読切小説
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俺の名は、金治(きんじ)と言う。
今でこそ、ジパングに住んでいる俺だが、元々は西洋生まれの西洋育ちだった。
母がジパングの人間だったということもあり、俺は両親と共にジパングに渡って暮らした。
それが10年くらい前の話だ。

ジパングに来て、まだ慣れない俺は母の故郷を見て回った。
俺にとってはそれが幸せだったが、歩いてる最中に突然大雨が降ってきた。
一部の道は土砂崩れになり、俺もそれに巻き込まれてしまうかたちとなってしまった。
だから現在、両親はいない。死んだのか、それとも別の場所に旅立ったのかはわからない。
行方不明なのは俺のほうだが、俺は奇跡的に生きていた。
それを助けてくれたのは熊のような大男で、そんな彼と数年暮らしているうちに、こんな話を聞いた。

「このジパングにはなあ、おっそろしい魔物が住んでいるんだ……」

まだ餓鬼だった俺に恐怖心を与えるような言葉でそう言った男の言葉は今でも忘れられない。
唐突ではあるが、現在の俺はその男の言葉があったから、反魔物派の人間となった。
その後は、男と離れ、一人で旅をして、そこで出会った仲間は皆が皆、魔物に兄弟をさらわれてしまったと言っていた。

だが、反魔物派という人間が集まり、賊を作った俺達だが特別なにかをしていたわけではない。
時には妖を襲撃したこともあったが、その度に返り討ちに遭い、仲間が連れ去られた。

旅を続けていた最中に俺は、廃村を見つけ、そこを根城にしようと考えた。
そこで出会ったのは一人の侍で“人斬り”という異名を持つ伊造と言う名の男だった。
だが、そいつは親魔物派と言う事が分かり、しかも傍らには妖のクノイチが居た。

勿論、結果は惨敗だった。しかも、賊も壊滅するという状況。

俺はまた独りになってしまった。

〜〜〜

金治と出会ったのは、ある村の酒飲み場でだった。
その村は親魔物派の領主が治めている地で、数々の妖たちが愛する男たちと住んでいたり、時には男を見つけに来る妖も居た。
実はあたしもそんな中の一人だった。
その領地の店内で、店主に酒だ酒だ、と言っては飲み、飲んではぶつぶつと何かを言っている泥酔した彼はやけに浮いた背格好をしていた。
あたしはそんな彼が少し気になって話しかけてみようと思い席を立ち、彼の隣へ座る。

「ねえ、あんた……酒弱いのかい?」
「ああ? なんだてめえ……俺に絡む気か」
「いんや、そんな事はしないよ」
「別に酒に弱いわけじゃねえ。ただ気に食わねえことがあっただけだ……」

その気に食わないこと、というのが気になったが初対面でいきなりそんな話を振るわけにもいかない。
とりあえず、彼の格好が気になったので、その話題を振ることにした。

「あんた、旅人かい?」
「ああ……そうだが。見てわかんねえのか」
「自分の判断だけだとどうにもねえ……だから聞いてみたのさ。すまないねえ」

泥酔してる割には呂律も視点もはっきりと定まっている。どうやら酒に弱いわけではないらしい。
次に足元を見ると、履いている草履はボロボロ。腕や衣服も傷だらけというありさまだった。
少し、いやかなり心配になった。彼は図体は大きいし、見た目も強そうだったけど、どこか悲しそうに酒を飲んでいる。
どうしてそんなに悲しそうなのか、性分としてほっておけないあたしは先ほどの彼が言った、気に食わないことを聞いてみようと思った直後。
彼が放った言葉は衝撃的だった。

「あぁ、てめえ、妖か」
「え? ああ、そうだよ。なにかまずかったかい?」
「ああ、まずいね。酒がまずくなる。おい、店主……勘定だ。勘定」

ばん、と大きな音を立てて立ちあがると、こちらを見もせずに小銭を店主に対し軽く放り投げ、彼は扉からゆっくりと出て行った。

ここは親魔物派の領地だ。
そこに反魔物派の人間がいるとは思わなかったし、なにより此処に来る前に気付かなかったのだろうか、と思いながら日本酒の入ったお猪口に口をつけながら、彼の後ろ姿を見ていた。

