連載小説
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孤独と貴女とオレと不安 後編
「おい、クロ!帰りにゲーセン寄ってかね〜か?」
高校からの友達。

「というわけよ。だから頼む。宿題くれよ!」
中学からの親友。

「そうそう、それでいいんだよ。それじゃあ次は自分と組み手をしてみようか!」
空手の師匠。

「ゆうた、漫画読み終わったけど見る?」
オレ達の姉ちゃん。

「ははは、何言ってるんだ。」
オレ達の父親。

「ゆうた!いつも下着片付けなさいって言ってるでしょ!」
オレ達の母親。
そして

「ゆうた!アイス買ってきて!」
オレの双子の姉。

いつもの日常。
いつもの毎日。
変わらぬ退屈。
平和な日々。
ずっと続くと思っていた。
このまま高校を卒業して、大学へ出て、就職をして…。
このまま誰かを好きになって、誰かと結婚して、家庭をつくって…。
家庭のために仕事を頑張り、子供達が結婚して、孫ができて…。
それで最後は子供達と孫達に看取られて死んでいく…。
そんな人生送ると思ってた。
でも―

オレは目を覚ます。
寝ぼけた目で周りを見回そうとしてやめた。
さっきまでの出来事。
あまりにもリアルすぎる…いや、あれはリアルで当然。
あれが現実なんだから。
「起きられましたか?」
目の前から聞こえる優しい声。
その声は意識のなくなる直前まで聞いていたエリヴィラのもの。
一気に頭が冴えた。
そして自覚する。
今が現実であるということを。
もうあの世界には戻れないということを。
目を開けたその先にはエリヴィラの綺麗で整った顔があった。
…近くね?
「…あれ?」
体の様子がおかしいことに気づく。
温かい。
まるで抱きしめられてるかのように体が温かい。
「すいません。あの後気を失われたのでベッドに運ばせてもらいました。」
ああ、ここベッドね。
…いや、ベッドにしちゃなんか変な感覚なんだけど。
腹から背中へと何か太い綱みたいなものが隙間なく巻きついているというか。
見てみてばそこにあるのは太いもの。
表面には鱗。まるで蛇の体みたいな。
あ、これもしかしてエリヴィラの蛇の部分か?
…え?なんで巻かれてんの?
「こうした方が運びやすかったので…。」
ああ、なるほど。
今の自分の状況を見てみると、どうやらオレはエリヴィラに巻かれているらしい。
…あ!やば!
この状況思い切りエリヴィラのお望み通りじゃん!
オレの貞操が危ない!
しかしエリヴィラは何もしてくる気配はない。
襲ってくる気配はおろか、動こうとする意志も見せない。
「…どうしたのさ?この状況はお望みなんじゃなかった?」
「…すいません。」
いきなり謝ってきた。
とても真剣な声色で。今までの必死さや期待に満ちていたのとは随分はなれた声で。
わけがわからない。
エリヴィラに謝られるようなことは…されたはされたがここまで真剣に謝られるようなことだったか?
そこで不意に強く抱きしめられた。
いつの間にかオレの後頭部へとまわしていたエリヴィラの両手がオレを引き寄せ強く抱く。
オレはなすがまま彼女の胸へと顔を埋める形になる。
「えっ?ちょ!?エリヴィラ!?」
「すいません…。」
エリヴィラは再び謝った。
オレの頭を強く抱きしめて。
そして口を開く。
そこから発せられた言葉は謝罪の意がこめられたもの。
「ユウタ君がこの部屋へ来てくれたからとても嬉しくて…舞い上がってしまって…すいません。」
「…。」
「この世界とは別の世界から来たあなたにとっては未知の領域…混乱しないわけがありませんよね…。」
そりゃ…混乱はしたさ。
貴女が初対面で求婚してきたのなんか特に。
「これじゃあ…ただの迷惑ですよね…。」
自嘲気味に小さく笑う。
その声を聞いてなんとも言えなくなった。
迷惑だ、なんて言えるわけもない。
少し面食らっただけなんだから。
「体…震えていますね。」
言われてハッと気づいた。
抱きしめられているのに指先が小さく震えている。
「私が…怖いですか?」
「…。」
「この体勢は嫌ですか…?」
「…。」
「嫌ならば…すぐに解きましょう。でも少しだけ…ほんの少しだけでいいので…こうしていてもらえませんか…?」
「…怖くない。」
そこでオレは口を開いた。
「怖いから震えてるんじゃないんだ。…これからこの世界でどうやって生きていこうかわからなくて…ただ…不安なだけ。」
本当は怖い。
未知の世界に踏み込んでこれから先どうやって生きればいいのかわからなくて。
平穏な世界にいられなくて。
もう、二度とあの日常には戻れなくて。
―でも、それ以上に嫌なことがある。
目の前の女性が苦しんでいる。
ずっと一人で孤独に苦しんでいて、オレを求めている。
ここでオレが逃げ出せば彼女はまた一人。
そしてオレも一人だ。
でも、オレがこの女性と居続ければずっと二人。
互いに孤独じゃなくなるし、互いに不安でもなくなる。
だったら少しの不安くらいどうってことない。
「その不安もどうせすぐに消えるもんだし…。それにこの体勢は嫌じゃない。」
腕をエリヴィラの背に回す。
彼女の気持ちに応えるように。
オレからも抱きしめる。
「気が済むまで…いいよ。」
エリヴィラの目を見て、言った。
少し気恥ずかしげ微笑んで。
それに対してエリヴィラは驚いたような表情を見せてからすぐに優しそうな、嬉しそうな顔になる。
「ありがとうございます…。」
オレの体をさっきよりも強く抱きしめた。

