読切小説
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高校球児と熱血サラマンダー先生
 部活帰り。いつもならコンビニで冷たい物でも飲んで帰る所だが、今日の俺はユニフォーム姿のままでひたすら自転車を漕いでいた。目指す先は我ら野球部の顧問・日下先生の家だ。今日先生は体調不良のため学校に来なかったので、帰りにお見舞いに行こうと思っていた。何しろ彼女は俺の初恋の人であり、初めての人でもあるのだから。大会前夜、生徒指導室で童貞を奪ってもらった日のことは一生忘れないだろう。翌日の大会での勝利と併せて、人生最高の思い出だ。

 その先生が、部活が終わる頃にメールを寄越したのだ。すぐに家へ来い、と。もう部活の疲れなんて気にもせず、汗だくになって自転車を漕いだ。先生の身にもしものことがあったなら。いざとなれば先生を担いで今度は病院まで全力疾走する覚悟である。

「先生ーッ!」

 先生の住んでいるマンションに着くなり、自転車から飛び降りて階段を駆け上がった。途中で会った顔見知りの(先生の家にはしょっちゅう出入りするようになったので)おばちゃんに大声で挨拶し、今日も元気だねと笑われた。
 三階の一番端の部屋に辿り着き、インターホンを連打した。が、壊れていて音が鳴らないことを思い出す。こうなれば親友にして我が校図一のバッター・春山慎吾から教わった『あの技』を使うしかない。

「必殺奥義! 千本ノック!」

 拳の裏でドアを猛打する。リズミカルな音を断続的に響かせる。拳の耐える限りノックを打ち出すのだ。今こそ魂を燃やすときである!

「黒田か!? くだらねーこと言ってないで入ってこい!」

 ドアの向こうから声が聞こえた。よかった、先生は無事だったのだ。

 女神に会うべく勢い良く戸を開け……俺は愕然とした。そこに女神がいたのだ。防音のマンションでドアの向こうから声が聞こえたのだから、先生がドアを開けてすぐのところにいるのは当然だ。だが目の前にいる先生の姿は、まさに女神なのである。

 サラマンダーの特徴である、燃えるような赤い髪。燃え上がる尻尾。姉御肌の活力溢れる笑顔。健康的な褐色の肌。むっちりしたボディライン。尻とか胸とかふとももとか。
 そして服装だ。まず、ワイルドなサラマンダーとのギャップが目を引く、フリフリのエプロンを着けている。以上。それ以外に服と言える物はない。スリッパやヘアゴムは服に含まれないだろうから。

 つまり、裸エプロンである。これを女神と言わずに何と言うのか。

「よく来たなっ。ほら入れ、跪いて拝んでないで」

 燃え盛る尻尾を俺の首に巻き付け、日下先生は俺をぐいっと引きずり込んだ。慌てて玄関口で靴を脱いだ。そのまま中へ引っ張って行かれる。サラマンダーの尾は常に炎が燃え上がっているが、彼女たちが敵意を持っていない相手には無害だ。それどころかじんわりと労るような温かさで、最高のマフラーのような感じになる。そして今は炎の向こうに尻尾の付け根……ぷりぷりとした大きなお尻が揺れているのだから最高の眺めだ。お尻を鑑賞させてくれながら、先生はお風呂場へ入った。

「飯の準備でこの格好してたんだけど、やっぱ先に背中流してやるよ」
「先生とお風呂!?」

 家に遊びに来ることはあっても、一緒に風呂へ入るのは初めてだ。ベッドの上や物陰などでセックスはしていても、大好きな女性と一緒に入浴というのは未知の体験に思えた。心が躍る。尚、生徒と教師が肉体関係を持つことに関しては『魔物娘なら仕方ない』で容認されるのが今の社会だ。

