連載小説
[TOP][目次]
後編
 ……それから。僕は翌朝になってもまだ花畑にいた。オニユリの咲き誇る中で、僕は巨大なオニユリと一つになった。
 鮮やかな花弁の中心、たっぷりと蜜が溜まったところに、ユイちゃんとヨミちゃんがいる。植物的な緑の体は花と繋がって、その肌が蜜で艶かしく輝いている。

 花の魔物・アルラウネ。彼女たちはその亜種リリラウネの、さらに希少種。巨大なユリのその中に咲く一対の女体、それがユイちゃんとヨミちゃんなのだ。

「ん……あっ……気持ちいい……」
「あったかいねー、先生の体」

 僕は無邪気に笑う二人の間に挟まれていた。花の中に溜まった蜜に膝の上まで浸かり、周囲が甘い香りに満たされている。正面でヨミちゃんと抱き合い、赤い瞳と間近で向き合う。彼女の胸の膨らみが僕の胸板に潰れ、蜜でぬるぬると擦れる。片手を彼女の後ろに回してお尻を撫で、丸みを確かめながら、もう片方の手でそのひしゃげたおっぱいを揉む。

 そして蜜が芯まで染み込んだペニスは、ヨミちゃんの神聖な場所……その蜜壺に溺れていた。僕も全く腰を動かしていないのに、膣内では柔らかな襞が蜜を絡ませ、優しくペニスを愛撫してくる。鈴口に当たった襞によって、尿道まで蜜を染み込ませる。それがたまらなく気持ち良い。

「先生、夢中だねー」

 背後から抱きついているユイちゃんが、耳元で囁く。彼女は僕の背中に胸をムニムニと擦り付けながら、時折耳を舐めてゾクゾクとした快楽を与えてくる。たまに僕のお尻に指を這わせ、肛門にまで蜜を塗りつけたりする。そのイタズラを受ける度に僕が声を出したり、震えたりするのが二人は面白くて仕方ないようだ。

「先生……ちゅっ」

 うっとりとした顔のヨミちゃんに、唇を奪われる。ぷるぷるとした唇の感触、口腔へ侵入してくる舌の快感。

「んんーっ!」

 僕の喘ぎ声は彼女の口の中へ吸い込まれ、代わりにペニスが声を上げた。どくどく激しく脈打って、蜜溢れるヨミちゃんの膣内へ射精していく。

「あっ、先生また出したー」
「ぷはっ……ふふ、これで三回めですね……」
「ヨミちゃん三回も出してもらったんだね。いいなー」

 二人の声が心をさらに蕩けさせる。夜は二人のふとももやお尻でペニスを擦られ、何度も何度もイカせてもらった後、ようやく眠った。そして朝日とともに目がさめると、いよいよ性交が始まったのだ。
 僕は女性経験など全く無く、彼女たちも実際にするのは初めてだった。それなのに僕は魔性の女性器で三回も果ててしまい、ヨミちゃんはまだ絶頂に達せていないのだ。

「ご、ごめんなさい……」

 こみ上げた罪悪感に思わず謝ってしまう。何度射精しても、次までの時間がとても短いのだ。

「仕方ないよ〜。先生の体、あたしたちの蜜ですっごく敏感になってるんだから。よしよし〜」
「男の人を蜜漬けにするの、初めてでしたけど……上手にできてよかったです。よしよし……」

 二人して僕の頭を撫で、慰めてくれる。年下の(少なくともそのように見える)女の子に子供扱いされ、それを悦んで受け入れてしまう自分がいた。

「それに、ヨミちゃんだってもう直ぐイっちゃいそうだよ?」
「はい……お腹の中に、先生の精が泳いで……とても、気持ちいいから……♥」

 上気した顔で微笑むヨミちゃんはとても艶やかで、額の角がそれを引き立てた。僕にぎゅっと抱きついて再びキスをしてくる。先ほどよりも舌を積極的に絡ませてきた。僕もそれに応えていると、膣内が艶かしく蠢く。くちゅくちゅと音を立てながら、蜜壺がペニスを甘やかす。
 僕は腰を動かすことはできなかった。ユイちゃんが後ろからしっかりと抱きついているのと、僕とヨミちゃんの股間を蜜が覆い、ニカワのように固定しているからだ。だから僕は夢中でキスを交わしながら、彼女のお尻を撫でて、膣内の楽園に酔いしれるしかないのだ。

