連載小説
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『想い人』探し
―――もうこの家に居ても仕方がないかな。
そう考えて家から出たが、特に行くあても無い。

いつから溜まり始めただろうか。自分の抱えるいくつかの借金の額を頭の中で計算してみる。
売れる物は全て売った。家具やアクセサリと言った高価な物はもちろん、日常品や母からもらった服までも。
最後に家を売ったが、それでもまだ借金は残っている…。
街で働いて稼ごうともしたが、昔から自分は仕事もロクに出来ない。何かとドジを踏んでしまいすぐに辞めさせられるのだ。
いくつかの職を転々としたが、どれも長続きはしなかった。

母は私が生まれてすぐ病魔により他界、男手ひとつで漁師の父親に育てられ今まで生きてきたが、その父もしばらく前に海に出たきりで消息不明。
この街の海は魔物が出ると言われていたから魔物に連れ去られてしまったのだろうか…。
それ以来は借金を繰り返し、今まで何とか生き長らえて来たが、最近では毎日借金取りに怯え、逃げ回る暮らし。
もう精神的にも限界だった。

いっそ自分の身体を売ろうかとまで考えた。
けれど、自分には想い人がいた。遠目でしか見たことは無いが…。どんな人かは街のウワサで聞いていた。
『彼』の事を考えると、身体を売るのは気が引けた…。


そんなことを考えながら歩いているといつの間にか海沿いの崖に来ていた。
高さは20m近くあるだろうか、下を覗き込めば足がすくみそうな高さ。
足が勝手にこの場所を選んだ理由はなんとなく分かっていた。…もう他に、道は無い気がする。
せめて最後に私の想い人、『彼』に、会いたk

ガラッ

嫌な音、足場が少し崩れたかな。うん、証拠に身体が軽く…なって…ぇ?

「ってちょっと待ってぇ!まだ心の準備がああぁぁぁっ!!!」―――




―――「おお!またこいつは大物だねぇ!ほんっとお前漁の才能があるんじゃないか?」

朝漁に出て、まだ昼間、街の人がお腹を空かせているような時間を見計らって、魚を売りに歩く。
大物と言われたが…割と小柄の魚なのだが、大袈裟な…。まぁ褒められて嫌な気持ちはしないが…。

「いや、今日は運が良かっただけですよ、きっと。あー、えっと。今日も…だったかな。あはは…」


その街では今、漁師が不足している。だから、そこで漁師として働けば結構楽できるんじゃないか?
そんな話を聞いてこの街にやって来てまだ2カ月、確かに漁師は少なく、腕の立つ漁師などいなかった。


せっかく海に面した街なのだ、魚を取らずしてどうする。
と街の人に聞いてみたのだが、どうも海では魔物が出るのだとか。それで漁師が減ったらしい。
反魔物思想のこの街では、どうも魔物が恐ろしいものらしい。
魔物は人間を襲い喰う生き物だと、日夜教会で騒がれている。

親魔物思想の街から来た自分としては、大儲けの機会であり、この上ないチャンスだ。
実際魔物に何度か会ったことがあるが決して話の通じない連中ばかりではない。喰われるようなことはまず無いだろう。と言っても連れ去られて海から戻ってこれないは最悪ありそうな話だが…。
だから、たとえ海で魔物に会っても(別の意味で)襲われないように気をつければいいだけなのだ。

「しっかし、お前は海が恐くは無いのか?魔物に襲われた人間は帰ってこないと言うじゃないか…」
「そうですね…もし自分が海から帰ってこなくなったら、魔物にでも喰われたとでも考えといてくださいね」
「…はっはっは!そんな冗談まで言えるか!せっかくうまい魚が食えるんだ!まだ死なれちゃぁ困るぜ!」
「ははっ気をつけることにしますよ。では、俺はこれで。毎度ありー!」

相手に話を合わせておかないと、もし自分が親魔物派だと教会にばれたら面倒なことになりそうだ。
せっかく順調に生活が始まったのだから、なるべく面倒事は避けたいのだ…―――




