読切小説
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パイロゥ 火野カロルの爛れた日常
「あれえ、岸くんじゃね?」

 塾の帰り道、不意に声をかけられた。
 動揺したのがばれてしまったのだろう、声の主は吹き出した。

「そんなビビんなって! 友達じゃ〜ん!!」
「あ、あはは……そうですね……」
「敬語やめろって言ってんだろ〜?」
「はい……じゃなくて、うん……」

 彼女は火野カロルさん、ぼく――岸幸人と同じ門星学園の生徒だ。つい先日急に共学になってから、魔物娘?である彼女たちと交流を持つことになった。彼女も角や羽、尻尾が生えている。物語の存在のような外見の彼女たちと話すのはまだ慣れない。
 火野さんは同じ学年でもないのに、なぜかぼくによく話しかけてくる。一度中高合同の移動授業で一緒になってから何が気に入られたのか分からないけど、彼女はぼくによく話しかけてくるようになった。高等部の棟からわざわざ中等部のぼくのところまできて、色々話すのだ。

 正直、彼女の事は嫌いではない。火野さんと話しているとなんだか元気をもらえるような気がする。ただ、妙にボディタッチが多かったり、下ネタを廊下で平気で話すから、その辺は苦手だ。 
 ぼくがそもそも人見知りなのもあるけれど、それに彼女の見た目自体もなんというか、苦手なタイプだ。行ってしまえばギャル、オタクに優しいギャルなんて存在しないのだ。陰キャなぼくはどうしても警戒してしまう。

「んで、真面目な岸くんがなんでこんな時間に出歩いてんの?」
「塾の帰りで……」
「あはは、やっぱマジメくん〜!」

 火野さんはパーカーに手をつっこんだままゲラゲラと笑った。ぼくは愛想笑いで返したけど、不思議と嫌な気分ではなかった。火野さんみたいなタイプは苦手だけど、火野さんは何故か大丈夫なのだ。
 というよりむしろ、ぼくは……きっと火野さんが好きだ。嫌いではない、どころか好きだ。陰キャでオタクなぼくにも優しく話しかけてくれる火野さん。優しいギャルは皆に優しいのだと分かってはいるけれど、心のどこかで期待してしまっている自分が居た。

 期待、そう期待だ。何がそこまでおかしいのかまだ笑っている火野さんの体をつい見てしまう。白いパーカーの上からでも分かる大きな胸、そして黒いホットパンツの下に窮屈そうに収まっているお尻、すらりと伸びる褐色の生足、可愛らしい顔……。
 なんだかおかしい、火野さんの事は魅力的だと思っていたけど、なんで今日はこんなに彼女を性的な目で見てるんだ。これじゃまるで変態じゃないか、嫌われるぞと自分をしかりつけるけど、笑う彼女の体をじろじろと見つめてしまう。

「……あれ〜岸く〜ん? なにジロジロみてんだ〜?」
「えっ、あぁっ、ごめ……」
「おっぱいとか見過ぎだし! ドーテーかっての!!」

 また笑いだした火野さんに、ぼくはなにも応えられなかった。ぼくが黙っていると、火野さんはずいと体を寄せてきた。ふわり、と化粧品のような甘くいい匂いがぼくの鼻腔をくすぐった。

「んん? 岸くんマジでドーテーなん?」
「う……」
「だよね! だと思ったし!!」
「うぅ……」
「んじゃ、サクっとあーしで卒業しとくべ?」
「……え?」

 気が付くと火野さんは、ぼくの目の前まで来ていて、 

「だからぁ、貰ってあげるよアンタの……ド・ウ・テ・イ♪」
「え、だって、そんな……っ」
「どーせ彼女もいないっしょ? 岸くんオタクで陰キャだし!」
「ぅ……っ」
「だからぁ、あーしが卒業させたげるっての、ど?」
「でも火野さん、は……」
「エンリョすんなって! じゃ、決まりってことで!」

 訳も分からないまま、火野さんはぼくの手を握って歩き始めてしまった。「岸くんじゃホテルは入れねえしなあ」「家でヤっかー」「明日休みだし一晩中ヤれんじゃん」とか呟いていたけれど、頭がゆだってしまってその言葉の意味が理解できていない。ただ、繋がれた火野さんの手の温もりがぼくの中にまで入り込んでくるような感覚だけを覚えている。

