連載小説
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甘い香りの癒し
早速私は、大広間で手順通りに魔法円を描いて書いてある呪文を唱えてみる。すると魔法円の中心あたりから黒い穴のようなものが広がって行き、そこから白い煙と共に何かが姿を現した。煙ではっきりとは見えないけど、やや大きい事が分かる。それに…なんだかとても甘い香りが漂ってきた。やがて煙が消えると…そこには、花の妖精とも呼ばれるアルラウネがいた。
桃色の花弁の中に、草木のような黄緑色の体をした女性…というか、顔立ちは少女っぽいから、少女でいっか。さっき大きく見えたのは、花が大きいせいだったらしい。少女はきょとんとした様子で、私を見ている。
「ここどこ…?あなたは…?」
声も少女そのもので、とても可愛い…ってそうじゃなくて!
「ここは私の部屋だよ。召喚してみたら、貴方が呼び出されちゃった…みたいな?私の名前は美羽」
私は本を見せながら言う。するとアルラウネの少女は首を傾げる。
「わたしはメリア…。わたしを呼び出して…なにするの?」
「う〜ん、遊ぼうって思ってたんだけど…そもそもアルラウネって動けるの?」
そう、当初の目的は、呼び出した者がどんなのか分からないけれど、言葉さえ通じれば一緒に遊んで暇潰しになるって思っていた。でもまさかアルラウネが召喚されちゃうとは思ってなかったけど…。メリアは少しむっとしたように抗議した。
「動けるよ!…ゆっくりなら」
最後は自信なさそうに声がしぼんでいく。やっぱり可愛いなぁ…。
「う〜ん…じゃあ何しようかな〜」
なるべく激しく動かないでできる事…う〜ん…考えようとしても、なんか集中できない…。
「そういえばさっきからする甘い香り…なんだろう…」
思わず呟く。
「この香りはね、私達が誘う為のものなんだよ」
「へぇ…って、それって媚薬ってやつじゃ…」
「そうだけど…?」
メリアは、さも当たり前のように言う。どうりで考えのまとまりも悪いわけだ。そういえば花の中に蜂蜜みたいな蜜が溜まってるけど、もしかしてこれが…?
「その蜜みたいなの、ちょっと食べてみてもいい?」
「いいよ…?(媚薬成分の元だけど…)」
スプーンを使うのもなんだか悪い気がしたので、私は指で蜜をすくって、直接口に入れてみた。とても甘い。だけど…なんかものすごくぼうっとする。なんというか…体が熱っぽいというか…。
「大丈夫…?」
メリアが私の顔を覗き込んでくる。
「大丈夫…たぶん。ちょっと風呂浴びてくる…」
私は必死に耐え、よくメリアは平気でいられるなぁと思いつつ、ほぼ這うように風呂場に向かって行った。


結局、遊ぶというよりもむしろ遊ばれている感じで、私とメリアは夜を明かした。庭の花で飾られたり、花の中に居候させられたり…(もちろん終わった瞬間に、風呂場に直行した←)。
だけど、メリアも満足そうだったし、私も嫌じゃなかった(むしろ名残惜しい…)。
だけどずっと元の世界に帰れないのは可哀相だと思い、同じく本にあった召喚解除を使って、翌朝、メリアは元の世界に帰って行った。
お土産にメリアが置いて行った蜜が、彼女との出会いの証。
さて、次は何が召喚されるのかな?
14/08/24 17:25更新 / 幻想
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■作者メッセージ
というわけで、最初はアルラウネです。タグにロリ追加確定←
こんなクオリティの低い駆け出しですが、もしも「こんな魔物&シチュエーション(不可能な場合があります…)」というのがありましたら、もしくはそれがなくても、感想を頂ければ嬉しいです。

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