読切小説
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俺得な物語セカンド
「なんで来ちまったんだろ…」

俺は後悔した

―――祭りなんて、一人で来るべきではないと

・・・

日頃から何も予定がない俺には、外でいても特にすることもない

そんな訳で、今日までの祭りがあることを知った俺は、単身で祭りを楽しむことにした

理由?

特に予定がないんだから、当てもなく行くのも良いだろうと思っての事だ
…まぁ、行って直ぐに、その選択を後悔することになったが

祭りは行事だ

行事ってのは皆で参加すると面白い

特に親しい人間と行くとそう思うだろう
…恋人、とかな

「カップルばっかじゃねーかよ…」

そう、辺りにはカップルしか居ない
居ても家族ずれとかだけだ

正直、一人身ではかなり辛い

「なんで来ちまったかな、俺…」


ぼやいても仕方ないが、ぼやきたくもなる

と、ふと聞こえてきた

「にぃ…」

「…猫、か」

ふと見るとうずくまって、ぐったりしている猫が居た
毛並みも汚れているし、捨て猫だろうか

「…」

なんでだろう
俺は、見ていてなぜか辛くなった

「お前、待ってろよ」

俺は人ごみを分けて走り出した

・・・

「よし、たんと食えよ」

ムシャムシャとたこ焼きを食べている猫
―――勿論、ソースとかは掛けてもらってない

野良猫にあげたいからとたこ焼き屋のおじさんに言った所、半額で譲ってくれた
礼に自分の分も頼み、直ぐにあの猫の所まで戻ってきたのだ

「しっかし、よっぽど腹空かしてたのな、お前」

すごい勢いで食べている猫
見ているこっちが圧倒されそうだ

「みぃ〜」

「ん?食い終わったか?」

と横を見ると、綺麗に全部食べていた

「よかったよかった」

と頭を撫でてやるが

「みぃ!?」

なぜか逃げられた

「ははは…そりゃ警戒するわな」

と、自分のたこ焼きを食べ終えると俺は立ち上がり

「またな」

と俺はごみを捨てにいった

・・・

「はぁ…」

ごみを捨てた後、俺は疲れていた
身体的にではなく精神的に、だ

さっきも言ったとおり、カップルばかりで正直ネガティブにもなりたくもなる

しかもそのカップルの中の何人かには痴漢と勘違いされるし

正直ふざけるなと思った
何が空しくて他の男の女のケツ触るかっての

「もう帰るかね…」

入り口付近でやる気なく座っていても事態は好転しないし
帰るかな、と、立とうとした時だった

「にぃ〜」

「ん?…さっきの猫か?」

と、さっきたこ焼きをくれてやった猫が足元にいた
…なぜか少し濡れて

「にぃ」

と、俺の靴紐を軽く噛んで、別の方向に向こうとしてる
まるで、ついて来いというかのように

「…ついて来いって意味か?」

「みぃ!」

と猫が紐を放して、その行こうとした方へ向かっていく

「なんなんだ、一体…」

俺はついていくことにした

・・・

猫についていくと、そこには誰もいないし、小さな噴水があるだけだった

「みぃ!?」

「…ここに連れて来たかったのか?」

その猫は、噴水の端に立って、まるで座ってほしそうにしていた
―――そもそも、猫が座ってほしそうというのも、変な話だが

「…考えても仕方ない、か」

と俺はそこに座り、ふと考え始めた

―――なんで祭りなんか来ちまったかね、ホント

以前から恋人なんていた例がない俺にとって、今回のようになるのも、以前に経験済みだったはずだ

―――祭りの場に出会いでも求めたか?

