが、急に胸がいっぱいになってしまい彗の唇を奪った。そして互いに舌を絡めあって延々と貪り続ける。彗の甘い唾液を吸って頭がぼーっとして来た憐は彗を潤んだ目で見つめた。

「ふふっ…。それではもう少し楽しみましょうか…。今度は旦那様の好きにして下さいませ。私はいつも旦那様のものなのですから……。存分に使ってくださいね。」

 蕩ける様に笑う彗に憐は夢中になってむしゃぶりついた。二人の長い夜はまだ始まったばかりだ………。











17/10/30 21:52更新 / オダギジョ ・ リー

■作者メッセージ
まずは書き手スレ7の158様に厚くお礼を申し上げます。
158様の「筆を握るってなんか卑猥だね」という書き込みがなかったらこのSSは生まれなかったでしょう。ちなみに159は私です…

この「筆を握る」という言葉からイメージが湧いてきて一気に書き上げましたが、またしても白蛇さんのSSになってしまいました…。

ごめんなさい…。私、白蛇さんが大好きなんです!ほかにも白蛇さんの書きたいお話がまだまだあるんです!どうかお許しを…。

それと、申し訳ありませんが連載のほうはもう少しお待ちください…。

今回もご覧いただきありがとうございます。


6月22日 タイトル変更しました 

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