読切小説
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森男と花女
むかし むかし あるところに とても からだのおおきな おとこがおりました
あんまり おおきな からだなので みんながおとこを こわがります
ですから おとこは もりのなかで ひとりで くらしておりました
いつからか おとこは “もりおとこ” とよばれるようになりました 

もりおとこは はなや きが すきでした
じぶんのことを こわがらず そばに いてくれる はなや きが すきでした
もりおとこは もりのなかで はなや きの せわをしながら ひっそりと くらしておりました

あるひ もりおことは おおきな おおきな はなの たねを ひろいました
もりおとこは たねを うえて いっしょうけんめい せわを しました
おおきな おおきな たねからは おおきな おおきな めがでました
そして おおきな おおきな それは うつくしい はなが さきました
うれしくなった もりおとこは かおを ちかづけて はなの においを かいでいました
すると なんということでしょう はなのなかから きれいな おんなの ひとが でてきました
おんなのひとは いいました
「あなたがわたくしの世話をしたひと? わたくしは見ての通りのアルラウネですわ。まあ、この高貴なわたくしの世話ができたことを光栄に思いなさいな」
なんと おおきな たねは “たかびー”な あるらうねの たねだったのです
というか あるらうねさん 
くうきを よんで はなしかたを あわせて ください
「は? どうしてこのわたくしが、どこぞの馬の骨とも知らないナレーターに話し方を合わせなくてはなりませんの? 読みにくいだけじゃないの。あなたがわたくしに合わせなさい」
そういう “めた”な はつげんは やめて ください

もりおとこは ほんとうに ひさしぶしに たくさん はなしを しました
もりで ひとりで くらしていることや たねを ひろった ときの ことを はなしました
もりおとこは たいへん くちべたで しゃべりは つっかえ つっかえ でしたが あるらうねさんは しっかり きいて あげました
すると あるらうねさんは
「うぅ…、こんな優しい人を、グスッ、怖がって森に一人で住ませるなんて、ヒック、なんてひどい人たちなの!」
と いって なきながら おこりだしました
もりおとこは じぶんのことを こわがらず
こんな じぶんのために なみだを ながしてくれる
やさしい あうらうねさんの ことを すきに なりました

もりおとこは あるらうねさんが そばに いてくれるだけで しあわせです
しかし あるらうねさんの いかりは おさまりません
あるらうねさんは いいました
「あなたがわたくしにたくさん精をくれたら、わたくしがみんなに仕返しするのを手伝ってさしあげるわ。ええそれがいいわそうしましょう!」
そのめには いかりの ほのおが もえあがって います
もうすっかり やるき まんまん です
あるらうねさんは もりおとこの からだに はなの みつを ぬりはじめました 
みつを ぬられた もりおとこは なんだか “むらむら” してきました
もりおとこは からだが おおきいですから それは それは おおきな “もの”を もっていました
そして あるらうねさんの みつに よって いままで ためこんでいた うっぷんが せいよくへと へんかんされます
「さあ、わたくしの中にいらしてくださいまし。わたくしがあなたの怒りをいくらでも受け止めてさしあげますわ」
もりおとこは わきあがる “りびどー”に みを まかせ あるらうねさんに おそいかかりました

ふたりの あいは もえあがり みっかみばん あいしあいつづけました
さすがの あるらうねさんも へとへとです
しかし もりおとこは まだまだ やるき まんまんです
あるらうねさんは いいました
「はあはあ、す、すこひ、やすまへて… 」
すると もりおとこは はなの みつを くちに ふくむと 
あるらうねさんと したを からめて 
でぃーぷきすを しながら なんども なんども あるらうねさんに みつを のませました
ふたりは さらに いっしゅうかん あいしあいつづけました

そこには いろんな たいえきに まみれ あらい いきを はきながら ぐったり している あるらうねさんと
あるらうねさんを やさしく だきしめる もりおとこの すがたが ありました
あるらうねさんは ちからの はいらない てあしの かわりに つたを のばし もりおとこに だきついて いいました
「もっとぉ、もっとぎゅってして。もっときもちいいちゅーして」
あるらうねさんは もう めろめろです
しかえしの ことなど もう あたまのなかに ありません
もりおとこは いわれたとおり ぎゅっと だきしめて やさしく あるらうねさんに きすを しました
そうして ふたりは また あいしあいつづけました

むかし むかし あるところに からだの おおきな もりおとこと はなから はえた はなおんなが おりました
ふたりが くらす もりには それは それは きれいな はなばたけが ありました
そこで ふたりは はなや きの せわを しながら いつまでも しあわせに くらしました とさ

おしまい
10/08/25 23:22更新 / 雨守

■作者メッセージ
とても よみにくい ですね
かく ほうも かきにくかったです
ごじ だつじが あったら すみません 
*ごじが あったので しゅうせい しました
ごしてき ありがとう ございました

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