連載小説
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潮騒の宇宙恐竜 騎士の心得
「……ッ!」
「アン♥ がっついちゃダメよ♥」

 騎士への御褒美を名目に、ガラテアは魔物娘の体に飢えたゼットン青年へ自身を供す。男性経験など一切無い彼女であるが、淫魔として最も優れた種族たるリリム故か、目の前の男に対する恐怖は全く無い。
 一方、そんな彼女の心情なぞお構いなしに、青年は極上の女体へしゃぶりつく。

「アッ…」

 首筋など複数箇所へキスをされ、下着の上から両胸を優しくも執拗に揉まれるものの、リリムは一切抵抗しないどころか、その度に甘い声をあげる。
 男からの愛撫を感じてか真紅の目を潤ませ、白い柔肌は紅潮して玉のような汗を流し、秘部を覆う黒い下着はいつしか湿り気というには多すぎる量の水分を帯びつつあった。
 一方されるがままの肢体とは逆に、主張が激しいのは腰から生えた二枚の銀白色の翼と臀部より生やした先端がハート状になった同じく銀白色の尻尾だ。
 左右の翼は男を逃さぬかの如く彼の腰に添えられ、伸長した尾も彼の腰回りに巻きつけられている。

「ウフフ、何をしてもいいのよ? これは騎士様の働きに対する、お姫様からの御褒美なの♥」

 女が艶っぽく微笑むのを見た男は自身の体を下にずらすと、彼女のびしょ濡れになった下着を脱がせ、サキュバスの秘部を露わにする。
 彼女の淫靡な見た目に反し、一度も男を味わった事の無い秘裂は美しく、また誰にも穢されていないのを示すような清楚さを漂わせている。

「キレイだ…」
「まじまじと見て言わないで……恥ずかしいわ」

 青年が思わず呟くと、ガラテアは羞恥のあまり頬を染める。
 彼の呟き通り、男好きの淫乱でありながら、その肢体と秘部は誰にも汚された事が無い故、その性質とは裏腹に純白そのものと言っていい。
 その事実に尚更興奮した男はゆっくりと彼女の秘部に顔を近づけ、やがて股に顔を埋めると、濡れた裂け目に舌を這わせて愛液を啜り始める。
 その刺激により、膣口からは一舐め毎に粘度の高い愛液が分泌され、男の口元を汚していく。

「んううッ!! 恥ずかしい……♥」

 ピチャピチャと鳴る水音にサキュバスはさらなる羞恥を感じ、顔を背けるのとは逆に、彼女は男に秘部を舐めるのを強要するように両脚を彼の首に絡める。彼女の要求通り、男はサキュバスの秘部に舌での愛撫を続けた。

「イイわ……もっと、もっと舌でイジってッッ!! 私の身体をもっと味わってッッ♥」

 甘い刺激に悦びを感じ、命令気味に叫ぶサキュバス。青年の方も言われるまでもなく、白く美しい柔肌とは対照的な薄桃色の膣肉の感触と味を愉しんでいる。

(実に素晴らしい。俺の注文通りに作ったのかと思える)

 小陰唇に舌を這わせ、クリトリスを優しく撫で回し、時には指をゆっくりと突っ込んで何度も出し入れし、膣を掻き回す。
 その度に漏れ出す多量の愛液の甘酸っぱい匂いと独特の塩味、膣の心地良い弾力に、青年はその都度生殖本能を刺激され、興奮の度合いを深めていく。
 『この女の体は素晴らしい』、と青年は彼女を弄くる内にますますそう感じている。今まで犯してきた魔物娘達にはそれぞれの特色があるため甲乙つけ難いが、彼女等と比べても何ら劣る箇所は無い。
 そんな豊満な肉体と浮世離れした美しさを独り占め出来る歓びを、青年は思う存分噛み締めていたのである。
 なにせ、これ程の美女は人間には存在しえない。もしいたとしても、既に王族などに手を付けられているのは間違いなく、彼のような輩が手を出す事は不可能と言える。
 だが、目の前で悶えている女はそのありえないレベルの美女である上、よりにもよって処女。しかもこの青年に自ら体を差し出してきたのは、普通ならば夢だと思う話だろう。
 しかし、それがありえるのが魔物娘の醍醐味であり、強みとも言える。そのありえないレベルがこちらに対して性交を迫ってくる――人間の女よりも美しく、淫らで、常に若く、非常に友好的であれば、そちらになびかないはずがない。
 人間の女よりも遥かに長所があり、何より夫、そしてそうなるべき男達に優しい彼女達に、男達は虜になるに決まっている。