温かい。
エリヴィラの肌から感じる体温がとても温かで落ち着く。
よい香り。
香水でも出せないような香りがオレを包む。
満たされるような抱擁。
満ちゆく安心感。
ずっとこうしていたくなるような…。
高級感溢れるベッドに横たわるオレ達。
孤独に生きてきたエリヴィラ。
不安に包まれるオレ。
仮にも男女が抱き合っていて、その相手が互いに安心させる相手であり、孤独を埋める存在である。
そうなれば自然と、起こることは起こる。
「ユウタ…君…。」
顔を上げれば目の前にあるのはエリヴィラの顔。
何度見ても綺麗で美しくて、魅入ってしまいそうになる人外の妖艶さ。
オレを求てくれる一人の女性。
エリヴィラの頬が赤く染まり、そっと顔を近づけてきた。
オレもそれに答えるかのようにゆっくりと近づけていき―

唇が重なった。

「ん…ちゅ。」
「ん、ん。」
触れるだけ、重ねるだけの静かなキス。
単純なものだけどそれだけでも心は満足していた。
エリヴィラの唇の温もりが気持ちを和らげる。
いつの間にか手も重ねていて、まるで恋人のように指を絡めあう。
絡めただけだというのにそこから快楽が流れた。
「ちゅ…これが…キスというものですか…。」
唇を離しエリヴィラは言った。
驚いているというよりは感動しているといった感じで。
頬を赤くしながら言うその様子は純粋無垢な少女のみたいだ。
「初めてですが…これほどまで良いものだとは思いませんでした…。」
「初めて…なんだ?」
「はい…初めては好きな人にあげたくて…。ユウタ君はどうなのですか?」
「えっと…その…オレも。」
ちょっと恥ずかしくなり頬をかきながらそっぽを向いた。
その仕草にかその言葉にかエリヴィラは嬉しそうな顔を見せる。
「そうですか…ふふ、とても嬉しいです。」
その言葉に、その表情に胸の奥が締め付けられる。
心臓を掴まれるなんて言うけどまさしくそれ。
嫌じゃない苦しさが胸のうちに広がった。
「もう一度…してもよろしいですか?」
遠慮がちに聞いてくるその仕草。
赤く染めた頬。
恥ずかしげに笑うその表情。
その全てが恋しく、愛おしく思えた。
「いいよ。」
今度はオレから顔を寄せ唇を重ねた。
さっきより強く、そして濃厚なキス。
官能的な、情熱的なもの。
ぬるりとエリヴィラの舌がオレの口内に侵入してくる。
蛇のように細く長い舌が踊る。
一瞬どうしようか迷ったがオレも答えるように自分の舌を絡ませた。
形を確かめ合うかのように強く触れ合えば互いを埋めるかのように絡ませて。
甘い唾液がオレの口内へと流され、飲み込む。
そしてオレからもエリヴィラの口内へ侵入する。
「んん…ちゅる…ん♪」
彼女の舌を撫で回し、口内を愛撫するかのように動く。
巻きつく舌と舌。絡む唾液。
甘い声とともに漏れる吐息。
長いキスを終え、唇を離した。
「ぷはっ…とても…昂ぶりますね。」
「はは、そうだね。」
二人で小さく笑いあう。
もっとしたい。
本能に任せたままにして目の前の雌を貪り尽くしたい。
そんな情欲の炎が体の内側からちりちりと燃え上がってきているが体はそれを容易に拒む。
エリヴィラと手を繋いでいるからか。
肌から伝わってくる温かさにか。
彼女により与えられた快楽にか、オレの本能は暴走しようとはせず理性と混ざりあう。
暴力的な欲望と忠実な理性が合わさって、エリヴィラを貪りたいというよりはもっとこうしていたいと思わせる。
もっと気持ちよくしてあげたい。
そんなふうに思わせる。
繋いだ手を離し、彼女の肌に這わせた。
「んっ…♪」
それに対してエリヴィラはオレの学生服へと手を伸ばす。