―――…波の…音…?ここ…どこ…浜辺…?
目を覚まして最初に感じたのは妙な身体の火照り、
そして、誰かを想う強い心

「……そうだ…。『彼』を…探さなきゃ。私の…大切な…」

独り言をつぶやいて立ち上がると、自分の体の変化にも気付かず、おぼつかない足取りで街へと向かった―――




―――「…よし、これで全部かな」
今日獲った獲物を全て売りさばき、やっと家に帰れる頃には空に星が見えていた。
まだ自分が10歳ぐらいの頃から、生まれ育った街で8年間漁師修行をしてきた。
かなり鍛えていたので体付きもよく、身長も高かった。体力にはある程度自身がある。
父親が腕利きの漁師だったことから、自分もいつか親父を超えてやる!と当時は意気込んでいたが、元々漁業が盛んな街で、生き残るには高い技術が必要だった。
そんな中、自分は才能が無かったらしく、父から「お前はこの街で漁師になるのは難しいかもしれないな」と言われたのだ。
ある日漁師仲間と酒を飲んでいる時に、この街の存在を知り、一か八かで生まれ育った街を出た。
結果、今に至る。金に不自由なく、少ない漁師の為だと、自由に使って良い家まで貰った。生まれ故郷の街を出るときは不安だらけだったが、こんな旨い話があっていいのか!?


…だが世の中旨い話があれば、苦労話も付きものなのだった。

一人ニヤニヤと笑いながら家に帰り、道具をしまうために倉庫の扉を開けようと扉に手をかけた時。
…声が聞こえた気がした。



「……………ず……」
「ん?」
「……み………水…………」

誰かいる?声を頼りに足元にランプを近づけてみると、うっすらと、うつ伏せに倒れた女性のラインが浮かび上がった。

「…行きだおれか?オイオイ、俺の家の前で勝手に死なないでくれよ…。」
「…水………を……」

チッ 
と、軽く舌打ち。めんどくさいが放っておくのも問題か。

「おーい、あんたどこから来た?言っとくが物乞いとかは俺は全部断ってるぞ」

「………。」

「…はぁ。聞いてんのかおまっ……えっ!?」

肩をつかんで顔を見ようとしたのだが、思わぬ感触にとっさに手を引いてしまった。
なんだ…?今のは。なんか、ヌルって。魚みたいな感触が…
商売用の魚を落としたか?いやいや、さっき全部売り払ってきました。というかコレ完全にヒトのように見えますが!
少々混乱気味ながら不思議に思い、ランプをさらに近づけてみると…


そこに居たのはヒトではなかった。

頭からはツノらしきものが何本か見られ、手はウロコのようなものに覆われている。
ランプを下にスライドさせると、腰の位置からは美しい尻尾、これまたウロコにおおわれた足の先は、魚のヒレになっていた。

「魔物…だよな…、これ」

前の街では何度か話に聞いたことがある。海に棲むと言う魔物…ネレイスだ。
しかし行動範囲は主に海で、出てきたとしても浜辺程度だと聞いていた。ましてや俺の家は街の中で海に近い方とは言え、ある程度離れている。
こんな所に海の魔物が居るはずないのだが…。

「っ!とにかくこんなの街の人間に見つかったらヤバイなっ。オイお前!立てるか!?」

声を殺しつつそう尋ねると、弱々しく首を横に振ったのが微かに分かった。
そもそも足がヒレだった。歩くとかそんな話まず無理だな…。ん?コイツどうやってここまで来たんだ?
「チッ、んなことどうでもいい。まずコイツを隠さないと…」―――



―――急いで倉庫に荷物をしまい、魔物娘を家の中に引きずり込んだが、あまり後の事は考えてなかった。
とっさに助けてしまったが、この街では魔物は危険な存在。教会に突き出すべきだろうか。
「……水…を…」

玄関先で転がっている魔物が何やら苦しそうに呻いている。
よく見れば肌は青白いが、顔の出で立ちも体格もよい。正直かなりの美人だが、顔にはまだ幼さを残しており、歳は10代の後半と言ったところか。

…そうか、海の魔物だから普段は水中の生活だよな…。
水が無いってことはヒトで言うところの空気が無いのに等しくて…。

「って!お前大丈夫かよ!みっ、水か!?ちょっと待ってろ!」

息とか大丈夫なのか?もしかして顔が青いのはそのせい!?いや、それは元からな気がするな。魔物だし。
ってそんな場合じゃなくって!幸い家の中に(本来魚を入れておくための物だが)大きな樽があった。
海水なら魚を生きたまま運ぶのに使うから、倉庫に行けばある!

