読切小説
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ぬれぬれガーゴイル手かせ足かせ地獄〜油相撲編〜
夕方、打ち捨てられた屋敷の庭に置かれた彫刻が、赤い日の光を浴びていた。
大きく足を開いて腰をかがめた女の石像だ。ただし、その背中には大きな翼が拡げられており、頭部からは角が生えていた。まるで石像に扮する魔物の姿そのものだが、事実その石像はガーゴイルであった。
だが、ガーゴイルの手首と足首には枷が嵌められており、金色の鎖が台座と枷を繋いでいた。夜の間だけ自由になれるというのに、聖なる鎖が彼女をこの場に繋いで離さないのだ。だが、石像の表情はどこか穏やかで、とてもこの場に封じられているようには見えなかった。
不意に、廃墟を囲む塀に設けられた門扉が、軋んだ音を立てて開閉した。直後、草を掻き分けながら一人の若い男が、廃墟の庭を横切りガーゴイルの側へ歩いて行く。
「はぁ、はぁ…」
急いでいたのか男の呼吸は乱れている。だが、彼は息を整えるのももどかしいと言った様子で、ガーゴイルの側に歩み寄った。そして石と化した彼女の体を一瞥すると、塀の向こうから半分顔を出す太陽に目を向けた。
眩さに男の目が半ば閉じられるが、彼は太陽が沈むまでもう少しかかることを確認した。
「よし…」
男は一つ頷くと、上着のポケットから小瓶を一つ取りだした。酒瓶のように見えるその中には、液体が満たされていた。だが、男が多少揺らしてもその液面は殆ど揺るがず、粘度の高い油のようなものであることが分かる。
男は、小鬢の蓋を取ると、ガーゴイルの胸元に向けて瓶の口を傾けた。瓶の中で油がゆっくりと傾き、ついに口からあふれ出す。流れ出した油は糸を引きながら、ガーゴイルの丸みを帯びた乳房に滴り、その曲線に合わせて流れて行った。
固く冷たい、風雨にさらされて艶の消えた乳房を油が濡らし、薄く汗でも掻いたかのような光沢を帯びる。男は小瓶を傾けながら手を前後左右に動かし、屈みこむガーゴイルの胸元から下腹までを油で濡らした。そして中身が半分ほどに減ったところで、彼は小瓶を台座の片隅に立てておいた。
「はぁはぁ…」
廃墟の敷地に入ってしばらく経つというのに、彼の呼吸は荒いままだった。いや、これは運動による呼吸の荒さではない。興奮によるものだ。
彼はズボンに手を擦り付けて、いつの間にか滲んでいた汗をぬぐいとると、震える指先を油にまみれたガーゴイルの胸に伸ばした。てらてらと夕日の光を反射する彼女の石造りの乳房は、男の指を固く受け止めた。一瞬の冷たさと直後に感じられる硬さ。だが、油によって表面のざらつきが消えた石材の感触は、興奮しきった男に女性の肌の質感を想起させるには十分すぎるものだった。
「はぁはぁはぁ…」
男は乳房の表面にへばりついた油を指先でなぞり、塗り広げながら、もう一方の手で自身のズボンをまさぐり始めた。今現在ガーゴイルは石であるが、それでも彼女のみごとな曲線と油のもたらす滑らかな質感は、彼の興奮を煽り立てるには十分だからだ。
彼は、布の下で硬くそそり立っていた分身を握ると、軽く揉むようにしながらガーゴイルの乳房を撫で続けた。
一見するとつるりとした石材の表面だが、丹念に指でなぞってみれば乳房の先端が緩やかに盛り上がっているのが分かる。男は、女性の乳房の先端を脳裏に思い描き、その桜色のつぼみを夢想しながら石材の膨らみを指の腹で擦り続けた。石の硬さは変わらないが、彼の脳裏でガーゴイルの乳房の先端が固く隆起していく。薄く笑みを浮かべた、ガーゴイルの穏やかな表情はいつしか快感に歪み、大きく口を開けてあえいでいた。彼の手が、ガーゴイルを感じさせていく。脳裏の彼女の痴態が男の興奮を煽り、布越しに握りしめた彼の屹立の脈動を強めていく。
そして彼の指がひときわ強く乳房を握った瞬間、彼の指が石材に食い込んだ。
「あ…」
不意に手の中に感じた柔らかさに、彼は声を漏らした。改めてガーゴイルの顔に目を向けると、そこに穏やかな笑みは無かった。唇の端を釣り上げ、ニヤニヤとどこか意地悪そうな笑みを浮かべる彼女の顔だった。
灰色の肌色は変わらないが、風雨に晒された肌には艶が戻り、彼女の翼は小さく揺れていた。
「っ!」
男は顔を横に向けると、塀の向こうに太陽が完全に消えているのを認めた。藍色に染まりつつある空を、赤い残光が照らしている。まだ明るいと思っていたが、既に夜になっていたのだ。
「我慢できなかったのかしら?」
ガーゴイルの乳房を勝手につかんでいたことに、彼女はそう笑みを浮かべながら言った。