「んぎぃッ!?」

 男に好き放題弄られていたサキュバスだが、突如悲鳴をあげ、ビクンと何度も小刻みに震える。ジワジワともたらされる快感に身をよじっていたところ、今度は急に突き刺さるような鋭い刺激が来たのだ。

「あ、悪い。こういうのは初めてか?」
「えぇ…」

 男はサキュバスの大きな陰核を指でそっと撫で回した後、軽く挟んだのだが、ガラテアは思った以上の反応を見せる。しかし、処女には少々刺激が強すぎたらしく、彼女は涙目となっていた。

「そう言えば処女だった。いくら魔物娘とはいえ、もうちょっと優しく扱わないとダメだなー」
「……もうっ!」
「うおっ!?」

 サキュバス的には悔しかったらしい。翼を巨大化させ、砂の上に敷いてマット代わりにすると、その上に青年を押し倒して体勢を入れ替えた。

「今度は私の番!」

 一瞬で青年のトランクスをずり下ろしながら叫ぶガラテアの秘所からは、先程の愛撫のおかげで愛液が止めどなく溢れ出している。このように準備は済んでいるため、もう前戯はいらない。

「……何ッ!? おっぱいが大きくなっただとッ!?」

 相変わらず淫靡な笑みを浮かべるガラテアは背中のブラホックに手を回し、その豊満な乳房を露わにする。しかし、そこまでは今までも同じような光景を見てきたのだが、今回は違っていた。
 何故ならブラジャーを外した途端、彼女の乳房が二回り以上大きくなったからである。

「着痩せとかいうレベルじゃないぞ…」
「あら、知らない? これは“バストダウン・ブラジャー”よ」

 ガラテアの乳房が膨らんだのに青年が驚いたのは、彼女には意外であったらしい。

「まぁ、知らないなら無理もないわね。これは王魔界の有名な下着製造業者が作った、胸を縮められるブラジャーなの」
「そりゃ、もったいない。何故わざわざ?」
「私くらいのサイズになるとね、肩が凝るのよ〜。だから普段は一応巨乳と言えるサイズまで縮めているわけ」
「あぁ、なるほど」

 サキュバスが胸を張ると、そのたわわに実った二つの果実がタプタプと揺れる。青年が自らの経験を基に割り出したガラテアのバストサイズは、当初83cmであったが、現在はそれに20cmプラスして、103cmにしなければならない。
 とはいえ、確かにこのサイズでは巨乳好きの男はもれなく引っかけられるが、日常生活に不便を感じる事も多いだろうというのは、ゼットン青年も容易に想像出来た。
 しかし彼にとっては、ホルスタウロスと同等以上の大きさの乳房をわざわざ縮めるのが残念に思えてならない。

「まぁ、アンタはそれ以外も完璧な肉体だからな。そのせいで魅力がガタ落ちするわけでもない………………まぁいいや、おっぱいだぁ〜〜♥」

 とはいえ、このサキュバスは別に胸の大きさに頼らずとも、性的魅力の塊のような生き物であるため、胸が縮んだところで男を誘惑するのには大した問題ではない。
 そして、今目の前の巨大な二つの果実を見た青年にとって、最早そんな事はどうでもいい事だ。

「うひょぉ〜〜っ! 柔けぇ〜〜〜〜っっ♥」

 ゼットン青年はもう我慢出来ないといった様子である。恍惚の表情で谷間に挟まり、顔を埋める。
 そのまま何度も顔をグリグリと左右に動かし、サキュバスの乳房の感触と甘い匂い、温かさを思う存分堪能する。