とりあえず魔物娘を樽に入れる。(こんな時に昔鍛えたのが役に立つか…)体が小さいのでギリギリだったが樽に収まった。
あとは倉庫まで何往復かして、樽に海水を満たしていく。
しばらくすると少しは楽になったのか。苦しそうな表情は無くなった。
それを見て俺も安堵の表情を浮かべる。人様の家で死なれるなんて真っ平ごめんだ。―――




―――「いやぁ、助かりましたぁ。ほんっと、死ぬかと思いましたよ!」
「はぁ、とりあえず、助かってよかったよ…」
「身体の一部はヒトと同じなので息はできるんですけどね、体が乾燥するのはよくないんですよ〜。いやぁ〜ありがとうございました!」

魔物娘は意識がハッキリするなり、ここが何処かも聞かずにお礼を言ってきた。
今は小柄な体でも狭めの樽の中で、頭を下げるものだから、ゴツゴツと額をぶつけている…。
個人的なカンだが、恐らく馬鹿だ。

「あ、まだ名前を聞いてませんでした!失礼ですが…お名前は?」
「アキトだ。アキト=リアシス」
「アキト様!あぁ!お助け頂き、ありがとうございます!私はティルと申します!」
「あー、はいはい、どういたしまして。で?お前はなんでウチの前で倒れてたんだ?見たところネレイスのようだが、ネレイスと言えば海の魔物だろう?どうやってこんな陸地に…」

一番聞きたかった事を聞いた。まさかここまで這って来たわけはあるまい。
街の人間に見付かって、教会に連れて行かれるのがオチだ。
するとティルは頬を赤らめ、なぜかもじもじしながら答えた。

「えへへ、実はですね。私好きな人がいるんですよー。キャッ☆」
「…はぁ。それで?」

急にそわそわとしだした、尻尾のヒレが樽の水面を叩き、ピチャピチャと音を立てている。
どうも落ち着きが無いが、とにかく続きを急かす。

「で、ですねー、ネレイスは魔力を使って人に化けれるのです!それを使って陸に上がり、『彼』を探しに来たのです!あ、来ていた服は近くに干してあった物をくすねちゃいました!」

ただでさえ魔物、おまけに犯罪者ときた。これはいよいよ教会に突き出すべきか…。

「えと、それでー、『彼』をずっと探していたのですが…。そのー…どこにいるのやら、街中歩き回ったのですが…、あのー、時間かかり過ぎちゃってですね……」
「素直に言え、迷っただろ。で、魔力が切れて元の姿に戻った、んで俺の家の前で行き倒れたと…。なんと言うか…情けない話だな」

決して小さい街ではない。その上迷路のように入り組んだ細い路地が多いこの街では、街の人でも地図無しでは迷うことがあるほどらしい。
ましてや、どうも頭の悪そうなティルだ。街の中を彷徨っている内に迷ってしまったのだろう。

「しっ、仕方ないじゃないですか!元々私達は海の種族!陸なんて専門外です!」

頬をぷぅー、と膨らませて睨むティル。不覚にも少し可愛いと思ってしまった。

「あ、あぁそうだ。お前これからどうする気だ?…この街で魔物は歓迎されない。とっとと海に帰った方が身のためだと思うぞ」
「嫌ですっ!私は想い人を見付けるまで海には帰りません!『彼』を見付けて私と結婚し、こんな苦労をさせた罰として海の底に沈めてやるのですっ!」