「あと今日は帰らせる気ないから、親御さんに連絡しとけ」
「お泊りのお誘いっすか!?」

 ヒャッホォォォォウ! 最高だぜええええええ!
 ……と、どこぞの装填手のようなことを心の中で叫んでしまった。

「あ、服は脱いで洗濯機に入れとけよ」
「着替えを置いてきちゃったんですが……」
「じゃあ乾くまで裸でいろよ。寒かったらあたしが温めてやるから」

 そう言って頬にキスをされた。くちびるやわらかい。

「まったく、先生は最高だぜ……!」
「褒めんなよ、燃えちゃうじゃないか」

 頬を赤らめつつ、先生はエプロンの結び目を解いた。脱ぎ捨てられたエプロンがふわりと脱衣籠へ投げ込まれる。そして露わになったのは引き締まったお腹と可愛らしいおへそ。そして褐色の、特盛りの、ぷるんぷるんのおっぱい。ぷるんぷるんの。

「うおおおおお! 先生ーッ!」

 目の前でたゆんと揺れた瞬間、俺はそれに吶喊した。最高級のクッションがそれを受け止めてくれた。褐色の谷間に水からはまり込み、柔乳に顔を埋める。むにゅっとひしゃげた双峰が顔面にフィットした。

「はっはっはっ! あたしのおっぱいがそんなに好きかぁ♥」
「大好きです! 先生のおっぱいは俺の太陽です! 灯台です! サーチライトです!」
「うおおおおっ、黒田ぁぁぁ♥」

 俺が汗だくだということも構わず、ぎゅーっと抱きしめられる。日下先生は背が高く、俺は小柄なので身長差があり、俺の頭に先生の顎が乗るくらいだ。だからこうしておっぱいに顔を埋めて抱きしめられると、包み込まれるような感覚がたまらなく気持ちいい。しかも先生はサラマンダーのため体温が高く、その肌はホカホカだ。このままおっぱいで窒息死してもいい……わけがない。死んだらもう味わえないだろうが、この感触を。見れないだろうが、先生の笑顔を。

 そのままぐいっと風呂場に引きずり込まれた。しばらく谷間の天国を味わっていたが、やがて頭にお湯を浴びせられた。

「じっとしてな。洗ってやるから」

 シャンプーの匂いがしたかと思うと、胸の谷間で頭を固定されたままわしゃわしゃと洗われた。サラマンダーの爪は鋭いが、保護の魔力というやつで頭皮が傷つくことはなく、むしろ気持ちいい。おっぱいの感触と相まって夢心地だ。部活ではあまり細かく世話を焼かず、生徒の自主性と独立心を尊重する日下先生だが、俺にだけはこうして体を洗ったり、手料理を振る舞ったりしてくれる。

「ほら、流すぞー」

 再びシャワーを浴びせられ、シャンプーが洗い流されていく。目に入ったシャンプーがしみたが、それよりも先生の温かさとエロさが身にしみた。

 肩を掴まれ、胸から引き離されると、先生の太陽のような笑顔が見下ろしていた。

「座りな」
「はい」

 椅子に腰掛けると、冷たいプラスチックの感触が尻に当たった。だがその不快感が気になったのも一瞬だけだ。先生が石鹸を泡立て、自分の体に塗りたくりはじめたのだ。水色の石鹸から白い泡が生まれ、ぶくぶくと女身体を覆っていく。おっぱい、腕、おへそ、ふともも、全身に。俺の股間はもうギンギンになっているが、それをしごくのを必死で我慢していた。自分ですると先生は怒るのだ。

 全身が泡まみれになったかと思うと、先生は俺の腕をぐっと掴んで持ち上げた。

「まずはここからな」

 そう言って彼女は俺の右腕を自分の股に、そのムチムチ褐色の、泡まみれのふとももに挟み込んだのだ。そのまま先生が腰を前後させると、石鹸でぬめる内股が腕に擦り付けられる。にゅるん、にゅるんと滑らかにふとももで腕を洗われた。さらに股間のワレメ……魔物なので毛の生えていないワレメからはみ出したピンク色の所、砕けた言い方をしてしまうとマン肉が腕を擦れていく。右腕が終わると、今度は左腕を股洗いしてくれた。ムスコを弄れないのが辛い。ちょっとした拷問だ。