「おっぱいは好き?」
「大好き!」

 己の乳房へ甘える男に母性本能が刺激されたのか、母親が息子に向けるような微笑みを浮かべながらガラテアは尋ねる。
 すると、青年はこれ以上無いという程の良い顔で即答し、さらには曇り一つ無い目をキラキラと輝かせたのだった。

「仕方のないボウヤだわ……あんっ♥」

 その慈愛の笑みから一転、つい苦笑しそうになるガラテアだが、そこを通り越して今度は『女』の表情に変わってしまう。
 『ぱふぱふ』をひとしきり堪能した変態青年は右の乳をフニフニと揉みほぐしながら、左の乳首にしゃぶりついたのである。

「じょ、上手ね……♥」

 ガラテアが悶えるのを見れば解る通り、青年の愛撫は手馴れていた。己の本能へ忠実に従いつつも、その手と口は確実に女への責め方を心得ている。
 一見乳首を舐めしゃぶり、時に音を立てて吸い、ただ味わっているように見えるだけだが、この女の昂ぶりを確実に危険な段階へと追いやっているのは明白だった。

「んーんー(おいしい)♥」
「んもぅ、悪い子だわ…! こんなイヤラシイ舐め方を誰に教わったの?」

 赤子でもやらないぐらいの下劣な調子で乳を吸われ、息を荒くするガラテア。
 時には乳輪を舌でなぞり、時には乳首を甘噛し、時には両者を舌でこねくり回す男の責めに、女は段々と余裕を無くしつつあった。

「ぷはっ……」
「おいしい?」
「うん」

 愛おしそうに頭を撫でてくるサキュバスに青年は素直に頷く。

「最高だよ」

 責めを中断し、そう語る青年の頭はインキュバスらしく、ただ目の前の雌の体を味わい、お互いに快楽を貪り合う事以外考えていなかった。
 そして、それを感じ取った目の前の雌もまた同じく、頭の中は歓喜と性的興奮の入り混じったドロドロの思考に塗り替えられつつあった。

「うふっ、当然よ。なにせ私はリリムだもの。
 リリムの体はね、夫となるべき人にとって、この世で一番キモチイイものなの」
「へぇ〜、あんたリリムなんだ。ふ〜んリリム、リリム、リ……リ……ム……ッ!?」

 縋りつく男へ、ガラテアはその出自を自慢気に語りかける。その言葉にゼットン青年は頷いていたが、その内非常に危険な事実に気づき、顔面が蒼白になる。
 さらにはそのせいで、今まで目の前の雌を犯し尽くす事だけを考えていたにもかかわらず、彼の意識は正気に引き戻されてしまった。

「? どうしたの?」

 青年の様子がおかしくなったのでリリムは不思議そうな顔で尋ねるが、男の体からは冷や汗が止まらず、その目には怯えが見られた。

(そういえば、この女の特徴は前に魔物娘図鑑で読んだリリムの項目の通りだ…! やっぱり本物か……? そ、それなら……や、ヤバい……ッ!!
 魔王の娘の前で堂々と『魔王の夫をボコれる』って言っちまった!!!!)

 しかし、後悔したところで今更後の祭りである。

「! ハハ〜ン…」

 ガラテアはガタガタ震える青年の様子に小首を傾げていたが、やがて青年が何を恐れているのかに気づく。
 途端にリリムは邪悪な笑みを浮かべ、青年の左耳元まで顔を近づける。

「なるほど、分かったわ。あなた、リリムである私の前で『今日の俺は、多分魔王の夫とかでもボコれそうなぐらい調子良いから』って言っちゃったのに気づいたのね?」
「!!!!」

