連載小説
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母性ドーマウスと包まれ農夫
 「……ふむ、確かに問題なし。いつも通りなかなか見事な出来映えじゃ、農夫殿」
 「そりゃどうも」
 「しかしまあなんじゃ」
 「なんだ?」
 「散々言ってはおるが。ヌシ、移住とか考えないのか?」
 「再三答えてるがな。ここが焼け野原にでもならん限りは考えないさ」




 農夫、と呼ばれた青年が肩をすくめる。
 長身とは言えない中肉中背。服が盛り上がるほど筋肉隆々というわけではないが、なかなか引き締まった体つきをしていた。
 ふむ、と長袖和服の女性が諦めるように肩を落とす。小柄で線は細いが、多種多様な物品が詰まった桐の箱を背負っていた。
 彼女はため息をもらしながら眼鏡の位置を直す。
 「今に始まったことではないが……のう、こんな場所では親族どころか同胞さえ居ないではないか」
 くせっ毛を揺らしながら女性が辺りを見回す。
 二人の周囲に広がるのは一面の土と、藁と木で組んだ質素な家々。小さいながらも水車もあり、新緑を芽吹かせた畑もあった。
 だが、その畑も田も多くが荒れており、好き勝手に伸び広がる雑草が悠然と闊歩していた。よくよく見れば家に立てかけられた農具は一軒を除いて壊れたもので、他の日用品も穴や損傷がそこかしこにあった。
 そんな光景が殆どだ。否、今二人がいる箇所を除いて、と言った方が正しい。
 つまるところ、ここはもう廃村と化していた。
 「郷土愛も結構じゃが、ヌシ自身のことも少しは考えよ」
 「別にいいじゃねぇか、少量ではあるがそのおかげで妖気の少ない人間向けの野菜が作れてる。あんたはこのままの方が儲かっていいんじゃねぇの」
 彼女は複数の荷台にこんもりと積められた野菜を見やる。
 「一人でこの量は少量と言えるのかの? ともかく、このままでは孤独に老いを迎えることになろうぞ」
 「たまにあんたが来てくれるじゃん。それでいいよ」
 「ぬ。それに、年頃の男なら恋人や嫁の一人や二人、欲しいもんじゃないのか?」
 「んー別に俺の家系の血が廃れるこたあないだろうからな。いいよ別に」
 「ヌシは仙人か何かか……?」



 また季節は巡り。
 「おーこれまた栄養と精のこもった立派な大根じゃな」
 「ここら一帯の土神様の恩恵を一点に受けてるからな、そうもなる」
 「土神……? ああ、精霊のことかの」  「あんたはジパングのもんじゃねえのか? 着物着てっけど」
 「家系はそうなんじゃがな、行商人の娘故教会都市の方で主に育ったんじゃ。精霊の力を借りてる、ということは精霊使いかの、ヌシ」
 「せーれー? よくは知らんが風水師とか陰陽師のことか? いや、そんな大層なもんじゃねえよ。荒れた土地を捨てずに残った者に少しだけ加護をくださってるのさ」
 「ふぅむ。並外れた収穫量もその加護とやらのおかげか」



 雑草の上に花が咲き、虫は乾きながらも鳴き、実りを迎え、枯れ木が白を彩る頃。
 「ヌシよ」
 「なんだ、改まって」
 「ヌシは、ヌシと、この村を捨てて行った者達を恨まないのか?」
 「んあ? あー」
 青年は唸りながらも、何かを想起するかのように空を仰ぐ。
 「そうだなぁ」
 



