連載小説
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いきなりワイフ
……さて、私は誰だ?
いやミュウツーかよ。

かなり長い間眠っていた気がする。
まずは名前からだ。

名前は前原友季(まえはら とき)
気質は陰キャ。
特撮・ロボットをこよなく愛し、趣味はフィギュアのリペイントと家事。
身長はないクセにだらしなく成長を続ける乳がコンプレックス。
顔面は……母曰く「ちゃんとすれば可愛いのに」
うん、どこの親もそういうよな!つまりは普通!

よし、いいぞ。
だんだん記憶が鮮明になっていく。

学校での立ち位置はボッチ。
幼馴染と常に比較されて肩身が狭かったのを覚えている。
口癖は「社会に出たくねぇ」

幼馴染の名前は大御門明臣(おおみかど あきおみ)
半分異国の血が流れているらしく、さっぱりとした髪は金色に輝き、その顔立ちは見慣れた私からしても男前だ。
帰宅部のくせに運動神経は抜群で、しょっちゅう助っ人を頼まれてはレギュラーを食う勢いで活躍をしている。勉学方面も隙が無く、学年一位は当たり前のものとなっている。
おまけに御曹司ともなれば女子が放っておくはずがない。
……なんでこんな奴がうちの学校にいるんだろうな?

学校と言えばどの大学へ進むか悩んでいた私にやたら女子大を勧めてきたなぁ……

こいつが私にやたら絡んでくるせいで他の女子から睨まれたり、嫌みを言われたりするのが小学校からのお決まりだったなぁ……
思えば私がボッチなのは奴の仕業なのでは?

なんだか怪獣が生み出せそうなくらいマイナスエネルギーがたまってきたぞ。

さて、














……なんでその大御門の顔がこんなに近いんだ?
そしてなぜ私は奴の腕の中で寝ていたんだ?

しかも奴は裸。
私も裸。

完全に体は固定されてしまっているため頭しか動かすことが出来ない。そのため頭だけで状況を確かめる。
どうやらここはベッドの上らしい。シーツは謎の汁でベットベトだ。

……いやいやいやいや
まさかそんなこと……あるわけないよなぁ!?
いや、しかし……股にこれまでの人生で感じたことのない圧迫感がある。異物感というか、腹が押し広げられる感覚というか……

いやいやいや!
私に限ってそんなことありえん!
まだ高校生だぞ!親に養育されているうちは性行為は絶対にしないと決めていたじゃないか!

世の中の性行為を軽く扱う連中を内心徹底的に馬鹿にしてきた私がそんな一晩の過ちだなんてまさか!



――ありえるわけが無いと思っていたんだけどなぁ……



とりあえず早く抜かないと!

なんとか奴の腕の中から脱出しようと体を大きく動かす。
すると秘所への圧迫感が大きくなった後、ドロリとした液体が胎内へ――
……これゴムつけてなくね?

ぎゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!

「なっ何!?」

起きたあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!

「え? え? バグった!?」

大御門テメェ、コラ!なんで私もアンタもはっ…はだっ!!!

「もしかして記憶が戻ったの!?」

なんでアンタと朝チュンしてんだぁああコラァァァアア!!





ーーーーーーーーーー
「全部説明するよ」

「事と次第によっちゃブン殴る」

「アゾフ海よりも深い理由があるんだ」

浅すぎるだろ!

「ええと……まず始めに君は死んだ。」

「は?」

「トラックにひかれたそうだ」

「は?」

「そしてゾンビになった」

「は?」

「友季が上手く反応しないのをいいことに婚姻届けを勝手に提出した」

「は?」

「それがもう5年以上前……」

「は?」

「子宝に恵まれ人生これからってカンジだね」

「は?」


……











はああああぁぁぁぁぁぁあああああぁああああ!?

私の人生が私の知らないところで決まってやがる!?

「高校生で死んだのは痛手だったね。俺にとっては好都合だけど」

私の最終学歴中卒かよ!まともな就職先ないじゃん!

「友季には専業主婦になってもらいたかったし。むしろ都合良いよね

て、テメェ!!……



……ああ魔王様、私が一体何をしたと言うのでしょう?


















ーーーーーーーーーー
そんなこんなで目が覚めたら人妻となっていた私でしたが今日も元気です。

私の名前は大御門友季。
気質は陰キャ。
特撮・ロボットをこよなく愛し、ついでに旦那も愛してる。
趣味はフィギュアのリペイントと家事。
身長はないクセに成長を続ける乳と、毎日それを揉みしだく旦那が悩み。
最近、服装は少しマシになった。というのも旦那が私の着る服を決めているからだ。私はリカちゃんか!

職業は専業主婦。
仕事を頑張る幼馴染のために毎日試行錯誤しています。
高校時代は社会に出たくないと言っていたが……まさか本当に出ることがないとは!

旦那の名前は大御門明臣。
半分異国の血が流れているらしく、さっぱりとした髪は金色に輝き、その顔立ちは見慣れた私からしても男前だ。
……いや、本当に何で私を選んだのだろうね。そして何で女性もの下着を持っているんだい?
あの……その下着、少しスリットがダイターン過ぎやしませんか?

「ねぇこれ下着の意味が……」

「そこが良い所なんだ」

ふざけんな!こんな痴女ご用達の下着、ド変態しか喜ばねえよ!!

「なら問題ないな」

ちょ!スカート下すな!パンツ奪うな!無理やり履かせようとするなぁぁぁぁぁぁぁ!!


18/08/05 00:18更新 / 幼馴染が負け属性とか言った奴出てこいよ!ブッ○してやる!
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■作者メッセージ
以前投稿したやつを一部設定変更したり、書き直したりしたものです。


一応キャラ紹介
大御門(前原)友季
背は小さい。胸はかなり大きい。人間の時の顔はAPPで言うなら17くらいのイメージ。
家事が趣味で、特に料理は得意中の得意。特撮好き。ひねくれ者かつコミュ障。性格を除けば男性の理想が服を着て歩いているような女。

大御門明臣
小学生の頃から友季が隣にいた所為で女性に求める要求が異常に高い。
3Kそろった所謂スパダリというやつ。欲しいものは壊してでも手に入れる性格。ストーカー気質。

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