連載小説
[TOP][目次]
水音を立ててオナニーしていたとしても信用に足るのだ
目を醒ますと、僕は仰向けに寝かされたまま、大勢の、あの触手を持った魔物娘にとり囲まれていました。
のみならず彼女らが、僕の服をめくりあげてへそに触手を突っ込んでくるものですから、僕はなにやら変に気持ちよくて、身体に力が入らないということもあり、彼女らが入れ替わり立ちかわり僕のへそを大小形状さまざまな触手で味見してくるのを受け止めていました。
僕はそのとき、変に興奮していました。へそなんてろくに弄ったこともないのですが、思ったより気持ちよかったので。

そして、舌のようなものがたくさんついた太い触手にへその中を舐められたときに、ついに射精してしまったのです。触手がかわりに僕の中に暖かい粘液を放ったのが、奇妙なほどに心地よく感じられました。

それを見た一人の魔物娘(のちにレンカと名乗りました)が、僕に「声を出さないように」というと、パンパンと手を叩いて誰かを呼びました。レンカは周りの子よりも少し大人びて見えました。
すると二人の魔物娘がーーいずれも僕のへそレイプには参加していなかったと思いますーー自分の触手を絡ませて担架のようなものをつくり、そこに僕を載せました。

僕は時折触手ベッドに悪戯されつつ、大勢の魔物娘にみられながら結構な時間運ばれました。
僕の両側に見える街並みは、建物自体は地上と変わりありません。ただ、街路樹が巨大な触手だったり、街灯なのであろう妖しく光る触手が時折粘液を垂らしたりはしていましたが、その下では彼女らが普通に往来を歩いていました。車も走っていましたので、高度な文明があることがわかりました。

やがて僕を載せた触手ベッドは、角を曲がったかと思うと、ある家に担ぎ込まれたのです。

「昨日落ちてきた人間?」

「そう。私はアーティしか看れる医者を知らないんだ」

家の主は眼鏡をかけた医者で、アーティと言うようでした。
アーティは僕を小綺麗なベッドに寝かせて、それからなにやらピンク色の怪しげな液体を飲ませてきました。僕はたまらず口を閉じました。

「大丈夫な方の薬だから」

とのことだったので、大人しく飲み込んでみました。ここで身体が完全に動かなくなったのです。力が全く入りませんでした。大丈夫とは何のことだったのか、今となってもわかりません。

そこからは僕はされるがままでした。登山用に来ていた上着を脱がされ、靴も脱がされる。とにかく魔物娘ですから、全裸は覚悟していたのですが、意外にもシャツとパンツ、ラフなズボンは脱がされなかったのです。
医者ともなると、股間に手を伸ばしてぐちゅぐちゅと水音を立ててオナニーしていたとしても信用に足るのだと思わされました。

アーティは僕の頭に、頭から生えた恐ろしく細い触手を伸ばしてきました。毛根の隅々まで触手が届いたような感覚で、そのまま撫でるように触手が動くと、ひどく心地よくて、僕の股間が反応したのがわかりました。
「ずるい」とレンカが言いました。

「やかましい。医師免許を取ってから文句を言え。さ、散った散った。どのみちしばらくは安静だよ」

アーティはこのように言っていたと思います。
なんでも、僕の身体は結構な毒に侵されているらしいのです。それを中和するのがあの薬で、中和が終わるまでは動けなくなるようです。

「頭は打っていないか」

よかった、と言いアーティが触手を引っ込めました。眼鏡の奥の瞳が細められ、ひどく知的な印象を受けました、、
僕は少々貞操観念がーー他の魔物娘と比べてもーーイカれていても、やはり文化的な存在だとわかり、初めて安堵したのです。

気がつけば、ベッドの横に立ったアーティが僕を見て、少し顔を赤らめていました。

「こ、これも医師の特権だよね」

僕は不穏に思ったのですが、できることはなにもありませんでした。なんせ身体が動かないので。
アーティの裁縫の針くらいの細い触手が、僕の顔へと伸びてきました。その丸い先端には、物凄く小さな穴が空いているのが見えます。そこからとろりと粘液が垂れてきました。