「ご、ごめん…」
「謝らなくていいわよ」
彼女は手枷と台座を繋ぐ鎖を鳴らしながら、油にまみれた乳房から腹へと指を滑らせていった。
「それだけ『私』と会いたかったってことじゃない?それに…私もあなたのお陰で準備できたし…」
彼女は足を広げ、陰部に指を伸ばしながら続けた。彼女の指先が両足の付け根に埋まり、くちゅりと水音を立てた。
指先を股間から離すと、彼女の指先と股間の亀裂を粘液の糸が箸を渡した。
「もう我慢できないわ…来て…」
ガーゴイルは台座の上に膝をつくと、上半身を伏せ、尻を高く掲げた。そして猫のように尻尾を揺らしながら、言った。
「…!」
男は胸中でくすぶらせていた興奮を燃え上がらせると、揺れる尻尾に誘われて彼女の後ろに回った。台座の上にはガーゴイルの尻と太ももで三角形が描かれており、その頂点では秘裂が薄く口を開いていた。
男はもどかしげにズボンの前を開くと、屹立を取出してガーゴイルの腰を掴んだ。灰色の肌に包まれた彼女の腰は柔らかく、男の指を受け止めた。男は掲げられたガーゴイルの尻に腰を寄せると、屹立を女陰に挿入した。
「ん…」
「うぅ…」
胎内を押し広げられる感覚と、屹立に絡み付く膣肉の感覚に、二人は同時に声を漏らした。
日中の間に高まっていた想いと、石像のガーゴイルに触れて燃え上がっていた男の興奮は、彼をたちどころに絶頂直前に追いやった。だが、彼は歯を食いしばって屹立の脈動を抑え込みながら、ゆっくりと腰を前後させた。彼女の胎内の肉が、引き抜かれようとする肉棒を引き留めようとするかのように絡み付き、締め付ける。
「うぁあああ…!」
快感を堪えようとする意志を越え、背筋を這いのぼってくる快感に男は声を漏らした。全身から力が抜け、男はガーゴイルの背中に身を預けるように覆い被さった。
「ふふ…どうしたの…?気持ち良すぎたのかしら…?」
頬を赤く染めたガーゴイルが、背中に加わる男の重みに顔を向けながら、そう囁いた。そして台座に繋がれた両手の代わりとばかりに、広げた翼で男を抱くようにしながら、小さく腰を揺する。
「あぁ…うぅ…!」
彼女の腰の動きに、膣内の肉が蠢き、男が声を漏らした。ほんの少し前まで、硬く冷たかったガーゴイルの体が温もりを帯びている。その事実を全身で味わいながら、彼は快感に押し流されそうになる意識を繋ぎとめようと、ガーゴイルの体にしがみついた。
翼の脇から手を体の前面に回し、彼女の乳房を両手で握る。
「んぃっ!?」
先ほどの油の残る乳房を不意に掴まれ、ガーゴイルが声を漏らした。男の指先が、ぬるりと乳房の表面を擦ったからだ。固い石材を遠慮なく掴んでいた時ほどの力は籠ってなかったが、それでも乳房は彼の指で力を変え、彼女に強い刺激をもたらした。そしてその力と裏腹に、肌に残る油が摩擦を和らげ、痛みを抑えていた。
「ん…ふ…!」
乳房の芯を掴まれる感触が、彼女の呼吸を乱れさせる。そして乳房を握る指から逃れようとするかのように、彼女は身をくねらせた。
その動きは彼女の膣内にも伝わり、屹立を包み込む襞肉を波打たせた。ギリギリまで高まっていた彼の興奮は、屹立を包む粘膜の一撫でによって限界を迎えた。
「…っ!」
声もなく、彼は身体を震わせながら、白濁をガーゴイルの胎内に放った。胎内に注ぎ込まれる熱はガーゴイルの子宮を灼き、彼女の意識を白く焦がした。
背後から抱かれ、翼に包まれながら、二人は全身を震わせつつ絶頂に至る。
「っはぁはぁはぁ…」
いつの間にか止めていた呼吸を再開させながら二人は互いの温もりを感じていた。やはり、こうして相手の柔らかさを感じるのはいい。
「…あら?」
絶頂の余韻からゆっくりと冷めていったガーゴイルが、ふと気が付いたように声を漏らす。
「こんなところに…」
彼女が手に取って見せたのは、男が持ってきた小瓶だった。中にはまだ半分ほど油が残っている。
「…」
ガーゴイルは自身の胸に目を向け、油に滑る乳房への刺激を思い起こした。
「ねえ…」
彼女は背後にしがみつく男に向け、小さく声を掛けた。
そう、まだ日は沈んだばかり。夜を楽しもうじゃないか。
13/06/23 16:53更新 / 十二屋月蝕

■作者メッセージ
最近無駄に冗長なお話ばかり書いているので、いきなりファックするだけのSSを書こうと思った。
結果、エロ描写筆力が過剰なまでに低下していることが判明した。
と言う訳で時折思い出したようにエロオンリーのエロSSでも投下しようと思います。

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