連載小説
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『輝き』に手が届いた時
―――チュン、チュン―――

「う〜ん……」

 朝が来たことで私は目が覚めた。目が覚めた私は昨日、目覚めてから知った自分の身体の変化のことについて考え出した

「………………」

 私は昨日、目覚めた瞬間に自分が人間でなくなったことに驚いたがなぜかそのに恐怖はなかった

「魔物娘か……」

 アミさんと茉莉さんもどうやら魔物娘らしく、私が人間のままだと壊れることを心配してくれて私を魔物娘にしたらしい。最初は混乱して驚いたけど、私としてはその心遣いは嬉しいことだ。しかし、私は今、困っている

「今日……どうしよう……」

 今日、仙田君と遊びに行くことだ。本当のことを言うと、私は仙田君のことをただの友だち程度にしか思っていない。つまりは私は仙田君の心を弄んでいる気がしてならない。たとえ、魔物娘でも人間でも好きでもない異性の友人と二人きりで遊びに行くのは我ながら馬鹿だと思う。そもそも、私が彼と遊びに行く約束をしたのも

「嫌われたくない……ただ、それだけなんだよね……」

 そう、私はいわゆるご機嫌取りのために約束をしただけだ。それに私は魔物娘でありながら、まだ人間を捨てきれていない。好きでもない仙田君を生涯の夫として見れるかもわからない。やはり、私は最低だ

「それにこの姿だって……」

 私は人化の術を解いて、魔物娘としての姿となり鏡の前に立った

「これじゃあ……化け物だよね……」

 私は冷静に自分の姿を見てそう思った。今の私は髪は黒髪から雪のように白く、瞳は黒目から鬼灯のように赤く、肌は人間の時より白く染まり、下半身はもはや人間ではなく白い蛇のような姿になっている

 仮に私が仙田君を今日、好きになっても仙田君はこの私も受け入れてくれるのだろうか?こんな歪んだ私を愛してくれるのだろうか?まあ……受け入れなくてもいいや……受け入れさせればいいことね……

 私は自分の手から青い炎を出した。それは私たち白蛇が夫を繋ぎ止めるための『愛の鎖(愛の証)』

「そうよ……どこかに行ってしまう前に……繋ぎ止めればいいのよ……なんで、そんな簡単なことに気づかなかったんだろう?……ふふふ……」

 私はそう言って、人間の姿に戻った

 ……いや、もはや人間ではない私が戻ると言うのはおかしい気がする……そうね、人間の姿になったと言うべきね…… 

 

 今日、俺、仙田 仁(せんだ ひとし)は高校の時から好きな子と遊ぶ約束をしており、そして、今、その子を待っている

「瀬川とデー……いやいや、何言ってんだ俺は!」

 俺は自分の恥ずかしい思い違いを頭から振り払った

 いや、待て……男女と2人きりで一緒に出かけることをデートと言うから……これもデートなのか?

 俺はそれに気づくと

「………………」

 余りの恥ずかしさに顔を真っ赤にしてしまった。そもそも、俺は生まれてから恋人と言うものを持ったことがない。というか、好きになった女性は瀬川だけだ

「あれから、7年か……」

 俺は7年前に瀬川の姉と弟が失踪した事件とそれに巻き込まれた当時の瀬川を思い出した
 
 あの事件が起きる前の瀬川は本当に笑顔が似合う女の子だった……あいつは普段の言動はなんというか馬鹿だったがそれでも皆から愛されていた……まあ、中にはあいつのそう言った人気を嫉む女子もいたし、美人だから下心丸出しの馬鹿男子もいた……下心と言う点では俺も同類かもしれないが……

 しかし、あの事件が起きてあいつの姉と弟が謎の失踪を遂げたことであいつは変わってしまった

 あいつの家族は世間から奇異の目で見られるようになった……通学路と校門の前ではマスコミが、学校では生徒の陰口が……それでも、あいつを守ろうとした奴もいたし、最初は瀬川もよく耐えてきた……少なくとも、俺が好きなあいつは存在した……だけど、あいつはいつしか本当の意味で変わってしまった……いつかは忘れた……だけど、あいつは暗くなってしまった……そして、俺が大好きだった『笑顔』を忘れてしまった……

 俺はあの時、辛かった。好きな奴が苦しんでいるのに何もできなかった自分が許せなかった。だから、俺は警察官になった。二度と瀬川のような人間が生まれないように

 でも、本当はあいつを幸せにしたかった……あいつを癒したかった……あいつを助けたかった……あいつを守りたかった……
 

そんな俺の心の中を見透かすように九条さんは

『いいかい?君は彼女を支えるべきだ』

 と言ってきた。最初は何を言っているかは分からなかった。この人は何も知らなかったのに何を言っているんだ?とも思った。だけど、彼の目には何かを訴えるような強い何かが秘められていた。そして、俺は彼が以前そう言った経験をしてきたような気がした。ちなみに今日のデートのプランは九条さんが色々と考えてくれた

 俺なんかが瀬川を助けられるかはわからないけど……もう一度、あの笑顔が見たい……だから、できるだけあいつを支えてやる

「仙田君、ごめん!!待った?」

「あ、瀬川……」

 瀬川がどうやら、来たようなので俺は彼女の声がする方を見た。そこには黒髪に艶があり、黒いワンピースを着たことでさらに主張するように肌はみずみずしく張りがあり、一昨日見た以上に美しい瀬川が立っていた。俺は思い出に残る姿よりも美しい瀬川に見惚れてしまった

