連載小説
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おはようございます
姫様の温もりを隣に感じながら目が覚める

時刻は7時ごろといったところ

かつての俺ならそのまま姫様の寝込みを襲うといった事をするでしょうけど、今は違います

姫様のかわいらしい寝顔にそっと口付けをするだけです

姫様をおこしてしまわないようにそっとベッドから抜け出す

本当ならもう少し姫様の温もりを感じていたいのですが、ここには俺と姫様しか住んでいないので色々とやらなければいけないことがあります

そそくさと執事服に着替え洗面所に向かう




まずは洗濯

姫様に洗濯している姿という見苦しいところを見せるわけにはいかないからです

しかしずいぶんと長く姫様の執事をやっているので慣れたものです

かつてなら1時間以上もかかっていたところ、今なら半分以下の時間で終わります

手際よく洗濯しているととあるものを掴んだ

姫様の下着です

姫様に忠誠を誓った頃ならこれをおかずに手淫に耽っていましたが今は違います

そんなことに無駄な時間と精を使うぐらいなら、もっと姫様の為に使った方が良いと理解したからです

そんなことを考えているともう洗濯が終わってしまいました

ちゃっちゃと洗濯したものを中庭に干してキッチンに向かう




次に朝食の支度です

起きてきた姫様がお腹をすかせているのに朝食が無い、なんていう愚かなことにさせないためです

本来執事は主とは別の時間に食事をとるものですが、姫様が俺と一緒に食べたい、と嬉しいことを言ってくれましたので、二回作る必要はありません

姫様が微笑みながら「おいしいわ」って言ってくれる姿を想像すると腕がなりますね

まずはトースターにパンを入れる

このパンも姫様の為に有名な職人が作ったものを取り寄せたものです

次にベーコンを油を引いたフライパンに乗せ少し焼けてきたらその上に卵を割る

どちらも有名な牧場で出来たものを特別に取り寄せてもらっています

次に野菜を切ってサラダにする

野菜は俺が満足できるようになるまでの品質になるまで改良を重ねた自家製です

サラダを綺麗に盛り付け、ベーコンエッグとパンも焼けたのでそれもそれぞれ別々の皿に盛り付ける

料理としては完成しましたが、姫様をおこすときに時間がかかるかもしれませんので保温の魔法をかけておきます

時計を見るとそろそろ姫様をおこす時間なので部屋に戻ります




姫様は俺が部屋を抜けたときと変わらずぐっすりと眠っておられます

種族がヴァンパイアなので本来ならこんな時間におきないのですが、俺がいつも眠そうにしているから、と活動時間を合わしてくれています

世界の全ての人と魔物が姫様の様な優しさがあれば世の中は平和になると思いますね

にしても

幸せそうに寝ている姫様の姿はいつ見ても美しいです

いつまでも眺めていたいところですが、そうはいきません


 「姫様、おきてください」


いたわるように頭を撫でて姫様をおこします

さらさらした手触りの髪の毛が気持ち良いですね、頬擦りしたいぐらいです

そんなことをしていると姫様が目を覚ましたようですね


 「おはよう、ヴァン」


 「おはようございます、姫様」


かつては私も姫様のことを呼び捨てにしていたのですが、従者たるもの主を呼び捨てにするなど問題外です

姫様は寝ていたときとあまり変わらない幸せな表情をしています


 「何か良い夢でもみたんですか?」


 「ええ、とても良い夢を見たわ」


 「どのような夢を見たんでしょうか?」


 「あなたの子供を身ごもる夢よ、とても良い夢だったわ」


……ハッ

姫様のあまりに幸せそうな表情とあまりに嬉しい内容に少し放心してしまいました

姫様はちょこちょこ予知夢を見るそうです

その事によって私と姫様に結ばれたワケですしね


 「今回の夢も予知夢なんでしょうかね?」


 「もしそうじゃなかったとしても実現させるまでよ」


そう言って姫様は俺の首に手を回して軽く口付けをしてくれました

こういうときが一番姫様と自分が結ばれているという感じがします

とても幸せな気分になります


 「朝食、できてるんでしょ、ほら行くわよ」


 「かしこまりました」