「これで、鼻と口の掃除するからね」

辛うじて医療行為っぽいことに僕は少し安心しました。するすると鼻の奥へと触手が伸びてくすぐったいのですが、それをそのまま受け入れるしかない。気がつけば、何本もの触手が僕の鼻と口の中に侵入していました。

アーティが息を荒げて眼鏡を曇らせながら、歯の間や舌の表面、喉の奥など、汚れの溜まりやすいところを触手で嬲ってきます。鼻に入った触手がズルズルと鼻腔内を擦って、僕はそれを気持ち良く感じていて、耐えることもできず、精液がだらだらと無抵抗に流れていくのを感じることしかできません。

アーティはそのまま僕の口内に擦り付けさせて触手にオナニーさせながら、僕の横顔にめがけて潮を吹いてきました。細い触手が撫でるようにそれを僕の顔に塗り込んできます。甘い匂いがしました。きっとなんらかの医学的意味があったのだと思います。
同時に、口と鼻に入っていた触手もとろとろと粘液を流したのがわかりました。これも甘さがあり、色んな味の混ざった複雑な甘さでした。辛うじて嚥下することだけはできたのが幸いでした。流石の僕でも、訳の分からないうちに溺死するのは御免です。

それで落ち着いたアーティは説明してくれました。
ここに住んでいる魔物娘はマインドフレイアという種族だけなのだと。

「君はお婿さんなんだ」

僕は、もうアーティ、レンカ、そして僕を射精させた少女と結婚している状態らしいです。いつのまにか妻帯者になっていて、魔物娘らしさを感じました。

僕のように、たまに人間が訪れるので、そのタイミングで子供を作るのですが、女、つまりマインドフレイアが産まれやすいらしく常に男が足りていないとか。

ただ、僕がここで逆レイプ天国とはならないとアーティは言いました。本当にこの通りに言ったのです。
規制する法律があると。ほとんどの人間はマインドフレイアの好むプレイに最後までついてこれないため、やってはならないことが明確に決められているそうです。

ただ、それで守られるのは脳と心臓、陰茎だけなので、あとは自衛が必要だとのこと。それを動けない僕に告げたアーティが服の下からへそに触手を入れてきます。自衛は当然できません。

「ただ、脳は合意しても弄っちゃダメなところはあるけど、心臓と陰茎は合意するとなんでもアリになるから注意して」

アーティがまた自分の秘部に手を伸ばして、慰めながら言いました。水音を耳元で立てられるのはなかなかに興奮しました。
とりあえず僕は今、合意もなにもできない状態なので、アーティにされるがままにへそを弄られていました。精液が流れ出ていく感覚はあるのに、ズボンの感触が冷たくならないのは不思議でした。

あとは、男は外で陰茎を衆目に晒してはいけないようです。外で陰茎を見せることは、その場でのセックスに同意したこととなる。これは、彼女らが我慢できないために、ルールとして制定したそうです。
ただ、とりあえずの間は問題ないとも言っていました。男が望まない事態で射精をコントロールできなくなった場合、基本的に挿入してはならないそうですから。彼女らは人権意識もやはり高いです。

そして、へそは積極的に晒すべきで、ほどほどに欲を吐き出させないと男の身が逆に危険になるとアーティは警告してきました。逆に、男からもマインドフレイアのへそに指などを突っ込むと喜ばれるのです。

僕は明らかな異文化に感嘆しきりでした。僕は昔から魔物娘によって違う考え方や価値観に興味をもっていたものですから、これにもまた大いに気を引かれました。

他にも様々なルールがありました。彼女らは昔から人間を見ていて、人間が苦労せず子供を作れるように工夫しているようです。
最たるものが、人間は男女問わず金銭を必要としないところでしょうか。

「女がマインドフレイアになるのは、ほんとは少し困るんだけど、しょうがないからね」

アーティはオナニーしながら動けない僕のへそをねちねちとほじってきますが、それでもセーフラインだから全部やる、というようなことはしません。淫欲の狭間に理性を感じられました。
その時から、僕はこのマインドフレイアという種族を好きになり始めていたのです。
19/08/06 23:40更新 / けむり
戻る 次へ

■作者メッセージ
へそは表面に残った傷に過ぎないので、無理に穿ると痛みます。
オイルを数滴垂らし、しばらく待ってからティッシュで拭き取ると綺麗に汚れが取れます。

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33