「ぅんっ……あんっ……♥」

 先生はワレメが俺の腕に擦れて気持ち良さそうだ。石鹸に先生の液体が混ざっている。右腕が終わり、今度は左腕。もうにゅるにゅる祭りだ。石鹸の中に雌の香りが漂う。

「せ、先生……腕よりチンコの方を洗ってくださいッ……!」
「ん、ははっ。我慢できないかぁ♥ そうだよなぁ♥」

 息を荒げながら、先生は俺の腕を股から解放した。そして屈み込んで、泡まみれの、ぷるんぷるんの、神々しいおっぱいに手を沿える。これは丁度、肉食獣が獲物に飛びかかる構えだ。次の瞬間にはそのおっぱいが、俺のムスコ目がけて襲いかかってきた。

「ふおおおおおぅ!」

 北国の狩人はトリカブトの毒を塗った矢や罠で熊を狩ったが、熟練者なら山刀一本で心臓を突き仕留めたという。先生は一流ハンターの如く、俺のペニスを即死させた。むにゅむにゅのチョコレートマシュマロに挟み込まれた瞬間、焦らされたペニスはその快感で一気に絶頂を迎えてしまったのだ。
 凄い勢いだった。ペニスはおっぱいの間に完全に埋もれていたのに、発射された精液は谷間から飛び出て、先生の顔にまでかかった。褐色肌に白濁がよく映える。

「ははっ! 溜まってたなぁ!」

 笑いながら、口元についた精液を美味しそうに舐めとる先生。

「この、ス・ケ・ベ♥」
「おうふぅぅぅ!?」

 谷間で脈打つペニスへさらに乳圧がかけられた。先生の胸にかかれば勃起したペニスが萎える暇などない。むにゅむにゅの天国に挟み込まれ、先生の熱っぽい視線に見つめられながら、気持ちよくなり続けるしかないのだ。
 石鹸でぬめるおっぱいが容赦なくペニスを摩擦してくる。にゅるん、にゅるん、と上下へ動き、絶え間なくペニスを挟み続ける。これはもはやレイプだ。おっぱいに逆レイプされている。

「ああっ、先生ッ……先生ッ!」

 言葉にならない俺の叫びを、先生はその胸で優しく受け止めてくれた。









 ……こうして俺たちはしばらく、風呂場で熱い時間を過ごした。その後先生は再び裸エプロンで台所に立ち、俺は後ろからむちむちのふとももとお尻を見物させてもらった。体育会系の日下先生だが料理は得意で、台所に立つ姿はいつも楽しそうだ。だが今日は鼻歌を口ずさみ、小刻みにお尻を揺らし、いつも以上に機嫌が良さそうだった。体調が悪いと聞いたがもう大丈夫なのだろうか。

 やがて食卓に先生の手料理が並び、湯気を立てた。ハンバーグ、コーンポタージュ、ツナサラダ……どれも俺の大好物だ。先生と一緒に食べると尚更食が進むというもの。
 ハンバーグを一口食べれば肉汁がじゅわわわわっと口に広がった。ポタージュはとろりと甘く、トウモロコシの味が生きている。熱々のご飯をかき込み、サラダを頬張って口の中で冷ます。脂っこい肉もサラダがさっぱりとさせてくれた。先生は俺が食べるのを笑顔で見つめていた。

「美味いか?」
「はいっ! 最高っすよ!」

 ストレートな感想を告げると、先生は嬉しそうに笑う。そして少し身を乗り出し、俺の顔をじっと覗き込んできた。ルビーのような瞳(本物のルビーを見たことないが)で真っ直ぐに見つめられ、胸の中で炎が燃え上がるような気がした。

「お前さ、一生あたしの料理を食べたいって思うか?」
「一生どころか、生まれ変わって二生でも三生でも食べたいです!」

 もちろんデザートは先生自身で。
 日下先生は俺の答えに満足したのか、クスッと可愛い声を漏らした。

「そっかぁ……あたし、今朝どうも体の調子が悪くて、病院行ったんだよ」
「それで、どうだったんです?」
「うん……」

 先生の口調が穏やかになり、まなじりが下がる。いつもの熱い笑顔とは何か違う、心底幸せそうな笑顔だった。何というか、『乙女』らしい雰囲気が漂う。
 彼女は椅子から立ち、褐色の肢体を見せつけながらゆっくりと歩み寄ってくる。自然とおっぱいに目線が行ってしまう俺だが、鉤爪のついた手で顎を掴まれ、目を合わせられる。身を屈め、熱い吐息を漏らすぷるぷるの唇を俺の耳へ近づけ……日下先生は告げた。





