連載小説
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混沌へ堕ちゆく勇者
やぁ、ビスタ、彼はどうだい?

えっ?罠を全部突破しただって?

それはすごいなぁ。さすがだ。さすがは僕の勇者だ。

……そういえばスフィはどうしたんだい?

あー、呆気なく負けたから落ち込んだんだね。それで旦那さんのところに行ったと。

いいなぁ、慰めてくれる旦那さんがいて。僕も早く欲しいよ。

欲しくて欲しくて堪らないよ。

ほら見てくれよ。僕のここ、もう我慢できなくて昨日から濡れているのさ。

……え?三日と十四時間前から濡れてたって?

そうだったっけ?

ビスタは細かいなぁ。普通そんなこと覚えてないだろう。

細かい細かい。細々アヌビスだ。

アハハ、そんなに睨むなよ。冗談じゃないか。

怒ってないって?嘘はダメだよ、ビスタ。二ミリくらい眉がひそまってたよ。

僕の方こそ細かいって?アハハ、そうだね。そうかもしれない。

でもこれはビスタの責任だよ。ビスタの細かい菌が映ったのさ。

……おっと。もうそんな時間かい。じゃあ、また後で。うんうん。

やってみせるよ。

頑張るさ。

だって僕の未来がひいてはこの国の未来がかかっているんだからね。
前編《這い寄る》13/04/04 19:23
後編《混沌》13/04/04 19:33
蛇足《落日のフローリアン》13/04/05 23:22

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