マッドドクターの愛した死体 %02 c=15d %02 c=15d %02 c=15d

マドした 〜エログロ編〜

 ザクザクザク…
   ザクザクザク…
     ザクザクザク…

 冷え込んだ墓場に土を掘り返す音が響く。時刻は丑三つ時、いつもなら誰もいないはずのこの場所に今は一人の男がいた。

 ザクザクザク…
   ザクザクザク…
     ザクザクザク…      ガコッ!!

 スコップが何かにあたる。何かと言っても、墓場を掘り返しているのだから出てくるのは当然棺である。男は棺の位置を確認すると作業しやすいように、丹念に棺の周りを掘り返していった。
 棺全体が掘り起こされると今度は、棺の蓋に手をかけた。意図的に空けられた隙間にバールを差し込み、一気に体重を掛ける。両端四か所もやれば蓋は簡単に開けられた。男がいつも使っている葬儀屋と墓守はいつもいい仕事をする。言われた通り、棺の蓋は軽く閉め、墓穴は浅く、掘りやすい柔らかな土に変えておく。そう、男はこれが初めてではない。
 棺を横にずらすと豪奢なドレスを身に纏った女性の死体が露わになった。
 年の頃は16歳ほど、ロングの髪はその大半が銀色になっていた。静かに目を閉じられた顔には化粧が施され、まだ生きているかの様に錯覚させる。男は死体の顔をしばらく見つめた後、横に止めてあった荷車に死体を乗せた。墓を元通りに直した男は、荷車を引いて村へと帰って行った。そして、ある建物の横に荷車を着けると乗せていた死体を建物の中に運び込んだ。


 閉まる扉に掲げられた表札には、

         「ヘイヴン診療所〜医師 カイン・ボードウィン〜」



 カインは、手術台に載せた死体をまじまじと見つめる。載せるときに乱れたドレスの裾を伸ばし、手足の位置を整え、顔にかかった髪を払ってやる。まるで寝ている恋人に行う様に。
 そして、その上から香水を振りかける。それにより、漂っていた臭いがいくらかましになり、手術室いっぱいに香水のすっとする匂いが広がった。

「イザラ。君には随分と時間をかけたよ。もう少しだったのに、
 もう少しで私は学問所へ返り咲くことが出来たのに!!」

 狂った様に叫んだ後、カインは、イザラであったものに顔を近づけ、強引にその唇を奪った。もちろん、抵抗などない。硬く閉ざされた口は肯定も否定もせずカインのなすがままになった。

「君が死んでしまったせいで君の病気について書いた私の論文は台無しだ。
 ああ、また、笑われたよ。あの石頭の教授どもに。
 だけどイザラには関係ないか?君は死んでしまったからね!!」

<ビリィー!!

 カインはイザラが纏っていたドレスを胸元から一気に引き裂いた。固く、弾力を失った胸が切れ目から溢れでた。興奮したカインは、さらにドレスを引き裂いていく。肩口を裂き、胸元を全開にさせ、スカートの留め具を乱暴に壊して脱がし、露わになった下着を手元にあった鋏で切り取った。

「ふは、ふははははは!どうだ?死んでから犯される気分は!?
 悔しくても、恥ずかしくても何もできないだろう?死んでいるからな!
 君には償ってもらうよ。私を失望させたことを。永遠にね。」

 当然の如く何も反応を返さないイザラを無視し、部屋の隅からあるものを取り出した。

「君には私の標本になってもらおう。
 何、私はそう言うものを造るのは得意だ。」

 カインは取り出した大きな斧をわざとらしくギラつかせ、イザラの顔に灯りを反射させる。そんなことをしても無駄であることはよく理解しているはずなのに。

「まずはその邪魔な手足を落そう。
 あとでちゃんとくっつけてあげるから、心配はいらないよ。」

 振りかぶった斧は寸分違わずイザラの脚を太ももから切り離す。カインは同じように残りを床へと打ち捨てていった。
 それでも静かな顔をしているイザラにますます興奮を覚えたカインは自身の分身が硬くなってきていることに気付いた。

「………イザラ。っくう。」

 服を脱いだカインは、用意した油を取り出し、イザラの秘部と自分のモノに塗りたくった。特にイザラの方は、硬直により硬くなり、愛液も出ないので丹念に塗りこんだ。膣内に指を挿入れる際にはさすがに指が止まったが、迷いを振り切るように中指を一気に押し込んだ。
 イザラの顔を見る。それでも閉じた目が開かれることはない。