「ちょっと、仙田君?どうしたの?」 

 俺が瀬川に見惚れていると瀬川が呼びかけてきた。俺は慌てて見惚れていたことを誤魔化すために

「あ、ごめん……少し、ボーっとしてただけだ」

 と言った。しかし、我ながら下手な誤魔化し方だと思う。すると

「ふ〜ん、ところで今日はどこ行くの?」

 と彼女は言った。どうやら、誤魔化せたらしい。俺は昨日、九条さんと一緒に相談したデートのプランを思い出して

「じゃあ、先ずは水族館に行こう」

 と言ってみた。なぜここで水族館かと言うと九条さん曰く

『いいかい、よく最初のデートに映画を選ぶのはダメだ。映画は個人によって好みが分かれる。ここは水族館の方がいい。水族館は大人も子供も男女関係なく楽しめるし、女の子は基本的にかわいいものが好きだ。ちなみにこれは僕が茉莉で実証済みだ』
 

 らしい

 
 九条さんは女性経験が奥さんだけなのになんでこんなことがわかるんだ?……と言うか、九条さんて絶対に奥さん一筋じゃなかったら余裕でモテる気がする……しかし、彼は奥さんの茉莉さん一筋だと言いきっている……俺はそんな彼に憧れを抱いている……

 そして、それを聞いた彼女は

「水族館か〜、久しぶりだから楽しみ」

 と笑顔で言った。しかし、その笑顔は俺が好きだった笑顔じゃなかった

 やっぱり、無理してるな……

 と俺が彼女の心中を察すると

「もう、早く行こうよ?」

 と彼女は俺に心配させまいといきなり俺の手を取ってきた

「あ、あぁ……そうだな」

 俺は突然の彼女の行動に驚くがすぐに彼女と水族館へと向かった



「綺麗ね」

 私達は目の前の大きな水槽を見ている。その水槽の中には外洋の様々魚類が集められ、泳がされている。その中にはサメなどの捕食者がいながら、イワシなどの小魚は襲われていなかった

「どうして、サメはこの水槽の中の生き物を食べないんだろう?」

 と私がそう言うと

「サメて意外に腹が減らないらしくて飼育員が十分に餌をあげるから大丈夫なんだって」

と意外なことを仙田君は知っていた

「へえ〜、そうなんだ?よくそんなこと知っているね」

 と私がそう言うと、彼は

「いや、子どもの頃に水族館の人に教えてもらったんだけど、他にもサメの水槽はなるべくサメがいらいらしないようにしたりしているから他の魚を襲わないんだって」

 と彼がそう言うと

「まるで、人間みたいね……」

 とつい、口走った。私はサメがイライラして他の魚を襲うのはまるで人間がイラついている時に誰にでも歯を向けようとすることが同じだと思った

 だけど、中には陽姉みたいにそう言った不満をぶちまけることができない人だっているんだよね……

―――ズキン―――

「つぅ……」

 私はまた、胸が苦しくなった。たとえ、魔物娘になってもやはり、姉のことを思い出すと苦しくなる

―――ぎゅ―――

「え……」

 突然、仙田君は私の手を握ってきた

「せ、仙田君?」

 私はあまりのことに驚いて彼に問いただそうとするが

「ご、ごめん……なんか、瀬川が苦しそうにしていたから心配になって……つい……」

 彼は恥ずかしそうにそう言った

 なんで……私のことを……

―――ドクン―――

 私はその時に罪悪感で胸を締め付けられた

 私は……『ご機嫌取りのために約束』をしただけなのに……どうして……

 私は後悔すると同時に違う感情に襲われた。それがなんなのかはわからないけど、胸が締め付けられた

「じゃあ、次はイルカの水槽に行こうか」

「……うん」

 私達がイルカの水槽の前に着いたとき、妙にイルカの水槽の前は騒がしかった

「なんだろう?」

 と私達は状況が飲み込めず考えていると、水槽の中を泳ぐ一頭のイルカを見た

「あ」

 私はあることに気づいた。そのイルカはお腹が妙に膨らんでおり、尾の近くに小さな尾がもう一つ生えていた

「あのイルカ……子どもを産もうとしている」

「え、本当!?」

 そう、私達は出産の場に偶然遭遇した。イルカは水槽の中を懸命に泳ぎ、子どもを外の世界に出そうとしている。しかし、中々子どもは外に出ない

 がんばれ……
 
 私はそう祈るしかなかった
 
 アミさんに聞いた話によると私達魔物娘は中々子どもができにくく、子どもは夫と並んで私達にとって本当の意味で『宝物』だ。だから、こう言った場面を見ると本能と心の底から応援したくなる……
 
 そして、私の祈りが通じたかのように母親は必死に泳ぎ続けた。おそらく、彼らもお産の苦しみの中で必死に耐えているのだろう。時に泳ぎが遅くなるが、それでも母親は泳ぎ続けた。愛しい我が子に出会うために

