連載小説
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Pにさよなら/決死の土下座
絶望が私のゴールだ!
どうも、大御門友季です。

みんなが嫌いなものは何かな?
私は他人とのコミュニケーションです!

どれぐらい苦手なのかと言うと、お店のカウンターで注文するのが苦痛なレベルだぞ!人を前にすると何を話したらよいかわからなくなってパニックになるんだ。
ぶっちゃけ何をしてもウザがられる気がして何も話せなくなる。そして何とか会話を終えると脳内で一人反省会をしてヘコむのだ。

そのため私が家族以外で唯一まともに話せるのは旦那様だけだった。
……結婚したってことは旦那様も家族か。やべぇ友達0人になったわ。

彼は私と出会った小学校低学年の頃はボッチで、そのため
『人を見る目が肥えていない=私のさもしい性根を見透かされない』
と判断した私は安心して話しかけることが出来たのだ。
ボッチはボッチにしかぶつかれねぇんだよ!

初めてできた友達に舞い上がった私はひたすら彼に尽くしたよ。風邪をひいたら看病に行ってやり、家に帰らない彼の両親に代わってほぼ毎日手料理をふるまった。おかげで料理だけは数少ない私の特技になった。後から知ったことだが、彼らの両親は政略的な結婚を強いられ、跡継ぎである彼が産まれてからはお互いに愛人を作っていたらしい。
初めて聞いたときは少女漫画にありがちな家庭の歪みだなとか呑気に考えていた。

いや、ぶっちゃけ最初は友達だと思っていなかったな。
なぜなら彼が寂しさで泣くのを見ると安心したからだ。普通、友達ならそんなことは思わないはずだ。幸い両親の愛には恵まれた私は、自分よりも人の愛に恵まれない彼を心の慰み者にしてプライドを保っていたのだ。

そのうち彼が本気で不憫になって「安心しろよ!ボッチのよしみで私が大御門を総人口60億人分好きになってやる」とかアホなことを言い出して……お願いです魔王様、私の頭をぶん殴って記憶を飛ばしてください

そうこうしているうちに奴はメキメキとスポーツやら学力やらの才能を伸ばし、リア充ロードを爆速で進みやがった。

おい、やめろよ!お前はそんな恰好良い奴じゃなかったろ?
なんでもかんでも卒なくこなしやがって!
お前がキラキラしている組に入ったら私は完全に孤独じゃないか!

奴との差は所謂進学校と呼ばれる高校へ入学したあたりから明確になっていった。私がいくら勉強しても平均少し上までしか届かないのに、奴はそれが当然であるかのようにトップをとっていく。
奴と一緒に生活するようになってから、決して埋めることのできない差があることを思い知らされた。
勘弁してくれよ、私には何も進歩がないのに!
友達が出来ないと泣いていたときから何も成長していないのに!
奴はどんどん先へ行ってしまう。
頼む!少し待ってくれ!……ほんの少しでいいんだ!
私を置いていかないでくれ!
私を一人にしないでくれ!!








ーーーーーーーーーー
目が覚めた。
酷く不愉快な夢だった。
目の前には奴の顔。
優秀で絶対に失敗しない奴だと思っていたが、どうやら嫁選びはミスったみたいだな。

さて、今は深夜2時すぎ。
悪夢のせいで中途半端な時間に起きてしまった。
もう一度眠ろうにも先程の変な夢のせいで眠れない。
寂しくて眠れないだなんていよいよメンヘラじみてきたなと自嘲しながらTwitterでも見るかとベッドの上に放っておいたスマホを手探りで探す。

……ん?
何やら硬い手ごたえ。でもスマホとは形が……チンコだこれ!
少し前、明るい所で観察したときは目測でMGガンダムよりも一回り長かった覚えがある。ってことは20cm弱くらいか。これが大きいのか小さいのかは奴のしか知らないので私にはわからん

手で弄りながら考え事をしているうちにムクムクといたずら心が湧いてくる。そういえば眠れないときは少し運動すると良いってネットで見たな。

いつもは喘がされてばかりだけど、奴が寝ているうちならば……!
早速腰を上げて、先程から手の内にあったそれを入り口にあてがう。

「明臣君?早く起きないといたずらされちゃうよ?」

なんだか妙に興奮してきたぞ!オラ、ワクワクすっぞ!