バカらしい
そもそも、祭りに来るのはカップルとかしかいないのも経験済みだろうが

「祭りなんて…俺には楽しめないのは経験済みだろうが」

「なら、私と歩いてほしいかな?」

と、突然横から声がしたので、横を見てみた

―――そこには着物をきた、可愛らしい猫耳少女が立っていた

「え?あ、あの…」

「よかったら、一緒に祭りをまわりませんか?」

その少女ははにかむように笑いながら聞いてくる
…すっごく可愛い

「あ、いえ…俺は「もう帰ろうとしてたのなら、少しだけで良いですから、ね」

と、強引に頼んでくる彼女
ふと、気になることがを思い出した

「あの、すみませんが…猫、ここにいませんでした?」

あの猫が居なくなっているのだ

「…いえ、見てませんが」

彼女は微笑みながら答える

「猫なんて良いじゃないですか。それより私と祭りまわりましょ?」

と、彼女は俺に言ってくれている
確かに、彼女と回りなおすと楽しいだろう

―――と、ふと、あの猫の倒れている姿を思い出す

あいつは一人、うずくまっていたのだ
もしかしたら、またどこかでうずくまっているかもしれない

そう思うと…

「すみません…ここにいた猫探してやらないと」

自然と、そう答えてしまった

「…私より、猫をとるんですか?なぜですか?」

なぜか彼女は、試すように、そしてしつこく食い下がってきた

「なんででしょうね?…俺にもわかりませんが…」

「そんなわからない事のために、私を断るんですか?」

彼女も真剣に聞いてくる

「…多分、一人は寂しいのを俺も知ってるからだと思います。…貴方みたいな魅力的な人からの誘いなんて、もう永久的にないだろうけど…」

俺は続ける

「すみません、俺なんかに声掛けてくれたのに…でも」

「…っぷ」

と、彼女が

「ンハッハッハッハッハッハハハハ!」

突然笑い出した

「ひぃ〜…そこまで真剣に言ってくれる人、初めてだよ」

と、彼女から尻尾が…

尻尾?

「え?」

「しかもまだ気付いてないし…くっくっく」

彼女は笑い続ける

「私だよ、その猫」

と、彼女が猫の姿に…

「へ?えぇぇぇぇぇぇぇ!」

俺は、絶叫した

・・・

「ネコマタ…」

「そう、私、人間じゃないの」

彼女の説明を聞きながら、俺は事のいきさつも聞いた
毎年、この祭りに彼女はきて、猫の姿で楽しんでいたらしい

例年通りなら、多少餌をくれたりする人がいたのだが、今年は野良猫をみるなり棒とかで殴ろうとする人とかや、餌をくれない人が殆どな上に、最近殆どご飯が食べられなかったそうだ

「そこを君がたこ焼きをくれたのさ♪」

そんな時に、俺がたこ焼きを走って買ってきてくれたのに対して、感謝と同時に興味がわいたのだそうだ

「それに、殆どの人間ならまずさっきの問答もせず私とどっかに行こうとするのに、君は猫の私のことも案じてくれた」

「…ちなみに、案じなかったらどうしてたのさ?」

「多分、その程度の人間と思って、祭りを回ってお終いだったかな?…まぁ、その気はもうないけどね」

と、俺の腕に絡まってくる

「…できたら、祭りの後も一緒にいたいな」

と、上目づかいで俺を見てくる彼女

「でも、いいのか?自慢にはならないが俺たいして見た目もよくないしさ」

「見た目なんて、いくらでも着飾れるけど、心は着飾れないよ」

と、更に絡まってくる彼女

「だめ?」

と、不安そうにしながら、俺を見てくる

「…こんな俺で、後悔しないでよ」

「しないよ。絶対」

と、彼女は微笑みながら

「chu♪」

「へ!?」

キスしてくれました

「さ、もう時間あんまり残ってないし、いこうよ!」

と、彼女に腕を引っ張られ、俺は祭りへ行った

―――これからの祭りは、きっと寂しくない

11/06/17 00:57更新 / ネームレス

■作者メッセージ
どうも、ネームレスです

祭りとか特別な行事

そんなところに行くと作品の良いインスピレーションが浮かぶのですが…
今回は書いたとおりカップルばかりで沈みかけました

が、ここでネコマタたんとかドッペルたんいたらどうだろうなと思った時、この電波を受信
たこ焼きは食べられませんでしたが、代わりにカキ氷食べながら構想を練ってました

さて、他にやらないといけない事とかもやっていこう…


それでは最後に、ここまで読んで頂き、ありがとうございます!
今回は特に感謝です!

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