照れているのか頬が少し赤いですよ、まったくかわいらしい方ですね

思っても口に出しませんけどね

そんなことを思いながら姫様と指を絡ませるように手を繋ぎ、リビングに向かいました




姫様との朝食終え少々の休憩時間

のんびりとした時間を姫様と堪能していると、姫様が何か思いついたかのように一言


 「食後のデザートが欲しいわ」


とのこと

どうしましょう、一応食事の時にデザートは出したのですが、お気に召さなかったのでしょうか

俺が姫様の言葉に動揺してしまいあわあわしていると、姫様はクスリと笑い


 「ふふふ、私はヴァンパイアよ、これで欲しいものはわかるでしょ」


ああ、そういうことでしたか

つまりは俺の血が飲みたい、ということでしょう

そういう風に理解した俺は姫様の前に跪き、首元をめくりました


 「わかってくれて嬉しいわ、じゃあいただきます」


かわいらしい口で俺の首元にかぷりと噛み付く

こくこくと喉を鳴らして血を飲んでいく

姫様がヴァンパイアだということを改めて認識する

俺はこの方の下僕なのだと認識する瞬間でもある

その姿を眺めていたいという気持ちもありますが、それ以上に吸血による快楽が強いです

吸血される事に関しては何度も経験していますが、油断をしているとすぐに達してしまいそうになります

最初の頃はそのまま達してしまっていましたけどね

やがて姫様の口が離れる

名残惜しいところもありますが、とろんとした表情を浮かべて、ぺろりと唇を舐めている姿が見られるので仕方がないです


 「ふう、血を飲んだら下のほうのも飲みたくなったわ、準備なさい」


 「分かりました」


ヴァンパイアという種族の都合上、姫様は吸血した後、俺を求めてくることが多いです

とりあえず姫様に言われた通りにズボンを脱ぎ、ガチガチになったモノを露出させる


 「いい子ね、じゃあいただきます」


そう言って姫様が俺のモノをしゃぶる

先ほどの吸血の時よりも激しい快楽が流れてくる

上目遣いで見上げながら俺のモノをしゃぶっている姿を見ているだけでも十分に絶頂に達することができそうです

しかし姫様の目がまだ満足していない、と訴えてきているので我慢します


 「んむ、レロ、ふふ、イきたそうね、すこし早いけど……まぁいいわ」


 「イかせてあげるわ」


そう言って姫様は俺のモノをバキュームし始めた

ずぞぞぞと下品な音をたてて普段の振る舞いからは想像できない姿ですが、この姿を俺しか見れないということを考えると、俺のくだらない支配欲が満たされます

そしてあまりの快楽に情けない声を上げて絶頂してしまいました


 「んぐっ、んく、こくこく」


 「ごちそうさま、ふふふ、相変わらず量が多いわね」


そういって姫様は少し口から溢れた分を舐めとっていました

その姿はとても扇情的で、襲いたくなる衝動にかられますが姫様の目がそれを望んでいないようなので我慢します




さてこれから姫様の予定を聞いて一日のスケジュールを組まなくてはいけません

姫様が俺と過ごしたい、と言うならばそれに従いますし

一人で居たい、と望むのなら、やらねければいけない事をやる事にします

 
 「姫様、今日はどのように過ごしますか?」


 「んー、そうね、今日は書斎にこもって、友人に手紙を書いた後、読書をして過ごす事にするわ、最近私のわがままに貴方をつきあわせていたからやる事も溜まっているでしょう」


なんとお優しいことでしょう

従者である俺のことを気にしてくれているなんて

それではお言葉に甘えて姫様が書斎にいる間、城の掃除をしましょうか

使い魔の蝙蝠達を使えばスグに終わるでしょう

10/12/30 21:45更新 / 錆鐚鎌足
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■作者メッセージ
一話完結の連載が苦手なら分割した話を書いてみようと思って執筆しました

バ「今回は途中で飽きなかったらいいがの」

サ「ご主人様のことですから微妙ですね」

二人ともひどいっすね……

バ「だっておぬしじゃし……」

サ「だってご主人様だし……」

……orz

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