…誰だか知らんが厄介なものに好かれた奴がいるようだな…。御愁傷様です。コイツに見付からないとイイネ…。

「だがどうやってその男を探すんだ?その格好で街中を歩けば即、教会に御用。ヒトに化けようとも、もう魔力が無いんだろ?」
「あー、それででしてね。『彼』を探すのに力を貸して欲しいのです…。助けて頂いた上に図々しい話だとは思うのですが…」

正直言ってコイツの相手は疲れる。
俺としては早くその『彼』とやらを見付けて、海に帰ってもらった方が助かる。

「分かった、できる限り協力しよう。で?その『彼』とやらを捕まえて連れてくればいいのか?」
「あ、いやぁ、そこは私が探します!ホラ、自分で見付けなきゃ嫌じゃないですか…」
「だから教会に見付かるっての。話聞いてるのか…。今お前は魔力が尽きてるんだろ?」
「そこでアキト様の出番なのですよ!アキト様には私の魔力回復にお手伝いして頂きたい!」
「…あー、なるほど。そういう事か。つまり…何だ?薬草か何かありゃいいんだな?」
「……んふふ〜、さてはアキト様、魔物についてあまり詳しくありませんね?」

ティルは悪戯っぽく目を細めてニヤニヤしている。確かに魔物についてはあまり詳しくは無いが、コイツに馬鹿にされるのか…。なんだか不愉快だ。

「なんだ…間違っていたのか。魔力なんて薬草使って3割回復、とか常識だろ。エーテルとか要るのか?ファイナルファ何とかじゃあるまい…」
「大丈夫ですよ。特別な物は要りません!なぁに、ちょこっと気持ち良くさせて頂くだけですよ。それに…ふふっ、助けて頂いたお礼にサービスしますよ?」

と言ってティルは見た目の年齢からは想像できない妖艶な瞳でこちらを見つめ、おまけに豊かな胸を少々揺らしてみせる。
少しドキッとしたが平静を保つフリをして頭をど突いてやった。そんな動作は女性経験の無い俺にとっては十分効果的だ。

「ぃったぁぁ…!何するんですか!冗談じゃなく私達は魔力を回復させるのに男の人の精が必要なのですよ!」
「だとしても協力するか!全く!魔物なんてやっぱり助けるべきじゃないか…」
「そんな深く考えないで下さいよ〜、ちょっとの間、突っ立ってるだけでいいんですよ?サクッと搾って終わりますから」

魔物は好色。話は聞いていたが実際にじっくり話すのはこれが初めてだ。まさかここまで露骨とは。
さっき想い人とやらの事を話すときも一人でテンション上がってたのか?全く呆れた生き物だ。

「まー、言葉の上では拒否してますがー、アキト様の息子さんはもう臨戦態勢みたいですよ?」
「なっ!」

下腹部を見てみれば確かにズボンの下から俺のイチモツが激しく自己主張していた。
ティルは俺の下半身を見つめてクスクスっと笑った。
慌てて体を後ろ側にひねり隠すが、見られてしまってる以上無駄だろう。今頃自分の顔が真っ赤になっているのが想像できる。

「変身するほどの魔力は残ってませんが、軽い魅了の魔法ぐらいなら使えますからね?……ってああっ!もう!ていうか魔力尽きかけてて欲求不満なんです!もう襲っちゃいますからね!」

そう言い放つとティルは樽から飛び出し、そのまま俺は床に押し倒されてしまった。



「えへっ、イタダキマス!」
「っ!オイ!お前な…!」
「……ん……む………………あふ………れろっ………ぷぁっ…。…なんだろ………不思議な味。…あむっ」

床に仰向けに転がされ、フェラを開始したティル。抵抗しようと思えば簡単に払いのけれるだろうが、魔法のせいもあってか、体が言うことを聞かない。
何よりも理性が働くよりも先に身体が快感を求めてしまっている。

「はぅ……ちゅっ……うん………はぁっ。気持ひ……いい……れすか?ぷはっ。私…生まれてすぐ街に来たので…、シたこととか無くて…あんまり分からないのですが…」

話す間は手で扱く事も忘れない。腕はウロコに覆われているが手は柔らかく、感じたことのない快感を与えられる。
これで未経験だと言うなら、やはりこれは魔物としての本能なのだろうか?

