読切小説
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少年とメイドのセックス実況
 「皆さん、こんばんは。今夜も私にお付き合いください。情熱と狂気の狭間で揺れ動く魂たちよ!その満たされない欲望を今宵ここで解き放て!!今始まります、究極の肉体淫技パクロス!!」

 男の捲し立てる言葉で始まったパクロスという名のこの番組は、空前絶後の変態番組である。その内容は人と魔物娘の性交を実況するという正気の沙汰とは思えないものだ。しかし深夜番組でスタートしたこの番組は、放送が始まると同時に瞬く間に話題となり、さらに大反響を得た。

 この番組は元々バラエティー番組として放送される予定だった。だが紆余曲折の末に誰がどう見てもただの珍妙なエロ番組へと変更された。番組関係者たちは魔物娘から受けた快楽と魔力により、まともな思考が出来ない状態となっており深夜枠でならこの番組を地上波で流せると判断した。常識的に考えてこんな番組が認められるわけがなかったのだが、なぜか世に受け入れられてしまったのだ。巷では「電波に淫魔の魔力を乗せて放送したのではないか」という都市伝説まで囁かれるようになったが、それもあながち嘘ではないのかもしれない。

 パクロスに出演するカップルや夫婦は、以前は魔王軍より要請を受けた者たちだったが、パクロスが人気番組になってからは一般の視聴者たちから応募を募り、スタッフがその中から選ぶようになっている。毎日応募のハガキとメールがどっさりとTV局へ届いている。

 パクロスで実況をする男はスポーツ番組で長年実況をしていた元アナウンサーである。彼に白羽の矢が立ったのは、その実況者としての経験と知名度もあるがもっと大きな理由がある。それはこの男がまさしく実況に命を捧げるような男だったことだ。パクロスでは人と魔物娘の性交をリアルタイムで見ながら実況しなければならないのだが、たいていの男は彼女たちのあまりの美しさや魔力に当てられて、仕事に集中できなくなってしまう。しかし、この男はひとたび実況モードに入ると、どれほどの上級淫魔の魔力を受けようが全く影響を受けないのである。経験とスキル、そしてこの特殊体質により必然的にこの男が選ばれた訳である。

 今日もまたテレビから男の止まらない実況が流されている。

 「さあ、今夜は驚きの二人が名乗りを上げました。何と15歳の少年と彼のメイドであり義理の姉である18歳のキキーモラです。その関係性も仰天ですが、信じられないのは15歳!今年中学校を卒業したばかりの少年です。この番組には年齢制限がないのでしょうか?番組関係者の正気を疑わずにはいられません!!ですが、衝撃的なのは年齢だけではありません。二人とも今夜が初体験だと言うのです!少年に至っては精通もまだなのです!!彼は夜の営みに関しては漠然とした知識しかないそうです。初夜という大事な時をなぜこの番組で迎えようとするのか理解し難いですが、私としてもこの世紀の瞬間を見逃すわけにはいきません!!私もすでに大興奮しておりますが、はやる気持ちを抑えて二人の身の上を簡単にご説明します。」

 「ミサが8歳の時、5歳のシンジは彼女の両親に養子として向かい入れられました。魔物だけでなく人の子も育てたかったそうです。また、当時お転婆だったミサも弟を持てばキキーモラとしての自覚をもつのではないかという考えもありました。二人は出会ったその日から互いを意識しておりました。しかし、義理とはいえ姉弟。その関係が二人を阻む壁となっていました。ミサはだらしないシンジの世話をほとんど一人でやっていたそうです。それから10年。二人の恋が冷めることはありませんでした。姉弟という障壁は二人にとって恋の炎にくべられる薪に過ぎなかったのです!シンジは中学校を卒業したその日にミサに告白しました。そして二人はお互いを初めての相手とするために今回応募してくれたのです。提案したのはミサです。両親ももうこの二人を止めることはできませんでした。当然でしょう!10年たっても消えない炎を誰が消せるというのでしょうか?」
 
「さあ、話題の二人が入場してまいりました!前を歩くのは黒髪で細身の少年。色白でなかなか整った顔立ち、繊細でナイーブな印象を受けます。うつむき加減で口は真一文字、緊張しているようですが無理もないでしょう。見ているだけで何だか助けてあげたくなる、そんな気持ちを抱かせる不思議な少年です。庇護欲製造少年・シンジです!
彼の後ろにぴったりとつきその背に手を添えているのは、理知的で温厚そうな品のある女性です。血色が良くきめ細やかな肌です。巨乳ではありませんが、全てを包み込むような柔らかみを感じさせる美乳の持ち主です。体の一部からは羽毛が生えていますが、彼女を彩る装飾品のようにも見えます。左目の泣きぼくろがたまりません!!まさに画竜点睛のほくろです!背徳の聖女・キキーモラのミサです!」