「くうぅ。くそぅ、くそぉ、くそっ、くそおおおお!」

 今度は、戸惑うことも、躊躇うこともなく剛直を冷たいイザラの膣内に押し込んだ。油のローションのおかげで硬く、冷たいイザラの膣内でもスムーズにスライドすることができた。奥に抵抗らしきものはあったが、あまり血が出ないので確認しようがなく、今のカインにとってはさらに興奮を高める材料でしかなかった。
 軽くなったイザラの腰を押さえつけ、一心に腰をぶつけるカイン。台が軋む音と一人分の喘ぎ声、後は肉と肉がぶつかる音だけが部屋に響く。

ギシギシギシギシギシギシッ
パンッパンッパンッパンッパンッ
はぁっ、はぁっ、はぁっ、つあぁ、くぅ

 単純な輸送だけでも、案外感じてしまうもので、カインは、程なくしてイザラの膣内に対照的なドロドロとした精の塊を吐き出した。

「ぐっ!うぅぅ…。」
ビュクッ、びゅるるるる

「はぁはぁはぁ、どうだいイザラ?膣内にたっぷり出してやったよ。
 嬉しいかい?
 嬉しかったら目を開いて返事をするんだ。なぁ、どうなんだい?イザラ、イザラ!!」

バッ!! ガチャン!!

 カインは、手術台の横から手術用メスを乱暴にひっ掴むとイザラの胸の真ん中に突き立て、

「どうなんだと聞いてるんだああああああ!!」

 一気に下っ腹までメスを引いた。メスは胸元から下腹部にかけてを綺麗にぱっくりと切り裂き、イザラの内面をさらけ出すことに成功した。
 乱暴に引いたためメスの刃は欠け、使い物にならなくなったが、カインは、それを投げ捨てて狂ったように笑った。いや、既に手遅れなのかも知れない。

「ひは、ひははははは、はははは、あ〜はははっはは!!
 はは、はっ、はは………。
 ……………ぐふぅ、ぐっ、あ、あああああ。うああああ。
 イザラ、私を、私を許してくれ。君を治せなかった私を。
 希望を持たせてしまった私を!」

 イザラの上に覆い被さり、カインは大声で泣いた。



       ドクンッ!




「んぁ?」

 抱きつき、大泣きしていたカインは、確かにその音を聞いた。しかし、それはあり得ない音だ。その音を信じられず、呆けた顔でイザラを、正確にはイザラのある一点を見つめた。


      ドクンッ!!


 今度は間違いではない。それは確かに鳴っている。
 カインはメスで切り裂いた胸を大きく開き、覗き見る。

 ドッドッ!ドッドッ!ドッドッ!

 音だけでなく動いている。そう、イザラの心臓が動いているのだ。

ドッドッドッドッドッドッドッドッドッ!
「馬鹿な。こんなことが。」

 心臓の鼓動はどんどん速く、大きくなっていく。それと同時に、おかしな現象も起きている。
 心臓は鼓動に従って黒く黒く染まっていき、何かが溢れださんばかりに妖しい紫の光を放っているのである。黒い部分は、心臓から徐々に広まっていき、肺や骨を染めていく。黒い部分が内面いっぱいに広がると、今度は、肌の色が青白く染まっていった。

 その肌の色は、昔、魔物娘図鑑で見たあの魔物の色にそっくりであった。

 青白い肌が腕の切断面まで達すると、黒くドロドロしたものが腕から飛び出してきた。

「黒い…。これは、魔物の魔力、…なのか?」

 飛び出した魔物の魔力は、触手の様にうねり、何かを探すように漂ったあと、床に打ち捨てられていた腕に矢の様に突き刺さった。そして、突き刺さった部分から再び腕を青白く染め上げていくのだ。青白くなった腕は、びくんびくんと独りでに跳ね上がり、生きているかの様に痙攣し始める。

 魔物の魔力が切り離した両手足の指の先まで浸食し、イザラの顔までも青白く染めた時、よりいっそう心臓の輝きが増した。
 その輝きで我に返ったカインは、とにかく離れようと挿入したままの愚息を抜こうとした。

「こんな状況でもビンビンな息子には呆れるな。ぐあ!?」

 しかし、それは出来なかった。
 しっかりとカインのぺニスをくわえこんだイザラの膣内は、うねうねと蠢き、決してカインを離そうとはしなかった。もし無理に引き抜いてしまえば、余りの快感に射精してしまい、腰が抜けてしまうだろう。
 それほどまでの名器へと変貌していた。

 何とかしてぺニスを抜こうと四苦八苦するカインをよそに、輝きは最高潮に達し、不意に消え失せた。
 腕から伸びていた魔力の触手はなりを潜め、内面が黒く染まり、肌が青白くなったこと以外には元の死体と変わらない姿に戻った。
 いや、これほどまでに瑞々しく、生命力にあふれた死体があるのか?
(もちろん、膣はいまだにカインのぺニスを離さず、奥へ奥へと動いている。)