「ぅ…………」

亀頭を舌で舐められ思わず声が漏れる。

「んっ、気持ち良さそうかな…?体は正直ですねぇ、クスッ♪」
「お前……なぁ。」
「我慢しないで下さいね〜。出したくなったらいつでもどうぞ。私は大歓迎ですから!」

そう言ってフェラを再開する。口腔も小さいので根元まで含もうとすると先の方が喉の奥にまで入ってしまう。
ティルも少し苦しそうな表情を見せるが、奉仕を止めようとはしない。
下の動きと喉の奥に当たる強い快感、すでに俺のモノは限界を迎えようとしていた。

「オイ……そろそろ…」
「んむ?もう出そうなんですか?……はい、いっぱい飲ませてくださいね♪」

屈託のない笑顔で笑いかけ、行為を再開する。尻尾をゆらゆらと揺らしているのは、喜びを表しているのだろうか。ティル動作の一つ一つで心臓の音が高鳴る…。何だコイツ、ヤバイ可愛いぞ…!
…?俺は今何を考えて、こんな状況で…。魔法の影響だ…。きっとそうだ…。

「くちゅっ…むぅっ…っふぁ………うんっ……ちゅぅ」

そんな心の中の葛藤を知る由もないティルはトドメと言わんばかりにモノを強く吸いながら首を上下させる。
今までの動作でも十分刺激的だったのに、限界の近い俺はそんな動作に耐えられるわけがなかった。

「っ…!…うぁっ!」
「!…ふぐっ!!んむぅっ!!んんぅ……んむ…。ふぅっ……」

思いっきり口の中に出してしまった。
ティルはそれをこぼさずに全て口の中へと溜め込んでいく…。
絶頂の余韻に浸りながらもティルの方を見ると、悦に浸った表情をして、口にあるものを喉を鳴らして飲みほした。

「んくっ、おいしい…………。…ふぅ、ごちそうさまでした」

男の精を取って魔力を補充すると言うのは本当なのか、彼女から発せられる魔力が強まった気がした。
つまり、俺にとっては更に艶やかに見えるわけで…。本能的に彼女を犯したい、滅茶苦茶にしたいという思考が頭の中を支配していった。

「ん?どうしたんですか?もしかしてこんなことされるの初めてだったかな?…さぁて、次は…っと」
「……………………けた……ぇの方だからな」
「え?」
「先に仕掛けたのはお前の方だからな!!覚悟しやがれっ!!」
「ふぇっ!?っひゃあぁぁぁん♪」

肩をつかみ、押し倒された状態から強引に体制を入れ替え、自分が上になる。
彼女が魔物のせいか水の中にいたせいか、人とは違うひんやりとした感触が更なる興奮を呼び起こす。
もうどうなろうか知った事じゃない。わずかに保っていた理性が吹き飛び、ただ、目の前の女に自分の欲をぶつけることしか頭に無かった。

「そんな強引にっ!…てぇっ!っくああああぁぁぁぁぁ!!!!」

魔法のおかげか、全く衰えてないモノをティルの秘所にあてがい、一気に突き立てた。
フェラをしている間に興奮していたのか、愛撫も無しですでに潤い切ったそこは、大した抵抗も無くモノを全て飲み込んだ。
間髪いれず、俺はすぐにピストン運動を始め、その女体をむさぼりだした。

「んぁっ!…ひゃぁっ!…やぅっ!ちょっ…と!そんなっいきなり!あぅっ!」

彼女の中はかなり狭くきつめなのに、こちらの動きを妨げにはならない。一番奥を突き立てるたびに嬌声を上げるティルに気を良くし、さらにテンポを上げていく。

「あっ!んっ!くぅ!はぁっ!痛ぅっ!そんなっ…奥ぅ!いぁっ!ひっ、響くっ!もう少…しぃ!やさっ…しく!!うあぁっ!!」
「くっ…!はぁっ!」
「やっ!あんっ!きっ…!聞いてよぉ!もぅっ!!」