彼の後ろ姿は、本当に悲しそうだった。

〜〜〜

その村を出る直前になって気付いた。
さっきまで俺が居た酒場は、村全体は親魔物領だったのだ。

くそ、と悪態を吐いてもしょうがないが、仕方なく俺はまた独りで歩きはじめた。
空を見上げると曇天。今にも雨が降りそうな天気で、早くどこか雨宿りできる場所を探さないと、雨に降られて濡れるのは厄介だ。
しかし、先ほどの村に戻るのも癪だったので、俺は走り出す。
走っている最中に雨が降り出した。

「ああ、くそ……どこか、どこかねえのか」

ばしばしと当たる雨粒は異様に冷たく、この雨は俺にあの日の事を思い出させるかのように降り続いた。
土道に入ると、履いていたボロボロの草履が千切れ出す。
もってくれよ、と心で呟きながら、走って行くと、大木が見えた。
ああ、あそこなら少しでも雨風はしのげるかもしれないと思い、勢いよく駆けだしたその瞬間。

雨は俺の体を弄ぶかのように体に張り付き、終いには目に入ってくる。
しかし、大木までは一本道。目を瞑ってても、行ける距離だと思ったが、そう甘くは無かった。
目を瞑っているのだ。上手くまっすぐ走れるわけがない。雨に感覚は奪われ、履いている草履はボロボロ。

さらに最悪な事は続く。
ぶつり、と嫌な音が足元から聞こえ、草履が脱げてしまった。現在の俺は裸足、地面は土道。
気付いた時にはもう遅く、体勢をくずしていた俺は手で受け身を取ろうとしたが、手は空を掻く。
あ、と声をあげ、目をゆっくりと開くと、先には暗闇が広がっている。いつのまにか崖のほうへと走っていた俺は、足を滑らせた拍子に崖へと落ちてしまっていたのだ。

死ぬのか。

そう呟いた俺の頭には、何故か先ほどの妖が浮かんで見えた。

〜〜〜

「あ?」

がばっと起き上った瞬間に身体の節々が痛む。
辺りを見ると、そこは洞窟の内部らしい。点在する蝋燭はまだ新しいようで誰かが居た形跡がある。

「死んでない……生きてるのか、俺は」

身体を見ると包帯が綺麗に巻かれていた。
誰かが手当てしてくれたのだろうか、と思った矢先、背後からこつこつと足音が響き渡る。

「誰だ!」
「ああ、起きたのかい。良かったねえ、あんた生きてて」

くすくすと笑うその相手はさっき酒場で会ったばかりの妖、アオオニだった。

「あんたが家の前に、転がってた時はびっくりしたよ」
「家? ここはお前の家なのか?」
「そうだよ。本当はもっと良い家に住みたいんだけどねえ……」

へへ、と笑う女は眼鏡をくい、と上げると俺の返答を待たずに続けた。

「さっきあんたが居た領地。あそこは親魔物派の領地でね……そこの領主さんがまた偉く優しいのさ。さすがに妖の一人身は置けないが、夫を連れてくれば、空き家は使っても良いっていうことでね。あたしも旦那探しであの村を訪れてたのさ」
「旦那探し?」
「おかしいかい? あたしたち妖はね。男と交わらなきゃ生きていけないのさ。実際はそこまで大袈裟なものじゃないけどね」
「……人は喰わないのか?」
「人を? 大きな括りで言えば喰うね。けど、あんたたち反魔物派の人間が思っているような人喰いはあたしたちはしないよ」

混乱してきた。この女は俺を喰べるためにわざと嘘を吐いて、それを聞いた人間が安心した所を喰うつもりなのではと思った。

「じゃあ、今までのはどう説明する!」
「そんなに怒鳴んないでおくれよ……ちゃんと聞こえてるから。今までって?」

首を傾げ、虚空を見上げる彼女に俺の見てきた状況を説明すると、彼女は大きな声を上げて笑い、洞窟の壁をばしばしと叩く。

「あはははは……成程ねえ、言いたいことは分かったよ。そりゃあんたたちの認識違いだよ」
「認識違い、だと?」
「そう……あんたたちが襲おうとした妖たちは皆あんたたちの中から自分好みの人間を選んで連れ去っていっただけ」
「選んで、連れ去った……何を言ってんだ」
「人の話は最後まで聞きなよ」