「おめでとうございます、って言われちゃった」






 ……俺の心臓が大きく飛び跳ねたのは、数秒の間を置いてからのことだった。理解するのに時間がかかったのだ。

 病院でおめでとうございます。朝から体調不良。一生先生の料理を食べる。おっぱい。
 これらのことを総合すると、答えは一つ。

 震える手で、先生のエプロンの裾を掴んでめくり上げる。甘い匂いのするワレメと、すらりとしたお腹が見えた。この中に……
 俺の様子を楽しそうに見つめ、日下先生は悪戯っぽく微笑んだ。

「だんだん膨らんでくるぜ、このお腹」

 手で下腹部を撫でる日下先生。その手つきはとても愛おしそうな……。

「じゃあ……」
「ああ。お前の精子、あたしの卵子にストライクしやがった♥」

 二ヶ月前に童貞を捧げてから、先生と毎日のように中出しセックスをするようになった。もしこうなったら、と考えなかったわけではない。だがそれはもっと先のことだと思っていた。繁殖力の強い種族を除けば、魔物の出生率は非常に低い。何年、下手をすれば何十年も交わらなくては妊娠しないこともあると魔物学の授業で教わった。と言ってもそれは所詮確立の問題。千に一つと当たりくじを最初から引いてしまうことだってあり得なくはないのだ。

 天の配剤か、あるいは俺の子種が『確立なんてクソ喰らえ!』というくらい根性のある奴だったのか。とにかく俺の中出しした精子が先生の中で実を結んでしまったのだ。

 その現実を前にして、俺は……


「先生! 結婚しましょう!」
「いいぜ。卒業してから、な」

 ちゅっ、と唇を押し付けられる。ぷるぷるの感触に続いて舌が口の中へ入り込んできた。熱い吐息も吹き込まれる。
 先生とのキスは燃え上がる。服は洗濯してしまったので裸、先生は裸エプロンという状況で先ほどから勃起しっぱなしだったが、唇を通じてさらに熱さが注ぎ込まれてくるようだ。先生の尻尾の炎も徐々に大きくなっていった。
 舌を絡め合い、唾液を交換し、やがてゆっくりと唇が離れる。

 潤んだ瞳で俺を見つめ、日下先生も息が大分荒くなっていた。食事中ではあったが、お互いもう我慢できそうにない。
 彼女はふいに俺の膝へ乗ってきた。ペニスをお尻で押しつぶすように。

「おぅふ……!」

 おっぱいに負けず劣らず柔らかな、褐色のお尻。ただ乗られているだけでも至高の快感だった。

「今日から中出しは今までの倍な。赤ちゃんの分も出してもらうんだから」

 言いながら、先生は腰を少し浮かした。赤い鱗のついた手でそっとペニスを掴み、もう片方の手は自分のワレメを押し広げている。

「それと、妊娠中の健康のためには精の経口摂取も大切だ。朝昼晩の三回はフェラさせろよ。直腸からの吸精も体にいいから、アナルにも出すんだ。お前はもうインキュバス化してるし、楽勝だろ?」
「もちろんです!」
「後、母体が気持ち良くなった方が赤ちゃんによくエネルギーが行くから、お前も一日に十回はあたしをイかせてくれよ」
「はい! 任せてください!」
「母乳の出を良くするために、胸へのマッサージも忘れるな。出てきたら味見もしろよ。あ、この辺は後でプリントにまとめてやるから」

 さすが保健体育の教師だけあって、妊娠中の生活と性活にも気を遣っている。俺も彼女と娘の健康のため、全力を尽くさなくてはならない。教師と肉体関係を持った挙げ句妊娠させたことについてはどうでもいい。どうせ「魔物娘なら仕方ない」で済まされるから。