 それでもヨミちゃんは、確かに気持ちよくなってくれていた。蜜壺の動きが激しくなり、くにゅくにゅと亀頭を揉みしだいてくる。ユイちゃんが後ろから玉袋に蜜を塗り込んでくるせいで、僕はあっという間に四度目の射精を迎えた。

「んっ、んんんーッ♥」

 熱い迸りを蜜壺へ注ぎながら、ヨミちゃんの嬌声を口の中で受け止める。膣が激しく収縮し、彼女の指先が背中に食い込む。
 絶頂した。ヨミちゃんが、僕と一緒に。そう思うと快感が増していき、頭が真っ白になっていく。

 気持ちいい。ただひたすら、気持ちいい。

 目を閉じ、唇が離れ、頬が緩んで、多幸感に浸る。彼女たちは魔物で、僕はそれに捕らえられた。それなのに、安心感で胸が一杯だ。

 気がつくと、花弁に腰掛けたヨミちゃんの膝の上に座らされていた。重くないかと思ったが、彼女は平然と私の頭を撫でている。
 不意にユイちゃんが正面から、僕の頭を抱きしめてきた。谷間に顔が埋まってしまう。とても柔らかくて、良い匂いがする。

「ね、先生。先生が今まで見つけた中で、一番好きなお花って何?」

 質問に答えようとしても、口に魅惑の肉塊が押し付けられて言葉を発せない。口を開けても乳房に着いた蜜が入ってくるばかりだ。

「ユイちゃん、おっぱいでお口塞いでたら、先生お返事できないよ……?」
「お返事聞かなくても分かるよぉ。先生が一番好きなお花はユイとヨミ、でしょ?」

 谷間で首を上下に振る。頬をこすれるムニムニとした感触が気持ちいい。

「ほら、そうだよって言ってる!」
「ほんとだ……嬉しいねっ」

 ヨミちゃんも背中から抱きしめてくる。柔らかい女体にぎゅっと挟まれたかと思うと、ユイちゃんが少し胸をずらして、その先端……可愛らしく勃った乳首を口に含ませてくる。

「ほら先生、吸って!」

 無邪気な声に欲を掻き立てられ、その突起を吸う。すると先端から口の中に、今までとは違った味の蜜が溢れてきた。甘さはあっても欲情を掻き立てるものではなく、クリーミーでマイルドな、そしてお腹の膨れる感覚のある蜜だった。
 大地の味。そんな言葉が脳裏をよぎる。

「美味しいでしょ? あたしたちが地面から吸った栄養を、先生がくれた栄養で増やして、おっぱいから出してるんだよ?」
「お母さんから、お乳もらってるみたいですよね……今日から、これが先生の朝ごはんですよ……♥」

 耳元で聞こえる囁き。右と左、両方のおっぱいを吸わせてもらい、満腹感が高まる。これから毎朝、これを飲ませてもらえる……そう思っただけで心が温かくなる。

「こうやって……ちゃんとお世話できるんです」
「そうそう。だから先生は安心して、あたしたちのこと沢山調べて、いっぱい知ってね」
「その後は三人で、いろいろな植物を探しに行きましょうか」
「この国の綺麗なお花とか、美味しいものとか、いっぱい教えてあげる。先生と一緒なら、あたしたちも楽しいと思うから!」

 花たちの語る、これからの生活。期待に胸が膨らむに連れ、お腹も膨れた。ユイちゃんは僕を胸から解放し、華やかな笑顔を向けてくる。陽光を浴びて、とても元気で可愛らしい。
 それに笑顔を返したとき、ふと自分の体の欲求に気づいた。性欲とは違う、避けられない生理的欲求に。

