読切小説
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拙い依頼書
ある村からちょっと離れた森にて
「はぁ、寒い。誰かこの冷たい手をとって、
 『冷たいよ、大丈夫?』って言って、
 自分の息を吹きかけてくれる、かわいい女の子はいないかのぉ」
俺は誰もいない森道を歩きながらぼやいた。
別に妄想丸出しの変態野郎だから家を追い出されたわけじゃないぞ。
俺は仕事で森の中を一人寂しく歩いてるんだ。





ちょっと時間を戻したある村の、ある祭りの最中、ある店にて
「あ〜〜、面倒くせ〜。あのハゲふざけてんのか?
 何で祭りの最中に仕事引き受けんだよ。
 しかも説明無しで俺にやらせるとか」
青年はぼやいた。
「こらこら仮にも店長だぞ、ハゲはないだろジャック君。
 その事は自分が信用されているから任されたと思えばいいじゃいか」
ジャックと呼ばれた青年よりも落ち着いている雰囲気をもつ男性が諭した。
「信用って事は絶対無いですよ
 相手の指定場所だけ伝えて、内容を聞いたら
『自分の目で確かめて来い!!』とかちょっとかっこいいこと言って、
 自分は来ないのかって聞いたら
 『ミィちゃんとデ〜ト〜』とかタヌキみたいなこと言ってたましたから」
「ははは・・・・・
 まぁ、君も暇みたいだし、いいじゃないか。それとも予定でもあったのかい?」
「ありましたよ、みんなと酒飲んで、騒いで、彼女のつくり方を話し合って」
「いつもの休日と変わらないじゃないか・・・・・」
「彼女のいない男にとって所詮祭りなんてものは普通の休日と変わらないんだよ」
ジャックのぼやきを聞いた男性は
「彼女つくれ」
ただ冷静にそして、彼女を持つ男として言った。
「別にいいやい。仕事先でかわいい彼女つくるもんね〜〜」
ジャックは半ばやけくそ気味にいうと、
ある程度の準備の後村を出た。



そんなわけで森の中にて
「ええと相手の指定場所は、たしか・・・・トルホイ村だからこのまま直進か
 それにしても寒い!!ある程度の準備しかしなかったからな〜、急ぐか。」
依頼書には
{村=トルホイ村}
と書かれていた。
彼は寒さの所為か、頭の所為かは解からないが依頼書の指定場所がトルホイ村の何処なのかを見なかった。



トルホイ村の酒場にて、
ジャックが酒場に入ると
「あれ〜、ジャック君じゃないの〜。
 今日は〜、村のお祭りじゃないの〜」
少女であれば誰もが憧れるであろう乳を揺らしながら、
ホルスタウロスの女性がのんびりとした声で尋ねた。
「こんばんはエルスさん。
 いや〜〜仕事を頼まれちゃって、ほら俺って断れない性格じゃないですか、
 だからしょうがないな〜って引き受けちゃったんですよ」
「そうなんだ〜。で〜注文だけど〜、いつものでいい〜?」
「はい、いつものミルクで」
「こら〜、『ミルク』でって言ったらだめでしょ〜〜〜」
「ああ、すいません」
「ジャック君はいつも『ミルクで』って言っちゃうんだから〜」

(彼女は何処かのバーテンみたいに
 『マスターいつものを』
 『かしこまりました』
  っというのがやりたいらしいが、
  以前に『いつもの』と言ったジャックに
  勘違いで{鬼殺し}といわれる、魔物{アカオニ}ですら
  顔を顰めるほどの苦味の飲み物を飲ませてしまい
  ジャックを卒倒させ、しばらくの間二日酔い、味覚麻痺
  にしたことがあった。
  それ以後、ジャックは『ミルクで』と頼むことにしている。)

「それに〜、ミルクは直に飲んで欲しいな〜」
「遠慮します」
「え〜、なんで〜ジャック君が赤ちゃんの時は
 私の方が『もうらめ〜〜』って言うくらい元気に飲んでたのに〜」
「エルスさんストップ!!」
女性経験の無いジャックにとって、
巨乳美人からおっぱいを吸って欲しいと言われ
『もうらめ〜〜〜』とまで言われてしまえば、
彼の息子は元気百倍!!っとなってしまっていた。
「何で〜?それに〜、ジャック君が子供の時なんて
 いつも私のおっぱいで〜・・・・」
「わーーーーー!!!オケィ、アイノウエブリシング」
ミルクを一気に飲み下し酒場を出ようとしたジャックは
出口寄りの席に座る黒マント、黒フードの女性?を見つけた。
「エルスさん、お客さんほっといて俺と話し込んじゃ駄目じゃないですか」
「何言ってるの〜〜〜?
 今日はジャック君の村でお祭りだから、みんなそっちに行っちゃって〜
 この村には私だけだよ〜」
「え?ほら出口の近くの席に」
「誰もいないね〜〜」
「あれ?」




宿屋にて
「お金を置いとけば大丈夫だろ・・・
 まったくエルスさんは
『お金を払うなら私が泊めてあげるよ〜。
 でも〜布団は一つだけだから〜、一緒に寝ようね〜〜』
 じゃないでしょ。」
 
