読切小説
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神父見習いの弟と堕落シスターな姉
「_____堕落神様、本日も街の皆さんが享楽と堕落により幸せに暮らせますようお守りください。後出来れば、サーシャが私に振り向いてくれますようお手伝い頂ければ幸いです」

「オイコラ、何神様相手に個人的な願い事してるだよ姉貴。シスターがそんなので良いのかね?」

陥落前と比べ、明らかに薄暗い朝
甘ったるい濃厚な魔力を含む空気に軽く頭に靄が掛かったような気分になりながら、俺『サーシャリア・フォルスト』は朝から邪な願いを神に祈る姉の頭を軽く叩く
姉貴、『リーニャ・フォルスト』は両手で頭を抑えながら怒りを表現するように鎖の絡まった尻尾をジャラジャラと左右に揺らして反応した

「痛いじゃないですかぁ、サーシャぁ。朝からお姉ちゃんの頭を叩くのもどうかと思います」

「つかそもそもシスターなんだから神様に願い事するなよ。神への祈りは民の為、民の苦痛と苦悩から解放してやる為に祈るんだろうが」

「それは主神教の教えですよ。今私達が信仰しているのは堕ちた神である堕落神様です。堕落神様は主神様とは違い、人々の願いも叶えてくださるのですよ。
ですから、シスターである私が願い事をしても堕落神様は私の願いに耳を傾け聞き届けてくださるのです」

「まぁ仮に聞き届けてもらえたとしても姉貴の願いは叶わないけどな。その相手が俺だし」

「むぅ、サーシャはお姉ちゃんの事嫌いですかぁ?」

「好き嫌い以前に血の繋がった姉弟だし、恋愛対象としては見てないから」

「でもでもぉ、お隣のハルちゃんだってお兄さんのナッツさんと結ばれて今では幸せそうに暮らしていますよ?
魔物娘には近親姦に対する偏見なんてないんですから、安心してもいいんてすよ?」

「姉貴からすればそうだろうな、魔物娘だし。ただ、俺は普通に人間だからな?
いくらこの国が魔界に変わったとは言え、そこの所は変わってねぇんだよ」

「……………うぅ、サーシャは意地悪です。お姉ちゃんはいつでもサーシャを受け入れる準備が出来ているのにぃ。一緒に暮らしていて目の前に美味しそうな男性がいるのにお預けなんて、生殺しもいいところですよぉ。夜這いに行こうにも防御魔法を部屋に掛けてるなんてぇ、そんなにお姉ちゃんとエッチしたくないんですかぁ?」

「こればっかりは自分の才能に感謝してるよ。防御魔法の適正だけは良かったからな。
というか、実の姉に夜這いに掛けられる弟の身にもなってくれよ。しまいにゃ姉貴を部屋に閉じ込めるぞ」

本当に勘弁してもらいたい
俺が寝静まったのを見計らい情欲に濡れた紅い瞳を輝かせ息を荒くする姉を見るのはもううんざりなのだ
魔物娘として、男の精を欲するのは理解出来るのだけれども

「というか、早く食堂に行こうぜ。折角作った朝飯も冷めちまうよ」

「あ、ご飯を知らせに来てくれたんですね、ありがとうございます。因みに今日の朝ご飯はなんてすか?」

「サラダとミルク、パンとベーコンエッグだ」

「いつもと変わらず美味しそうなメニューですね、今から楽しみてす」




正直な所、別に姉貴の事が嫌いな訳ではない
皮肉れている自分の性格はちゃんと理解してるし、そこも含めて姉貴は俺を受け入れてくれている事も知っている
一人のリリムによってこの国が陥落し、国中に魔物の魔力が溢れ女達が魔物娘へと変わってしまったあの日
堕落神の教徒としてダークプリーストへと変わった姉貴が一番に俺の精を求めてきた時は嬉しかった
半ば無理矢理の行為ではあったが、姉貴の中に精を放ったあの快楽は今でも覚えている
だが、それに甘んじてはいけない
一応俺も堕落神の教徒という位置付けではあるが、正直神様なんてどうでもいいのだ
インキュバスとなれば食べる必要もないと聞くが、それでも男としては、好きな相手くらい食わしてやるくらいにはならないといけない
まだまだ若い俺では大した仕事に就く事も出来ない
だから今はこうして、教会で神父紛いな事をやっている
だが、それをずっとそれを続けるつもりはない
いい歳を迎えれば家を出て騎士団にでも入るつもりだ
今ではほぼ必要はないだろうが、ただの人間の男が携わる仕事というのはそれくらいだろう
そしてそこそこ稼げるようになったら、それまで姉貴が独り身だったなら姉貴の気持ちに答えようと、俺はそんな淡い未来を思い描いているのだった
だがまぁ今は、目の前にいる姉貴にそれを言うつもりはない
何故かって? 恥ずかしいからに決まってるだろ