 そして、

「「「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」

 たくさんの人々や仲間のイルカに見守られながら、新しい生命が産まれた。最初はぼうっとしたけど、すぐに母親が近寄り、身体を寄せ合うと元気にへそから血を出しながらも母親とともに泳ぎだした

「子どもか……」

 私はそう呟いた。私は魔物娘の本能か人間としての本能か分からなかったけど子どもが欲しくなった。そして、私はすぐ隣にいる異性に対して興味を示しだした

「どうした?……瀬川?」

 私が彼の顔を眺めていると彼は私の視線に気づいたらしい

「うんうん!!なんでもないよ!!」
 
 私は慌てて取り繕った

 なに考えてんだろ……私……彼を弄んでおきながら……彼の子どもが欲しいなんて……本当に身勝手すぎる……

 私はどうやら、彼に惹かれているようだ
 
 私てなんて浅ましいんだろう……ただ、今日一日付き合っているだけですぐに彼に惹かれてしまうなんて……

 私は先ほどのことで彼が好きになったようだが身勝手すぎる自分を許すことができず、本能を抑えようと必死になった

「そっか……でも、いいよな……子どもて……」

「え」

 彼は笑顔で言った

「だって、あんな風に幸せそうじゃん」

 彼は水槽の中で一生懸命に泳ぎ続けるイルカの親子を見て言った。確かに彼の言う通り、あのイルカは幸せそうだ

 たとえ、動物の本能として種を残すと言う目的のために子どもを愛そうとしても……

「そうだね……」

 私はそう言うしかなかった


 

 俺達が水族館から出るとすっかりと日は暮れていた。そして、俺達は水族館から出るとある場所へと向かった。そこは水族館の裏にある山である。なぜ俺たちがそこに向かっているかと言うと

「ほら、瀬川。見てごらん」

「え……すごい……」 
 俺たちが目的の場所に着くと既に夜空だった。そして、
その夜空にあるのは無数の星の数々だった。実はここも九条さんが教えてくれたものだ。九条さんは小説家らしく、何年か題材を探していたようで心を動かされた風景を幾つか見つけたことがあるらしい。そして、ここはデートの場所で最もふさわしいと考えたらしく、わざわざ教えてくれた。しかし、この情景はとても綺麗だ。俺は夜空をこんなにも綺麗だと思ったことはなかった。俺は二つの意味で九条さんに感謝した

「仙田君、今日はありがとう……久しぶりに本当に楽しかった……」

 瀬川は嬉しそうに笑顔で感謝をしてきた。しかし、その笑顔はやはり無理をしているような印象が拭えない

 違うよ……瀬川……俺が見たいのは……

 俺はそんな瀬川の笑顔を見て、自分の無力感を許せなかった。だから、俺は

「瀬川……一つ、言いたいことがあるんだけど……いいかな?」

 少し緊張しながら彼女の方を向いた。すると、彼女は

「何?」
 
 と俺に向き合ってきた。俺は覚悟を決めて、勇気を振り絞って言おうとした。言わないと後悔する気がしたからだ

「瀬川……俺と……付き合ってくれないか」
 
 俺は生まれて初めて好きになった女性に対して告白をした。すると、彼女は

「え」

 と驚いた。だけど、俺は続けて

「俺……瀬川のことが高校の時から好きだったんだ……」

 高校の時からずっと胸にしまっていた初恋の女性に対しての想いを今、この場で目の前の彼女にぶつけた。すると

「………………」
 
 しばらく、沈黙した。しかし、申し訳なさそうな顔をして口を開き

「ダメだよ……仙田君……私なんか……」

 瀬川の答えは『NO』らしい。だけど、俺は納得ができなかった。それはこの結果が認めたくないのではない。俺は一瞬、彼女の目が涙を浮かべそうになったことを見逃さなかったと同時に断り方が納得できない。あきらめらきれなかった俺は

「どうしてだ?どうして……『私なんか』とか言うんだよ」

 彼女を問いただした。俺は自分に魅力がなければ断られても、失恋しても納得できた。だけど今の瀬川は自分が俺にふさわしくないと言って断ろうとしている

 俺の好きな女がそんな取るに足らない女であってたまるか……そんなんじゃ、納得できない!!

 すると、彼女は苦しそうに

「だって……私……今日のことだって……ただ、仙田君に嫌われたくない……それだけなのよ……?今日……あなたと……遊んだのは……」

「え……」

 俺はその言葉に少しショックを受けた。だけど、俺は瀬川の過去を知っている。こいつはあの事件が起きてから。異常なまでに人に尽くすようになった
 
 俺はそんなこいつを知っているから助けたい……いや、こいつが苦しむ姿をこれ以上見たくないから助けるんだ……

「瀬川?それは仕方のないことだよ?誰だって人に嫌われたくないのは当然だろ?お前は少しそれが怖いだけなんだ……だから、そうやって自分を責めるな」

 と俺が彼女を自責の念から守るために言うと彼女は

「仙田君は本当の私を知らないからそんなこと言えるのよ!!」

 と激高してきた

 本当の瀬川……?

