連載小説
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ノワール達の小旅行
※今回の作品は、星村空理様の世界観を、私が表させて頂いています。
※ですので、星村様のキャラクターへの誹謗中傷は絶対にしないでください
※あくまで、表現し切れていない私が悪いということですので

※それでは、事の始まりから



―――さて、どうしたものか

私は考える

目の前の問題も片付けなければならないし、他にも考えなければならない事があるのだ

「…定期的な話し合いの中で考え事とは、珍しいね。シスターサエナ」

ふと、目の前の問題こと、私達の街と繋がりのある街の領主から声が掛かる

「まぁ、色々あるのよこっちにも」

目の前の男、ライカ=鶴城=テベルナイトに、私は答える

・・・

ライカ=鶴城=テベルナイト

この街より更に奥の親魔物領にして、異世界貿易街『ライン』の領主
この街が親魔物領になれたのも、彼の助けがあっての事だ

「とりあえず…相変わらずここは平和なんだね」

「まぁ、ここの戦力に匹敵する戦力を持ってくるのも大変でしょうしね」

定期的に彼はこの街の治安と経済状況などについて会議の場を持つようにしてくれる

まぁ、戦略的に見たらこの場所を取られたらラインの街も大変な事になるのだから、仕方ないだろう

「に、しても…今日は奥さんじゃないのね」

そう、普段なら彼の妻がこの場の話し合いに彼の代理に来るのだが、今回は違った

「少し、面白そうなことがあってね」

彼は実に楽しそうに笑う
…こっちは問題ごとが山積みなのに、羨ましい限りだ

「シスターサエナ。この街にクレッセントって黒い夫妻は居るかな?」

「…ナナイ君とゲヘナに何のようなのよ?」

彼の口から出てきたのは、この街に来て半年になるかどうかの、二人だった

「しかも、今ある悩みはあの二人のことじゃないかな?」

「…貴方、本当に人間なのか分からなくなるわね」

僕は人間だよ、と苦笑するライカ
―――そう、私の悩みは、あの二人のことだった

・・・

正直に言おう
あの二人は働きすぎなのだ

どの位働きすぎかと言えば…

ナナイ君は先ず、山地の警備を殆ど一人で行ってしまっている
実際平和だからそれでも問題ないが、それを連日続け、更には他の皆とも模擬戦を連戦し、書類仕事までやるのはどうなのだろう
更には、彼の場合、自己鍛錬までかなりやり込んでいる

良い事なのだが、倒れないか心配で仕方がない

ゲヘナの場合、そこまでではないにしても、教会の仕事から、子供達に勉強を教えること、更には私の手伝い
極めつけは遠方への真実の教えを伝える準備など、正直ハードスケジュールとしか思えない

はっきり言って、もう少し人生を楽しんでほしいと私は感じてしまう

「それはそれは…予想以上だね」

その事を聞いて、ライカは苦笑しながら答える

「あの子達、根が真面目だからわかるんだけど…もっと色んな事を経験してもいいと思うのよね」

「そこで、僕から提案なんだけど…」

「なにかしら?」

「彼らを、ラインで休ませたらどうだろう?」

一瞬、彼が何を言ってるのか解らなかった

「以前、彼らはラインに来たことがあってね。中々気に入ってくれていたみたいだし、ね」

「なるほどね」

確かに、ゲヘナ達は一ヶ月ほど前にラインによっている
そこの喫茶店で色々話をしたらしい

「移動とかは僕がなんとかしよう。…どうだい?」

「…その案、乗らせてもらうわ」

私は迷わず、彼と共謀することにした
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