「それじゃあ……もう待ちきれないし、挿入ッ!」

 高らかに宣言し、先生は腰を沈めてきた。所謂、背面座位の姿勢。
 ぬるりと柔らかなものに亀頭が辺り、そのままずぶずぶと肉の底なし沼へ飲み込まれていく。いや、沼というよりむしろマグマ溜まりだった。先生の中は熱々で、ペニスを挿入すると激しくうねるのだ。何度挿入しても飽きない噴火口は、いつも以上に強くペニスを抱きしめてくれた。

「くはぁぁぁっ♥ イイッ! 黒田のチンポ、最高ぉぉ♥」
「うおぉぉ……! 先生の、日下先生のおマンコこそっ……最高っすよぉ……!」

 蕩けた声を出して仰け反る先生を後ろから抱きしめ、エプロンの隙間に手を突っ込む。特大ハンバーグステーキ並のボリュームのおっぱいを揉みながら、彼女への愛を込めて腰を突き上げた。

「きゃぁん♥」

 甲高い声を上げ、先生はよがる。喘ぎ声がたまに可愛いのも彼女の魅力だ。トントンとリズムをつけて突き上げると、熱いジュースが俺の下半身をじわじわと濡らしていった。
 おっぱいも揉む。激しく揉む。何でこんなに柔らかいんだ。今まで何度もこの殺人兵器に搾られてきたが、責める側になってもこの柔らかさは危険物質だ。寝食を忘れていつまでも揉んでいたくなってしまう。

「あんっ♥」

 乳首を摘んだとき、指先に何かぬるりとした感触を覚えた。エプロンの下から手を出してみると、良い香りのする白い乳液が付着している。

「いただきます!」

 早速味見した。甘味のある美味しいミルク。それも体温で温かいホットミルクだ。早く娘が生まれて、このミルクを飲むところを見たい。
 そう思うとなおさら体が熱く燃え上がる。先生も同じく大興奮し、尻尾の炎は渦を巻いていた。俺は下から突き上げ、先生はタイミングを合わせて上から打ち付けてくる。股間の溶鉱炉でペニスが煮込まれ、今にも溶け出しそうだ。

「先生ッ! 出ます!」
「おうっ♥ 出せ、出せ! あたしも、あたしもイっちゃうからぁッ♥」

 餅つきのように音を立てながら、先生のお尻が俺の下腹部に打ち付けられる。振り向いた彼女は目に涙を浮かべ、恍惚とした表情にどこか母性を秘めていた。
 赤い瞳と目が合った瞬間、俺はとうとう……。

「日下先生―ッ!」
「黒田ぁぁぁ♥」

 褐色の体をぎゅっと抱きしめながら、俺は彼女の中へ射精した。熱々の膣内へ精液を注ぎ込む快感。絶頂によって膣がきゅーっと締まり、それが脈打ちを一層強くする。インキュバス化してから射精量が格段に増え、快感も増すようになった。その有り難みを噛み締め、一滴残らず日下先生の中に注ぎ込む。
 だがインキュバスは魔物のオスとなるべくして生まれ変わった人間。その精力は魔物に合わせて無尽蔵だ。玉袋では急ピッチで精子が生産され、再び装填される。注ぎ込みながら、俺の性欲が頭をもたげた。

「先生っ、先生っ、先生っ!」
「ああん♥ だめっ、出しながら動くにゃぁぁっ♥」

 膣奥に射精しながらの突き上げに、先生は思わず体をよじらせた。その動きに釣られ、俺と先生は二人揃って椅子から転げ落ちる。
 床へうつぶせになった先生にのしかかり、俺は尚も腰を振り続けた。

「先生っ! 日下先生っ!」
「あああああんっ♥ くろだ、黒田ぁ、黒田ぁ♥」

 互いの名を呼び、愛を叫ぶ。先生の涎と愛液、そして染み出した母乳が床を濡らす。赤い尻尾が俺の腰へ巻き付いた。

 渦巻く愛欲の炎に包まれながら、俺たち二人……いや、三人の夜は深けていった……。




















………












……

























「そら、できたぞ」

 我が家の作業場。完成したグローブを渡すと、娘はそれを手にはめ、ぱっと笑顔を浮かべた。火のついた小さな尻尾を揺らし、喜びを表現している。この無邪気で生き生きとした、燃えるような赤い瞳は母親譲りだ。