 そう言うと彼女は突然、自分のバッグからとあるものを取り出してきた。どうやら日記のようだった

「それ……私が7年間隠し続けた……あの事件の手がかりなの……」

「……!」

 俺は訳が分からなかった。どうして瀬川がそんなものを隠し続けたのか理解できなかった

「読んで……」

 彼女は俺に懇願するように言った

―――パラパラ―――

「なっ!?」

 俺はこれを読んだ瞬間、今まで受けたことのないほどの衝撃を心に受けた。それは先ほどの瀬川の本音よりも大きいものだった。どうやら、これは七年前に失踪した瀬川の姉のものらしい。その内容は

『今日も男子から告白を受けた。だけど、断った。だって、あの人は私の好きだと言っているけど私の本性を知らない。それに私はあの人のことなんて何も思ってもいない。むしろ、「イケメンな俺から告白されて嬉しいだろ」と言う雰囲気が醸し出されており、非常に不愉快だ。むしろ、顔だけしか取り柄がなさそうで見ているだけでイラつく。誰も信じられない。誰もかもが私を物としてしか見ていない。』

『今日はいいことがあった。晴太と家の中でゆっくりと一緒にいれた。晴太が一緒にいてくれるだけで私は癒される。他の男たちと違って晴太は私を物として見ない。晴太のような恋人を持つ女性は幸せだろう。優しくて明るくて、家庭を顧みるあの子は本当に素晴らしい。』

『あぁ、今日も晴太の笑顔で癒される。周りに笑顔と言う仮面で応えるのはもう辛い。あの子だけだ。私をこの地獄で支えてくれるのは。だけど、いつか晴太も誰かを好きになって、その人を愛する。そしたら、あの子は私に笑顔を向けてくれるだろうか。嫌だ、そんなの考えたくもない。どうして、神様は晴太と私を姉弟にしたの。私はあの子だけの特別になりたいのに。』


『今日は晴太のことを休み時間中ずっと、晴太のことを思い続けた。晴太のことを思っていると胸が苦しい。これが恋かしら。』

『また、男子から告白をうけたが「ごめんなさい、好きな人がいるから」と断った。その時の相手の悔し顔はおかしくて仕方がなかった。その人と私が結ばれることなんてないけどね。』

『最近、私は初恋と言うものを理解できた。女子が恋話をするときにはみんな夢見がちで恋人との自慢話をするけど、私は常に「それ、あなたたちのことをステータスとしてしか見ていないよ」と思って馬鹿にしてきたけど、晴太と言う初恋の人ができたことであながち馬鹿にできるものではないと理解できた』

『どうして晴太は妹にまで笑顔を向けるの。私と違って、孤独も重圧も感じていない妹にどうして、晴太は笑顔を向けるの。私は妹が嫌いだ。妹の存在が私を傷つける。』


『妹と私は顔は同じだ。それなのにどうして妹は何も背負わないですむのかわからない。私は妹と違って、物覚えが幼い頃からよかった。ただそれだけなのにみんなから天才と言われ努力も評価されなかった。少しでも失敗すれば軽蔑する。でも、妹は私を家族として見てくれる。私は最低だ。あの子の存在が私を余計惨めにする。』


『今日も晴太は妹に笑顔を向けた。あの子は優しいけど、その笑顔が私を苦しめ、癒す。あの子の笑顔で重圧に押しつぶされそうな私は救われている。だけど、その笑顔が私だけのものではないのが私を苦しめる。私と違って何も悩まずに生きている妹にどうして、あの子の笑顔が向けられるの。不公平じゃない。どうして、私と違って苦しんでいないあの娘にも晴太の笑顔は向けられるの。あの子の笑顔が私だけのものにできないのならあの子の泣き顔だけはわたしのものにする』

 瀬川の姉の世の中への『不満』と『苦悩』から始まり、瀬川の弟への歪んだ『愛情』と『劣情』、瀬川への『嫉妬』と『羨望』、そして姉の弟への『狂気』だった。俺が読み終えると瀬川は苦しそうに

「私ね……私の好きだった陽姉と残された家族の生活を守るためだけに……その日記を隠したの……たった、それだけのために……晴太を……弟を……」

 と自分の罪を告白した。確かに瀬川がこの日記を警察に差し出したら、少しでも捜査の役に立ち、瀬川の弟を救えたかもしれない。だが、彼女は自分が独りになることを恐れて弟を見捨てた。そして、彼女は

「本当はね……さっき……仙田君に告白されて、私……嬉しかったの……だから……」

 彼女は涙を浮かべながら嬉しそうな顔で言った。そして、なにやら続きがあるようだ

「この姿も見せるね……」

 そう言った瞬間、彼女の身体は次第に変わっていった。黒い髪は雪のように白くなり、黒い目は鬼灯のように赤くなり、肌は美肌をさらに増し、服装は先ほどまで着ていた黒いワンピースから白い和服となり、下半身は美しい煌めきを放つ白い鱗を持つ蛇のものとなった

「なっ……!?」

 俺はただ呆然とするしかなかった



 私の白蛇としての姿を見た仙田君は驚いている

 いや、それ以前に日記を読んで、私が晴太を見捨てたことを告白した時点で彼は私のことを軽蔑しただろう……彼に告白された時、嬉しかった……それが魔物娘としての本能なのか、瀬川静香としての感情なのかはわからないけど、本当に嬉しかった……そして……

『瀬川?それは仕方のないことだよ?誰だって人に嫌われたくないのは当然だろ?お前は少しそれが怖いだけなんだ……だから、そうやって自分を責めるな』

 と彼は私がひどいことをしたのに私を慰めようとしてくれた

 瀬川君……あなたは本当に私にとって、勿体ないぐらいのいい人よ……だから……

 私は今、どんな顔をしているのかわからなかった。しかし、きっと醜悪な笑顔をしているのだろう

 あなたが欲しい……!!たとえ、この姿を見てあなたが拒絶しようとも私はあなたを離さない……!!