「外し、ますね。」
優しい手つきでオレの学生服のボタンを外していく。
一つ一つ丁寧に。
オレも応えるようにエリヴィラの体を撫でる。
腕から肩へ。
脇からくびれへ。
上から下へ。
蛇の下半身を撫でたら、今度は逆に上へと上る。
背筋を這い、首を撫で、エリヴィラの頬へ両手を添える。
エリヴィラのほうもいつの間にかボタンを外し終え、それどころか下に着ていたYシャツのボタンも外し終えていた。
彼女の手がYシャツの下の肌へと触れる。
「すごく逞しいです…。それに、温かい…。」
「エリヴィラの手も温かいよ。」
右手をエリヴィラの手と重ねた。
ただそれだけでも彼女は嬉しそうに微笑む。
…大人の女性がこういう顔するのはちょっと…反則だろ…。
見てるだけで胸の内乱されるというか…エリヴィラのことしか考えられなくなる…。
「私の胸も…触って…。」
エリヴィラは頬に添えていたオレの手をとり自分の胸へと押し付けた。
小ぶりの西瓜とでもいう大きなその胸はオレの手に収まりそうにもない。
「んっ♪」
エリヴィラの口から甘い声が漏れた。
柔らかい…。
力を入れるたびに形を変えていくそれ。
布越しに感じるマシュマロのような柔らかさ。
それと同時に伝わる心臓の鼓動。
軽く揉んでいると手のひらに少し硬さをもったものを感じた。
そこを指で撫でる。
「はんっ♪」
エリヴィラの体が跳ねた。
「ここ…いい?」
「はいっ…すごく…♪」
可愛らしい。
大人の女性に使う言葉じゃないかもしれないが、今のエリヴィラにはピッタリだった。
可愛らしくて、綺麗で、まるで女神がいるかのような。
そんな女神がオレによって身を震わせ、快楽に声を漏らす。
そんなことを考えるだけでがっつきたくなるが、それ以上に嬉しくなった。
「脱がして…いい?」
「はい…♪」
胸を覆う布を下から手を差し込み、ずり下げた。
布を取られたことによりエリヴィラの胸は揺れ、オレの目に晒される。
薄い青がかった肌の色は同じ。
でも先ほどからいじっていた小さく自己主張する突起。
肌と同じではなく綺麗な桜色をしていた。
青と桜色のコントラスト。
それがより魅力を引き出し、彼女をより美しくする。
「ちょっと…恥ずかしいです…♪」
「綺麗だよ。」
恥ずかしげに手をもじもじさせるエリヴィラ。
大人の女性がこう、もじもじするのって…なんかいいな。
そんなことを考えながら彼女の胸に唇を寄せ、
その桜色の乳首にキスをした。
「はぁんっ♪」
さっきより大きく跳ねる体。
さっきよりも高い艶のある声。
もっと聞きたくてさらに口を付ける。
唇で撫でるかのように吸い付き。
「ふぁ、あぁ♪」
摘むかのように唇で挟み。
「あんっうん♪」
舌で味わうかのように舐めあげる。
「ああぁぁん♪」
乱れゆくその姿が舌の動きを加速させた。
「ひぅっ、あ♪あっぁ…んん♪」
時折歯でも刺激する。
痛みを感じさせないようにできる限り優しい力で乳首を噛む。
「んんっ♪あぁ、そ、それぇ♪」
エリヴィラの手がオレの後頭部にまわされ、胸により強く押し付けられる。
感じてくれているみたいだな…。
その事実がとても嬉しくてさらに刺激を送る。
歯で乳首を挟みながら先を舌で撫で上げた。
「ひゃあぁんっ♪」
その行為にエリヴィラは体を震わせた。
今までで一番高い声を出して大きく震える。
イったのか…?
唇を胸から離しエリヴィラを見れば、
目はとろんとして口からはだらしなく涎が一筋垂れていた。
快楽に耐え切れずに崩れた顔。
優しそうなあの表情とはまた違う女の表情だった。
その顔を見るだけでもオレの気持ちが昂ぶる。
「どう、だった?」
