連載小説
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監視の下で公開オナニーしたりして
ある夏の日のことです。
僕はリュックサックを背負い、ある温泉街から山へと登ろうとしていました。
なんでも川を遡るしかないということで、僕は結婚の意思のないことを示す登山票だけを貰って川のそばを登って行きました。
それがないと水棲の魔物娘に襲われるのです。
それで、案内人のオークの目がギラついていたので、案内を丁重に断り一人で山に登って行きました。
朝霧は降りていましたが、僕は軽い登山なら慣れていたこともありましたし、そこら中に魔物娘がいて最悪でも命の危険はないことは知っていたので。
しばらく登りましたが、一向に朝霧が晴れません。それどころかむしろ濃くなっていくのです。どこか甘いような匂いもします。
一度引き返そうかとも思いましたが、きっとどこかの魔物娘が、どさくさに紛れて僕を襲おうとしているのだと思うと、引き返すと捕まえられて逃げられなくなりそうで、それは避けたかったのです。
それで、もう登ってしまえばいいやと割り切って、川のそばを離れないようにしながら草を踏み分けていきました。

しかし僕の視界を遮る霧は一向に晴れず、何も見えません。
当然、顔を出しては登山票を見て残念そうに川に戻る魔物娘や、乳繰り合っている植物系の夫婦はいますが、それも見えたと思うともうもうと霧に阻まれて見えなくなるのです。その度に匂いが濃くなります。

そのうちに足もくたびれてくるし、腹も減ってくるしで僕は一度休憩することにしました。
カバンや服がじとっと濡れて重いというのもありますし、僕自身、甘い匂いに興奮してきていたので一度クールダウンしたいと思っていたのです。

川ばたの岩を背にして、果物の缶詰の蓋を開けたり、魔物娘たちのギラついた監視の下で公開オナニーしたりして三十分程度経った頃でしょうか。
立ち込めていたいやらしい霧がさっぱりと消えていたのです。僕の情事を見て満足したのだと思います。
落ち着いた僕はサンドイッチを食べながら、ちらりと腕時計を見ると、もう一時を回っていました。
ですが、それよりも驚いたのは、ふっと時計に影がかかり、強烈な淫臭が漂ってきたことです。
僕は驚いて振り返りました。すると背後の岩の上で、見たことのない、薄紫の肌に黒紫色の触手を生やした幼げな魔物娘が、片手を股間に伸ばし、見せつけるように堂々たるオナニーをしていたのです。目があった瞬間に、ぷしりと潮が飛んできました。

僕はしばらく呆気にとられて身動きもしませんでした。
僕は山が好きで、山の魔物娘は大抵知っています。その僕をして初めて見かけた彼女はしばらくそのまま潮を飛ばし続けました。
三、四度でしょうか。僕の顔に潮が飛んできたときに、僕は岩の上の彼女へと飛び上がりました。それと同時に、その魔物娘が誘惑するように尻を振って、下半身の触手から粘液を垂らしながら逃げ出しました。
岩の上に登ると、触手の幼女がまた少し離れたところで露出オナニーに興じています。僕が近づくと彼女は離れ、気がつけば僕も彼女も走っていました。いえ、正しくは走る僕を彼女が時折立ち止まり煽り立てていました。
僕は最初話を聞くだけのつもりだったのですが、気がつけば捕まえるつもりになっていました。淫気に当てられていたのです。
僕は山登りはしますが、それほど足腰が強いわけではないので、途中で何度も躓いたり、膝に手をついて息を整えたりしていたのですが、その度に幼女に潮やら粘液やらをかけられていたものですから。

そうして走っていると、チャンスがやってきました。
アルラウネの夫婦が、魔物娘の逃げる先でまぐわっていたのです。彼女は顔を赤くすると、道端の草薮に慌てて飛び込みました。
「しめた」と思って僕も勢いよくそこに飛び込みました。
するとそこには穴でも空いていたのでしょう。僕は魔物娘の艶めく背に指先が触れたと思うや否や頭から真っ逆さまに落ちていきました。そういう時は人間の頭は変に働くもので、彼女に触れた指先の匂いと、あの霧の匂いが同じものであることに気がつきました。

それから。
それから先は覚えていません。
僕はヌメリとした粘液のようなものに全身が包まれたかと思うと、いつのまにか気を失っていました。
19/08/06 23:35更新 / けむり
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■作者メッセージ
御大許して
さきっちょだけだから

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