 そう頭で自分の歪んだ『愛』を渦巻かせながら、私は青い炎を手に浮かべた

 これは『鎖』よ……あなたが離れる前にあなたを縛りつけたい……

『いつまでも家族で一緒にいられたらいいな〜』

―――ズキン―――
 
 私の頭にはあの日、あの事件を知る前に言ったささやかな願い事が再生された

 そうだ……好きな人がいなくなる前に縛り付ければ良かったんだ……

 私は自分が何を考えているのも分からず、そう考えてしまった

 ごめんね……仙田君……私、もう……何も失いたくないの……だから……ずっと……一緒にいて……私だけのことを考えて……

 私は奇しくも姉がかつて弟に願ったことに近いことを今、目の前の仙田君にぶつけようとしている。そして、私は手を振りかざした

―――バッ!!―――

「え……」

 しかし、私の手から青い炎は離れることはなかった。なぜなら

「仙田君……?」

 突然、私のことを仙田君が抱きしめたからだ

「瀬川……」

―――ぎゅ―――

 彼は私の名前を呟くと同時に私を抱きしめる力をさらに強くした

「もういいんだよ……」

「え……?」

 彼は私の耳元でそう囁いた。そして、続けて

「だって……弟を見捨てたと言ってるけど、それはお前が家族が大好きだからなんだろ?」

「・・・!?」

 彼は私が弟を見捨てたことを肯定しながらも決して、私のことを侮蔑しなかった

「瀬川にとって、七年前存在した家族が……お前の『幸せ』なんだろ?だったら……」

 彼は私の望んだことを指摘した。そう、私にとってあの光景は紛れもなく存在した

「それをお前の『本当』にすればいいじゃないか……日記にかかれたことはただのたくさんある『本当』の一つ……それだけだよ」

「そんなの……詭弁だよ!!」

 私は彼が擁護しようとするが自分を許せず言い返すことしかできなかった

「だけどさ……お前が信じたいお前のお姉さんはなんだ?その日記の持ち主のお姉さんか?違うだろ?お前が信じなくて誰がお姉さんを信じるんだ?」

「うぅぅぅ……そんなの……そんなの……卑怯だよ……」

 私は涙を流すしかなかった

 私は……私は……陽姉を信じたい……私の大切な家族を……

 私は大好きだった姉を信じられなかった自分に対して、後悔した。そして、姉をもう一度信じたくなった

「なあ……瀬川……もう一回言わせてくれ……大好きだ……付き合ってくれ」

 彼は再び私に対して好意を口に出してくれた。でも、私はそれでも

「本当に……私でいいの……?私、こんな姿をしてるんだよ?もう……人間じゃないんだよ?」

 不安になってしまい、彼に確認するように再び聞いてしまうがそれでも

「いいんだよ……それにな……瀬川……俺はな……」

 彼は私に対して、笑みを浮かべながら

「お前の笑顔が好きだ……だから、ずっと一緒にいてくれ」

 優しく、強く言った

―――シュウ―――
 
 私の手の青い炎はいつの間にか消えていた。いや、すでにもう『鎖』が無くても彼は遠くに行かないことを私が理解できたんだ。そして、私は彼の胸に顔を埋め、彼はそれを受け入れくれて、私は泣き続けた 



 俺の胸の中で瀬川は泣き続けた。おそらく、こいつはこの7年間泣くこともできなかったんだろうな

「もう気は済んだか?」

 俺は彼女に対して、そう言うと彼女は

「………………」

 黙った

「どうした?瀬川?」

 俺は7年間溜めつづけたものがあったから、その疲れが出たと思い彼女を気遣った。すると

「もう………耐えられない……」

 彼女は声を押し殺してそう呟いた。彼女は何かを我慢していたようだ

「……え?」

 俺はなぜか少し、何というか嫌な予感、それも貞操の危険を感じた

―――ギュ!!―――
 
「グオっ!?」

 突然、俺は身体を何かに絞めつけられるような痛みを感じた。身体の方を見ていると瀬川の蛇の下半身が俺の身体を絞めつけていた

「ちょ……なにすんだよ!?」

 俺は瀬川に抗議するが彼女は

「ごめん、ごめん……でも……私……もう、我慢できないの……」

 目をとろんとさせていた。そして、腕を自分の着物の帯に持っていき

―――ヒュル―――

 帯を解き、そのまま着物の前に両手を持っていき

―――バッ―――

 俺の目の前で着物の胸元を大きく横に開き、そのまま着物を脱ぎさり俺に自らの裸体を見せつけた

「………………」

 俺はその姿を見て、呆気に取られると同時に彼女に見惚れてしまった

 その裸体は人間の姿ではないが上半身は明らかにこの姿になる前すら美人であった瀬川の美しさに磨きがかかり、赤い瞳は俺を誘うように輝き、美しい白い髪は一つ一つが月の光を帯びて輝き、肌は非常に究極の美肌とも言えるほどの白さを誇り、その……乳房は非常に豊満であるも決して垂れることなく弾力があり男の煽情を誘い、腹部もくびれがあり非常に芸術性があるとも言えるほどのものである……しかし、だからと言って、上半身だけが美しいわけじゃない……異形の姿である蛇の身体も美しい輝きを放っておりまるで宝石のようだった……そして、上半身と下半身の境目はまるで蛇の下半身と瀬川と言う女性の上半身を融合させながらも決して、不協和音を感じさせずむしろ、その中に美しい調律を感じさせていた…… 