     ◆

「ああ、うん……とっ、友達の家に泊めてもらうから……それじゃ」

 ぼくはお母さんとの通話を切って、震える息を吐いた。「部屋片づけっから待ってて!」とさっさと中に入ってしまった火野さんに玄関扉の前に置き去りにされていた。体中が熱くて自分がちゃんと立っているかも分からない。
 ここは魔物娘さんたちの寮だ。寮と言っても大型のマンションみたいな豪華な建物だ。さっきから腕を組んだカップルがぼくの前を通り過ぎたり、上や下からいかがわしい内容の話声が聞こえる。

 なんだこれは、現実なのか。

 あんなに可愛い火野さんがぼくを家に上げるのか、というかこれから彼女とセックスするのか。なんでこうなってしまったんだ、話が出来過ぎているんじゃないのか。怖い人が出てくるんじゃないのか。でも学校内の寮にそんな人が入れるはずない、だったら本当に火野さんが童貞を卒業させてくれるのか。いやでも学園の先輩なら入れるじゃないか。それで殴られて脅されるんじゃないか。でも火野さんはそんな人には見えない、だったらあのエロい体で……ああなんか変だぞ、ぼくは何を考えてる。

 そうやって体温を上げたり下げたりしながら突っ立っていると、目の前の扉が開かれた。少し息を切らした火野さんが顔を出し「いいよ、入って入って〜」と手招きする。ぼくが躊躇していると火野さんが出てきてぼくの背をぐいぐいと押して中に押し込まれてしまった。

「あの、火野さ……んっ!?」

 ぼくの唇にぷにぷにした何かが押し付けられた。見開いた目に映ったのは目を閉じた火野さんの顔。細く開いた火野さんと目が合い、ぷちゅ、と音立てて唇が離れたところで、ぼくは彼女にキスされたんだと理解した。

「玄関先でちゅーとかさ、男の子こーいうの好きっしょ?」
「あ、ぃ……」
「あい、って何だし! マジウケんですけど!!」
「ご、ごめん……」
「何謝ってんの! それより初めてのちゅーの感想は〜?」
「え、あ……よく、分からなかった……」
「は? なにそれムカつく」

 ごめん、と謝ろうとした唇がまた火野さんの唇でふさがれた。今度はすぐに離れずに柔らかな上下の唇が何度もぼくの唇を食む。ふにふにと少し湿った唇がぼくの乾いた唇を濡らしていく。

「はむ、ん……んむ、んちゅ、んん……っ♥」

 ぼくの唇が彼女のそれと同じくらい湿ると、火野さんはちゅうと音立てて吸い付いてきた。さっきよりもより唇同士が密着し、ちゅうちゅうと吸い付かれる音に、ぼくの内側がじわじわと熱くなってくるのを感じた。

「んちゅ、ちゅむ……はぁっ……今度は、ど?」
「あぁ、はぁ……はぁっ……!」
「言わなくていーよ、その顔で分かった……♥」

 火野さんは目を細めて笑うとブーツを脱いでさっさと部屋にあがっていてしまった。リビングに入る直前にこちらをちらりと振り返って、挑発するような誘うような光を湛えた瞳でぼくを見た。ぼくは荒く息を吐きながら、彼女に誘われるまま部屋に入って行った。さっきまで感じていた不安は、興奮と期待に押しつぶされてしまっていた。
 部屋に入ると、火野さんらしい派手な装飾の家具が目に入った。蛍光色だったり、ゼブラ柄だったりと、ぼくのイメージするギャルの部屋がそのままそこにあった。ピンク色のクローゼットから、慌てて押し込んだであろう物が覗いているのも見えた。

「んじゃ、そこらへんにバッグとか置いていーから」
「は、はいっ……」
「なんで敬語になってんだし、ウケる!」

 火野さんはまたゲラゲラと笑うと、ベッドに腰かけぼくに隣に座るよう促した。勉強道具の入ったバッグを置いて、呼吸を整えながら、震える足でベッドまで近づき火野さんの隣に腰掛けた。ぎしり、というベッドのスプリングの音にさえ、ぼくは興奮していた。
 隣に座ると、火野さんは黙ったままぼくの膝に手を当てた。びくりと体を震わせてしまうと「ウケる」と小さく呟き、火野さんはぼくの膝や太ももを撫で始めた。彼女の顔が見れず、ぼくの足を撫でる彼女の手しか見れなかった。

「う、あぁ……っ」
「ん……? コーフンしてる?」
「ぁあ……う、ん……」
「じゃあ、何か言う事あるよね……♥」
「あ、あの……っ」

 興奮でぼくの頭は正常に機能していなくて、

「ネ、ネイルすごく綺麗だね……!」

 目に入った情報をそのまま口走ってしまった。火野さんはきょとんとした顔をしてからまた大きな声で笑った。ぼくは恥ずかしいやら情けないやらで顔がどんどん熱くなるのを感じた。ムードもなにもあったモノじゃない。