「ふぁ…あ…すごく…よかったです…♪」
「そっか。よかった。」
エリヴィラの口から垂れた涎を唇で舐めとる。
二人で横になっているので頬から横へなぞるようにキスをした。
「ん。」
「ちゅ…あ♪」
キスだけでも反応してくれる彼女。
オレの行為で感じてくれているということがよくわかりオレを喜ばせる。
そこで後頭部へまわされていたエリヴィラの手が動き出した。
学生服、Yシャツを脱がし上半身を裸にされる。
オレの胸を撫で、あばらに添えられ、腹を這い、徐々に下へと進む。
その手はベルトで止まった。
「脱がし、ますよ…。」
緊張しているのかそれともオレのベルトがこの世界にないものなのかエリヴィラの手は迷ったように動く。
その様子が可愛かったがずっと迷ってると先に進まないのでベルトを外そうと手を出した。が。
「私にやらせてもらえませんか…?」
「え?」
「その…これから先のことも考えて…私が…あなたに尽くせるようにしたいのです…。」
…やばい、くるわ。
コイツはとんでもないくらいきた。
恥ずかしげに言うエリヴィラがとても可愛く見えて、それがオレの胸の中を締め付けた。
「それじゃ…。」
彼女の手に自分の手を重ねる。
「ここを…こうやって。」
手をとって教える。
重ねた手が冷たい金属に触れ、金具を外した。
緩むベルト。
そこからはゆっくりだけど手際よくズボンを脱がされ、パンツも取られた。
オレはエリヴィラに巻かれたまま裸になる。
「これが…ユウタ君の…♪」
うっとりとした表情で見つめられるとなんか困る。
その視線の先がオレのものっていうのも…。
さっきまでエリヴィラの胸を、声を、快楽に蕩けた顔を堪能していたからだろう。
オレのものは痛いほど張りつめていた。
今までに見たことがないくらいに大きく、強く。
それにエリヴィラが手を這わす。
「んんっ!」
「あっ!すいません!…痛かったですか…?」
「あ、いや、痛くはない。痛いんじゃなくて…よかった。」
初めて他人に触られたけどそれがこんなにも良いものだとは思わなかった。
びくびくとオレの意思とは関係なく脈うつそれ。
エリヴィラの手に包まれて快楽を享受する。
「すごい…熱いです。これが…私の中へ入るのですね…。」
甘い吐息とともに吐かれた言葉。
その一言だけでもオレの脳を刺激し、快楽へと変えられる。
「私のも…。」
そう言ってエリヴィラは腰に巻いていた布を取る。
これでベッドに横たわるオレ達はともに生まれたままの姿。
隠されるところはない。
ともに全てをさらけ出している。
布の下から現れたエリヴィラのそれ。
乳首と同じく桜色のそれは触れてもいないのに雫を垂らしていた。
ひくひくと蠢く様子を見ていると興奮を掻き立てられる。
初めて生で見る女のそれ。
人間の女性と同じような形をしていて背筋にぞくりと快感に似たものが走る。
「いれますよ…。」
オレのものに手を添え、自身のそこへと導かれる。
くちゅっと卑猥な音をたて、柔らかく湿ったそこに先端が触れた。
「んんっ!」
「ふぁっあ♪」
胸への愛撫かはたまたオレのものを触っていたからかエリヴィラのそこはしとどに潤い、蕩けるような熱を持っていた。
感じたことのない柔らかさと熱さがオレのものへ押し付けられ、感じさせられる。
これだけでも気持ちがいい。
それなのにこの中へと入るのだからいったいどうなるのだろう…。
未だ女性経験なしのオレには予想できるはずがなかった。
「入れますね…。」
エリヴィラは優しい微笑を向けながらオレの男の部分を自分の女の部分にあてがった。
じゅぷっ。
そんな音とともにオレのものはエリヴィラの中へ埋まっていった。