 「まずは二人のファーストコンタクト。直立したまま互いに見つめ合っています。シンジが耐え切れずに目をそらす!そんな彼にミサが聖母のように微笑みかけます。この迷える少年の導き手となってもらいたいところ。ミサが彼を抱き締めます。しっかりと密着。汗ばんだ肌が彼の肌を吸着して一体化しているようだ!二人とも目を閉じ、相手の体を撫でさすっております。じっと互いの鼓動を聴いているかのようであります。何だかこちらまでムズムズしてきます!今夜は甘酸っぱい夜になりそうです!!」

 「示し合わせたようにそっと目を開き、二人がまた見つめ合います。さあ、どうする!顔を近づける。キスです!ファーストキスをする気だ!!ああっと!!駄目です、鼻がぶつかってしまった。そのまま顔を近づけると鼻が邪魔でキスできません!どちらかが顔を傾けなくてはなりません。
気を取り直してセカンドトライ。今度は顔を傾けます、成功か?だぁぁ!またも失敗!二人とも同じ方向に傾けてしまった!残念無念!息が合うがゆえの鼻ゴッチン!何とも歯がゆい!!お互いの鼻が二人のキスを阻みます。ここで諦めてはいけません。落ち着いて今度こそ決めましょう!
さあ、三度目の挑戦!緊張の瞬間です。・・・・決めたぁ!!やりました!薄目を開けたミサがすんでのところでかわしました。ファインプレーだ!!これでファーストキスを見事達成!おめでとうございます!」

「夢中で互いの口を啄んでいます。小鳥同士のキスです。そして10年越しの万感のキスです!堪能しきったところでゆっくりと離れます。口の間をつなぐ唾液が溶けたチーズのようです。
キスの後はどうするつもりでしょうか。二人の関係性から今宵リードするのは間違いなくミサの方でしょう。さあ、聖母ミサ!シンジをどうするつもりですか!?
ベッドに二人腰かけ、ミサが彼の肩に手を回す。もう片方の手が彼の竿へと動き、ゆっくりしごき始めた。手淫です!彼の精通を果たすつもりか!?シンジには未経験のことなのでしょう。何となくの知識は持っていても実践には及んでいません。彼女を見つめる顔には困惑の表情が浮かんでいます。ミサが赤子をあやすように彼の耳元でそっと言葉を囁いております。彼女のしっぽもシンジの頭を撫でております。
彼女の羽毛によるくすぐったさが性感の高まりに拍車をかける!シンジの息が荒くなっていく!この小さな分身からこのような快楽がもたらされるとは夢にも思わなかったのでしょう。彼にとってこれは未知との遭遇!期待と恐怖を胸に抱きながら、まだ知らない世界へと一歩を踏み出そうとしている!!
シンジが目を閉じ絶頂!!!彼の体の奥底から生命のエネルギーがあふれ出す!!粘度の高い彼のスペルマは白いマグマのようです。天高く噴射している!!これでシンジはまた一歩大人の階段を上りました。もう10分前の彼とは違います!」

 「手についた彼の精液をミサが舐めとります。うっとり頬が緩みます。彼女にとって熟成物の最高級品ワインのようなものでしょうか。彼のまだ脈打つ棒をぱくりと飲み込む。メイドのお掃除フェラだ!じっくり味わいます。舌で転がしゆっくり嚥下していきます。なんていやらしいテイスティングでしょう!その様子をぼうっと見つめるシンジ。未知の快楽、そこからの虚脱感、そしてミサの魔物娘としての姿。何もかもが初めてでまだ状況を飲み込みきれません。」

 「呆然とする彼をミサが優しくベッドに倒します。仰向けの彼の上にまたがり、腰を上げて股を見せつける!シンジもこれにはくぎ付けだ!!彼の目に映るのはミサの聖器。そして魔境への入り口だ!!一度入れば戻っては来れないブラックホールです!!
触ってみたい、舐めてみたい、挿れてみたい!様々な衝動がシンジの中で交錯していることでしょう。彼の股間が息を吹き返します。彼女の求愛に応えるかのようだ!存分に自分のメスを見せつけて、ミサが彼の屹立を確かめる。準備万端、出来上がっております!狙いを定めて・・・・一発で挿れたぁぁー!!!キキーモラに死角なし!
一気に腰を下ろした!結合部からミサの鮮血が流れます。彼女の10年間の苦しみとこの瞬間の歓喜とが入り混じった血の涙のようにも見えます。シンジが息を呑みます。シンジよ、心配にはおよびません。彼女も今大きな一歩を踏んだのです。
痛みは引いたようです。ミサが彼の胸に手をつき騎乗位の体勢でピストン開始!じっくりしっかり彼を感じます。シンジはされるがまま何も為す術がありません。一方的に送り込まれる快楽をその身で受けることしか出来ない!
おっと!動きが激しくなっていく!ミサの表情が変わっていきます。舌を出し目はうつろ。どうしたんだ!?これは本能に支配されてしまっています!10年に及ぶ封印された想いの解放はキキーモラをも狂わせてしまうほどのものなのか!?母性溢れる母犬から獰猛な猛獣へ豹変してしまっている!!シンジが苦悶の表情で顔を振っています!まだ体の弱い彼には刺激が強すぎます!強すぎる快楽はもはや毒だ!このままでは危ない!危ないぞ!!!」