「あの……ちょっとトイレに……」
「といれ? 何それ?」

 興味深げに尋ねてくるユイちゃん。この国では何と言うのだったか。

「えっと、おしっこをしたくて……」
「あ、それじゃ……ここでしていいですよ?」

 ヨミちゃんの言葉に驚く。いくら彼女たちが許してくれても、彼女たちの体が生えている花弁の蜜溜まり……神聖にさえ思えるこの場所に排泄するなど、やっていいことではない。
 すると僕たちの花弁の脇から、一本の茎がしゅるしゅると伸びてきた。先端の蕾が開き、オレンジ色のオニユリが一輪咲く。ヨミちゃんがそれをおもむろに掴み、僕の股間へ。

 そのままペニスに花を被せられる。花弁は肉棒にしっかりと密着し、吸引してきた。

「ほら、先生……しーしー」
「しーしー♥」
「しーしー」

 前後からの、催眠的な囁き。心の羞恥とは関係なく、体が勝手にその言葉に反応した。括約筋が緩み、ヨミちゃんの握る花の中へ放尿してしまう。花はそれをどんどん吸引し、一滴も漏らさない。
 やがて放尿が終わると、ヨミちゃんは花をぐりぐり押し付けてきた。しゅわしゅわとした感触が股間に広がり、洗われているのだと分かった。

「はい、キレイキレイになりましたよ……」

 花が取り去られ、清潔になったペニスが外気に触れる。尿瓶がわりの花は時間を巻き戻すかのように、蕾に戻って茎が縮んでいった。

「ねっ、お世話できるでしょ?」
「また私たちのこと、一つ知れましたね」

 ユイちゃんが頬に、ヨミちゃんが首筋にキスをしてくる。緊張感から解放されたペニスがぴくんと反応したのを、二人は見逃さない。

「じゃあ、今度はあたしとシよ!」
「ユイちゃんの中にも、いっぱい出してくださいね……♥」

 ユイちゃんが元気良く立ち上がり、ぐっと伸び上がった。彼女のひざ下、ふくらはぎまで露わになる。その下は何本もの緑のツタに覆われ、本体たるオニユリへ繋がっていた。そのツタが彼女の体を支え、宙に持ち上げる。
 ヨミちゃんの膝に座る僕の上に、ユイちゃんはこちらと対面する姿勢で跨ってきた。間近で笑顔を見る。ヨミちゃんの角はしっとりとした可愛らしさを引き立てているが、ユイちゃんの場合は元気を引き立てている。村にいた『オニ』の子供のように。

 そしてユイちゃんは自分の指で股間の割れ目を広げて見せた。たらり、と蜜が零れ落ちる。

「ヨミちゃんが雌しべで、あたしは雄しべ。だから優しいヨミちゃんと違って、あたしのココはちょっと凶暴だよ〜」
「あ……雄しべって言っても、ユイちゃんはちゃんと女の子ですから。安心してくださいね……?」

 二人はまた新しい知識を教えてくれた。その『ちょっと凶暴』だという女性器はひとりでに収縮し、卑猥な水音……いや、蜜音を立てている。あそこはどんな快楽を与えてくれるだろうか。そう考えただけで、ペニスから先走りの液が垂れる。

「は、はやく……!」
「あははっ、欲しがっちゃってる。先生可愛いっ」
「うん、可愛いね……」

 ゆっくりと、割れ目が降りでくる。ヨミちゃんに後ろから胸を押し付けられ、首筋にキスされながら、それを待ち望む。
 入口がぴたっと、亀頭に触れた。ユイちゃんの赤い瞳が僕を見る。

「せー、のっ」

 一気に腰を落とし、ペニスを膣内へ飲み込んできた。スムーズに根元まで咥えこまれたかと思うと、直後にきつい締め付けが肉棒を襲う。ただきついだけではなく、中の柔らかな肉粒がペニスに押し付けられ、ぐりぐりと刺激してくるのだ。

