連載小説
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余談
『えーっと…ゴーレムはこれで全部ですか?』
『うん!そうだよ!』
『これだけの数を探すのは大変ですねぇ。しかも多くが行方知れず…証言を全員分とるにはどれだけかかるやら…。ああもう、あの時どこへ行くか聞いておけば……』
『じゃあじゃあ、アリシヤが探知術式組んであげる!それがあれば、どこにいるかすぐ分かるよ!』
『え。出来るんですか?』
『当たり前だよ、お兄ちゃん。ハダリーシリーズはアタシが創ったゴーレムだもの!そのぐらい朝飯ま』
『ちょ、ちょっと待って下さい。お 兄 ち ゃ ん ?』
『うん!アリシア、ずっとヘクトルお兄ちゃんみたいな人を探してたの!』
『セニョリータ。僕は貴女のお兄ちゃんになった覚えは…って何か前に似たようなやり取りをした覚えが…』
『ねぇ、お兄ちゃーん。アリシヤ、えらいでしょ〜?いいこいいこしてぇ〜』
『いやだからちょっと』
『も〜。おんぶはしてくれたのに〜』


「ひ、ひひひ、ひひひひひひ。あ、あンの小娘…調子づきおって……。今日という今日は」
「た、大変大変ご主人様!庭でアニカちゃんが一心不乱に穴掘ってる!」

「く、くく、くくくくくっ。ああいうキャラはもういらないんだよ私一人で十分なんだよああゴメンよミミズさん達もうすぐここに泥棒猫が一匹埋まるはずだからよろしくやってくれ大丈夫だよ土を加える時は塊で放り込んだりせずちゃんとスコップで砕いておくさいつも通りだよああ陽の光の下だというのにこうも元気が出るのはなぜだろうねくく、くくくっ、くははははははははははははっ!!」

「あいつめ…」
「どうしよう…。今アタシお料理中なんですけど、手伝いに行きます?」
「あ?」
「え?」
「………マーサ?貴様、手に持っているのはひょっとして毒にんじ」
「ええ?やだなぁ、ご主人様ったらぁ。アタシはあのガキ…もとい魔女の方に、天にも昇るくらい美味しい美味しいニンジンのポタージュを飲んでほしいだけですよぉ」
「いやでも、絶対それ毒にんじ」
「だぁからあ。アタシはこのお屋敷の台所を預かる身ですよ?うっかりニンジンと毒ニンジンを間違えるなんて、するわけないじゃないですかぁ」
「だからそれ」
「大丈夫!一つだけ食材を変えて混ぜるからバレるんです!全部の料理をそういった素材でつくれば…」
「………今日もいい天気だなぁ」

 シュナイネ領は今日もわりといつも通りとか、そうでないとか。

10/09/14 23:07更新 / 八木
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■作者メッセージ
 ホルスタウロスのお姉ちゃんとイチャイチャする妄想を顕現させていたとき、「対面座位ばっか書くとか、八木は前世に何かあったのか」と言われるのが怖くなって、やらかしましたよ突貫工事。
 いささか無理のある展開は目をつぶっていただけると有り難いです。
 え?ゴーレムはルーンを『削る』?まぁまぁ…。

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