(以前に仕事でこの村に来た時、金が無いと言ったジャックを
  エルスは泊めたことがあった。
  その時はジャックが簡易毛布を持っていたため、
  彼が酒場、彼女が部屋でという形をとろうとしたのだが、
  『それじゃ寒いよ〜』いう彼女の提案に無理矢理賛成させられ、
  一緒に寝たら、朝起きると彼女がほぼ全裸で彼に抱きついていた。
  それ以後、息子のためにも彼は『一人で寝ようと』と心に誓ったのだった)

「あ〜あ、仕事あったよ」
面倒くさそう依頼書を見ると、
{村=トルホイ村}
と書かれていた。
よく見ると時間も依頼者の外見も村の何処で
会うのかも取引内容も書いていなかった。
「うわ!!これいたずらじゃねぇか!あのハゲ!!」
そんなことにようやく気づいた彼は、その依頼書を破って窓から捨てた後、
寝ることにした。



夜、宿屋にて
ふと目を覚ました彼は水でも飲もうかと、立ち上がった。
立ち上がった彼の前に何かがはらりと落ちたような感覚があった、
寝ぼけ眼と月明かりで見たそれは先ほどの依頼書であった。
依頼書には
{村=トルホイ村・時=満月の刻}
と書かれていた。
「何がだ馬鹿野郎・知るかぼけぇ」
寝ぼけていた彼は依頼書を丸めてゴミ箱に捨てた。




深夜、宿屋にて
「寝付けない・・・ちょっと動いてくるか」
ジャックは村の広場に向かった。


深夜、広場にて
「夜風が、気持ちいいーー!!」
少し走って体を冷やしている彼の前に何かがはらりと落ちたような感覚があった。
月明かりで見るとそれは先ほどの依頼書だった。
依頼書には
{村=トルホイ村・時=満月の刻・場所=広場}
と書かれていた。
「何がだ馬k・・・・・・」
彼は少し違和感覚えた、


破り捨てなかったかこれ?


少し不気味だったが
「いや、丸めて窓から捨てたよな、それが色々あってここにきたんだな   たまには失敗したって店長も怒らないだろ、はははは・・・・」
彼は依頼書を置いたままにし宿に向かった。



深夜宿にて
「いや〜〜、今日の夜は長いな〜〜
 べ、別に眠れないわけじゃないぞ」
(さっきはどうやって寝たんだっけなぁ)
と考えているジャックだったが、ふと疑問がうかんだ。


寝る前
俺は依頼書を{破って窓から捨てた}よな?
さっき起きた時
俺は{丸めてゴミ箱に捨てた}よな?
記憶の食い違いに気づいた彼が、困惑している時
彼の前に何かがはらり落ちたような感覚があった。
恐怖心でその何かから目を背けようとしたジャックだったが、
月明かりに照らされた{それ}を読んでしまった。
依頼書には
{村=トルホイ村・時=満月の刻・場所=広場?・取引内容=あなた}
場所の部分は何かで引っ掻かれたような痕の所為で、なんとなく読める程度であり、取引内容のところは字がぶれていた。