ティルが何やら叫んでいる気もしたが、頭の中でその情報も媚薬としてしか効果をなさなかった。
まとわりつく肉壁からもたらせる快感を味わいながらも、さらなる快楽を求めて上半身を前に乗り出し、豊満な胸にしゃぶりつく。更に、左手で残った乳房を揉みしだく。
柔らかいが弾力のあるその胸は、少し力を加えるだけで大きく歪む。それを楽しみながらも、下半身の動きも緩めない。

「そこはっ!あっ!らめっ…なのぉ!うんんっ!!胸もっ!同時になんてっ…!はぁぁっ、気持ち良過ぎておかしくなっちゃうからあぁっ…んあぁ!!」

どうも胸は敏感らしい。胸を触りだすと、膣の絞まりが強くなった。
唇で乳首をつまんで引っ張ったり、大きく変形させるように強く揉んだり。どの動作からも狂ったように「気持ち良い」と返されるのを満足するまで続けてから、絶頂を迎えるべく、ラストスパートをかけた。

「いぁぁ!そんなにっ!され…たらぁ!…あっ、あっ!!ダメっ!もうっ!!イッちゃ…!っつぅぅ!!」
「っく!出すぞっ!」
「っ!?出るのっ!?くっ、ひぁ!にゃっ!膣にっ!全部出してぇ!!やっ!んぁっ!イクっ!!私もっ!!もうぅっ!」

「あっ!っー…!!んああぁぁぁぁぁああああぁっ!!!!」

「っ!!」

最奥に叩きつけた瞬間、下半身に先ほどとは比べ物にならない快感が走る。ドク、ドク、と音を立てるような勢いで精子がモノを駆け抜け、子宮内目指して放たれる感触。自然と腰が動き、体中の感覚が接合部に集中する。
ティルも同時に果てた様で、体を痙攣させ、目を堅く閉ざして強すぎた絶頂の快楽を抑えているようだった。
時折身体が大きく跳ね、そのたびに吐息を漏らせている。

絶頂の余韻に浸りながら同時に、魅了の魔法の効果が薄れていくのを感じた。
それにつれて、段々目の前に横たわる彼女が心配になってきた。

「はぁ…はぁ…オイ…、大丈夫か…?」
「っ……ぁぅ………」

返事がないが、代わりに尻尾で背中を叩かれた。
大きく肩で呼吸しているところを見ると、声が出せないのかもしれない…。
手を伸ばして優しく髪を撫でてやると、うっすらと目を開け少し安らかな表情で笑い返してくれた―――



―――「あー、悪ぃ。何かノリで押し倒しちまった…。」

先ほどの行為を思い出して、反省する。魔力にあてられていた言え、してしまった行為に変わりは無い。
コイツは想い人がいると言っていたから、悪いことをしてしまったと、心から謝った。

「いえいえ♪魔力回復に協力してくださいと言ったのは私ですし、最初に押し倒したのも私ですから♪」

魔力が戻って本調子なのか、テンションが明らかに高いが、こっちはそうはいかない。

「お前…、でもよ、想い人以外の人間に…その、あんなことされたら怒ったり、落ち込んだりするだろ?」
「?…そだな…普通…怒るのかな?」
「オイオイなんだその反応は?もっとこう…「処女は好きな人に捧げたいー!」とか乙女チックな考えは無いのか?」
「いやぁ、だって生まれた時にポセイドン様に犯されて生まれたんですよ〜?あんまり気にしないですね〜。割とヤれたら、まぁいいっかな?」

考えてみればいきなり挿入したのに血なんて出てなかったか、と思い返す。にしても魔物というものは考えが分からない…。
だがこのアダは返さなければいけないだろう。本人が気にしてなくても俺が気になる。せめてその『彼』を探すのはちゃんと手伝ってあげよう…。

「なぁ、そのさ、『彼』って、どんな奴なんだ?」

「『彼』…ですか?えーと、最近この街に引っ越してきたばかりで、あの魔物が巣食うと言われる海に漁に出る、そんな勇敢な青年って聞いてましたね。まだ年は20になるかならないかくらいの、長身な素敵な人だったなぁ…魔物になる前の記憶はほとんどないんだけど、それだけははっきりと覚えてるんです…」
「………?」

え?今の話って何処かで聞いたことあるような。そうそう、ちょうど俺も二カ月前に来たばっか、歳も今年で19になった、魔物の出る海で漁師やってて、身長も低くない…。ってまさかっ!!