「ダメ……?」

 彼女は俺が見惚れていると、上目遣いで訴えてきた。俺は

「ダメ……じゃないです……」

 完敗してしまった

 あぁ……俺、警察官なのに……これ下手したら公然猥褻で俺達捕まるな……まあ……いいか……

 俺はつい、職業のせいで自分たちがしようとしていることを危惧してしまったがすぐに考えるのをやめたと同時に唯一四肢で動かすことのできる左腕を動かし、瀬川の顔を引き寄せた。そして、

「あむむむ……」

 彼女の唇を自分の唇を合わせた

 よく考えたら俺の初めて……全部瀬川にあげちまったな……

 そう、俺の初恋も初デートもファーストキスも、そしてこれから行うある行為も全部、俺は瀬川に捧げたことになる。そう考えると俺は今日の出来事を全てを大切なものにしたくなり

「あぁん♪」

「んんん……」

 さらに彼女の唇を貪るように求めた。すると、彼女は自分から舌を俺の口内に伸ばし、俺の舌と絡めてきた。俺たちはそのまま何度も舌を互いに引き寄せ、押し付け合い、お互いを求め合った

「……ぷは〜♪」

「……はあはあ」

 俺たちは名残惜しくも口を離した。しかし、瀬川の顔を見ると非常に嬉しそうな顔をしており、目は完全に蕩けきっていた。俺は少し、息が荒くなったがそれでも興奮は収まらず、下半身が妙に痛かった

「はあはあ……瀬川……その……少し、尻尾を緩めてくれないか?……ちょっと、ズボンを……」

 俺は興奮のためにいきり立った肉棒がズボンに押し付けられたことで痛みを感じたので、ズボンを脱ぎたかった。すると、

「ごめん、ごめん……じゃあ、おわびに……」

 そう言って彼女は拘束を緩めるが

「あの〜……瀬川……?少しいいか?」

「何?」

「確かにさ、俺はズボンを脱ぎたいから俺の下半身の絞めつけを緩めて欲しいと言ったけどさ……」

「うん、ちゃんと下半身の絞めつけは緩めたよ?どうしたの?」

「いや……だからさ……」

 確かに彼女は俺のウエストの部分の拘束は緩めた。しかし、

「どうして……俺の腕は両方とも動きが封じられているんだ?」

 そう俺は今、器用にもズボンのファスナーの部分から膝の辺りまでは解放されている。しかし、今の俺は完全に四肢の動きを封じられている。俺が彼女に尋ねると

「それはね……」

―――シュルルル―――

 彼女は蛇の身体を俺を軸にして移動させていつの間にか俺の顔の前には瀬川の尾の先端部が来ており、彼女の上半身はなぜか俺の腰の部分の前に移動していた。そして、

―――ジー―――

「ちょ!?」

 彼女は俺のズボンのファスナーを下に下ろした

「ふふふ……」

 彼女は笑いながら俺のズボンを下ろし

「うわ!?」

「もう……こんなに立ってる……」

「うぅ……」

 彼女はトランクスを履いているのにテントを張っている俺の肉棒を見てそう言った。俺はあまりの恥ずかしさに少し悶絶した。すると

「ねえ……仙田君……どうして欲しい?」

「え……て、うわ!?」

 彼女は俺の肉棒をトランクス越しに手で触ってきた。彼女は俺の肉棒を弄ぶかのように時に手で擦り、時に少し強く握り、時に指で弾いた

「ちょ……瀬川……やめ……」
  
 俺は瀬川の手がもたらす快感に少し、おかしくなりそうになった。俺はたまに自慰をしているが、自分で擦るのではなく他人にしてもらうのでは全然違い、童貞の俺には刺激が強すぎた

