連載小説
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大事なクルマ
-首都高速 湾岸線-


ヴォォォォォ…

ヒュゥン…

ヴォォォォォ…

夜、交通量の少なくなった湾岸線に
二台の改造車が時速80〜100km程で
クルーズしている
一台はまるでレーシングカーのようなエアロを身に纏ったR34
もう一台は、見た目はシンプルだが普通ではないロータリーサウンドを響かせるFD3S
どちらも異様な雰囲気を醸しだしている
R34には女が二人、FDには男が二人乗っている

瞬「優、お前の言う通りに湾岸線に来たわけだが?」
優「200km以上の経験はあるか?」
瞬「ちょっとだけなら。」
優「なら、とりあえず踏んでみろ。ゆっくりな。」
瞬「あ、ああ…。」

瞬がアクセルを踏み込む
リアタイヤから白煙が上がり加速するFD

エレナ「うぉ!?いきなりかよぉ!!」
セツナ「速いっ!」

優のRを運転するエレナは慌てて加速に入る

優「フゥ…やっぱりすげぇなこのエンジン…。」

タコメーターの針が一気にレッドゾーンまで跳ね上がる
シフトチェンジをするごとに
4ロータリーのエンジン音が最高に甲高くなる

瞬「速ぇ…!」
優「既に250オーバーか…ハンパないな。瞬!レーンチェンジの時は注意しろ!峠で100ちょいで走るのとは訳が違うからな!」
瞬「わかってる!」
優(後ろのやつは…あ〜あ〜、完全に振り切ってらぁ)

後ろで追いかけていたエレナ達は既に遥か後方へと離れてしまっていた

優(もうちょいで300!)
優「こっからはフルで踏むな!十分の八程で踏んでいけ」
瞬「ああ!」
瞬(どんどん伸びていく…もう既に320は出てるのに…!)
優(やっぱりマズイな…こんな踏み方、乗り方じゃあクルマがもたない…)
優「瞬、アクセルを抜け。」
瞬「ふぅ…!わかった。」
優「そのまま行けば大井PAがある、そこで一旦止めよう。後ろの奴らは…来たな。」

瞬達は、追いついてきたエレナ達と合流し
大井PAまで走るのだった


-大井PA-


優「瞬、ハッキリ言ってお前の運転は荒い。」
瞬「!?」

駐車場にクルマを止め
ホッと息を吐く瞬に
優はピシャリと言った

優「レーンチェンジでの一般車のパスでフラつく、高速域でのアクセルの踏み方も単調、何より繊細さがない。」

いきなりの事に驚く瞬に
優がキツく言い放つ

優「まぁ、首都高というステージとあのスピードに慣れていないのはわかる。だがな、お前はこの間のバトルでわかっているはずだ。自分のクルマが自分の手によって死ぬ感覚を。」
瞬「っ…!」

優の言葉に、瞬は苦しげな表情へと変わる

優「お前の走りは、クルマの事を考えていない…。こんな走りを続けていたら、この間のバトルの二の前だぞ。」
瞬「クッ…」
優「ちゃんと、クルマの事も考えて、クルマと一体になって走るんだ。そうすればクルマは長生きするし、どう走ればいいのかクルマが教えてくれるようになる。」
瞬「FDの事を、考えて…走る…。」
優「そうだ、意思を継いだ大事なエンジンなんだろ?もっと大切にしろぉ。」

優は、先程までのピリピリした雰囲気を壊すようにおどける

優「とりあえず、技術面では走りながら俺がレクチャーする。お前のことだから、簡単に呑み込めるだろう。」
瞬「わかった、ありがとう。」

すると、外で立っていたエレナ達がコンコンッと窓ガラスをノックし
気づいた瞬は窓を開ける

セツナ「話は終わったか?やけに ピリピリしてたみたいだが?」
エレナ「アタシ達を外に放っておいて…何を男二人で話してんだぁ?」
優「いや、ちょっと瞬の走りについて指摘してたんだ。まあとりあえず話は終わったよ。」
エレナ「そうか、ならちょっと来ようかぁ〜。」

そう言うと、助手席側のドアを開け
優を引きずり出すエレナ

優「へ?あ!ちょ!?」
エレナ「いいから暴れんなって…!へへ…ジュルり…最近ご無沙汰気味だからなぁ…もう我慢できないんだよぉ///」

舌なめずりしながら優を引きずるエレナ
そのまま優のRの所までくると
優は車内へ投げ込まれ
エレナの華麗なルパンダイブとともにRのドアは閉められるのだった

瞬「ポカーン…」

一部始終を見ていた瞬は
唖然としていた
だが、それによって
後ろから忍び寄る影に気づかなかった

瞬「ん?」
セツナ「捕まえたぞぉ…」

瞬の身体に絡みつく二本の腕
セツナがFDのドアを開け
瞬を逃がさないように
抱きついていたのだ

セツナ「アタシ達もそういえば最近ご無沙汰だったな…///ちょうどいい、この際だから沢山シてしまおう…///」

そう言いながら瞬の上に乗るセツナ
その姿はもう発情しきっており、頬は紅くなり、息は荒く、その瞳は情欲に燃えトロンとしてしまっている

瞬「はぁ…仕方ないな…。満足するまで付き合ってやるよ!」
セツナ「ああ…しっかり満足させてくれ…////子宮一杯になるまで精液注いでくれ!/////」

若いカップル達の長い夜は始まったばかりである




次回に続く…








15/02/14 15:36更新 / 稲荷の伴侶
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■作者メッセージ
どうも、稲荷の伴侶です。

さて、今回からステージが峠から首都高へと変わったわけですが
正直東京に住んでるわけではないので首都高速の見取りが難しいのなんの…
副都心線や都心環状線など、ややこしくてややこしくて…
というわけで、次回も頑張りますm(_ _)m

次回、湾岸のランウェイ

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