サーシャはきっと、私の事が嫌いになってしまったんでしょう
堕落神様のご加護により、ダークプリーストへと生まれ変わった私はずっと押さえ込んでいた感情を爆発させてしまいました
身体の渇きと、サーシャへの愛おしさ
早くサーシャと繋がらなければ他の子に取られてしまうという焦り
それらが合わさり、私はサーシャに襲い掛かり、サーシャの上で激しく腰を打ち付け何度も何度も中と外にサーシャに精を放ってもらいました
何をどうすればいいのか、それは私の身体と堕落神様の囁きが教えてくれました
全身真っ白になる程サーシャの精をぶっかけてもらって何とか渇きが納まった時には既に、サーシャは気を失っていて
やり過ぎてしまったのでしょう
私は魔物娘ですが、サーシャはまだただの人間です
私に合わせたエッチはまだサーシャには耐えられない物だったのです
急いでサーシャをベッドに寝かさ、看病の甲斐があったのか目を覚ましたサーシャに私は謝りました
それと同時に、今まで自分の中に押さえ込んでいたサーシャへの想いを伝えたのです
サーシャはただ、じっと聞いてくれました
そして、涙を浮かべる私に言ってくれたのです
「姉貴も辛かったんだから仕方ない、ただこれからは出来れば我慢して欲しい」と
私の想いは、受け入れてはもらえませんでした
悲しかったです、寂しかったです
ですが、その気持ちに応えるように堕落神様はこう言って下さりました
「アナタの気持ちが本物であるならば、思い続けていれば必ず報われる時がやって来るわ」と
それからはこうやって真正面から想いをサーシャへと伝え、その想いを見事に躱されて枕とお股を濡らす日々です
毎日のように食す精補給剤も、サーシャの甘美な精の味を知ってしまった私にはあまり美味しい物ではありませんが、サーシャへ襲い掛かる事を予防する為に摂取しています
あぁ、早くサーシャと共に堕ちていきたい
耳元で愛を囁き合いながら、深く深く繋がって、身も心も全てサーシャに染めて欲しい
そんな未来を夢見て、今日もサーシャを誘惑してしまいましょう







んもう、世話の掛かる姉弟ねぇお姉さん困っちゃうわ
あまり直接手を出すわけにはいかないっていうのが尚更生殺しよねぇ
サーシャくんもちゃんと自分の気持ちをリーニャに伝えればいいのに、やっぱり男の子って意地っ張りなのねぇ、可愛くって仕方がないじゃない
あぁあ、私もいつか愛しの旦那と万魔殿で愛し合いたい
まぁ今は、私の救いを求める子羊ちゃん達を見守ってあげないとねん
神様っていうのも、楽な仕事じゃないわねぇ
16/04/04 03:19更新 / 左右反転

■作者メッセージ
二作目となっております
初めましての方は初めまして、そうでない方こんにちわ、左右反転です
弟大好きなダークプリーストのお姉さんと口では否定しながらもお姉ちゃん大好きな弟くんのお話は如何だったでしょうか?
個人的には色々と突っ込みを入れたい所ではありますが、書かない事には上達(出来るかはともかく)する物も上達しませんので、性懲りもなく二作目を投稿させていただきました
お目汚しになったのならば申し訳ありません、楽しんで頂けたなら幸いです

因みにラストに登場した方は堕落神様、のつもりです
魔物の魔力によって堕ちた神、という事で一人の時には割と軽めなんじゃないかなぁと思いこのような感じとなりました

諸々拙い点も多いかとは思いますが、また次も書いていきたいなと考えておりますのでまた機会が合えば暇潰しにでも軽く見てやってください

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