「じゃあ、はい」

「はあはあ……え?」

 突然、瀬川は手を離した

「ど、どうして……」

 俺は口ではやめて欲しいと懇願していたがそれはいわゆる建前であり、本当はイきたかった

「だって……『やめて』て言ったじゃん?だから、やめちゃった♪」

 彼女はイジワルそうに言った。しかし、その目は俺が快楽に喘いでいるの楽しんでいる

「そんな〜……」

 と俺が目で懇願すると彼女はさらにイジワルそうに

「じゃあ……イきたいの?」

 俺は恥ずかしさに耐えて

「イきたいです……」

 と言った。すると

「じゃあ……」 
 
―――ズルズル―――

「え……」

 彼女は俺のトランクスに手をかけて、そのまま脱がした

「あらあら……」

「つぅ……」

 俺の男性器は彼女の顔の前でついに姿を現した

「こんなに立たせちゃって……それに……」

「ひゃっ!?」

 俺は彼女が突然、指で自分の肉棒を突っつかれたことで女のように声をあげてしまった

「かわいい声出しちゃって……」

―――ムニュ―――

「うわっ!!」

「ふふふ……」

 突然、俺の肉棒に柔らかい感触が訪れた。よく見て見ると彼女は

「せ、瀬川……?」

「ねえ……どう?私の胸は?」

 自らの豊満な胸で俺の肉棒をはさんでいた

―――ムニムニ―――

 俺に感想を尋ねてきた彼女はさらに俺の肉棒に対して自らの胸で責めてきた

「き、気持ちいいです……!!」

 俺はそのあまりの感触に頭が蕩けそうになったが、なんとか気力を振り絞って返事をした。すると

「ちゅぱちゅぱ」

「はひ!?」

 さらなる感触が俺の肉棒を襲った。どうやら、瀬川が俺の先端部を口に含んだようだ

「じゅぷじゅぷ・・・んん」

「はあはあ……」

 彼女の舌は俺の肉棒をまるでアイスキャンディーのように舐め回し、彼女の口に入りきれない他の部位は彼女の乳がもたらす柔らかい感触に侵されていた

「あむ……ジュゥゥゥゥゥゥゥゥ」

―――ビクッ―――

「ふあ!?」

 彼女はさらに俺の肉棒を深く咥えこみ

「んむむむむむ」

 そして、彼女は俺の肉棒を自分の頬肉にに押し付け、擦り始めた

「はあはあ……せ、瀬川……俺……もう……」

 俺は彼女がもたらす快楽に耐えられず、射精しそうになった

「ひいよ?んむむ……らして?」

「はう!?」

「ジュボジュボ……」

 彼女は俺の肉棒を吸うように口を萎めた。まるで俺の精液を飲むかのように。俺は一気に与えられたその感触によって

―――ドピュドピュ―――

「んああああああああああああ」

「ジュルルルルルルルルルルル」

 彼女の口内に思いっきり精液を出してしまった。しかし、彼女は俺が射精してるのに関わらず、未だにフェ○チオをやめることをせず、むしろ、吸引を強めて俺の射精を手伝うかのように俺の肉棒をさらに吸い続けた

―――ぴゅぴゅ―――

 俺の肉棒は彼女の吸引によって、長く射精を続けた

「あぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」

 俺は射精による快楽によって、身体を伸ばそうとするが彼女の半身によって邪魔されたことで快感を逃すことができず、一気に快楽に襲われた

「うぅ……はあはあ……」

「んむむ……ゴクン……はあん♪」

 俺は長い射精が終わり、息を切らすが瀬川はなぜかすごく満足気で嬉しそうだ

「ねえ?気持ち良かった?」

 彼女は俺に対して、感想を聞いてきた

「き、気持ち良かったよ……」

 俺は素直な感想を言った。すると

「じゃあ……」

―――シュルルル―――

 再び、彼女は自分の下半身の位置を変えてさらに今度はある程度余裕をつけてきて、俺の真正面に立つようにした

―――くぱぁ―――

「せ、瀬川……?」

「今度は……ここに……」

 彼女は自分の肉膜を広げてきた。そして、恥ずかしそうにしながら、嬉しそうに

「お願い……私の初めて……あなたに……仙田君にあげたいの……」

 誘惑しながらも純粋な乙女のように俺に懇願してきた

「いいのか?」

 俺が確認すると瀬川は

「うん……むしろ……あなたじゃなきゃいや……」

「……!」

 彼女のそう頼み込むような顔は俺の庇護欲と性欲を煽った。俺は耐えられず、彼女に近づき

「瀬川……」

「仙田君……挿入れて?」

「うん……」

 俺は先ほど射精したばかりであったが、瀬川のその顔に欲情してしまい、興奮してしまったようでありすぐに再び勃起してしまった。そして、俺は彼女の肉膜に自分の肉棒をあてがい

「いくよ……」

「うん……」

 彼女は微笑んで受け入れようとしている。俺はそれを確認したことで彼女の膣に自分の肉棒を

―――メリメリ―――

「痛っ……!!」

 挿入したが彼女の少し痛そうな表情を見てしまい、心配になり

「おい……!!大丈夫か?」

 つい、声を荒げてしまった。しかし、彼女はすぐに微笑み返して

「うんうん、大丈夫だよ?むしろ……嬉しい……」

 そう俺に対して言ってきた。しかし、それでも心配な俺は

「無理そうだったら、途中でやめるけど……」

 と言ってしまった。しかし、それはどうやら言ってはいけない言葉のようであった

「それは……ダ〜メ♪」

―――ギュゥ―――

「ぐえっ!?」

 突然、彼女は俺に絡ませていた半身の絞めつけを強めてきた

「ちょ……苦しいって!!」

 俺はすぐに彼女に抗議する。彼女は

「じゃあ。やめないって……約束してくれる?」

 上目遣いで言ってきた

「うっ!!」

 なんで……女性の上目遣いて……逆らえないんだろう……

 俺は再び、彼女の上目遣いに敗北してしまい

「わ、わかったよ……でも、きつかったら言ってくれよ?」

 と俺は渋々、了承した。すると

「ありがとう……じゃあ、動いて……?」

 彼女は嬉しそうにお礼を言って、俺に動くように言ってきた。そして、身体の拘束を緩めて俺の四肢を自由にして、俺の腰の部分に自分の下半身を絡めてきた。いわゆる、駅弁と言う体位だ