 囁きに反応する青年の態度からして図星であった。それを見たリリムは苦笑したい気持ちを抑えつつ、悪女の演技を続ける。

「う〜ん、そうねぇ……お父様はそういう類の侮辱を嫌うのよ。ヘタしたら、『それは是非確かめたいものだな』とでも言っちゃうかも……♪」
「!?」

 それは遠回しに魔王の夫が『私の手で処刑する』と言うようなものである。当然、暗黒の鎧の無い青年には万に一つも勝ち目は無い。

「あ〜、黙っているのは心苦しいわぁ〜。言っちゃおうかしら〜?」
「!?」

 ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべながら、股下の青年をリリムは見下ろす。一方、狼狽える青年は顔面蒼白で、生きた心地はしない。

「ま、待て! 待ってくれ! 俺の出来る事なら何でもする! だからっ、それだけは…!」
「“何でも”?」

 その言葉に反応し、リリムの目がギラリと輝く。

「う…」

 リリムの言葉を聞き、青年は『しまった』という悔恨の表情をしていた。

「ねぇ、私の騎士様。あなたは『俺の出来る事は何でもする』って言ったわね?」
(な、何をさせる気だ!? まさか『自分以外のリリムを始末して、私を次期魔王候補として最有力の存在に押し上げなさい』とでも言うのか!?)

 今更ながら、ゼットン青年は貴い身分の者に関わるとロクな事が無いのを思い出していた。
 なにせ、彼は地元の領主の三男坊に因縁をつけられ、結果的に半殺しにしてしまったので逃げ出す破目になったぐらいである。

「じゃあ、まずは私をあなたの妻にしなさい」
「へ?」

 どんな無理難題を押し付けてくるのかと身構えていたところ、意図していない言葉が飛び出したので、青年は間の抜けた声を出した。

「簡単でしょ?」
「え? あぁ、うん」

 ガラテアは有無を言わさず、そしてゼットン青年はその勢いに押されて慌てて頷く。

「ふふっ」

 言質を取って満足したらしく、リリムは再び艶っぽく微笑んだ。

「余計な心配はいらないわ。夫であるあなたに、くだらない事なんてさせないもの」
「! あ〜……」

 ここでようやく、このやり取りが冗談である事にゼットン青年は気づいたのだった。青ざめた青年は再び赤面し、右手で顔を覆った。

「でも、これは許せないわね…」
「え?」

 青年は安堵していたが、危機はまだ終わっていない。萎えたままの逸物が、ガラテアの癇に障ったのである。

「妻である私の前で勃起しないなんて、騎士として、そして夫として許されると思っているの?」

 表情は穏やかだが、その語気には怒りが籠っていた。

「しかも私がイキそうだったのに途中で愛撫をやめるなんて、これは許せないわぁ〜〜?」
「…申し訳ございませんガラテア殿下。直ちに」

 極上の魔物娘が自分から妻になると言ったのだから、もう我慢する必要はどこにも無い。青年の逸物は再び驚異的な速さで屹立する。

「んん♪ よろしい」

 脈動する巨根を見下ろし、リリムの機嫌は良くなる。

「では、良い子に御褒美をあげる。悦びなさい、“私の一番大切なもの”よ?」

 今までは騎士からの前戯であり、彼女自身は特に何もしていない。したがって御褒美はこれよりの行為を意味し、その期待感にリリムは淫蕩な笑みを浮かべている程だ。

「リリムの処女なんて、いくら大金積んでも貰えないんだから……っ」
「がんばる」

 青年の返事を聞いたリリムは腰を浮かせ、自らの秘裂に屹立した彼の怒張をあてがい…

「んううぅッッ!」

 そのまま腰を降ろす。そして彼の逸物が秘裂に突き刺さり、処女だった証がブチブチと引き裂かれ、子宮口までその大きなモノで一気に貫かれる感覚に、ガラテアは悲鳴とも嬌声ともつかない声をあげる。

「大丈夫か?」

 結合部より血を流すリリムを気遣うゼットン。魔物娘でも破瓜の痛みはあり、すぐには適応出来ない者もいるのを彼は知っていた。

「…お気遣いなく。ある意味、これは快楽より大切なものなの……」

 体を震わせるリリム。痛みはあるが、後悔は無い。彼女はたった今より“女”となり、そしてこの青年の物となったのである。

「……」

 寝ていた青年は上半身を起き上がらせ、ガラテアを優しく抱きしめた。

「俺でいいんだな? こうなった以上、後悔はさせないつもりだけど」
「ありがとう…」

 青年なりの覚悟の発言を囁かれた事にガラテアは感謝の言葉を述べると、ゆっくりと腰を上下させ始める。

「!?」

 そして、その感触に驚愕する青年。

「んっ! あんっ!」
(な…なんつー膣だ! これがリリムの中なのか!? スゲェ勢いで吸ってくる!!)