 「はっ!ミサの目が戻りました!持ち直しました。一瞬の出来事でしたがヒヤリとしました。シンジの様子に気づいて慌てて動きを止めます。間一髪、危ないところでした。彼の目を心配そうにのぞき込みます。シンジが大丈夫とうなずきます。唇を噛みしめミサが己を戒めております。良薬は口に苦し。人生には苦い経験も必要なのです。若さゆえの過ちを恥じることはありません。
再びピストンを開始します。今度こそ二人の愛を見せてほしい。さきほどとは打って変わって穏やかな動き。ヘヴィメタのような激しいピストンからバラード調へと変わりました。波打つような体の動きがこれまた扇情的だ!二人で愛の賛歌を奏でます。フィナーレへと突き進む!同時にフィニッシュ!!収まりきらないシンジの精液がヴァギナから滴り落ちています。」

 「見応え十分、素晴らしいものを見せてもらいました。二人には感謝の気持ちでいっぱいです。お疲れ様でs・・・・やややや!ミサが彼の一物をまたしごき始めました。まだ満足していないというのか!?彼女は新たなラウンドを希望しています!二度も達した彼が彼女の期待に応えるのは難しそうです。しかし、シンジもまた戦闘を続行しようとしている。必死に己を奮い立たせようとしています!こうなったとことんやってもらいましょう!今ゴングは鳴らされました!!!」

 「シンジが目を閉じコンセントレーションを高めております。ここからは己との勝負だ!全身のエネルギーを一点に集結させています。体の隅々にまで指令を送り、力を蓄えます。ミサも口一杯に彼を頬張り援護射撃です。この番組では調子の悪い出場者のために魔界特性の精力ドリンクを用意しております。部屋にある受話器からコールすれば、カラオケよろしくスタッフがドリンクを持っていくシステムになっています。もちろんシンジもそれを知っているはずですが、あくまで自力でやり抜くつもりのようです。ならば私も精いっぱい応援しましょう!声は聞こえなくとも気持ちを届けることはできるはずです。さあ、勃て!勃つんだシンジ!!!
おっ!!ミサの目が見開いたぞ!慎重に口から抜いていきます。さあ、どうだ!?
勃っています!!シンジが勃ちました!!きたきたきたきたぁー!!千載一遇のチャンス到来!!!」
 
「ミサが仰向けに寝て股を開いて再び魔境の入り口を広げて見せます。シンジを誘っています。
『シンジは自分に自信がなく自身のことを好きになれないでいます。今日が彼を変えるきっかけになってくれれば』事前のインタビューで彼女はシンジのことを案じておりました。自信をつけさせるために最後に彼を主役にしたいのでしょう。
さきほどは否応なしに呑みこまれましたが、今度は自分から飛び込まなくてはなりません。今夜初めてシンジが主導権を握ります!男を見せる時だ!!大きく息を吸い込んで。酸素を体いっぱいに取り込んで気合いを入れます。しかし、あまり時間をかけてはいけません。彼の主砲が戦闘態勢でいられる時間はそう長くはありません。タイムアップの屈辱は何としても避けたいところ。
穴に差し込む!あっ、違います!そちらの穴ではない!それは尿道だ!魔境はその下です!選択を誤ってしまいました。さあ、次こそ決めてくれ!
亀頭を入り口にあてがい、押し込む!愛と勇気の開けゴマ!!挿入成功です!!奥へと入り込みます。彼女の体が彼を歓迎します。ここまでくればオーガズムへの道は一本道だ!もう迷うことはありません。
『ミサへの気持ちは誰にも負けない。でもミサを満足させる自信がない』シンジが言葉を絞り出すように胸中を語ってくれました。今日彼は自分の力でここまでやってきました。もうインタビューを受けた時のシンジではありません!ぜひ自信を持ってほしいものです。さあ、シンジが動きます。どう動いても脳に送られる情報は快楽しかない!ミサが腕と足を彼の体に回し、だいしゅきホールドだ!シンジを父親にまでさせる気なのか!二人とも長く持ちそうにありません。がっちり抱き合い絶頂へとひた走る。今ゴールイン!!熱いパトスが迸る!!二人の表情のなんと幸せそうなことでしょうか。今夜は二人にとって永遠に記憶に刻まれるひと時となることでしょう。
私もこの感動的な瞬間に立ち会えて実況者冥利に尽きるというものです。
改めましてお疲れ様でした!」
18/07/20 12:47更新 / 犬派

■作者メッセージ
前作同様に深夜テンションの産物で、ただの自己満足作品です。
突っ込みどころだらけだと思いますが、それも作品の持ち味ということでお許しください。
メイドの要素もキキーモラらしさも全然活かされてませんが、クスっとでも笑っていただければ幸いです。

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