「なんなの岸くん! ネイル褒めるとかウケんだけど!!」
「ご、ごめん! もちろん火野さんは綺麗で……っ!」
「いいよいいよ……ぶっちゃけさ、結構きゅんときたし」

 火野さんはにこりと嬉しそうにほほ笑んだ。彼女のこんな笑顔を見たのは初めてで、ぼくはドキッと心臓が鳴った。そして、今まで以上に火野さんの事が好きになっていくのを感じた。

「ヤる前とかさぁ気分上げるためかなんだか知んないけど、誰でも綺麗だ美人だって言ってくんだよ。けどさ、ネイルは褒められたことなかったなあ〜……結構こだわってんだよね! ほら全部色違うっしょ? それにこれ付け爪じゃなくてモノホンの爪なんだよね〜」

 自慢げに爪を見せてくる火野さんの話に付き合っていると、すこしづつ緊張がほぐれてきたような気がした。ぼくが「本当に綺麗なネイルだね」ともう一度褒めると、火野さんは照れくさそうに笑った。そして、また目を細めて顔を近づけてきた。

「はむ、ちゅ……♥」

 緊張がほぐれたと思っていたのに、火野さんの唇が触れるとぼくはまたガチガチに緊張してしまっていた。ファーストキスだってついさっきしたばかりなのに、すぐにこんな大人なキスに続くなんて対処できるはずもない。

「んちゅ……力抜いて……そっちのがきもちーよ……♥」

 火野さんの言葉に従い、何とか体の力を抜いてみる。すると、さっきよりも火野さんの唇の感触をしっかりと感じる事が出来た。「そうそう」と火野さんは呟き、そっとぼくの手に綺麗なネイルの指を絡めてくれた。ぎゅっと手を握りながら、ぼくたちは唇を触れ合わせた。

「んむ、んちゅ、ちゅぅ……んれ……♥」

 はあはあと呼吸が荒くなった隙に、火野さんが舌を挿しこんできた。舌を絡めようとしてみるけど、上手くいかない。「力抜いて、初めは任せて?」という火野さんの囁きに従い、力を抜いて彼女に任せる。

「れろ、れる……ちゅむ、ちゅる、んむぅ……♥」

 火野さんは鼻と鼻を擦り合わせるように顔を動かしながら、ディープなキスをしてくれる。しばらくそうやって与えられる快感に任せていたけど、自分でも絡めたくて舌を動かした。火野さんは止めることなくぼくの舌の動きに合わせるように舌を絡めてくれた。

「んむ、れろ、ちゅるる、ちゅう……ちゅうぅ……♥」

 火野さんに指が絡まる手が引かれ、キスをしたままぼくは体勢を変えさせられた。つないだ手にぐいと力がこめられ、ぼくはベッドに押し倒された。火野さんの金色の髪が頬をなで、少しくすぐったかった。軽くバンザイさせられるような格好になって手をぎゅっとつないだまま、口内をべろべろと舐めまわされる。

「はむ、んむ、んちゅ、ちゅる、じゅっ……ぷはっ♥」

 口を離すと、火野さんはぼくに覆いかぶさったままいやらしく口角を引き上げた。

「はあっ……岸くんけっこーキス上手じゃん……」
「はぁ、あ……そう、なの……?」
「ドーテーの癖に生意気……♥」

 火野さんはぼくのシャツのボタンを乱暴に外し、「おら〜上脱げ〜」とからかうような調子で言った。寝たままの姿勢で脱ぎづらかったけど、火野さんの言う通りにすると、彼女は耳元に顔を近づけてきて、

「シャワーなんて浴びてやんねー♥ いまからアヘらせてやっから覚悟しろドーテー♥」

 そう囁いて首筋にキスを落とし、そのままべろりと顎のあたりまで舐め上げてきた。ぼくが快感で高い声を上げて体を跳ねさせると、火野さんは満足げに目を細めた。

「そうそう、ドーテーくんはそうやって喘いでればいいんだよ♥」

 それから何度も何度も首筋を舐められた。火野さんの熱くてぬるぬるした舌が鎖骨の辺りに当てられ、焦らすように首筋を舐められると、舌の動きに合わせて勝手に体がびくびくうごいてしまう。
 首の周りが唾液でべとべとになる頃、ようやく火野さんは首から顔を離した。安心したのもつかの間、こんどはビリっと電流が走ったような快感が体を駆け巡る。首を持ち上げると火野さんが笑顔で乳首に舌を這わせているのが見えた。