 段々と痛みが和らぎ、蕩けた顔で嬌声をあげ始めるリリム。一方、青年は驚きの表情を崩さない。

「最高よ、あなたのオチンチン! カリが膣壁に引っかかるぐらい太くて、子宮に届くぐらい長くて……それに鉄みたいに硬いわぁ♥」
「うああぁぁわぁぁああぁぁ!? な、なんだよぉコレはぁぁぁぁ!!??」

 凄まじい快楽の波に襲われ、情けなく叫び声をあげる青年。既に複数の魔物娘と性交経験があり、激しい快楽には慣れているにもかかわらず彼の逸物は余裕が無く、すぐにでも射精しそうだった。

「アッアッアッアッ、おっぱいちぎれちゃいそう!! でもいいの♥ このオチンチン、私の中のキモチイイ所を引っ掻くのぉ!!
 だから突いて! 私の中をもっと突いてぇぇぇぇっっ♥」

 彼女の膣はようやくほぐれてきたばかりにもかかわらず、恐ろしく絶妙な締めつけと柔らかさ、弾力で青年の逸物を扱き上げる。
 しかも追い打ちを掛けるかの如く、リリムの性交に対する高い順応性により、つい数分前に破瓜の痛みに苦しんでいたとは思えぬ速さで腰を激しく上下させ始めたのだ。
 その様はあまりに淫靡だった。汗まみれの絶世の美女は爆乳を何度も大きく揺らしながら、膣襞をカリで引っ搔かれる刺激に嬌声をあげる様は千金を払ってでも拝む価値があるだろう。
 しかし、その美女に犯される栄を賜った果報者は、その快楽故に目の前の淫景を眺める余裕などありはしなかった。

「おぁぁぁぁっ!? ちょっ、待っ……!」
「ダーメ! もう少しでイキそうなの! だから、あなたも早く中に出してね♥」

 余裕の出てきたリリムは青年の頑張りを嘲笑うかの如く、膣内を形容し難い動きでうねらせ、その剛直を苛む。しかもその吸引力は相当のもので、さらには一枚一枚がミミズの如く絡みついてくるような襞も相まって、彼の子種と精はすぐそこまで迫っていた。

「……うっ!」
「あっ、あっ………………あぁアァァ――――――――――――ッッッッ♥♥」

 騎上位で腰を振るリリムはやがて絶頂を迎え、子宮口を青年の鈴口に密着させる。青年の方も激しいグラインドと超絶的な膣内の刺激にすぐに耐えきれなくなり、彼女の子宮目がけて一ヶ月近く溜め込んできた精液を放ってしまう。

「ふっ……あぁ……」

 絶叫をあげるリリムは初めての膣内射精を受け、快感のあまり全身をビクビクと痙攣させる。
 口からは涎を垂らし、涙を止めどなく流すと共に、やがて多量の潮を噴き、男の上半身を汚していく。

「マジかよ……リリムスゲェ」

 再び力無く倒れた男は膣より肉棒を引き抜くと、久方ぶりの射精の快感の余韻に浸った。搾り取られるかのような射精で頭がビリビリと痺れるようであり、それは半日程前に浴びた数億ワットの雷撃よりも刺激的と言えた。

「すっごぉい…♥」

 うっとりとした、そして感慨深そうな表情で、ガラテアは自分の膣口より流れ出す大量の精液を眺めている。

「…美味しい♥」

 漏れ出した精液を見てもったいなく感じたのか、リリムは少量をすくい取って口に運ぶ。そのまま舌の上で転がして味わい、飲み込むが、その様は恐ろしい程淫靡なものであった。