「おっ!!!しまっ!!」

しまった!危なく今、「俺!?」と聞きそうになってしまった!
出会ってすぐに話していたことによると、『彼』を見付けたら結婚して海に引きずり込んでやる!とか言ってたよな…。

「おっ…?何ですか?もしかして知ってるんですかっ!?」
「だー!違うんだ!今のは!気にしないでくれ!」

絶対にダメだ!折角つかんだ新しい街でのチャンス、海に沈められるなんてバッドエンドで終わらせてたまるか!
その『彼』がまさか『俺』だとは考えもしてなかったが、そっちの驚きより今は海に沈められる恐怖が勝っている!これはどうにかしないと…!

「ねぇ!何か隠してませんか?あやしいです…今の…!」
「えっ、ああ、いや、今のはな…おっ…おっ…」
「…むぅ?」
「おっぱいでかかったなお前!って言おうとしただけだ!!」

…………。
……………………。
………………………………。

誰か、今の発言を取り消してくれ。

「へっ…!!変態ぃぃ!!!人が大切な話してるときに何考えてたんですか!この変態っ!!キモ童貞ぃ
っ!!」
「んなっ!童貞だなんて俺はまだ一言も言ってなかっただろ!ってああ!自爆したぁ!!ていうかさっきので童貞卒業だろ!」
「近寄るなっ!女を性欲処理道具としか思ってないクセに!!せっかく人が想い人について語ってるときに!!」
「だっ!!大体性欲の塊みたいなお前ら魔物にそんなこと言われたかねぇよ!!むしろそっちこそ魔力回復のためだと理由をこじつけて男を襲っているようなもんだろ!」
「なにを!!第一に魔物にとって魔力と言う物は………!!」

その後、しばらく言い争っていたところを近隣住人から怒られ…とっさにティルは隠したので見つからなかったものの、しばらく何事かを問いただされた。

その時、ティルを今後どうするかを考えていた。さすがに海で共に過ごすのだけは勘弁してほしい。が、追いだして教会に捕まるように仕向けるのはひどすぎる。何よりティルに情が移ってしまった。
出来れば一緒に暮らしたい…でも海の中は嫌だ…。
ならばこのまま、『彼』を探すふりをして、ティルには俺がその『彼』と言うことは黙っておく。
そして彼女には家の中の樽に住んでもらおう…。

絶対いつかバレるに決まっている。我ながら無謀な考えだが、彼女と一緒に暮らす生活をつい考えてしまう。
忙しく、気の休まりどころの無さそうだが、きっと楽しくて、賑やかな生活になるだろう。
…まだ魅了の魔法が残っているのだろうか。そうでなければ、こんな…、まだ会って半日もたたないコイツなんかに…

…『好きだ』と言う感情を抱くはずがないだろう。
11/01/10 08:54更新 / 如月 玲央
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■作者メッセージ
「…?ああ、完読お疲れ様でした。マスターに仕えるフェアリーです。
…?マスター?あー、えっとですね、「ついにやらかしたぁぁぁぁ!!」とか言いながら樹海に走って行きました。遺書らしき物なら…ありますよ」

『こんにちは、こんばんは?
初めまして、如月 玲央と言います。
ネレイスが好きすぎてつい脳内妄想がバーストしちゃって気が付いたら小説を書いてました。
本当は読み切りにしようと思っていたのですが、案外まだ書き足りなくて…。
つい連載物にしてしまいました。
非常に怠けものな性格なのでスローペース必至。次回更新も未定です(;´Д`)
こんな私ですがこれからよろしくお願いします。』

「…だそうです。一々後書き長いですね。ほんと文才ないのに引っこんでろって思いますね…」

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