「れろれろ……んれぇ……乳首ちょー可愛いじゃん♥」

 乳首が可愛いと言われてもどう反応したらいいのか、そんな疑問も快感に塗りつぶされえてすぐに頭から消え去る。

「れろれろぉ……てか、その姿勢首ツラくね? クッション使っていいからさ、アンタの乳首があーしにベロベロ犯されんのしっかり見ろよ♥」

 火野さんはぼくの頭の下にクッションを置くと、再びぼくの乳首を舐め始めた。こちらをじっと見上げたまま、だらだらと涎に塗れた舌でびりびりとした快感を与えてくる。舐められていない方の乳首も、綺麗なネイルの先でカリカリと刺激され、ぼくは勝手に漏れる喘ぎ声を押さえられなかった。

「れろ、んれ……れろれろれろぉ……♥」

 火野さんの唾液がぼくのちくびから胸へと流れ、わきの少し下を通ってベッドに滴り落ちる。カリカリと爪先で乳首を引っかかれ、ぎゅっとつままれるとびくんと体が震える。

「ビクビク感じて……ちょっよ可愛いじゃん……♥」

 散々乳首を弄られ、ようやく解放されるころにはぼくは体中から力が抜けていた。動くこともできず、はあはあと呼吸するぼくを火野さんは見下ろし、「マジかわいい♥」と呟いた。そのつぶやきに、ぼくは全身から喜びが湧き出てくるのを感じてしまっていた。

「おーおー♥ ガッチガチじゃ〜ん♥」
「あ、あぁっ……!」

 火野さんはぼくの硬くなったモノを、ズボンの上からつんつんと突いた。

「このままじゃパンツ汚れんべ、脱がしてやっから腰上げな〜♥」
「あ、うぅ……っ」
「あう、じゃねーよ♥ 早くチンコみせろっての♥」

 半ば無理やりズボンと下着をずり降ろされ、ぼくのモノが火野さんの前に晒されてしまった。今まで妄想や画面の向こうでしか行われなったことが、本当にできてしまうんだ。その期待と興奮で、ぼくのモノは痛いくらいに勃起していた。

「あっは♥ いーじゃんよ〜♥ ヤる気あるチンコじゃ〜ん♥」

 あんまでかくねえけど、という火野さんの一言に若干傷ついたけれど、もうそんなことはどうでもよかった。

「ひのっ、火野さん……っ!」
「どもんなよクソかわいいなあ♥」
「その、あの……!」
「待てって、岸くんどうせドーテーだから挿れてもすぐ出すべ?」
「あ、う……うん、そうかも……」
「だからまずはフェラで抜いてやっから♥」

 火野さんがぼくのモノを握り、かぱ、と口を開けた。もうその光景だけで出してしまいそうだった。火野さんの吐息がモノにあたり、ついにフェラチオをしてもらえるんだと思った矢先、火野さんが「あ」と呟いて立ちあがった。ベッドから飛び降り、何かを持って戻って来た。

「初フェラの記念撮影〜♥」

 火野さんはぼくのモノを再び握り、その手でピースを作って顔を近づけ、スマホで自撮りした。いきなりの事に面食らったけど、いくらなんでもそれはまずいとぼくは上半身を持ち上げた。

「ちょ、ちょっと待って……!」
「後で送ってやっから心配すんなって!」
「そうじゃなくて……!」
「動くなって……のっ!」

 にゅるり、と竿を扱かれて、ぼくは喘ぎ声を上げて倒れてしまった。にゅこにゅこと信じられないほど気持ちのいい手つきに、ぼくは快感で動けなくなってしまった。自分でするのとは全然違う、指がミミズみたいにぬるぬるまとわりついてくる。

「大人しくしとけ〜?」
「ああ、ぅあっ!」
「待ってな、秒でヌいてやっから……♥」

 手の動きが止まると、再び火野さんの顔がぼくのモノに近づく。今度は中断されることもなく、火野さんがぼくのモノを咥え込んだ。

「うぁあっ、あっ!」
「んぶ、んじゅ……♥」

 火野さんはとろんと満足げな顔でぼくを見上げた。ぼくのモノを咥えて、こんな顔をしてくれる人なんて火野さん以外にいるのだろうか。そんな恋心にも似た感情は、すぐに快楽で霧散した。

「んじゅ、じゅる……じゅっぽ♥ じゅっぽ♥」
「はぁあっ! あっ! うぅうっ!!」

 ぬるついて温かい口の中のお肉が、ぼくのモノにぴっとりと張り付き上下に動く。まるで真空状態にでもなったかのような口内で、唯一残された尿道の空気をも吸い出すかのように火野さんの口内はすぼまる。

