連載小説
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いきなりワイト
おっすオラ中卒!
学歴が消えていくなら俺はせめて明日が欲しい!
どうも、大御門友季です。

突然だけど、巨大ロボットや特撮の中盤に欠かせないものって何かわかるかい?そう、パワーアップイベントだね。

なんか強敵が現れて、絶対絶命のピンチに新たな覚悟と共に変身するのって良いよね!
私の一押しは龍騎サバイブの初登場回。

え?何故こんな事を話したかって?
いや、その……

なんか私、金髪になっているんだけど……

ベッド脇に配置された鏡を見たときの衝撃たるや。
パワーアップイベント的なものは特になかったし、ピンチもクソも毎日旦那様のナニに屈服しっぱな……ゲフンゲフン。とにかく、いつも通りに寝て起きたらパツキン(死語)になっていた。

何これハイパーモード?
あるいはキングフォーム的な?
病気ってことはなさそうだ。体の調子はむしろ良いくらいだ。

「旦那様起きて」

とりあえず愛しの旦那様を起こす。ぶっちゃけつい最近までゾンビらしくボーっとしていた私よりも旦那様のほうが私の身体に詳しいのだ。流石に母子手帳を渡された時はビビったが

ズルンッ

「……おい、ざけんな。明臣テメェ、コラ!ちょっ……待っ……

しかし旦那さ……奴(基本的に私はイチャイチャする気分の時以外は旦那様と呼ばない)は返事の代わりに朝から元気なソレを私の秘所へ突き挿れた。

「っ……朝勃ちを私で処理すんな!」

「これは夫婦間のコミュニケーションだよ」

奴は腰を動かしながら答える。つい先日まで人間のJKをやっているつもりであった身としては妊娠中の性行為に物凄く抵抗があるのだが、魔物娘としては妊娠中こそ数をこなすことが推奨されているらしい。マジかよ。

「……一回だけだからな!今日はデートって約束したよな!!」

「わかってるよ……って金髪になってる!?

今更かよ!気づくのおせぇよ!!

「……下の毛も金色になるんだ

ぶっ殺すぞ!……今朝起きたらこうなってた。心当たりない?」

「……そうか、ついにワイトになったか」

「ワイト?」

突然ですが私、攻撃力300守備力200になりました。

「ゾンビが精を大量に集めるとなる魔物だよ。ゾンビよりも理性的って以外はそこまで習性も変わらないし、気にしなくて平気だよ」

大量の精……ご苦労様です。

「ああ、ゾンビの魔物としての仕様ね。じゃあ特に生活が変わることはないか。安心した」

「いや、ワイトは貴族だからね。不死の国からパーティに呼ばれるようになる」

「うぇ!?……無視しちゃだめ?私のコミュ力知ってるでしょう?

ちなみに私はオンラインゲームですら他人が怖くてプレイできないほど対人能力がクソ雑魚である。学生時代は社会に出たくねぇと毎日のように叫んでいた。

「特に用事がない限りは行った方がいいな。それに俺と結婚した以上、ワイト化が無くても俺の実家のパーティには強制参加だぞ

「げぇぇぇぇ!!聞いてねぇし!

「言ってねぇし。というか去年や一昨年の祖父の誕生会とかゾンビ状態のお前を連れて行ってたよ。覚えてない?」

……そういや薄っすら記憶にあるわ!コイツの隣でゾンビらしくボーっとしてたわ!今後パーティの時だけゾンビに戻れねぇかな……

やだぁ!(鋼の意志)そんな時間あったらプラモ作るぅ!

「駄目で〜す!社交界デビューは免れませ〜ん!」

絶対行きたくない!(鋼のムーンサルト)どんなプレイでもするから許してつかぁさい!

「それじゃあ衆人環視駅弁社交界デビューといこうじゃないか」

うぁぁぁ前言撤回!レッツパーリー!イエスドクガンリュー!

「よろしい」

「自我を取り戻した直後に、ワイトって……重大イベント重ねるなよ」

「もしかしたら自我が戻ったのもワイト化の前兆だったりな」

「マジかよ……」

これならいっそおすましゾンビ人形の方がマシだったかもしれないなぁ……

「まぁ、パーティの話は追々するとして、着替えようか」

「!」

「映画デートに行くんだろ?」

「やったー!行く行くぅ!」

前言撤回!ワイト化しないことにゃ楽しめないこともある!
それは特撮だったり、ロボットだったり、旦那様との口論だったり。
とにかく私の手のひらはミサイルを発射するメカゴジラの如くクルクル回るのだった。


18/08/01 00:49更新 / 幼馴染が負け属性とか言った奴出てこいよ!ブッ○してやる!
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■作者メッセージ
友季さんは攻撃的だけど、チョロくて流されやすいタイプです。

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