「うふっ、あはははははは!」

 そして、そんな艶っぽい表情から一転し、ガラテアはすぐさま哄笑をあげだす。

「…どうした?」
「アハハ、馬っ鹿みたい。こんな美味しいものを、私は四十年近くも知らなかったのよ? おかしいったらないわ」

 今までの人生を無駄とは言わぬが、大分損をしていた気はする。その馬鹿馬鹿しさに、ガラテアは大笑いしたのだった。

「気にすんな。人生とはそんなモンだ」

 ゼットン青年に慰めの言葉をかけられ、ガラテアは頷く。しかし青年にとって意外だったのは、淫乱の最たる例であるリリムでも四十年近くも男を知らずに過ごす事が出来るのかという事だ。

「でも…」
「……」
「今は知っている…でしょ?」
「ふむ、一回だけじゃ確かに不完全燃焼というところだな」

 青年はリリムの言いたい事を理解していた。

「ねぇ、あなたは騎士の任務を理解しているかしら?」
「お姫様を守る事…かな?」
「正解…だけど」

 頬を染めて艶っぽく微笑んだリリムは立ち上がると、砂浜の近くに生えていたヤシの木に手をつき、青年に尻を向ける。そして、尻尾が手招きするように縦に振られ、青年を誘惑する。

「それだけじゃないわ。模範解答を教えてあげるから、こちらに来なさい」

 ガラテアの呼びかけにより青年もまた立ち上がり、彼女の方へ近づく。

「あなたの言った事は正しい。でも、私の欲しかった答えじゃないわね」
「では、正解とは?」
「うふっ、解ってるくせに。今からそれを実践してみなさい」
「ふぅ…姫様の仰せのままに」

 呆れ顔でため息をつく青年。恐らく彼が考えた答えは正しいだろう。それは自信がある、というよりは確信していると言える。

「では失礼」

 ゼットン青年は残った右腕でリリムの腰を掴み、そのまま衰えぬ怒張を濡れそぼった陰部目がけて突き入れる。

「んんぁあっっ!!」

 再び嬌声をあげるリリム。そのまま彼女の大きな尻目がけ、青年は激しいピストンを繰り返した。

「そう…そうよ! 騎士の仕事はお姫様の身の安全を守る事! 次に、お姫様を飽きさせないよう常に愉しませる事! でも、一番重要な事は……お姫様を孕ませる事なのよぉぉぉぉッッ♥♥」

 後背位で獣の如く激しく犯され、蹂躙される歓びに喘ぎながらガラテアは騎士の本分を語る。しかし初めこそ魔姫は職務に関する事を滔々と青年に語ってはいたが、一突き毎に段々と理性をすり減らし、余裕を無くしていった。
 当然こんな真似をされてはリリムの正気は保つはずもなく、やがてわけの分からぬ事を言い放ち出す。そして最後には最早言葉ですらない嬌声をあげるだけとなり、ただ快感に咽ぶだけの一匹の雌となってしまった。

「あっ……あっあっあっあっ……ああああっああァァ――――――――――ッッッッ♥♥♥♥」

 普通の女ならば泣いて痛がるような子宮口目がけての激しいピストンにも、ガラテアは息を荒くしながらも鋭い快楽を感じてしまい、やがて絶頂を迎えてしまう。
 同時に彼女の肉壷が収縮して再び青年の肉棒を苛み、大量の子種と精を吐かせたのだった。

「いや、それはおかしい」

 ガラテアの子宮に容赦無く精液を注ぎ込んだゼットン青年も、痙攣を起こすような凄まじい悦楽に襲われ、足がガクガクと笑ってしまう。
 そしてたまらず膝をついた彼は薄れゆく意識の中、騎士が姫を妊娠させる事のおかしさだけは冷静に指摘したのだった。










