読切小説
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砂漠の仕立て屋のお話
砂漠地方では独特の服を着る人がいます
『シャルワール・カミース』『トーブ』『ブルカ』などなど
これはジパングでいう『キモノ』のような物
たくさんの人がここで服を買っていきました。男性、女性、魔物、いっぱいいました



ここでは大金持ちが買っていく綺麗な飾りの服がほんの少しあります
お店の中のマネキンに着せてある、黒い服に金色の糸で風が流れたような、とても綺麗な飾りがついた服
その店舗で最も高い物です
その前に立っている包帯を巻いた一人の女のひと



彼女は毎日ここへその品を見に来ていました
すごい暑さの中でも、砂嵐の日でも
お店が開いていなくても、お店の前まで
毎日毎日来ていました



ある時男は、彼女が気になって、普段は作業しながら店番をしていますが、店番だけに集中してみる事にしました
すると普段は気づきませんでしたが、彼女はチラチラこちらを見ているような気がします
男は彼女が商品を盗もうとしているのだと思いました
そのため男は彼女が店に来ると、作業を止め、店番に集中するようになりました



しかし彼女は盗む事は無く、ただじっと見ているだけでした
でも何度も見ていると、気づくことがありました
彼女は頬を赤らめ、モジモジしている事が多いのです
男は彼女がトイレに行きたいのかと思い、声をかけます
すると彼女は下を向き、指をツンツンさせて「……ち、違います…」と言って店を出ていってしまいます
男は変なひとだ、と思いその日は作業に戻ります



お店がお休みの日、男は隣町で彼女を見かけました
その日彼女は男の人と歩いていました
なぜか男はガッカリしてしまい、その日はすぐにお家に帰って寝てしまいました



次の日、男はお店をお休みにしました
その次の日もそのまた次の日もお休みにしました
なぜだかわからないショックで男は仕事をする気になれなかったのです



でもある日、お店のドアが叩かれました
男が仕方なくドアを開けると、そこには彼女がいました
「今日はお休みですよ」男がドアを閉めようとすると、彼女は
「もう一週間もお休みですよ?体は大丈夫ですか?」と聞いてきました
彼女は男が体調を崩したのだと思い、心配していたのです



男は全ての事を話します
彼女はそれを聞いて答えます
「あの人はお父さんです」
男はホッとしました
男は自分が彼女の事が好きであると気付いたので、告白をしてみることにしました



「貴女の事が好きになりました」
でも彼女は自分ではなく綺麗な模様の服が好きなのだと男は思っていました
すると彼女は服を指さして言いました
「私はあの服がとても好きだけど、一番好きなのは貴方なんです。」
そう言われた男は自分はとても鈍感だった、彼女は自分の事が好きだったんだと気付きます



そして、めでたく二人は結婚することになりました
男の住んでいる町は小さい町なので、結婚式はほとんど町全体、隣町も巻きこんでおこなわれました
とても大きな結婚式です



結婚式で彼女が言いました
「私は世界で一番貴方が好き」
男も言いました
「僕も君の事が世界で一番好きだよ」



めでたし。めでたし。








「はい、お話はここまで。 おやすみなさい。」
僕は愛する娘の頭を撫でる


娘はくすぐったそうな顔をして、今日初めて聞くお話について僕に質問を投げかける
「ひゃ!……ねえ…そのお話の…ひとって…お母さんと…お父さん?」


「さあ?どうかな?」
そろそろ店を閉める時間なので、僕は部屋の明かりを消して、妻が店番をしている所へ向かう


「あの子…寝た?」
綺麗な風が流れたような装飾が施されたトーブを着た包帯だらけの妻が僕に問う
妻はすでに店を閉め、閉店後の片付けをのんびりをしていた


「お話を聞かせてあげたよ、そろそろ眠くなって寝るんじゃないかな」
僕は装飾用の金色の糸を取り出しながら質問に答える


「そう……ねぇ…」
妻は作業に取り掛かろうとした僕に近づく
なにかと思い、妻の方へ顔を向けるといきなりキスをされた


「私は…世界で一番…貴方が…好き…」
聞かれていたか…
僕が言われたかったセリフをちょこっと入れて改変したんだが、実際言われると恥ずかしいものである
妻も頬を赤らめ、普段からトロンとしている目がさらにトロンとしている


「返答…は?…」
忘れていた
「僕も君の事が世界で一番好きだよ」
いざ言うとやっぱり恥ずかしい
恥ずかしさをごまかすために、妻のお腹をくすぐる
妻は「ひゃん!」と可愛い声をだしてその場に座ってしまう
世界一可愛い僕の妻である

小さい町のお話はまだまだ続く…



END
11/08/30 01:31更新 / えーけー

■作者メッセージ
小さい町のお話は続きは書かないので続きません

こんな駄文を読んでいただき本当にありがとうございます
本当の本当にありがとうございます

マミーって可愛いですよね、ぼさぼさの髪とかトロンとした目とか

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