「ありがとう、父ちゃん! ぴったりだ!」
「当たり前だろ。プロなんだからな」

 頭を撫でてやると、娘は照れくさそうに頬を赤らめる。
 この子が生まれてから早十年。高校時代の親友はプロへの道へ進んだが、俺は野球をするよりもその道具を作る方が天職だと考えるようになった。今では数多くの注文を受ける、いっぱしの職人だ。お客は主に妻や娘と同じサラマンダーやリザードマン、獣人系やトロールなど、手の形状が人間と異なる魔物たちだ。種族に応じて手に馴染むグローブやバットを作れば、より多くの種族が野球を楽しむことができ、スポーツを通じて人と魔物がより一層近づけるのではと思ったのである。

「こゆりちゃんとケンくんに見せてくる!」

 ブルマのお尻への食い込みを直し、娘はパタパタと玄関へ駆けていった。元気で明るい、俺の可愛い娘だ。ついこの間まではチビだったのに、あっという間に背が伸びて手も大きくなり、それに合わせてグローブも何度か新しく作った。これから母親に似た美人になることも間違いないだろう。
 窓から外を見ると、もうお友達が待っていた。一人は男の子で、もう一人はセイレーンの女の子。彼女はプロ野球の選手として活躍している親友と、かつて母校の応援団長だった三矢さゆりの娘だ。母親に似て負けん気の強い性格で、すももとしょっちゅう喧嘩になるが、すぐに仲直りしていつも一緒にいる。そして二人とも、同じ男の子を好きになっているらしい。

「ケン坊も苦労するだろうなぁ」

 苦笑しつつ、俺は次の仕事に取りかかることにした。今度はテンタクル用のグローブの注文である。

 だがその前に、作業場に妻が入ってきた。

「ふふっ、お疲れ様。コーヒー飲めよ」
「ありがとう、ももか」

 尻尾を燃え上がらせながら、カップを渡してくれる妻……『元・日下先生』こと、ももか。恥ずかしながら妊娠を聞かされるまで、俺は彼女の下の名前を知らなかった。ももか自身、「自分は名前の割に可愛くないから」という理由で苗字ばかり名乗っていたのである。彼女のカッコいい面と可愛い面、両方を知っている俺には全く違和感なかったが。

「すももの奴、今日も元気だなぁ」
「ああ、俺たちの娘だもんな」

 グローブを嵌めた手を高々と掲げ、友達と一緒に駆けていく娘の姿を窓から眺める。そんな俺の背に、むにゅっと柔らかいものが当たった。次いで体を抱きしめられ、頬を寄せられる。

「あんな娘が、もう一人くらいいても……いいと思わない?」

 そんなことを言って頬を赤らめる、可愛いももか。返事の代わりに抱きしめて、熱いキスを交わす。

 尻尾の炎は十年前と変わらずに燃え上がり、俺たちの体を包み始めた。








――fin
15/06/16 17:16更新 / 空き缶号

■作者メッセージ

東京へ出かけた俺たちは、六本木某所でフォースに触れ、日暮里で団子を食べて帰宅したが、その後風邪をこじらせた。
しかし、いつまでもベッドの中で妄想に悶えている俺たちじゃない。
筋さえ通ればその場のノリ次第でどんなSSも書いてのける恥知らず。
妄想を形にし、巨大なエロを打ち立てる。

俺たち特攻野郎! 缶チーム!




……夏風邪は馬鹿が引くという言葉がありますが、私は馬鹿だったようです。
とにかく復活報告を兼ねて、途中まで書いて埋もれていた短編SSをサルベージすることにしました。
咳と下痢と肋間神経痛に苦しみながら何とか書き上げましたが、楽しんでいただけましたでしょうか?
この日下先生に関しては「セイエーン」を書いたときに期待の声もありまして、ようやく書けたなという感じです。
お読み頂きありがとうございました。

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