「うん……じゃあ、いくよ?」

―――パンパン―――

「あぁん♪」

 俺は彼女の腰を掴み、自分の腰を彼女の腰に押し付け肉棒を彼女の秘所に連続で出し入れした。彼女はそれが始まると同時に嬌声をあげ始めた。そして、

―――にゅる―――

「うあ……!!」

 俺は彼女の膣肉がもたらす感触に極上の快楽を感じだした。彼女の膣肉は俺が肉棒を入れるたびにギュと絞めつけ、出そうとする度に纏わりつくように俺の肉棒を包んだ

―――ブルンブルン―――

「あんあん」

 俺が腰を動かすたびに瀬川の上半身は当然のように揺れた。もちろん、彼女の胸もだ。俺はそれに釘つけになり

―――ビクン―――

「はぁん!!」

 俺はそれが揺れるたびにさらに興奮してしまい、同時に俺の肉棒もさらにいきり立ってしまったようだ。瀬川はそれによってさらに快感を感じたようであり、声をあげた

「仙田君……あん……我慢しないでいいよ……?」

「はあはあ……うっ!?」

 どうやら、彼女は俺が揺れている自分の胸によって興奮したことに気づいたらしく、俺の手を掴み自分の胸に持って行った

―――むぎゅ―――

 彼女の胸の感触は見た目……いや、それ以上に素晴らしかった……柔らかくも弾力があり、それはさらなる興奮を俺にもたらした

「揉んでいいよ……?」

「うん……」

 俺は彼女の胸を掴みながら、腰を振り続けた

「はあはあ……気持ちいい……」

 彼女は俺に胸を揉まれながら嬉しそうに言った

「瀬川の胸……本当に綺麗だよ……」

 俺がそう言うと目を細めて彼女は

「あん♪……それじゃ……あん♪……私の胸だけが好きなのかしら……?」

 とイジワルな質問をしてきた

「ちがうよ……」

 俺は腰を振るのやめて彼女の胸を揉んでいる手を離し彼女の後頭部に持っていき

―――グイッ―――

「え?」

「俺は瀬川の『全部』が好きなんだよ」

 俺は彼女の顔を自分の顔に引き寄せ

「あむっ」

「……!?うむむ……」

 彼女の唇に自分の唇を合わせてキスをした。最初、彼女は戸惑うがすぐに舌を俺の口に入れたきた

「んんん……」

 彼女の顔を見ると、非常に嬉しそうな顔をしていた。俺は口を離した

「ぷっは……はあはあ……」

「信じてくれた……?」

 俺が彼女に聞くと

「うん……」

 と首を縦に振ってそう言った。俺は彼女がそう言ったことに嬉しさを感じ

―――パンパン―――

「あぁん……仙田君……♪」

 腰を振るのを再開した。すると

―――ぎゅ―――

「う……!!」

 突然、彼女の膣肉の締めつけが強くなった

「嬉しい……♪」

「くっ……瀬川……」

 俺は彼女の膣がもたらす新たな快感に既に虜になっていた。そして、

「せ、瀬川……おれ……もう……!!」

 射精が近づき、俺はもう耐えることができず、彼女に言うと

「うん……いいよ膣内に射精して!!」

―――だきっ―――

―――ギュ―――

 彼女はそう言って、俺を人間の上半身で抱きしめ、蛇の下半身で包んだ

「射精る……!!」

「うん、射精して……!!」

―――ドピュ!!ドピュ!!―――

「あぁぁぁぁぁぁぁん♪」

「はあはあ……うっ!?」

―――ピュピュ―――

 俺は彼女の膣内に射精するが、彼女の膣は俺の肉棒を圧迫しさらに射精を促した。俺の射精はしばらく続いた

「「はあはあ……」」

 俺の射精が終わると俺たちは互いに向き合い、顔を合わせ

「「………………」」

 無言で再びキスをした
13/09/26 09:34更新 / 秩序ある混沌
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■作者メッセージ
 さて、どうやら蛇が手を伸ばす前に星の方が近づき彼女を照らし続ける輝きとなったようですね……真実は明らかにされていません……そして、同時に瀬川静香の姉が自らの日記に書き残したのかのように真実は瀬川静香にとって、認めなくないものかもしれません……しかし、彼女には日記以外にも真実を示すものがあります……なら、どうするか?認めなくないあやふやな真実など信じなければいいのです……そして、自分が認めたい真実だけを可能性が低くても信じればいい……ただそれだけです……それを仙田仁は瀬川静香に伝えた……詭弁かもしれませんがそれでいいのです……なぜなら、灰色の状態を誰が黒と言えますか?白と言えますか?私はたとえそれが『幻想』でも『真実』だと認めましょう……



 




 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 










 とでも言うと思いましたか?これは真実が明かされていない状態での範囲での話です……なぜなら……私は確かに真実が『灰色の状態』なら可能性の低い真実を信じてもいいと肯定しましたが……『白黒がはっきりしてる状態』ではそれは通用しません……願わくば皆様方には最後までお付き合いして頂きたいものです。最後に待ち受けるのは……『惨劇』か?……それとも……

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