「ごめんなさい・・・・」
ジャックがパニックになっていた時後ろから少女の声が聞こえた、
その声は酷く枯れていて、泣いているようだった。
彼が動けずにいると
「全部私の所為ですよね、本当にごめんなさい」
(謝るなら、命だけは助けてくれないかな)
「私が依頼書をちゃんと書けなかったから、そんなに怒っているんですよね・・・」
(なんか違う・・・・)
彼は一人泣きながら謝り続ける少女に、振り向き声をかけてみた。
「ごめん、話が全く解からないんですけど・・・」
「っひ、えと・・あのその、ご、ごめんなさい!!」
「ちょいちょい待て待てだから何で謝ってんの?」
「そ、それは私があなたに依頼書のミスにより大変なご迷惑を
 かけてしまったので・・・・」
「じゃ、なんで泣いてるの?}
「えとこれは私自身の問題なのでお気になさらないで下さい」
「いやいや、俺にも非があるかもしれないし、言ってごらんよ」
「このことだと、私自身の話になりますがよろしいでしょうか?」
話し慣れてきた少女の言葉にジャックは頷いた。
「驚かないで下さいね。
 私はダークエルフ族のアリシアと言います。」
彼は並々ならぬ驚きを持ったが、少女を怖がらせないためにも
心の内に止めた。
「とは言っても他の魔物さん達がおしゃっていたので
 解かったことなのですが。」
「何でだ?普通自分がどの種類の魔物かっていうのは、
 すぐ解かるものなんじゃないのか?」
彼の尤もな質問にアリシアはどこか自嘲気味に
「そうなんですよね・・・・普通は・・
 でも私はどこか壊れたダークエルフなんですよ」
彼はアリシアの{壊れた}という部分を否定したかった、
しかし出来なかった・・・・
「普通のダークエルフよりも私は、
 気とでもいうのでしょうか、魂みたいなものが
 ダークエルフ族ではなく、エルフ族に近いようなんです。
 そのためか親には捨てられ、エルフからは排斥され
 同族ですら私を拒んだんです。そしてある場所で優しい人間の方
 に拾われ、育てられたのですが、その方も亡くなってしまい。
 その後は別種族の魔物達の集落などで暮らしていたのですが、
 ダークエルフという存在そのものがエルフ種との闘いの火種にいわれ
 どの集落にも長居は出来ませんでした。
 人里はなれた場所で暮らそうにも
 体はダークエルフ・・・・時折、男の方を求めてしまうんです。
 最初は我慢したんです、自分の親に捨てらる原因、自分が排斥される理由を
 つくったこの体なんかのいうことは聞きたくない、って思って
 でもやっぱり無理なんです、最初の方は自分で慰めればなんとかなったんです。
 けど、日に日に男の方を求める感情が強くなって、
 それでこの村の近くで祭りをやると聞いたので、
 誰かこんな自分でも抱いてくれる方はいないかと思い
 お仕事を依頼したんですでも、あなたの反応を見て解かりました、
 当然ですよね。
 字もろくに書けず、相手を振り回すような壊れたダークエルフなんて
 誰も抱いてくれませんよね。
 解かってはいたんですけど、それでもどこか期待していたんです。
 自分の体の事もわきまえずに・・・・」
アリシアの長い話を聞き終わったジャックは唐突に
仕事口調で言った
「もう依頼時間はとっくに過ぎてしまいましたね」
「ああ、そう・・・ですね、ご迷惑おかけして本当にすいませんでした。
 では、失礼します。」
アリシアは立ち去ろうとしたが、
ジャックは彼女の手をつかみ、今度はいつものような声で、
「悪いけど、俺は仕事はいつでもパーフェクトなんだ。」
「え?ああはい」
ジャックのいきなりの会話にアリシアは適当に相槌を打った。
「そんな俺の仕事成績に{失敗!!}の二文字が付いた日には
 色々と最悪なんだよ」
「えっと、ですから私の依頼は」
「だ・か・ら俺のことを無償で期間無制限で雇わないか?」
「え?」
「これでも口はうまいし、逃げ足も速い。雇って損はさせないぜ」
「それってどういう、意味ですか?」
「(鈍感なのか?この子は)アリシアが満足するまでずっと傍にいてもいいかってことだよ」
「ええと、それはあの、文字通りの意味で」
「文字通りの意味でだ」
「いいんですか?私はこわれ・・・」
泣き出しそうに言うアリシアをジャックは優しく抱きしめた。
「さっきから聞いてれば、壊れた、壊れたって何度も言って。
 アリシアはアリシアだろ、ダークエルフならアリシアなのか、
 エルフならアリシアなのか?
 そうじゃないだろ、アリシアって女の子がいて
 俺はその子が好きだから傍にいたい。
 壊れたってアリシアは言うけど、俺はアリシア以上にかわいい子なんて
 見たことないし魔界にも神界にもいないと思うけどな。」
「褒め過ぎですよ」
真っ赤に染まったアリシアをみて彼は微笑み、
そんな彼を見てアリシアも微笑んだ。
そんな二人だけの世界に突然の来訪者が
「ジャック君ご飯だよ〜〜〜」
巨乳と呼ばれる乳を揺らし、ノックも無しにドアを開けエルスさんが登場
驚くアリシア・固まるジャック
そんな二人の抱き合う姿(服はきてるよ)を見たエルスは
「やっぱりそうなんだ〜〜〜!!!
 ジャック君は大きいのじゃなくてペッタンコが好きなんだ〜」
と泣きながら部屋を出て行った。
「初対面の人のスタイルについていきなり難癖つける
 あの方はあなたの知り合いですか?」
(胸のサイズとかは気にするんだな)
と微笑ましく思うジャックだった。




ある森の中にて
「できれば自分から、言って欲しかったです。」
「何を?」
「名前です。あなた自身からは聞いていませんよ」
「まじで!ごめん、え〜と俺はの名前はッ!!!!」
名前を言おうとしたジャックの口を自分の口でアリシアは塞ぎ、
その後
「よろしくね、ジャック」
っと囁いた。
どこで知ったんだと思うジャックを尻目に
アリシアは彼の手を引き嬉しそうに微笑んだ。




この後どうなったかって?
仲間からは驚かれて一日遅れた祭りをすることになって、
俺とアリシアは結婚したわけだ、幸せの絶頂ってやつだ。
でもさすがというべきかは迷うのだが、
夜の営みが激しすぎる。初夜にして二桁出した俺に
アリシアはまだ満足できないとばかりに求めてきて
そのまま続行。
最後はアリシアが動いて俺はなすがままだったよ。

ばてないかって?
あのギャップと乱れようを見たら死ぬまでやれると
俺は思えたよ。


10/01/09 01:46更新 / GEKO

■作者メッセージ
前回よりもかなりグダッた気がします・・・・
これからも下手な自分なりに頑張りますので
よろしくお願いします。

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