「んじゅ♥ じゅるるる♥ じゅぅるるる♥」

 ぴっとりと張り付いた口内の柔肉の上下運動と、尿道の空気すら吸い出され、睾丸から直接精子を吸い出そうとしているような快感。そんなもの、耐えられるはずもなく――。

「あっ、ぅあぁ! あっ……あぁあああ————ッ!!」

 ぼくは彼女の宣言通り、ものの数秒であっけなく射精してしまった。火野さんは更に顔をとろけさせ、じゅるると音立ててぼくの精を啜り上げた。強制的に精液を吸い上げられるような快感に、勝手に体が痙攣する。

「んじゅる♥ じゅるるる……♥ じゅっぽ……♥ ちゅるんっ♥」

 火野さんが勢いよく口を離すと、ぼくのモノがびたんとぼくのお腹に当たった。火野さんの口元から、ぼくの出した精液がどろりと漏れると彼女は「ヤバ」と呟き、指でその精液を拭い取った。白濁で汚れた褐色の指を当たり前のように口に運び、じゅるりと音立てて精液を啜り込んだ。
 それどころか口内で味わうかのようにくちゅくちゅと音を立て、なんの躊躇もなく飲み込んだ。ぷは、と口を開けると彼女の羽や尾が嬉しそうに蠢いた。エロ漫画で何度も見てきた光景が目の前で行われ、ぼくのモノはまた大きくなり始めてしまっていた。

「あ、ヤベ! 飲んじった! 飲むとこ見せた方がよかったよね!?」
「いっ、いや、別に大丈夫……」
「マジごめ……お〜?」

 火野さんはまた硬くなり始めていたぼくのモノを指で持ち上げ、にやりと笑った。

「もうできんの? 岸くん絶倫か〜?」
「ど、どうだろ……」
「でもまだ半勃ちか〜、ならあれだな〜……♥」

 火野さんはベッドから降りると、パーカーのファスナーに手をかけた。

「おっぱいと……いーもん見せてやっから……♥」

 ファスナーがゆっくりと降ろされると、彼女は肌着はつけておらず、火野さんの褐色の肌がぼくの眼前に晒される。でも、ぼくの目を奪ったのはそれだけではない。火野さんの下着だ。布面積の少ない、ヒョウ柄の下着……!

「ど? こういうの好きっしょ?」
「うん、うん……!」

 恥も何もなくぼくが頷くと、火野さんは嬉しそうに笑った。ホットパンツを脱ぐと、パンツも同じように布面積の少ないヒョウ柄のものだった。褐色の肌にヒョウ柄の下着。脳内で描いていた、エロ漫画で登場した、そんなエロい黒ギャルが目の前に現れ、ぼくのモノはまた勃起してしまっていた。

「お〜しチンコ硬くなったな〜♥」

 ぼくのモノを見て目を細めると、火野さんはぼくに覆いかぶさって来た。おっぱいを押し付けながらするすると下半身にむかっていく。もしかしなくてもこれは……!

「今度はパイズリで抜いてやるよ♥」
「おっ、お願いします……っ!」
「お、素直じゃ〜ん♥ よしよし、いっぱい気持ち良くしてやっから♥」

 ヒョウ柄の下着をつけたまま、火野さんは大きなおっぱいをモノに擦りつけてきた。しっとりとした柔らかい褐色のおっぱいに、先走りが透明な筋を描いていく。柔らかな乳肉が何度も往復するので、透明の筋がいくつも光っていた。
 火野さんはぼくの腹のあたりまでおっぱいを持ってくると、少し体重をかけてそのままずるずると下に移動していく。硬くいきり立ったモノが大きな乳房の中に入り込んでしまった。

「ほら、おっぱいマンコの中はいっちゃたぞ……っと♥」

 下着をつけたままのせいか、挟まれているだけで緩やかな圧がかかり、かってにぴくぴくと震えてしまう。火野さんはそのまま体を前後に動かし、緩やかな乳圧でモノが扱かれていく。

「ど? きもちーでしょ?」
「はあ、あ……柔らか……っ」
「ドーテーチンコ、おっぱいマンコで扱かれて気持ちいいだろ♥」

 彼女の恥じらいの無い表現が、ぼくの中の欲望を刺激する。ほんの数十分前まで真面目に勉強していたのに、今はこんなに淫らなことをしているなんて。なぜだかそんなことを考えながら、火野さんのおっぱいの気持ちよさに酔いしれた。