人じゃないけどね、と冗談めかしく俺に告げた女は、酒を取ってくれるかい、と言い、俺も聞きだすために素直に従った。

「ふう……やっぱり旨いね、酒は。っと……すまないね」
「……」
「その妖たちは自分の夫となる人間を見て、連れ去ったんだよ。連れ去った後の事は流石にそれぞれ種族が違えば趣向も違うんであたしはそこまでは言えないけどね。でも、殺しなんてしないよ。自分の子を産むために必要なもんだからね、人間ってのは」
「子を産む……」
「そう、ようするに交尾して、孕まされて悦ぶってのがあたしたち妖の習性なのさ。それに、あんたが会ったっていうそのクノイチと侍?」
「ああ……その二人がどうした」
「その二人もその日のうちにきっと結ばれたんだろうねえ。クノイチってのはそういうものだ」

納得したわけではない。しかし、確かに今までの妖はすべて人型で、すべてがちゃんと人並みの知能を持ち、すべてが喋りかけてきた。
そう考えると納得がいく。
では、大男が語ったのはなんだったのか、さすがにそれが嘘なのか、といえば違うのかもしれない。
事実、反魔物派の人間全員がこの事実を知っているかと問われれば殆どが知らないだろう。
俺が今まで出会って来た反魔物派の人間や、あの大男も今では妖と共に暮らしていたとしても不思議ではなかった。

「まあ、すぐに信じろ、っていうわけじゃない。ただ誤解しないで欲しい。あたしたちは人を殺しなんて絶対にしない」
「……わかった」
「まあ、速攻性の薬を塗っておいたんでね、明日にはある程度動けるようにもなってるだろうし、雨もあがるだろう」
「すまないな……」
「やけに素直になったじゃないか、どうしたんだい、いきなり」
「……勘違いしていたわけだ。それに、恩人に感謝しないわけにもいかねえだろう」
「ふうん。まあ近いうちにあんた親魔物派となってそうだね」

また、くすくすと笑う女は、そのまま洞窟の奥を指差しながら言った。

「あっちにあんたが履いてた草履。応急処置ってわけじゃないが、すこし直しといたよ。またいつ壊れるかわかんないから、新しいものでも買っとくれ」
「なにからなにまで、すまんな……」

そう言えば、このアオオニの名前を聞いてないことに気付いた。
さすがに女とも、アオオニと呼ぶわけにもいかないだろう。

「……すまんが、名を聞かせてくれないか。まだ聞いていなかった」
「葵(あおい)……だよ」
「葵か、良い名だな……では改めて、葵。助けてもらい感謝する」

その後は、葵の知る限りの妖の知識を教えてもらいながら、世間話や酒を飲み交わすようにし、やがて夜が明けた。

すうすうと寝息を立てる葵を見て、ゆっくりと立ちあがる。
確かに速攻性の薬の効果はあったらしく、体は思い通り動かすことができ、痛みのなくなっている。
直してもらった草履を履き、このまま起さずに出て行こうかと考えていた時、後ろから声が聞こえた。

「行っちまうのかい」
「起きちまったのか、すまん」
「ホントはずっと起きてたんだけどね」
「……なにからなにまで、本当にすまんな。感謝してもしたりねえくらいだ」

すると葵は俯きながら、昨日言ってなかったことがある、と呟いた

「言ってなかったこと?」
「あたしたち、アオオニの習性さ」
「ああ、それは聞いて無かったな」
「あたしたち、アオオニは普段は今みたいにいられるんだけど、酒飲むとね。その、淫らになっちまうのさ」
「は?」
「本当は、昨晩の酒飲みの時、襲ってしまおうかとも考えた。あたしたちの力だったら人間に抵抗させることなく、できるだろうし。でも……怪我人だったあんたに、そんなこと出来るわけないって必死に抑えてたんだよ」
「自分の本能に逆らって、か」
「そう……だね……。それに、気になってたのは昨日の晩からじゃない。あの酒場の時からさ」
「俺は随分と威圧的な態度とっちまったが……」
「それは別にいいのさ。でも、出ていく時のあんたの後ろ姿見て、すごい心配になった。それはあんたが独りだっていうことから寂しさだったのは昨日聞いた通りだけど、でも凄く心配になった」
「……」
「す、すまないねえ……えっと、まあ、まだ道ぬかるんでるかもしれないから気をつけて……」