 話したことあったっけ。あれは何年前だったかな、はぁぴぃとかさきゅばすとかいう妖怪が烏の群みたいに空を飛んでここに来たのさ。びっくりしたなぁ。ここってジパングと教会都市の中間だろ? ジパング寄りではあるんだが。だからさ、別に弓構えて迎撃、とまではいかなったけど、次々とやらしい姉ちゃん達に皆が襲われてさ。いやあすげぇ光景だったな。酒池肉林とはああいうのを言うんだろうな。
 他人事のように言っとるが、ヌシはどこにいたんじゃ? ああ、少し離れたとこにいたんだ。丁度水くみに行っててな。あまりのことに体が動かなかったんだ。情事なんて兄貴が隠し持ってた春画でしか見たことなかったし。んで、そのまましばらくすると村の女共はさきゅばすさんらと同じような感じになっちまって、男共は骨抜きで動けなくてよ。
 段々収まってきたと思ったら、特別やらしい姉ちゃんがふとこっちを見てな。井戸に隠れてたし見えたはずないんだが、神通力とか妖術ってやつかね。明確に“見られてる”悪寒がしてよ、体が勝手に震え上がって顔を上げたらいつの間にかその姉ちゃんの満面の笑みが見えてな。思わず悲鳴を上げそうになっちまった。
 軽くホラー、否怪談じゃな。 だろ? んでもあっちさんはお構いなしに挨拶してくるしよ、条件反射で返しちまった。直感で悪いヒトじゃないとは思ったんだが、後ずさって鍬を構えたんだ。したらオカシそうにくすくす笑われちまった。ありゃなんでだ?
 大方、色気にあてられておっ勃ててたんじゃろ。そんな状態で凄まれても滑稽じゃろうて。 ああ成る程……ってやかましい! ともかくだ、「あなたもここの人よね? 混ざらないの?」って言われたから、この村をどうするつもりだと聞いたんだ。
 「別に取って食うわけじゃないわ。……現在進行形で食べてはいるけどね」「その様子だと知らなそうだから教えるわね。私達はあなた達人間の精がなければ生きていけないの。オスもいないから子孫も人間頼りよ」「親魔派の人達から聞いたのよ。都市から離れた場所に、魔とも人とも距離を置く寂れた村があると」「このままだと滅びるのは時間の問題だと。だから夫探しついでに移住を提案しようと思ってね」
 そんな感じのことを聞いてな。
 どうしたんじゃ?
 ん? それなら別にいいかなーと。
 う、頷いたのか!? ああ。まあ村に居る皆も薄々分かってたしな、量も質も落ちる一方だったし。
 ……ヌシらが言う、妖怪に連れ去られることに抵抗はなかったのか? 
 ジパングじゃあ神隠しや狐の嫁入りなんて昔っからあることだしな。それに、皆幸せそうだった。
 ここには色々な人達がいたよ。
 教会の思想に深く共感した者。妖怪に忌避を抱かぬ者。恋人を失った者。恋人に飢える野郎共。もはや衰退は免れると悲しそうにしてたじいさんやばあさん。
 皆、幸せそうだった。妖魔と交わり魔となることで幸福を得て、若さを取り戻し、傷ついた心が強制的に潤って。
 妖怪なんて滅ぶべきだ、なんて聞いてもいないのに声高に叫ぶ人でさえすっかりだらしない顔になってた。歩くのもままならなかったじいさんが逞しい体を取り戻してた。
 思ったんだ。ならそれでいいじゃねえかと。
 では。では、何故ヌシはここに残ったままなのじゃ?
 大それた理由とかはないよ。ただ、先祖様達が残した畑とかを完全に置き去りにするのは忍びなかっただけだ。そう言ったら納得してくれたよ。 ほんとか? ああ。まあゴネるからはぁぴぃさんらに襲われて返り討ちにしたが。件の姉ちゃんと戦ってたら決着がつかないもんで諦めてくれた。 それは納得したとは言わん。
 




 「ヌシ宛ての手紙もたくさん来てるじゃろ、ほれ今回の分じゃ」
 「どーも。……皆元気そうで何よりだ。何人かやけに湿ってベタベタしてるが」
 「心配しての手紙じゃろ、ヌシはもう十分やったと思うぞ。同胞を心配させるもんじゃない」
 「んー。まだいいかな。別に食うのに困ってるわけじゃなし、足りないものはあんたが揃えてくれるし」
 「ワシが来なくなったらどうするつもりなんじゃ……。まあいい、また来る」
 「おうよ狸さん、気をつけてな」





 手配した馬車に揺られながら、彼女は思う。
 遠ざかっていく廃村を横目で捉えて、
 (狸さん、か。確かに何かとつけて媚薬効果のあるものや魔法アイテムを売りつけようとはしとるが、ことごとく見破られとる。じゃがそんな知識はないはずだし、人化の術に加えて認識阻害の眼鏡までしとるというのに、狸、か)
 整理されていない道で車輪が浮き、商人の腰からぴょこん、と尻尾が見えた。
 (比喩なのか、はたまた)
 商人は、人の悪い笑みを浮かべる。妖しくも惹きつけられる笑顔を。
 (何にせよ、そろそろか、の)
 獲物を、あるいは商機を逃がさぬ獣の笑みで、彼女は市場へ戻っていった。