「ほら、気持ちいいならそう言えし♥」
「う……っん、きもち、いい……っ!」
「よしよし♥ じゃあもっと気持ちよくすっからしっかり喘げよ♥」

 火野さんは一度モノをおっぱいから出すと、ぼくに腰を上げるように言ってその下に膝を差し入れた。そうしてもう一度おっぱいの間にモノを挟み、ぎゅっと圧迫してきた。それから二つの乳房を上下させた。

「はぁっ♥ チンコあっつ……♥」

 褐色のおっぱいが上下に揺れ視覚的な興奮が止まらない。更にはぱちゅぱちゅと乳肉が音を立て、聴覚からも興奮が煽られる。モノへの直接的な快感も耐えがたくて、腰が勝手に動いてしまう。

「こら暴れんな♥」
「あぁっ、うあ、ああ……っ」
「これはおっぱいマンコだぞ♥ 腰へこへこすんのは本物のマンコまでとっとけって♥」
「でも、きもち、よすぎて……」
「いいから任せとけって♥ 」

 褐色おっぱいの上下運動が一瞬だけ止まり、こんどは交互に上下に動き始めた。先走りでぬるついた柔らかな乳肉が竿を扱き上げ、カリ首にぶつかり、亀頭と尿道を撫でさする。激しい快感にぼくは体を跳ねさせて声を上げた。

「ああっ! あっ、うぁあ……っ!」
「ほら♥ もっと喘げ♥ 情けない声聞かせろ♥」
 
 亀頭の丸みを押しつぶすように肉厚がかかると、先走りがぬるりと火野さんのおっぱいにまとわりつき、上下運動にぬるぬるとした快感をプラスする。大きな褐色おっぱいでもみくちゃにされ、ぼくのモノは快感でどうかしてしまったかのように、びくびくと震え続け先走りを漏らし続けている。

「ああっ、うっ……ううぅっ」
「お♥ 出ちゃいそうだろ♥」
「はぁっ、うん、もぉ……っ!」
「ほら♥ このまま出せ♥」
「で、も……っ!」
「下着汚してもいいから♥ このまま気持ちよく出せって♥」

 火野さんはぼくの雄臭い先走りで濡れた乳房を、先ほどよりも速く上下に揺らし始めた。にゅちにゅち、ぐちゅぐちゅと音立てて褐色のおっぱいが弾む。溶けてしまいそうなほどにぬるぬるで柔らかいおっぱいの重量感と、その奥にあるさらりときめ細やかな褐色の肌の質感が、ぼくの射精を一気に煽る。

「チンコびくびくしてるぞ♥ ほら、出していいって♥」
「あぅ、あっ……ああっ……!」
「ほら♥ ぴゅっぴゅっ……って出して♥」

 またエロ漫画のような台詞を聞かされ、ぼくは限界に達した。ひときわ大きな喘ぎ声を出して彼女の胸の谷間で果てた。ぼくの射精に合わせて上下運動を繰り返してくれたせいか、射精の勢いは強く、ぼくの胸のあたりまで精液がかかった。

「あっは♥ すっげー飛んだ♥」
「はぁっ、あぁ……っ」
「やっぱエロ漫画みたいな台詞好きなんだなあ♥」

 見透かされていたことに恥ずかしさを覚えたけど、それ以上に彼女のおっぱいに目を奪われ、感情が興奮で上書きされる。ぼくの出した白濁が、火野さんの褐色のおっぱいを汚していた。褐色の肌の上に、ところどころ塊になった白い液体のいやらしさに、ぼくは喉を鳴らした。
 火野さんはおっぱいに指を這わせてぼくの精液を寄せ集め、また躊躇なく口に含んだ。つつ、体の上にかかった精液も集めて口に含むと、ぼくに顔を近づけてきて「あー……♥」と口内の精液を見せつけてきた。口を閉じ、ごくりと喉を鳴らしてもう一度口を開いてみせると、白濁はなくなっていた。

「ど? エロいっしょ?」
「うん、やばい、ね……」
「お〜ノリ良くなってきたじゃ〜ん♥」

 火野さんは笑いながら立ちあがり、どこかへ行くとタオルでおっぱいを拭きながら戻ってきた。それからぼくにかかった精液の痕を拭き取ってくれた。お礼を言うより早く、火野さんはヒョウ柄のブラを脱ぎ去り、おっぱいをぼくの顔に押し当てた。