 カインは、抜くことを諦め、逆にイザラへと顔を近づけた。

「イザラ?」

 カインは、恐る恐る声をかけた。すると、それまで眠っているかのように静かに閉じていたイザラの目がゆっくりと開かれたのだ。
 濁った瞳がカインを見つめる。その濁りは死によるそれではなく、吸い込まれそうな深淵に、時折、妖しい光が混じった濁り。魔力の濁り。
 イザラは、『ゾンビ』になったのだ。

「あ゙ーーー♪」

「うおっ!?」

 カインを認識したイザラは、歓喜の声を上げながら顔を近づけてきたが、いきなりだったので思わずカインは、顔を離してしまった。

「あ゙ゔ〜?あー!あ゙ー!」

 イザラは必死にカインの顔を追いかけようとしているが、手足の無い状態では体を起こすことが出来ずにいた。
 首を伸ばし、口を開けて舌と唇を懸命に突き出す姿は、おそらくは、キスを求めているのだろうが、幼子が母の乳をほしがる姿にも似ていた。

「イザラ、私が分かるかい?カインだ。君の主治医だった。」

「あ゙いゔー?あ゙いゔー♪」

「はぁ、どうやらまだ意識が混濁しているようだな。しかし、それはそれで…。」

 イザラのその愛らしい姿と清楚だった生前とのギャップにすっかりやられてしまったカインは、このまま犯してしまうのもいいだろう、とセックスを続けることにした。
 まず、さっきから執拗にキスを求めてきている舌にこちらの舌先が触れさせて焦らしてやる。イザラは焦らされていることすら分からないのか、それでも舌先を伸ばして吸い付こうとしている。

「あゔー#んぁー!」

「分かったよ。ごめんごめん。」

 流石にいつまでも舌先をチロチロしているだけなのに抗議の声を上げる。口角から涎を垂らすイザラは準備万端と言ったところだ。
 カインは、先程とは正反対に、頭を台にぶつける勢いでイザラの口にむしゃぶりついた。イザラは、待っていましたと言わんばかりに喜びに目を細め、カインの舌に吸い付いた。
 ここに持ってきた時のキスとは段違いの味わいだと、カインは思った。冷たく乾燥していた唇はプルプルとした弾力を返し、反応しなかった舌はカインの舌に絡み付き、歯から舌の裏まで丹念にねぶりまわす。犯しているのがカインなのかイザラなのか分からない状況だ。

「んちゅぅあ、あむ、あ゙うあ゙、じゅりゅ、あ゙ぅ、じゅるる、ずちゃ、うむあ、ちゅ〜♪」

「じゅちゅぅー、ちゅる、ちゅばっ!っはぁはぁ、イザラ、ちょ、ちょっと休、うむ!?」

「い゙やぁ、ちゅぶ!ちゅぶ!れーろん、むう、うあ゙ぁあ♪」

 長い長いキスのせいでカインの方は酸欠ぎみになってきたが、イザラは一向にやめる気配がない。息継ぎすらしない。

「(そう…か、ゾンビは………息、しな…い。)」

 酸素に限界を感じたカインは半ば無理矢理、口を引き剥がし、ようやく一呼吸することができた。
 イザラは不満そうだったが。

「ま、待ってくれ。一息つかせてくれ。はぁはぁ。」

「あ゙ー、きゔー、きゔー!」

「ちゃんと続きをしてやるから。」

「ゔー。」

「(やれやれ、エロくなったのはいいが、こっちが持たんな。)」

 手で顔を拭い、大きく息を吐いた後、その手をそのまま下に降ろすとイザラの体が急に跳ね上がった。

「きゃう!?」

 何事かとカインは自分が下ろした右手を見直すと、ちょうどイザラの開かれた胸に乗っており、指が彼女の肋骨部分をなぞっていた。

「きゅあ゙〜。」

「すまん!痛かったか!?」

 慌てて手を退けるが、その僅かな擦れる感覚だけでもイザラの身体は震えた。

「あ゙っゔぅあ!!」

「…。」

「はう、はう。」

「イザラ、感じてるのか?」

「あ゙ゔ〜?」

 相変わらずの恍けた返事で埒があかない。
 今度は、もっと下、腸(はらわた)の方をなぞってみた。すると、明らかに艶っぽい声を上げて身体を捩らせる。どうやら、彼女は、内側を弄られるのが好みのようだ。
 カインは、なぞっていた指をそのまま腸の隙間に押し込んでみた。ほのかに暖かく、柔らかい。オマンコに挿入したかのように蠢いて指を放そうとしない。医師として沢山の患者を診てきたカインであったが、このような反応とは初めて出会った。
 そして、内側に欲情したことも初めてだった。