「ふあっ、うっ……!」
「あはぁっ♥ 先生のおちんちん、んうっ! 中に入れると、すごい熱いっ♥」

 僕にしがみつきながら、ユイちゃんも歓喜の声を上げる。手で握られているかのような強い締め付けなのに、蜜によって肉粒が滑らかに擦り付けられ、ひっきりなしに快感を与えてくる。
 待ち焦がれた刺激のあまりの快楽。前後から押し付けられる四つの乳房。すり寄せられる頬の感触。あらゆる気持ち良さが重なり、僕は早くも達してしまった。

「あっ、出るっ!」

 どくん、どくんと、ユイちゃんの膣内でペニスが暴れる。それに驚き、また歓喜の笑みを浮かべながら、ユイちゃんは膣の入り口をぎゅっと締めて迸りを受け止めてくれた。狭い膣内に勢いよく迸ると、ユイちゃんが可愛らしい嬌声を上げる。

「きゃぅぅんっ♥ 出てるぅ、あっ、すごい……♥」
「気持ちいいよね、ユイちゃん……お腹の中、じゅわって温かくなるでしょ?」

 僕の頭を撫でながら、ヨミちゃんが片割れに笑いかける。

「うんっ。すごく気持ちいいっ♥ 先生、気持ちいいよぉ……ありがとぉっ♥」

 感極まって涙目になりながら、唇を奪ってくるユイちゃん。上の口もヨミちゃんより凶暴だった。じゅるじゅると下品な音を立てて、唾液と蜜を溢れさせながら舌を絡めてくる。ヨミちゃんが後ろから首筋や耳を舐めてくれて、それがさらに快感を増幅させた。

 しばらく続いた射精がゆっくりと治り、唇が離れる。ちゅぽん、と音を立てて。
 僕の男性としての機能はすでに人のそれではなくなってしまったようで、肉棒はユイちゃんの膣内に抱かれながら未だに怒張し、玉袋の中では次の精液が射出されるのを待っていた。ユイちゃんはペニスを咥え込んだ下腹部を撫でて、感触を確かめ、僕の目を見てニコリと笑う。反射的に笑顔を返したくなるくらい可愛らしい。

 だが次の瞬間、彼女は突然腰を上下させてきた。

「あうっ!?」

 思わず声を出してしまう。勝手に蠢く膣が上下運動でさらに擦れ、肉棒を責め立てる。今しがた口の中で立てられていたキスの音が、下半身の結合部から聞こえる。

「ああぁんっ! これ、気持ちいいぃ……♥」
「ユイちゃん、すごい……元気……♥」

 ユイちゃんは激しくよがって嬌声を上げ、ヨミちゃんがくすくすと微笑む。潤んだ赤い瞳が僕を見据え、その視線がさらに欲情を掻き立てる。

「ねぇっ。先生、気持ちいい? あたしのおまんこ、気持ちいいっ?」
「は、はいっ……すごくっ……」

 強烈な快感に翻弄されながら答えると、ユイちゃんは嬉しそうに手を繋いでくる。細い指先としっかり握り合い、快感に浸る。
 だがヨミちゃんが後ろから、耳元で囁いた。

「先生も、動き合わせましょ……とんとん、とんとん♥」

 リズムを取りながら、僕の体を下から押し上げるヨミちゃん。やっぱり魔物だから力はあるのか。肉棒と膣の擦れ合いがさらに激しくなる。
 快感に翻弄されながら、急激に射精の欲求が高まっていく。そしてゆったりと交わったヨミちゃんと違い、激しく腰を振るユイちゃんも絶頂が近づいていた。

「あっ、んんぅ♥ 先生っ、あたし、もうイっちゃう……♥」
「ユイちゃん、見てるよ……先生と一緒にイクところ、ちゃんと見てるから……」
「うんっ、見ててヨミちゃんっ。先生も、先生もいっぱい出してねっ……くぅ、ふあぁぁんっ♥」

 ユイちゃんの体が反れ、びくびくと震えた。そして膣内が一際強烈に締め付けてくる。その途端に僕の方もまた頭が真っ白になって、視界が激しく明滅した。
 混濁していく意識の中、射精の快楽と二人の笑顔、笑い声が脳内を埋め尽くす。妖しげなオニユリの花畑で、頬を緩ませて多幸感に浸る。

 ここへ来てよかった。それともここが、僕の本当の家だったのだろうか?