「ほら、好きにしていいよ〜♥」

 押し当てられた二つの乳房を、ぼくは両手を当てた。痛くしないようゆっくりと揉むと、指が吸い込まれてしまいそうだった。初めて触るおっぱいの感触に、勝手に息が上がってしまう。

「触り方やさしーね……」
「へ、下手でごめん……」
「違うし! 謝んなっての! もっと激しくしていいからさ♥」
「わ、わかった」
「乳首もさ、キモチ良くして♥」

 言われた通り、もう少しだけ指を柔肉に沈み込ませて揉みしだいていく。ぷっくりとふくらんだ乳首は周りの肌より色素が薄く、それがまたぼくの興奮を煽った。歯を立てないように口に含み、さっきキスをしたときみたいに舌を動かしてみる。

「あっ♥ もっとして……♥」

 舌の動きを速めたり、少し吸い付いたり、さっきしてもらったみたいにもう一つの乳首を指先でカリカリしてみたり。火野さんが気持ちよくなるようぼくなりに愛撫を続けると、ぼくの手に収まり切らないほどの大きなおっぱいが、しっとりと汗ばんできた。
 不意に火野さんが体を動かし、ちゅぷ、と音立てて口から乳首が離れ、その代わりに今度は舌が入って来た。ぬるぬると舌を絡めていると、ぼくのモノはまたガチガチに硬くなっていた。

「……おし、それじゃあいよいよ……♥」

 火野さんはぼくに跨って下着をずらすと、女性器が露わになった。初めて見るそこはすでにしっとりと濡れそぼり、愛液がぽたぽたとぼくのお腹のあたりに垂れた。ぽたぽたと愛液がいくつも垂らされ、最後にぼくのモノに熱い雫がかかった。火野さんが腰を落とすと、ぼくの先端に熱い割れ目がぴとりとくっついた。

「ぅあ、あぁ……っ!」
「それじゃ、ドーテーいただきまぁす……♥」
「ま、まって、ゴム、とか……!」
「何言ってんの♥ 初えっちは生に決まってんで……しょ♥」
 
 火野さんはそのまま腰を落とし、ぼくのモノを飲み込んでしまった。にゅるるるっ、と一気奥まで入り込んだ暴力的な快感に、びくんと勝手に背中が反った。

「あぁはっ!!」
「あは♥ ドーテーごちで〜す♥」
「うあ、あぁあ……っ」
「んじゃ、続けて初生中出しキメよっか♥」

 言うや否や火野さんは後ろに手をつき、足を広げて腰を上下に動かし始めた。ぬるぬると締め付ける膣肉の動きが今まで経験したことの無い快感を与えてくる。汗ばんだ大きな乳房がぷるぷると跳ね、ぐちゅぐちゅと結合部が音立てる。

「はぁっ♥ あっ♥ チンコ気持ち♥ アンタも気持ちいいよね♥」

 答える事もできず、ただ快感に喘ぐことしかできない。足を広げて結合部をみせつけたまま腰を振る。淫乱としか言えない火野さんの姿に、全身が煮え立つように熱くなり、すぐに絶頂が近づいてくるのを感じた。

「ああっ! ひの、さ……っ! も、ぉ……っ!」
「出せ出せ♥ どぴゅっと生中出しキメろ♥」

 火野さんは更に腰の動きを速めた。手で扱くかのような速さのピストン運動に、彼女の乳房はぶるんぶるんと跳ねまわり、周囲に汗の雫をまき散らす。結合部から先走りと愛液が擦り合わされた精液とは違う白濁で濡れ、ぐちょぐちょと淫猥な水音を立てている。
 やけどしてしまうのではないかと錯覚するほど火野さんのナカは熱く、溶岩の流れのように膣肉が蠢き、ぼくのモノにまとわりつき、ぎゅうぎゅうと締め付けてきたまま、腰の動きに合わせてぐりゅぐりゅと扱き上げてくる。

「ああっ、出る、イく……っ」
「出せ♥ だせだせだせ♥」
「あ、う……うぁあっ————っ!!」

 ぼくは腰を反らしながら、火野さんのナカで果てた。2回も出した後なのに精が尿道を駆けのぼり、彼女の中でびゅくびゅくと何度も出してしまった。虚空に出すのではなく、暖かな膣肉に包まれながら本来出すべき場所に精を放つ快感と幸福感に、ぼくは頭が真っ白になった。
 火野さんはぼくに跨ったまま、目を閉じてぼくの精を受け止めてくれていた。羽や尻尾がぱたぱたと動き、目を開くとほぅ、と息を吐いた。