一度も止めることなく、一気に奥まで。
「ん、うっぁ!」
「あ、あああぁあぁぁあぁあぁああ♪」
蕩けるような熱。締め付けるほどきつい中。それでも柔らかく包む肉壁。
別の生き物のように蠢きながらオレのものを全て飲み込む。
まさしく蛇のような締め付けで、オレの全てを蕩かすような熱さで、そしてそれ以上の優しさがオレを包み込んでいる。
「ふぅ♪あ、あぁ…♪どう、ですか…ユウタ君♪あなたのものが…私の中に…あるのですよ♪」
快楽に溺れた表情。
それなのに慈しむような顔でオレを見つめてくる。
頬を赤く染め、眉を張りつめ、愛おしそうな瞳で囁くように言う。
綺麗だけど、妖艶だった。
美しいのに、色っぽかった。
「エリ、ヴィラ…。」
「ユウタ、く…ん…。」
巻きつく蛇の下半身がよりきつく巻きつく。
それによりオレの腰はさらにエリヴィラの中へと埋まる。
「ん…。」
「んむ♪」
何度目かわからないキス。
そっと触れそっと離し、こつんと互いの額をくっつけた。
「あったかい…エリヴィラの中。」
「ユウタ君のすごく…いいです…♪」
互いに小さく笑い、手をつなぐ。
指を絡め、より近づくように。
隙間を埋めるように。
孤独と不安を埋めあうように。
「これが…子作りなのですね…。他の魔物娘達が夢中になるのも頷けます。」
「初めて?」
「はい…キスも、純潔も、初めては…ユウタ君のためにとっておいたのですよ…♪」
「そっか。」
ちょっと身を乗り出してエリヴィラの耳元へ顔を動かす。
そこで囁くように言う。
精一杯の心を込めて。
「オレもだよ。」
「っ!!」
途端に締まるエリヴィラの中。
さっきよりもさらに強く痛みを感じる一歩手前の絶妙な強さで締まる。
それにより伝わる快楽は半端なものじゃない。
気を抜いてはすぐに果ててしまいそうなほど。
「ぅわっちょ…エリヴィラ…!」
「そ、そんなこと言われたら…んっ♪それだけで…もう…♪」
動き出すエリヴィラの腰。
円を書くようなその動きはオレを昂ぶらせていく。
オレのものがエリヴィラの中で撫でられ、子宮口に先端が吸い付かれる。
それはくっつき、離れ、まるでキスをしているかのように吸い付く。
結合部から愛液が溢れ出し、ぐちゅぐちゅといやらしい音を響かせた。
「はぁ、あ♪あん♪あぁ、ふ、ああ♪」
少しずつ加速していく腰の動き。
それに合わせて揺れる胸。
横になっているにも関わらずゆさゆさ揺れるそれはオレの胸板に押し付けられ形を変えた。
「ふぁ♪あぁあ♪ひぅ♪はぁん♪」
締まる蛇の体。
より強く押し付けられる下半身。
快楽に乱れていくその姿。
恋人のように絡められた指からさえ快楽を送り込まれる。
エリヴィラの動きは徐々に激しさを増していった。
動きとともに締め上げてくる中。
蛇のように締め付けたと思えば今度は優しくも魅し抱く。
初めてであるオレにとってその快楽は耐え切れるものじゃない。
オレの限界はすぐさま訪れる。
「エリヴィラっ!離して!もうっ…!」
今のオレは体をエリヴィラに巻かれていて腰を引くに引けない状況。
むしろさらに奥へと誘われている。
初体験でいきなり中はまずいだろ。色々と。
本能的には彼女の中で、最も奥で果てたいと動こうとするがオレのいた世界でつけてきた基本常識がそれに勝り行動を抑制した。
しかしエリヴィラはさらにきつく締め上げる。
「いいのですよ♪ん、あ♪私の、中で出してください…♪」
「え!でも…っ!」
何かを言おうとしたらエリヴィラが身を乗り出してオレの耳元へ顔を移動させる。
さっきオレがやったかのように。
そしてオレと同じように囁いた。

