連載小説
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ホルスタウロス:幼い頃の、ジョゼの日記
 パパとママが、きれいなのーとをくれました。
 これをジョゼのにっきちょうにしなさいって言いました。
 がっこうの、ことばのおべんきょうになるからです。

 にっきって、なにをかくの?
 わたしは、ママにききました。

 「思ったことを、なんでもかいていいのよ」
 ママはいいました。

 わたしの思ってることって、なんだろう。
 うーん、うーん、
 どうしても、わたしのあたまの中がみえなくて、ずうっとかんがえていたら、いつのまにかおひるねをしてしまいました。
 おきたらもう、ごはんのじかんになっていました。
 だからこんどは、パパにきいてみました。

 「じゃあ、ジョゼのいちばんすきなものをかいてみたらいいんじゃないかな」
 パパはいいました。
 
 わたしが、すきなもの。なんだろう。
 ママのあまいあまいみるくかな。
 わたしも、おおきくなったら、ママみたいにおっきなおっぱいになって、おいしいみるく、でるようになるのかな。
 パパとママは、わたしがそういうと、わらいました。
 だいじょうぶよ、ジョゼにもすきなひとができたら、ママなんかよりずっとおっきくて、すてきなおむねになるわ。
 そしたら、あまーいみるく、いっぱいのませてあげましょう?

 パパとママと、みるくのおはなしをしていると、わたしのあたまの中に、アルくんがいっぱいでてきてくれました。
 わたしはそれが、とっても、うれしくなりました。
 パパとママにおしえてあげたら、わらってわたしのあたまをなでてくれて、
 「ジョゼは、アルくんのことが好きなの?」
 ってきくので、わたしはおおきくうなずいて、「うん」っていいました。
 
 「よかったね、それじゃあ、アルくんのこと、いっぱいかけるね」
 っていってくれました。
 だから、これから、アルくんのことをかこうと思います。

 アルくんは、おとなりのおとこのこです。
 ほんとうのなまえは、アルテュール、っていうけど、わたしはうまくアルくんのなまえをよめません。
 そしたら、アルくんが、アルでいいよっていってくれたから、ずっとアルくんってよんでいます。

 わたしは、アルくんがだいすきです。
 でも、はじめてあったのがいつか、おぼえていません。
 おとなりどうしだったから、あかちゃんのときからいっしょにいたんだって、ママがおしえてくれました。
 そのころから、ずうっとなかよしだったんだって。
 わたしはおぼえていないけど、そう聞いてうれしくなりました。 
 
 わたしとアルくんは、としがおんなじです。
 アルくんの方が、わたしよりなんにちか先に生まれたから、ちょっとだけアルくんの方がおにいちゃんです。
 わたしはおにいちゃんがほしかったから、うれしかったです。

 アルくんに、おにいちゃんってよんでもいい? ってきいてみました。
 アルくんは、ちょっとおこったみたいなかおをしたけど、べつにいいよ、っていってくれました。
 アルくんは、うれしいときはおこったみたいな顔をします。
 さいしょはこわかったけど、アルくんのママからそう教えてもらったら、こわくなくなりました。
 
 アルくんは、もっとおこったかおをして、わたしのあたまを、ぽんとさわりました。
 なにかいいたそうに、わたしのあたまのつのを、こちょこちょしています。
 くすぐったいけど、なんだか、かおとかからだが、ぽおっとあったかくなるみたいです。

 そして、わたしにしかきこえないくらい、ちいちゃなこえで、
 おれも、いもうとほしかったから。
 ジョゼがいもうとだったら、すごいうれしいから。
 って、いってくれました。


 アルくんの、つんつんしたかみのけにほっぺたをすりすりするのが、わたしはとってもだいすきです。
 そのまま、アルくんのせなかに、ぎゅうーってだきつくと、すごくきもちがよくて、そのままおひるねできちゃいそうです。
 おにいちゃん、おにいちゃんって、なんかいもアルくんのことをよんじゃいました。
 アルくんはめんどくさそうにあっちをむいたまま、んー、とだけおへんじします。
 でも、わたしがアルくんをよぶとかならず、おへんじしてくれます。

 わたしは、アルくんが、だいすきです。
 しょうらいは、アルくんのために、あまくておいしいみるくがいっぱいだせるようになりたいです。
14/08/05 17:50更新 / さきたま
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■作者メッセージ
生存報告までに。
ひらがな多用、申し訳ありません。
読み辛い場合はもうすこし簡単な漢字を織り交ぜたいと思います。

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