俯いたまま喋り続ける葵を見て、俺の気持ちはもう決まっていた。
いや、昨日ずっと俺を心配してくれた彼女を見た時から決まっていたのかもしれない。

「なあ。その人間ってのは、妖にとっては誰でもいいのか?」
「い、いいわけない! 自分が惚れた相手を襲おうとするんだ……好きになったら一途なんだよ、妖ってのは」

今、もう彼女の本心は聞いた。
では次は俺の番ではないか。命の恩人に感謝する方法はいくらでもあるだろう。
しかし、今の俺にはそれしか思い浮かばなかった。

「じゃあ、お前にとっては俺じゃあ、ダメか?」
「……え?」
「葵……俺はお前が好きになっちまったようだ。だから、お前の夫になる男は俺じゃあダメか?」
「な、なに言って……」
「本心だ。葵、俺の妻になってくれないか、お前は恩人だ。その恩を返す方法、これくらいしか思い浮かばねえ……」
「……馬鹿だねえ、あんた……もっと良い女いるだろうに」

そう言う葵の金色の瞳からは涙がこぼれていた。

「俺にとっての良い女はもう目の前にいる」
「……くすっ」
「わ、笑ったな、お前……今、俺はすっげえ恥ずかしい思いをしてんだぞ」
「……知ってるよ。あたしもいま恥ずかしいよ。けど、すごく嬉しいよ……金治」

〜〜〜

洞窟の中で、あたしの嬌声が響き渡る。
誰にも見られない、誰にも聞かれないここだからこそ、あたしは精一杯の大きな声を出せるのだ。

「金治のぉ……すっごいぃ……」
「ああ、葵のもすごく良いぞ……やべえ、もう……」
「いいよお、出してくれて良いよ。でも終わらせないぃぃ」
「ああ、勿論だ……くっ」
「出てるぅ……金治の子種が、出てるぅ」

金治の太く、大きい陰茎はあたしの膣内で精子をびゅくびゅくと吐き出す。
でも、今のあたしに、酒の飲んだアオオニの本能はそんなものでは我慢できない。
もっと精が欲しいとあたしの心が囁き、その度に子宮は疼く。

「だめえ。こんなんじゃ足りない……もっと出して、もっと。もっとだよ……金治」
「分かってる……」

金治は言いながら、腰を動かし、ばちゅばちゅという水音を立てる。
音を立てる度に膣から出てくる愛液はいやらしく彼の腹部を濡らしてしまっている。

「葵……今、俺の何が入ってる……」
「ああん……それをぉ……あたしに言わせるのかい?」
「ああ……言ってくれ、頼む」

人間と交わったのは当たり前だが、金治が初めてである。
その為、人間がこういう趣向を持っているのかは分からないが、しかし、このまま言ってしまうのも癪だった。
なぜなら、今主導権を握っているのは、あたし。アオオニなのだから。

「だめだよ……あんた言うんだ……じゃないとぉ、止めちまうよぉ。ほらほら恩人への感謝なんだろう……感謝してみなさいよ」
「く……」
「ほらほら、言えないならやめちゃってもいいんだよ」

あたしの今の気分は最高潮に達していた。
これがアオオニの本能。これがあたしが知らなかったあたしのもう一つの表情。
おそらく、あたしは今とてもいやらしい顔をしているだろう。
でも、そんなことはどうでもいい。
この顔を見せるのは後にも先にも金治だけなのだから。