 



 使い古し、何度か修理を施した鍬を担いで家にもどった青年は、布団を前にして固まっていた。
 目をこすって汚れを落とすかのように首を横に振る。いけない、最近雨が降らないからって腹いせで二日徹夜して畑を耕していたのがいけないのだろう。無理な労働は生存の危機だ。
 労働は計画的に、と頷いてから目を開ける。
 「……すー…………んぅ…………すー」
 なんとも心地良さげに寝息を立てている少女がそこにいた。
 青年はアイアンクローの勢いで顔を鷲掴みにして気合いを入れ直す。弛んでいるから幻覚などを見るのだと。
 しかし、いくら気合いを入れたところで目の前で無防備に眠りこける少女は消えない。いや、この外見からしてもう幼女ではないのだろうか。
 (こんなところを人に見られたら終わりだ……ああ俺以外に誰もいないや、じゃあいっか)
 全く良くはなくてうなだれる。
 ため息をつきながらも、青年は少し近づいて顔をのぞき込んでみる。
 均整のとれた顔立ちだ。彫像や絵画に描かれる美しさではなく、人形に施される愛らしさが目を引く。
 閉じられているまぶたを開けば、さぞ美しい宝石のような瞳が現れることだろう。小さく寝息を立てている口元がなんとも言えず憎たらしい。
 寝間着なのだろうか、ピンクを基調とした可愛らしい洋服がこれ以上なく似合っている。と、そこで気づく。顔から視線を下ろせば、健康的な白色が。しかも、わずかに膨らんだ盛り上がりが呼吸に合わせて上下しているではないか。
 ほんの、ほんの少し身じろぎすれば布がずれてしまいそうな危ういバランスに息を飲む。耳障りなほど大きな水音が聞こえる。それが自分が唾を飲んだ音だとも気づかずに、青年は少女のわずかなふくらみに顔を近づけ、耳を当てていた。
 「――――んっ」
 トクン、トクンと鼓動の音がする。頭の少し先で少女の口が息を吸い込むタイミングと同じで鼓動が聞こえてくる。
 何故だか、ひどく心安らぐ。母親の胸に抱かれたかのような脱力感と安心に包まれ、青年はしばらくそのまま動かずにじっと鼓動の音を聞いていた。
 熱にうなされたような湿った息を吐く。少女の絹のような綺麗な髪を手に取り、わずかな甘い匂いを吸い込んだ。商人にもらった異国の茶によく似ていた。
 青年はそのまま、優しく、すべすべとした少女の腹から腰へ手を滑らせ、やぼったい下着をゆっくりと下ろす。
 甘い匂いがこれ以上なく濃くなった。そんな錯覚を覚えながら、青年は、
 「――――――ふんぬっ!」
 凄まじい勢いで床に額を叩きつけた。





 危なかった。危なかった。危なかった。
 痛みで朦朧とする頭を更に鷲掴みにしながら、自分がもう少しで先祖様に顔向けできないようなことをしでかそうとしたのを改めて実感する。
 気の迷いか、魔が差したのか。
 無防備な女の子が自分の布団で寝ていただけでなんたる不埒。
 「男は誰だって飢えた狼」
 そう断言して俺にスゴい顔(オブラートな表現)をさせた村のシスターを、今誰が否定できようか。少なくとも俺はできない。
 土と人共に生き、叶わねば土と共に沈もうとなんとなく決めたあの日の自分に言い訳もできない。
 俺は罪悪感と自分への失望に苛まれる。
 しかし、しかしだ。
 どうにもおかしい。何やら甘ったるい香りは顔を遠ざけたことで収まるばかりか鼻腔に染みんばかりに強くなる一方で、荒い呼吸も押さえられない。静めようとすれば呼吸もろとも止まる程だ。
 しかも、今さっき気づいたが、商人からもらったずぼんが今にもはちきれんばかりになっている。原因は何か。痛いほど血流が回った俺の息子だ。
 というか痛い。金具がひどく痛い。慌てて脱ぎ捨てると、見たことがないほど腫れあがっていて、血管が浮き出ているほどだ。というより、明らかに自分のサイズを上回っている気がする。それほどまでに興奮しているのか。
 兄が厳重に隠し持っていた『嬌会の夜の顔〜ハ・イ・ト・ク? 清楚なドスケベシスター大特集〜』を初めて見て勃起した時もここまでじゃなかった。
 そして、はたと気づく。少女の足からはもっこもこしてそうな毛皮がのぞき、頭には大きな丸い耳、極めつけには尻尾がちょろちょと動いていた。
 妖怪だったのか、と愕然としたと同時。
 俺の理性は、そこで途切れた。