相手が無抵抗だと理解していれば普段なら絶対にできないことも可能だ。例えばディープなかんじのキスとか。
白状すると普段の私はマグロだ。いや、夫婦なんだし性行為は普通にすべきなんだろうが、つい最近記憶を取り戻したばかりの私にとっては高校時代のルームシェアの延長という意識が強いのだ。そんなわけで私は普段、能動的に性行為に励むことはない。奴に痴態を見られるのが耐えられないのだ。しかし、今は違う。奴が寝ているなら普段できないようなことも我慢せずできるのだ。
旦那様を起こさないように慎重に、すこしずつ腰を下ろして彼自身を迎え入れた。











慎重に旦那様を引き抜き体勢を変える。睡眠姦をしたなんてバレたら欲求不満だと勘違いされる。ただでさえ毎回ヘトヘトになるまでするってのに、これ以上好き放題されたら抱き潰されて朝まで動けないコースに直行してしまう。そんなもん週末だけで十分だ。

奴のまだ硬さを保っているそれを咥えて証拠隠滅もしておく。

適度に倦怠感があり、寂しさも収まった。今後も似たことがあれば甘えさせてもらうことにしよう。あとはこのまま気怠さにまかせて眠ろう。何食わぬ顔をしていればバレないさ。

「おやすみ。愛していますよ、旦那様」

眠りに就く前におやすみのキスをして彼の顔を見る。……次の夢では彼の隣に居られるように。見慣れた金色の髪、目鼻立ちのはっきりした顔、優し気な瞳……

















瞳?













……瞳!?


















明臣テメェ!いつからだ!!いつから起きてやがった!?

「友季が起きる少し前。うなされてるみたいだから起こそうかと思ったんだけど、友季の寝顔見てたらムラムラしてきちゃって、寝込みを襲っても怒られない方法を考えてた」

何で止めなかった!

「いやぁ、俺が起きてたらあんなにサービスよくないでしょ」



 思 い 出 さ れ る 自 分 の 痴 態

 吐 い た 甘 い 言 葉

 自 尊 心 の 崩 壊

 羞 恥 に 染 ま る 頬




もういっそ殺してくれ!!

「既に死んでるでしょ」

無くなりたい……ただ、こう……消えて無くなりたい

膝を抱える私の横で奴はスマホを弄っている。

「……何してんの?」

「明日午前休むことにした」

「なんで?」

「わかってるくせに」

いやぁもう私は満足しましたぜぇ?

一人にしないで欲しいんでしょう?


は、……へ?

奴がニヤニヤと笑っている。
おいおい口に出てた…?
悪い冗談だよね……?

「ねぇ、どうしたら忘れてくれる?土下座?おちんちんしゃぶる?

もう自分でも何言ってんのか分かんない!

「悪いけどこれは永久保存だわ。友季さんのストレートなデレは貴重だもん」



は、ははは……
あ〜はっはっはっはっは……





















し”ま”す”ぅぅぅぅ!いっぱい”えっちし”ま”すぅぅぅ!あ”か”ちゃんいっぱい産み”ますからぁぁ!

「あの、友季?」

クソ雑魚ま”んこい”っぱい”つかってたねづけしていいですからぁぁぁ!!オナホ嫁ま”ん”こに”きょ”う”い”ぐじでいいでずがら”ぁぁぁぁぁぁ!!!

「友季さーん?」

全”部”忘”れ”でぐだざい”ぃぃぃぃぃ!!!!



今私の願い事が叶うならば翼なんていりません。
タイムマシンをください。





18/08/05 23:19更新 / 幼馴染が負け属性とか言った奴出てこいよ!ブッ○してやる!
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■作者メッセージ
「そういや今は総人口70億人だよね」

「それが何?」

「ノルマ10億人分増えたよね」

「頼むから言葉に出さないで!クッソ恥ずかしいから!気持ちとしてはそのつもりだから黙れ!!」

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