 ――浮遊島『ネオヴァルハラ』王城・地下五階特別研究棟――

『ここが無事なのは幸いでしたねぇ』
『フン、そうでなければ困る。ここを破壊されれば、計画は丸潰れよ』

 七戮将メフィラスとヤプールは薄暗い研究室の中にいた。
 広い室内には学術書が無造作に詰め込まれた薄汚れた本棚や、泡立つ薄緑色の液体で満たされた円筒形の巨大な培養装置など、怪しい物ばかりが並び、それらの存在が、彼等の如何にもなキナ臭さを倍増させている。

『それにしても、あんな輩にここまで好き放題させるとはな。お前の管理が甘かったのではないか?』
『……』

 ゼットン青年が大暴れした際、幸いこの階は無事であった。しかし、それはあくまでこの階と特に頑丈に造られた動力室だけの話であり、他の階及び地上部は少なくない被害を被っている。

『えぇ、反省していますよ』
『それが次に活かされるといいがな』

 ヤプールはメフィラスの欠点をよく知っており、その言葉が嘘だというのを知っている。

『……きついご指摘ですねぇ』
『陛下がお隠れになられて既に五百年あまりが過ぎた。かつてのように人目が無い故、それを良い事に目立ち始めた貴様等の醜態ぶりが目につくのよ』

 同僚の無様さを呆れ顔で述べるヤプール。メフィラス率いるエンペラ帝国残党がクレア達の前に姿を現して以降、無様な敗北を重ねているのはヤプールの指摘通りである。
 特にグローザムとデスレムは、クレアとゼットン青年に為す術もなく敗北しており、本来なら七戮将からの降格は間違いない程の罰が与えられているだろう。

『特に貴様の失態はマズいぞ。実験体とリリムの両方に逃げられるのは、本来なら厳罰を与えられて然るべきだ。
 リリムはまた捕まえればいいが、あの男に逃げられたのでは危うく四百年あまりの苦労が水の泡になるところだった』
『……』

 怒るヤプールにメフィラスも言い返せず、ただ黙して聞くしかなかった。

『不幸中の幸いで、お前が切り落としたあの男の左腕があったからいいがな。これに懲りたら、今後軽率な振る舞いはやめてもらおうか』
『申し訳ない』

 反省したメフィラスは素直に詫びの言葉を述べ、頭を下げた。

『あまり変な真似をすると、日蝕の日以降が怖くなるからな』
『あの御方のお怒りは買いたくありませんよ』
『違いない。血の一滴、骨の一片も残さずに消されるのはゴメンだ』

 かつての日々を思い出し、二人は懐かしさと共に恐怖も感じた。

『まぁいい……とりあえず奴の細胞はあるから、日蝕の日に儀式は滞り無く行えるだろう』

 ヤプールは悪辣な笑みを浮かべた顔で呟くと、二人は円筒形の水槽に目をやる。見れば、泡立つ緑色の培養液に満たされた水槽の中央には、なんと切り落とされたゼットン青年の左腕が漬けられていた。

『細胞分裂は既に始まっている。日蝕の日までには、問題無く肉体の複製は完了するだろう』
『フッフッフッフッ、それは重畳。その日が実に楽しみですねぇ』

 泡立つ培養液に漬けられた腕に、二人は邪悪な期待をかけたのだった。










「すぴー……」

 静かな寝息を立て、男は眠っている。繰り返される潮騒も、今度は男の目を醒ますには至らない。
 一方、女の方は巨大化させた羽を布団代わりに自分と男の下に敷き、彼の傍らで添い寝していた。

「あらあら、私を好きなだけ犯した後に疲れて寝るなんて、騎士としてなってないわね」

 ガラテアは苦笑するが、仕方のない事だ。青年の精神の疲労はまだ取れておらず、性交で回復出来る肉体の損傷と事情が違う事はこのリリムも理解している。
 一方、彼女は後背位で犯された後に対面側位、正常位、松葉くずし、駅弁などで立て続けに犯され、その飢えた性本能をひとまずは満足させたのだった。
 そして何より大きかったのは彼女が性交によって多量の精を得た事だ。それもインキュバスの濃厚かつ良質な精であり、餓死しかかっていた肉体も問題無く安定させる事が出来、死の危機は脱したのだった。