「ユウタ君の赤ちゃん、ください…♪」

「っ!!」
耳から流れ込む快楽。
その囁きに、言葉の意味に、オレは我慢できなかった。
送られてくる快楽に訪れていた限界が弾ける。
エリヴィラの中をオレの精で染め上げた。
「んんっくぁっ!」
「あ、あ、ああああああぁぁっぁっぁぁぁぁ♪」
体を弓なりに逸らし、さらにきつくオレの体に巻きつきながら彼女も果てた。
先端が子宮口に吸い付かれ、射精を全て受け止められる。
エリヴィラの中は痛いほど締め付けてオレの射精をさらに促す。
今までに感じたことがないほどに長い射精がようやく終わりを迎えた。
結合部からはエリヴィラの愛液と混ざったオレの精液が漏れ、ぐちゃぐちゃになっている。
すっごく気持ちがよかったし、それに官能的だった。
だがそれ以上に胸に広がるこの感情。
不安とは反対にあるこの充足感。
今まで感じたことのないこの気持ち。
握っていた手が解かれて、エリヴィラの腕がオレの後頭部にまわされた。
また額を合わせて気恥ずかしげに笑いあう。
「すごく…気持ちがよかったです…♪」
「そっか。」
「中…ユウタ君のでいっぱいですよ♪」
優しそうに微笑むその表情には最初に見せたときとは違う満足そうな顔をしていた。
とても温かな微笑だった。
「ユウタ君はどうでした?」
「オレも…すごくよかったよ。」
オレからも腕をまわし、答えた。
肌から伝わる温もりがオレの中の何かを打ち消す。
胸から伝わる互いの心臓の鼓動がとても落ち着く。
絡められた指。繋がった手。
ひとつになっている体。
その全てが不安を打ち消してくれて、オレに幸福感を与えてくれた。
「ユウタ君…。」
唇が触れるか触れないかのところでエリヴィラは言う。
自分の気持ちを。
今感じているその想いを。

「大好きですよ…♪」

初対面の人にすぐに好きと言うのはどうかと思う。
普段のオレならそう思った。
だが今は不思議と別のことを思っていた。
エリヴィラと体を重ねて。触れ合って。
不安を埋めてくれて。
オレは感じた想いを口に出す。

「オレも、好きだよ。」

その言葉に嬉しそうに微笑みながらオレとエリヴィラはまたキスをする。
初めて出会ったとは思えないような甘いキスを。
別世界から来た人間と。
一人で洞窟に居続けたエキドナ。
孤独の中にいたエリヴィラと。
不安に陥ったオレ。
互いが互いを求め、埋めあうそのさまは
長く付き合い続けたような恋人のように熱く甘いものであった。


ある街に時折とんでもないほどの美女とともに訪れてくる男の話。
美女は100人が100人とも美人というほど女性。
その隣に居るのは黒色をまとった黒髪黒目の男。
皆口々に言うのはあの美女はあの難しすぎる伝説の洞窟の主のエキドナであり、男はその洞窟を制覇するほどの勇者顔負けのとんでもない実力者だと。
だがそれ以上に向けられるのは羨望の眼差しと羨ましいという声。
老若男女問わずに皆が皆あのようなラブラブカップルになりたいと口を揃えて言ったという。
ときに、あのカップルを見習いたいと世界中からカップルが殺到するという前代未聞な事件になったりもするのだが…当の二人は知らずに今日もまた街を訪れる。


「それでは…ユウタ君今日も…♪」
「『YES』。」
「それじゃあ脱がしますね…♪」
「『YES』…ってやっぱこの枕は意味ないと思うんだけど。」
「夫婦の営みに欠かせないアイテムですよ。」
「全部肯定っていうのもどうかと思うんだよ。」
「ユウタ君は…私とはしたくはないのですか…?」
「泣きそうな顔になって言わないでよ…そーゆー質問のとき全力の『NO』で答えたいんだよ。」
「まぁ…♪」
「それと、あんまし無茶しないでくれよ。いくら人外とはいえ、お腹にいるんだからさ。」
「それは杞憂ですよ。私達にとってお腹に子がいようとも全然平気です!ですから…ね♪」
「はいはい…『YES』♪」


     FINAL  FLOOR
     これにて制覇

      HAPPY END
11/03/02 20:50更新 / ノワール・B・シュヴァルツ
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■作者メッセージ
エキドナ編これにて完結です!
孤独なエキドナと不安な主人公。こんな二人には幸せになってもらいたいものです…主人公はもげてもらいたいですw

さて次回は魔物の中で女王と名のつく魔物。
クイーンスライムです!
クイーンスライムの住まうところにたどり着いていしまった主人公はいったいどうなるのか…!
クイーンスライムと主人公のおりなすストーリーをご堪能あれ…。

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