 祖国で心配している友人たちにもこのことを伝えたい。方法はあるのか?

 だが今はひたすら気持ちいい。母体のように包み込んでくれる安心感が、この花にはある。
 幸せだ。




「……あ、先生起きた」

 ふいに意識が覚醒すると、真正面でヨミちゃんが微笑んでいた。代わってユイちゃんが、僕を膝の上に座らせている。日はすっかり高くなり、時間が経ったことが分かった。どうやら本当に意識を失っていたらしい。

「先生、すごかったー。気絶したまま、あたしの中に三回も出したんだよ」
「とても、その……気持ち良さそうな寝顔でした」

 クスクスと笑われ、羞恥心がほんの少しこみ上げる。そんな僕の前でヨミちゃんはくるりと後ろを向き、花弁に手をついてお尻を突き出してきた。小ぶりだがしっかりと丸みを帯びた、緑の肌のお尻を。見るからに弾力のありそうな、可愛らしいお尻を。
 その下には女の子の穴が僅かに口を開け、蜜を垂らしている。

 ペニスは萎えることなく、上を向き続けている。

「先生……まだ出し足りないようでしたら、どうぞ……♥」
「遠慮しない方がいいよ?」

 前後から可愛い声で促され、僕はゆっくりと立ち上がった。後ろからユイちゃんが支えてくれる。
 ヨミちゃんのお尻に手を触れ、弾力を楽しみ、肛門も見えて……彼女たちも排泄をするのか、それともこちらも生殖器なのか、後で尋ねようと思いながら、膣の入り口へ肉棒を押し込む。

 途端にヨミちゃんが喘ぎ、ユイちゃんも後ろを向いて背後からお尻をぶつけてくる。先ほどは前後からおっぱいに挟まれたが、今度はお尻に挟まれる。

「ほらほら、えいえい!」
「えいっ……えいっ♥」

 前後からお尻をぶつけられ、その弾力で腰が前後し、ペニスが膣内に抜き差しされる。大量の蜜を分泌し、優しい感触で癒してくるヨミちゃんの女性器だが、こうして突き入れていると先ほどとは違った快楽があった。
 多分まだまだ、彼女たちの気持ち良さ、可愛らしさ、美しさ……いろいろなことを教えられることになる。そして全てを知っても、それで終わりではないはずだ。


 そんな日々が一生続くであろうことに、私は悦びを見出していた。
















 …………

 私が出資したプラントハンターたちは、出した金以上の成果を還元してくれた。

 多くの若きプラントハンターが未開の地へ赴き、多種多様な未知の植物を採集し、それが園芸や食糧生産に多大な成果をもたらしている。

 しかしその一方で、誰も知らぬ土地で看取られることもなく死んでいく冒険者も多い。

 我が国にジパングのユリを多数もたらした彼もまた、表向きにはその一人として扱われた。


 だが魔物の領域で消息を絶ったプラントハンターは、本当はそれほど不幸な結末を迎えたわけではない。

 そのことを知ったのは、彼が送ってくれたムカゴから色鮮やかなオニユリが咲いてからだ。

 私はそのユリに『ミリア』『アイシャ』という名前をつけ、娘のように大事に育てた。


 いや、娘のように育てたつもりだった、と言うべきだろう。

 今や彼女たちは、私の愛する妻なのだから。


 ーーとある貴族の手記



 …………



 END


19/12/29 22:15更新 / 空き缶号
戻る 次へ

■作者メッセージ
私は変態ではない。任務遂行のため、エロを強化した者だ。

お読みいただきありがとうございます。
幕末・明治の日本へ来たプラントハンターや学者の話などから着想を得て、オニユリのリリラウネというのを考えつきました。

年末の投稿になりましたが、年の瀬までに煩悩を蓄えてこそ、それを打ち消す除夜の鐘の有り難みも分かると言うもの。
皆様、来年もよろしくお願い致します。良いお年を。

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33