 立ち上がり、騒ぎにも動じず眠りこける少女に乗る。
 下着を取り去り、わずかな動作の間でもぶらぶらと動いて重い肉棒を掴み、少女のワレメに当てる。
 肩までつられる荒い息の中で、少女のワレメが濡れているか確認するのを忘れていた。
 しかし、そんな戸惑いは、肉棒を当てた瞬間に響いたクチュッという湿った音で全て吹き飛んだ。
 腰を前に押し出す。
 わずかな抵抗の後、手を引かれて導かれるように肉棒が少女の膣内に入っていった。
 「うぉ……!?」
 キツい。少女の外見に違わず四方から押される。だが不思議と痛くもなく、驚くほどすんなりと収まった。
 思わず声をもらす。
 少女の膣がもたらす刺激は、力強く、しかし柔らかかった。柔らかな膣肉でぎゅうぎゅうに揉みしだかれる。
 「くっ、ああ!」
 予想外の刺激に、たまらず俺は性を少女の膣内に解き放っていた。
 肉棒が震える。膀胱から上がってきた白濁が尿道を駆け上り、放たれる。
 腰が震えるほどの解放感に襲われる。
 「ん、あぁ、んっ」
 少女が小さく声をもらすと同時に、膣が表情を変えた。肉棒を包む膣ヒダが、まるで水の流れのように流動し始めたのだ。
 今度こそサオ全体を揉みほぐされる。湿った膣ヒダにぐにゅぐにゅともみくちゃにされた俺は、更に精液が上ってくるのを感じた。
 あまりの快感に腰が引けそうになるが、入り口がきゅっと締まる。
 逃げ道がなくなり、情けないうめき声をあげながら、俺は経験したことがないほどの長い射精を味わう。
 長い長い射精が終わる頃には、俺は涎が口角から止めどなく流れ、脱力感に少女に倒れ込んだ。
 全身を震わせながら荒い息を吐く。その間にも膣内は肉棒を労るかのように尿道を舐め回していた。
 あれほど射精したのに、勃起が一向に終わらない。むしろ先ほどよりも硬くなっていた。
 もっと気持ちよくなりたい。
 この少女の、未発達な性器で気持ちよくなって、精液を吐き出したい。
 誘惑に動かされるまま、やっと腰を動かす。
 最初はぎこちなく、だが段々要領が掴めてきて、大きく、速く動いたりしてみる。
 先ほどとは変わって、波打つように膣肉が並んでいて、肉棒が出入りする度に裏スジやカリ首をなぞりあげてくる。
 「ん、うぁ、ああん」
 かと思えば、不定期に収縮して、くっついたり離れたりするランダムな刺激が気持ち良くて仕方ない。
 俺がスムーズに動けるようになってすぐに、
 「ああん、あっ、んう」
 少女が俺の腰の動きに合わせて体を揺らしている。一人よがりではない。彼女も喜んでいる。一緒に気持ちよくなってくれる。そんな認識に更に興奮する。
 もはやペースなど考えず、乱暴に腰を、肉棒を少女のワレメに打ちつける。
 「ああ、くぁ、んんん!」
 そんな勝手な俺を、彼女は毛皮に包まれた手で抱きしめてくれた。そして、彼女の唇に俺の唇が触れ、甘い匂いが口に広がった瞬間、俺は己の欲望を少女の中に放った。
 「んんぅううっ! ああっ!」
 きゅうっと膣が締まったかと思うと、熱い白濁を膣内に出す。