「うああ゙ぁ〜♪うっあ!あぁあぎぃ〜♪いぐぅ、えあ゙、いうあ゙ぁぁぁ♪ゔっ、うぇあ゙…///」

 余程気持ちいいのか、指一本入れただけで身体を大きく弓ぞりに反らした。背筋がビクビクと痙攣していることから派手にイってしまったようだ。息などしなくてもいいはずなのに大きく肩を上下させ、濁った瞳をさらに輝かせながら口端から涎を垂らす姿は、情欲を煽る。
 イザラが痙攣する度に膣内に挿入しっぱなしのチンポが締め付けられ、そのまま痙攣の振動を味わわされ、子宮に吸い上げられる快感がカインを襲う。特にさっきの弓ぞりで得たオマンコの締め付けは何もしていないのに危うく射精してしまうところであった。
 普通の人間なら血生臭さか死体の臭いでそれどころではないこのシュチュエーションを存分に楽しめるのは、流石ゾンビと言ったところか。

 一本でこの反応なら、もっと弄ったらどんな反応をするのか。
 カインは、先に押し込んだ人差し指を抜き、今度は、五本の指全てを差し込んでやった。

「あっ、あぎぃぃぃぃ!♪!♪!…ひあ、あ、っひぅい!ひぎゅっ、ひぎゅぅっぅぅ、うあぁぁ///」
<ビクビクビクビクっ!!

「くっ!イザラ、締め付けがっ!くぅあ、す、すごすぎて……!」

 イザラが感じすぎてビクビクと暴れるのでカインの指は何度も彼女の内を掻き回し、その度に膣が痙攣してチンポを締め付ける。跳ねては締め付け、締め付けられて掻き回す。快楽地獄に落ちてしまった二人はループから抜け出すことができず、互いに頂点に登り詰めていった。これまでとは比べ物にならないゾワゾワ感が背骨からチンポの付け根へと這い寄っていく。
 イザラの方はと言えば、ビリビリとした快感が腹と膣から子宮に押し寄せ、どんどんと脳へと送られてくるのを耐えていた。送られてくる快感が頭の中で脹らんでいき、それが弾けた時に意識が突き抜けてしまうことに恐怖し、また、期待もしていた。痛みも苦しみもない身体に唯一残された快楽が、彼女を支え、同時に狂わせていた。

「ゔぇあああ♪い゙ぎゅ、い゙ぎゅ、い゙ぎゅ、い゙ぎゅ〜!!あ゙ゔぃ♪ひあ゙、ひぃ!え゙ゔ!あ゙ひぃ〜!」

「ああ、ああ!もう、…出るぅ!膣内に、膣内に出すよ!はっ、うあああ!」

<どぷっ!!どぴゅっ!びゅく、どぷ!!

「いぎゅぅぅぅぅ?♪」「ぐぅううぅううぅ!!」

 濃く白濁した精液を膣内いっぱいにぶちまけた。びゅくびゅくと勢い良く出る精液が子宮口を叩いていることが衝撃でわかる。それほどの勢いをでもってイザラを穢していった。最後の一滴まで出し切り、その一滴を子宮が吸い取ったの感じてから、カインはイザラの上に倒れた。
 イザラの方は、白目を剥いて子宮がドロドロに溶けていく快楽に浸っていた。意識は身体から離れ、子宮に溜まった熱さが五臓六腑に染み込んでいく。性と生の充足を得ていた。

「せ、せん…せ…。」

「はぁはぁ、イザラ、君、言葉を…。」

「せんせ、すき。だいすき。せんせ、せんせ。」

「ああ、私もだよ。」

「うれし。せんせ、うれし。だいすき♪あっ♪」

 腸を掻き回していた右手を抜いてやると一際大きく痙攣し、イザラは静かな寝息を立て始めた。








 夜中に激しいセックスをしたカイン達が起き出したのは結局、次の日の昼過ぎであった。幾らかの精を吸収したイザラは簡単な言葉と断片的な記憶を取り戻すことができた。死んでいた間の話を聞いたが何も覚えていないようであった。

「くらかった。でも、せんせのこえ、きこえた。しきゅうあつくなって、おきたら、せんせいた。」

 ちなみに、昨夜切り落とされた手足とぱっくり開いた胸元から腹は、今は綺麗に縫い合わされている。ゾンビとは便利なもので、縫い合わせれば骨でもくっつくのである。おかげでこうして二人は椅子に座って話ができた。