「でも、ありがとう。あなたの精は今まで食べたどんな物よりも美味しかったわ」

 ここまで犯されたのだから言うまでもないが、リリムはこの男の精の味を気に入ると共に、この男と子供を作りたいと考え始めていた。
 さらには、彼が命を懸けて見ず知らずの自分を守ったという事をガラテアは強く意識していたのだ。
 普通は見ず知らずの者を命懸けで助ける事などしない。故に『彼が私を助けたのは、きっと私の事を気に入ったからだ』――即ち『彼は私を愛している』という結論にガラテアは至った。
 しかも彼女自身もまた彼を気に入っていたため、これは『相思相愛』を意味した。

「本当は私が独り占めしたいところだけど、あなたはよりにもよって浮気者。そんな真似をしたら騒ぎが起きるわね」

 しかし、青年を取り巻く状況が複雑であるのはガラテアは十分理解していた。彼の身から発する数々の臭い、そして自身に放たれた精からそれを読み取っていたのである。

「でも、複数人の魔物娘を愛せるなんて、あなたも贅沢ね。お姫様も妬いちゃうわぁ〜〜」

 ガラテアはそうからかうように呟くと、青年に愛おしそうに頬ずりする。そして自分だけ起きているのもなんだからと、彼女もやがて眠りに落ちたのだった。
15/01/01 13:54更新 / フルメタル・ミサイル
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■作者メッセージ
備考:グローザム・ヴァルキオ

年齢:不明(推定550歳以上)
身長:215cm
体重:170kg
肩書:エンペラ帝国七戮将
   エンペラ帝国軍・氷刃軍団長
異名:氷原の処刑人
   五千人斬りのグローザム
   氷獄の凶獣
   氷風熱剣
技:コールドテンペスト
  スローター・アイシクル
  アイシクル・レイン
  イリュージョンミスト
  ダイヤモンドダスト
  など

 かつて世界最強の戦闘集団と呼ばれた帝国七戮将の一人であり、機械ベースのサイボーグ戦士。
 当代随一の氷魔法の使い手にして、その切れ味はダイヤモンドをも斬り裂くと恐れられた魔導激光剣(マジック・ビームソード、MBS)使いの剣士であり、さらには自己再生魔術の名手でもあるという芸達者な男である。
 その性格は短気で傲慢、非常にプライドが高い。そして自身の得意属性の如く冷酷で、戦場での殺戮を愛している。
 しかし、皇帝に対しては忠実無比であり、五百年経った今でもそれは全く衰えていない。
 戦闘では全てを斬り裂く故に扱いが極めて難しいMBSを自在に操り、相手を武器や鎧ごと溶断するのを主戦法とする。また、斬るのに値しない敵には魔力で生成した、口から吐く凄まじい冷気を浴びせて氷漬けにしてしまう。
 氷風と熱刃による凄まじい攻撃力はもちろん、生身だった頃は自己再生魔術で、現在は超特殊形状記憶魔法合金製のボディにより大抵の負傷はすぐに回復・再生されるという恐ろしい程の戦闘継続能力を持つ。
 彼の自己再生魔術でも肉体の衰えは止められなかったため、常に全盛期の実力を維持するために、現在は脳味噌以外を全て人工パーツで補っている。
 それら各パーツは相当細かく破壊されぬ限りは即座に修復され、しかもその度に破壊原因を分析し、それらに対しての抵抗力を得て強化されるという特性がある。
 また、修復が不可能となった場合でも、各部はユニット化されているため、効率的な修理・換装が可能となっており、加えて度々バージョンアップされている。
 さらには生身の部分が脳以外存在しないために精の生産能力は皆無で、そのせいで男に特有の濃い精の臭いが存在しない。そのため、五感以外に精の臭いで男の位置を特定出来る能力を持つ魔物娘に対し、抜群の隠密性を発揮する。
 脳味噌以外が機械である彼にとって、負傷しても痛みなど無い以上、いくら傷つこうが戦いをやめる理由にはならない。自身が動けなくなるか、自身の気が済むまで敵に凶刃を振るい、凍死者を増やし続けるのだ。

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