 「んっ、ちゅ、んん」
 「んぅ」
 射精を終えた後、少女を抱え上げ、向き合った体勢で口づけを交わす。互いの舌を削ぎ、貪るような激しい口づけを。
 そして、少女がゆっくりとうろんとした目を開けた。
 淡い青い瞳だ。さふぁいあという宝石に似ているかもしれない。
 綺麗な目で青年を捉えると、彼女は優しく微笑んだ。
 「おはよう」
 「お、おはよう。って、あの、俺さ……」 「いいの、何も言わないで。気持ちよかったし、とっても美味しかった。ごちそうさま」
 何回かイっちゃった、と照れたように笑う彼女を眩しそうに見つめた青年。
 「痛くねぇか?」
 「大丈夫、むしろすっごく気持ちいい」
 「良かった、それがすっげえ気がかりだったんだ」
 大げさに見えるほどに安心して肩を下ろす青年に、少女は可笑しそうに笑う。
 「じゃあ、遠慮する必要ないな」
 「え?」
 「ごめん、まだまだ収まらない」
 「え、ちょ、ちょっと待って、今完全に子宮が降りてきてて、こんな状態で動かれたら」
 「ごめん止まれない」
 「待っ――――ひぎぃ!?」
 青年は少女を抱きかかえたまま、腰を思い切り突き上げた。
 「ひぃ、んぁあ、あああ!?」
 「おおなんだこれ、子宮が先っぽに吸いついてきてんのか!? ぐぅっ!」
 「だからまっ、んぁあっあああ!?」
 体を激しく痙攣させ、涙目で唾液を垂れ流す少女に構わず、青年は一心不乱に腰を振り続ける。
 「ひぐ、うぁあああッ!」
 「ダメだ、もう出る!」
 「まって、まってぇ! ひ、ひま出されてりゃ、おかしくなっひゃう!」
 止めようとする少女とは裏腹に、少女の膣内は激しく痙攣を繰り返し、肉棒に射精を促す結果となっている。
 「だ、だめぇ! しきゅりゅにちょくへつだしちゃ、だめぇえええ!」
 「ダメだっ! で、出る!」
 「だめぇええええええイクぅうう!」
 肉棒が奥に突き込まれる。勢いよく飛び出した白濁液は少女の子宮に飲み込まれていく。
 「ひぎぃ、ひぃやぁっ!」
 ドク、ドクッと熱い精液が注がれる。
 「んやぁあ!」
 「な、なんだこれ、こ、腰が動く!」
 「――へ? あ、あああああぁああ!?」
 もはや少女の膣全体が肉棒に合わせて移動しており、更なる射精を求めて蠢く。
 「ひっ、ひっ、ひぃああやあ!?」
 激しく突かれる間も射精は止まらない。
 「あ、あ、あ、あ、――――ああはぁああ…………」
 少女の体から完全に力が抜け、人形のように手足が投げ出される。
 「お、おぁ、おおおお……」
 肉棒とつながったままのワレメからは、糸が切れたかのように止めどなく小水が漏れだし、布団を黄色に染めていった。




 「んちゅ、んぅう、ちゅうちゅう」
 「っぷは、おいおい、そろそろ話をだな」
 「えっ!? 何、もう子供の話? もー夫様ったら気が早いんだから」
 「違うって! あーなんだ、ここまでしちまったからにはだな、責任取って君の親御さんに詫びをだな」
 「んぇ? 家出してくる時に『王子様を見つけるまで帰って来るな』って言われたよ?」
 「うっわあぐれっしぶな! そうじゃなくて」
 「そっか! 見つかったから里帰りできるね!」
 「違う! そこを訂正したかったんじゃない!」
 「あ、そっか。『子供を連れてくるまでは仕送りの受取と手紙の返信は欠かさないこと』とも言われたね」
 「厳しいようでしっかりしてんな親御さん! でもそうでもなくてだな」
 「いいんだよ? 私はここに住むから」
 「こんな所に居させるわけにはいかないから君は――え?」
 「私はここに住む。今日から今からここが私の家。第二の故郷。それで問題ないでしょ?」
 「いや、ええと、でもいいのか? 見ての通り何もないぞ? やることといったら土いじりと労働くらいしかないし」
 「一人くらいなら問題ないんだよね。私大体何でも食べられるし」
 「そうだが……」
 「いいじゃない」
 少女は、自分より背の高い青年を優しく抱き締める。
 「寂しかったんでしょ、何となく分かるよ。自分でも気づいてないみたいだけど」
 「……」
 「いいの。あなたの好きなこの場所で、大切な畑を耕して。疲れたら一緒に寝ましょう?」
 「……うん」
 「あなたを好きな私をここに居させて」
 「…………うん」
 「良かった」
 青年は少女の胸に顔を埋めたまま、やがて安らかに寝息をたてる。
 そんな彼の頭を愛おしげに撫で、少女もまた眠りに落ちた。
 
14/10/31 19:14更新 / たたれっと
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