連載小説
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4日目 脱出
朝、眼を覚ますと私の足元には穴が開いていた。どうやら地下に続いているようだ。私はその穴に入ってみる事にした。すると、直ぐに一人の少女と出会った。彼女は私を見るとすぐに慌てた表情で何処かへ去ってしまった。私の顔に何か付いているのだろうか。とにかく、私はその穴を抜け出して入り口近くでこれの記載を行っている。

無事に屋敷から抜け出した私は、そこから主の気配を探った。しかし思った通り主の気配など何処にも残っていなかった。早く主を助けなければ。私はこれより屋敷を出て主の救出に向かう。

暫く行くと小さな村が見えた。私が村に入ると、村の人間は私を避ける様に隅を歩き、私は何処か空しさを感じた。それでも主の事は心配になる。早く主を助けなければ。私でなければ、主は助けられないだろう。

村を出て少しした所に、スバルの祠と書かれた洞窟を見つけた。私は念入りな調べをした上で、これを書き終わってからその祠に入って行くつもりだ。何らかの手がかりがある事を祈っている。

私の考えは甘かった。中に居たスバルとは、火の精霊「イグニス」だった。侵入してきた私を敵と認識して攻撃したようだ。今ではすっかり和平している。彼女は私と同じく友を亡くしているらしく、その悲しみに負けて泣き寝入りしていた所を私の侵入を追っ手と間違えて攻撃してしまったらしい。

 『悲しみ』?それはいったいなに?

私はスバルと話し合った結果、翌日に私の主をさらったと思われるサキュバス「レイカ」の住まう小振りな屋敷へと向かう事を決めた。そして日も暮れて辺りが夜になった所でスバルが私に野宿のテント張りを申し出た。私はスバルに渡された布を広げて少し面白かった。最初はあれだけ小さく畳まれていた布が、棒などに引っ掛けられて形を作って行くとあっという間に私とスバルが簡単に収まってしまう規模の建物が出来あがった。これは面白い。

 『面白い』?これは何?

私は夜も更けてきて体に力が入らなくなってこれを書いている。私の

これよりこの日記はこのスバルが支配した!私の事を聞きたければは

スバルによって書類を無駄にしてしまった。私のペンを奪ったスバルは、高らかに笑いを上げながら書類に何かを書いてしまっている。笑っていたのは何かが楽しかったのだろうか。嬉しかったのだろうか。私には分からない。

     (濡れた跡)

夜も更けた頃、スバルが私に覆いかぶさって来た。今は隣で眠っているが、この顔からは想像も出来なかった。スバルが私を押し倒すと、スバルは私の小さな胸を触り始めた。触っていて気持ちいいのだろうか。その後、スバルは私の表情を見て嫌そうな顔をすると、私の足に、滑らせる様にして指を走らせていた。これも気持ちのいい物なのだろうか。普通の人間ならとっくに焼け死んでいる。スバルは私に変化が見られないのが気に食わないのか燃え上がった手で私の首を絞めて来た。どうやら私を良く思っていなかったらしい。だけど、直ぐに泣いて謝ってくれた。

 『泣く』?『悲しい』?

  (焦げ跡)   (濡れた跡)

スバルは私の上に跨ると胸を擦って来た。しばらく同じ状態が続いていたが、急に変な感じが私を襲った。この気持ちよさ。何なのだろう。私がそう考えていると、気が付けば私はスバルに秘部を擽られていた。気持ちいい。でも、それはスバルも同じの様で、私が真似をすると直ぐに股間の部分から何か液体を吹き出して気持ち良さそうな表情をして私に倒れこんだ。相当に気持ち良かったらしい。そのまま寝息を立てて現在に至っている。彼女の吹き出した粘液が書類を汚している。良く見れば私の手もスバルの粘液で汚れている。今日はこれを拭って眠る事にしよう。

 (濡れた跡)
10/10/20 05:57更新 / 兎と兎
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■作者メッセージ
今回は微弱なレズ回でした。次回からは急展開!ついに屋敷を抜け出てスバルを仲間に加えたカザリは、主を連れ去ったサキュバス「レイカ」の元へと向かう!

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