読切小説
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俺得物語サード
「あっちぃ…」

部屋で扇風機全開にして、俺は言う
このクソ熱い中、なんにもやる気にならない俺は、部屋でだらけ放題している

「次のニュースです…」

と、つけたは良いが全く見るものがないTVがニュースを告げる

川辺がどうとか言ってるな…

「川辺、かぁ…」

どうせ部屋にいてもクソ熱いんだ
そう思いながら、俺は外に出た

・・・

家の近くには、少し大きめの川がある

鉄橋の下の川辺で俺はボ〜っとしながら、対岸を見る

対岸には家族連れや何人かの大学生っぽいの、カップルっぽいのが楽しそうにしている

ーーーなんだって、人といたがるかねぇ

正直、俺は一人が好きだった
熱い時に無理して人といる方が熱いと思うし

それに、人といると落ち着けない
どうも他の人のペースにもっていかれてしまい、イヤなのだ


と、偉そうに言うが、実際はただ単に一緒に連む奴がいないのが正解だ

仕事の時間帯やらなんやらで、ほとんどの知人とは連まなくなっているのが現状だ

まぁ、それすらもたまに煩わしく感じてしまう辺り、俺自体相当捻くれてるんだろうな…
と、そんな時だった

ーーーチャポン

水からなんかが出てくるような音がしたのは

・・・

ふと、川を見ると上半身だけが出ている少女が目の前にいた

長い髪が濡れていて、なんとなく艶っぽいが、無表情でこちらをじぃ〜っとみている

俺は何も言わず、彼女を見ていた

と、彼女がこちらに近づいてきた

水の中から、彼女の手足が見えーーー

「は?」

その少女の手足は、普通と違った

水掻きみたいな、なんて言うかーーー

異形な手足だった

無表情、無言で近づいてくる彼女
正直、こんな異形な手足をした奴が近づいて来るのだ
普通なら逃げるなり、悲鳴を上げるんだろう

が、俺にはどちらも無く、只々彼女に魅入っていた

・・・

異形な手足をした彼女は、無言で俺のアグラをかいていた中に座って来る

「あの…冷たいんだけど」

濡れたまんまで座って来たのだから、俺も当然濡れる

が、彼女はこちらに振り返り、頭をペコリ、と下げたらまた前を見る
と、身体の力を抜いたのか、俺にもたれかかってくる

ーーー近くで見なければわからなかったが濡れた水着が身体に張り付いていた
もたれかかってくたおかげで、おれはその少し膨らんでいる胸が見えていた

ーーー勘弁してくれ

正直、ここまで無防備だと、俺も色々したくなる
実際そういった事に縁もなかったし、いきなり向こうが来たんだ

「…スゥ」

ーーー不意に聞こえたのは、寝息

「…アホらし」

こんな見ず知らずの人間みて信頼してる子に、俺はなにしようとしてんだか…

「…俺も寝るか」

この子を起こさないように、俺も寝る事にした

・・・

目が覚めたら、最早夕方だった
対岸は、まだ騒がしいみたいだ

と、横をみると、あの子が座って、こちらを見ていた


「なんか、珍しいか?」

首を横に降る彼女
なんて言うか…ホント、喋らないし表情変わらないな

「さて、と」

俺は起き上がり、立ち上がる

横にいる彼女は、思った以上に小さい
俺の鳩尾位までしか身長が無いようだ

「俺、帰るわ」

特に言う必要も無い気がするが、彼女に告げる

帰ろうと振り向いた時だった

なぜか、後ろからよくわからないオーラが漂い始めていたのだ

振り返ると、相変わらず無表情な彼女が立っていた

「…帰るな、ってか?」

相変わらず無反応
が、雰囲気は十分伝わって来た

「っても、腹も減ったしなぁ…」

ピクッと動く彼女
対岸を見始め…

「言っとくが、向こうからぶんどろうとするなよ?」

振り向いた彼女は、無表情ではあるが、なんでわかったと言うような雰囲気を出している

「なんとなくわかったんだが…」

さて、どうしたものか…

と、一つの妙案が浮かんだ

「明日も、多分同じ位の時間に来る」

最初キョトンとした雰囲気を出していた少女だが、意味を理解してか、嬉しいオーラを全開に出している

「…明日はなんか食い物持ってくるな」

これからの俺の日課に、川に来るが追加された瞬間だった




11/07/27 21:53更新 / ネームレス

■作者メッセージ
どうも、ネームレスです

さて、暑いですね…

こんな日は川にでも行きたいな…行ったらサハギンに会えんじゃね!

って、アフォなテンションにより出来ましたw

まぁ、雨でいけなくなったんですがね…

…行けばぬれおなごさんに会えたかな?

それでは最後に、ここまで読んで頂き、ありがとうございます!
今回は特に感謝です!

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