途端。ぴたりと動きが止まった。

「え? き、金治……?」
「感謝ならさっきした。その要求ならここまでだ」

ぎろり、と金治はあたしを睨む。
金治は人間だ。力ならあたしに勝てるはずもない。
だけど、あたしはその彼を見て、ぞくりと自分の知らない感覚を味わった。

「ど、どうすればいいんだい……」
「言ったろ、葵。今、俺の何が入ってる。言ったら再開してやる」
「金治のぉ……チンポがあ……」

そうだ、と叫び、やがて金治は行為を再開した。
アオオニの本能に勝る彼の言動にあたしはとても興奮していた。

「では……俺の何が、お前のどこに入ってるんだ……」

もう止まらない。彼だけではない、あたしの本能は彼の言葉でぞくりとし、心が満たされていく。

「金治の、チンポが…………あたしの、あたしのぉ」
「お前、の……」
「あたしのオマンコにぃ……金治のチンポ、あたしのオマンコに入ってるぅ」
「えらいぞ……葵。愛してるぞ」
「あたしもぉ……」
「葵、もう……」
「うん、出してえ……あたしを孕ませてぇええ」

どくんどくん、という音があたしの脳に直接響く。
2回目だと言うのに、一度目を凌ぐ量の精があたしの中を駆け巡っていった。

〜〜〜

「……んぅ、もう夜? あれ、金治?」

傍らを見ると、金治がいない。
蝋燭は火を灯し、輝いているので先ほどまで金治が居たということはわかるけど、一体どこへ。

少し考えていると、足音が響いてきた。

「ああ、起きたのか……」
「金治、どこ行ってたの……?」
「ちょっと、村へな」
「村……?」
「ああ、領主と話してきて、明日に空き家に住んで良いことになった」
「……なっ!」

なんという手際の良さだろう。
たぶん彼ははじめから、賊など向いてなかったのだ。
あたしを想ってくれる気持ちがこれほどまでに高いのだから、きっと他の人を思いやる気持ちも高いに違いない。

「それと……」
「ん?」
「酒と食事も貰って来たぞ」

どうだ、と掲げ笑う彼は純粋な少年に見えた。
ああ、あたしはこの人が好きなんだ、と心から思う。
だから一生彼を想い続けよう。彼の助けになろう。

「なんだい、あれだけしたのにまだ足りないのかい?」
「そうじゃねえよ。あれだけ動けば腹減るだろう」
「そうだね。ありがとう……」

そんなあたしの想い人である金治。
だから、あたしはあなたにこの言葉を贈る。
これから何度でも言うかもしれない。
しかし、その度にこの想いは強くなっていくに違いない。

だから―――

「金治、愛してる」





〜〜〜





俺は現金な奴だ。
だってそうだろ?
数日前まで、俺は反魔物派の賊の名乗っていたんだ。

それが今では、アオオニという妖を愛しちまっている。
そんな俺を愛してくれた葵。

できることなら、今まで出会った妖すべてに謝りたい。
それくらい俺は自分がやってきたことに気付いた。

あの時、俺たちを打ち負かした、伊造とクノイチの気持ちが今なら分かる。
人間と魔物は共存できる。嘘じゃねえ、現に俺は、その実例を身をもって実感してるんだ。

ふと葵を見ると、俺の視線に気付いたのか、こちらを見て笑いながら言った。

「金治、愛してる」

葵はアオオニだってのに、顔を真っ赤にして俯いてしまっている。
ああ、可愛いな。と心からそう思う。

人ってのは変われるものなんだな。

だから、俺もこの想いを正直に言葉にして伝えよう。

「ああ。俺も愛してる」
12/03/31 22:51更新 / 春野雄呉

■作者メッセージ
さて、前作「夜宵」のスピンオフ作品です。
前作で登場した「反魔物派の賊の長」のその後の話です。

いかがでしたでしょうか?
楽しんでいただけたなら幸いです。

やはりエロは難しいですね。次回作はエロ無しでやってみようかしらw

さて「夜宵」を読んでくださった方々、感想をくださった方々。
ありがとうございます。
励みになります。

とりあえず、シリーズ化したわけじゃありませんが、ジパング編はひとまず休憩します。

次回作は未定ですが、西洋編を書きたいと思っています。
では、今回はこれにて。

3/31 思いついてしまったものは仕方ない、と言い訳しつつ西洋編として夜宵の続編を執筆中です。ジパング編と西洋編の繋ぎとしてお楽しみいただければ幸いです。

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