「家の事とか覚えてるかい?ゴブレット氏の事とか。」

「とーさまきらい、おやしききらい、それだけ。」

「…そうか。」

 カインは、少し困っていた。自分の元患者をゾンビに変えてしまったのだ。しかも、その原因が元患者で標本を造ろうとした時にムラムラして犯してしまったから、なんて、説明出来る訳がないからだ。相手は大豪商の娘。ただでは済むまい。

「はぁ、やはり、一度ゴブレット氏に連絡して邸に…。」

「やっ!!」

「イザラ?」

「せんせといっしょ!せんせとがいい!!」

 カインを見つめる瞳は、やはり濁っていたが、その瞬間だけは生前の聡明で澄んだ光が戻ってきたように見えた。

「(もともと、妾の娘として冷遇し、それが原因で死んだのだから氏も強くは言って来れないだろう。それに…。)」

 ふるふると不安そうに見つめてくるイザラ。生前の彼女とは図分と変わっていしまったが、あの独特の可憐さと守ってやりたくなる儚げさは何も変わっていない。今ではそこに肌の色以外健康的で妖艶な身体と誘ってやまない淫靡な雰囲気がプラスされている。彼女を手放すことには、カインの全本能が拒否していた。否、男なら誰が手放せようか。

「分かった。君にはここに住んでもらう。私の助手をしてもらう。」

「じょしゅってなにぃ?」(小首をかしげるポーズ)

「(舌足らずでアホの子なのもgoodだな)私の手伝いみたいなものだ。」

「する!せんせ、てつだいする!」

 嬉しそうにはしゃぐイザラは、歳の割には幼いが、もっと精を与えれば元のお淑やかな彼女に戻るだろう。愛らしい彼女の仕草を見ていたら、カインはそれまで執着していたものが馬鹿らしくなった。考えてもみると、この長閑な村で美しくてエロい嫁とゆったり暮らしていくことは学問所に篭っているよりもずっと魅力的なのだ。
 そんな風に将来のことに思いを馳せていると、いつの間にかイザラがカインの目の前まで近寄っていた。上気した顔で。

「ど、どうした?イザラ。」

「せんせ、おなかへった。」

 イザラはそう言うと仮に着せていた男物シャツの前をはだけ、昨夜縫い合わせた胸元の切れ目を自分でこじ開け始めたのだ。

「お、おい!何やってる、傷が開くぞ!」

「え〜、だって、なかさわってもらえない〜。」

「なんでそんなに内蔵を触ってもらいたいんだ?」

「せんせ、てをいれられると、すごく、あったかい。きもちいい。いきてる。」

 ゾンビは、『生への執着』が性欲と同じくらい強い。愛しい男の体温を感じた時、その男の剛直で貫かれた時、そして、射精された時、もっとも生きている実感を得ると言われている。イザラにしてみれば、内側から温められたほうが、より生を感じることができるのだろう。

「ね、せんせ?あっためて♪」<くぱぁ(内蔵的な意味で)

 少なくとも外科の腕は落ちることはないな、とカインは思いつつ、前を大きく開けたイザラと一緒に手術室へと消えるのであった。

                                                 fin





                       〜後日談〜

 結局、イザラの両腕両脚の切り口と腹の切れ目は、イザラが自分で引きちぎってしまうので「ジッパー」を取り付け、いつでも取り外せるし、いつでも「内側」を温められるようにしましたとさ。
 めでたしめでたし。、

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 まずは、本SSをご愛読いただきありがとうございます。この話は夏ごろから、ピクシーSSを書いていた時から温めていたSSなのですが、CGIを取り巻く諸問題の中出そうかどうか死ぬほど迷ったSSです。
 何故、グロ表現にこだわったのかと言えばですね、私のポリシーにはその魔物娘にしかできないセクロスを表現しようと言うコンセプトがあるからです。
 その中でゾンビ娘に出来ることはないかと考えたすえ、グロ表現にたどり着きました。自分なりにゾンビ娘への愛情と、また、ゾンビ娘からの愛情をグロ表現抑え目で詰め込めたと思います。
 私の文章能力の低さでそれらが伝わらないかと思いますが、いたって真剣に相思相愛ハッピーエンドを目指して作られたSSであるとご理解いただければ幸いでございます。

追伸;掲示板のエロ魔物娘図鑑スレ3 >>805 〜 >>814 の流れには非常に助けられました。グロい内容でもやりようによては和やかに過ごすことができるのだと勇気づけられました。質問に答えていただいた方々には深く感謝します。

12/01/10 05:24 特車2課

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