「すっご……♥ チョーたっぷり……♥」
「はぁっ、うう……っ!」
「でもさ、あーしまだイけてないわけよ♥」

 火野さんは腰を持ち上げると、ぬるるるっ、と彼女の中からぼくのモノが出された。まだ温かな場所に入れていたかったなと身勝手な寂しさを覚えていたのもつかの間、火野さんがまたぼくのモノを触り始めた。

「おし、まだまだいけそうじゃん♥」

 火野さんは心底嬉しそうにそう言うと背を向けて四つん這いになり、お尻をこちらに突き出した。

「うしろからパコって♥ そっちのがイきやすいから♥」

 彼女の言葉を聞くと、胸の奥に火が付いたように性欲が大きくなっていくのを感じた。上体を起こし、彼女の膣から自分の出した精液がとろりと漏れ出し、褐色の太ももに流れ落ちていくのをみて、ぼくの性欲は燃え盛ってしまった。

「火野さん、火野さんっ!」
「いいよ♥ ガンガン突いて♥」

 こんなに何度もできるなんて何かがおかしい、そう思いながらも目の前で誘惑する火野さんの魅力に抗う事はできなかった。大きな褐色のお尻を掴み、ずるずると何度も失敗しながら、また彼女の膣に挿入した。
 さっきとは角度が違うせいか、気持良さも別物だった。大きく肉付きのいい尻肉がぼくの腰の動きに合わせて揺れるのがエロくて、腰の動きが止められなかった。パンパンと音立てて腰を振ると、火野さんも大きな声を出して喘いだ。
 
「ああっ♥ イイ♥ ちょぉ♥ キモチイイよぉ♥」
「火野さんエロいよ……エロすぎだよ……っ!」
「ああんっ♥ 尻尾しごいて♥ 自分のしごくみたいに♥」

 言われた通り黒い尻尾を掴んでオナニーするみたいにしごくと、火野さんは顔をベッドに押し付け、がくがくと体を震わせた。

「あぁっ♥ ヤッバっ♥ それマジッ♥ あぁあっ♥」

 甘く震える火野さんの声に、気持ちいい以外の感情がすべてなくなった。ずりずりと尻尾を扱き上げなら、パンパンぐちゅぐちゅ勢いよく腰を打ち付け、むにゅむにゅと褐色の尻肉を揉みしだく。きゅうきゅうと膣肉が締め付けてきて、快感に勝手に声が出る。
 お尻、火野さんのお尻が可愛すぎる。褐色に染まったお肉はぷりんとしていて、おっぱい以上にしっとりと指に吸い付くようだ。それがぼくの腰の動きに合わせてぷるぷると震え、揉みしだいて形が歪むのが、例えようもなく興奮する。

「ああっ、ああっ、気持ちいい……っ!!」
「あっ♥ 待って♥ マジ……っ♥ イくっ♥ イっ、グぅっ♥♥♥」
「あぁっ! あああ————っ!!」

 ぎゅうぅっ、と今までにないほど膣内が収縮し、ぼくはすぐにイってしまった。だけど、イった快感で火野さんががくりと倒れ、出す瞬間に抜けてしまった。射精を止める事はできず、絶頂の快感に震える火野さんのお尻に、背中に、びゅくびゅくと精液をかけてしまった。
 褐色の肌に幾筋も白い白濁がかかる光景に、またぼくの中の欲が頭をもたげるのを感じた。大きな褐色のお尻が白濁に塗れながら、絶頂の快感でぴくぴくと震えているのは、とても扇情的だった。

「はぁ、お尻あつぅい……♥」

 びくびくと体を震わせながら、火野さんは満足げに呟いた。1分ほどして起き上がった火野さんは、なぜだか不満げだった。痛くはない程度の力で、こちらをげしげしと蹴り始め、

「お〜い〜! 中に出せよぉ!」
「火野さんが倒れるから……!」
「そこを支えんのが男だろ〜?」

 火野さんはひとしきりぼくを蹴ると、お尻についた精液を拭って口に入れた。その様子を見ていると、「飲むとこみせてや〜んね!」とそっぽ向かれてしまった。まずい、御機嫌を損ねてしまっただろうか。「ごめんね火野さん」と謝ると、

「別に、ちゃんとイけたからいいし……でもまあ、もっかいヤってくれたら許したげる♥」

 火野さんはさっきまでぼくが横たわっていた場所に仰向けに寝転び、「ほら♥ 来て♥」と腕と足を広げた。もう、自分の異常な性欲に疑問を持つこともなく、ぼくは火野さんに覆いかぶさった。精液と愛液でぐちょぐちょの割れ目にぼくのモノを押し当て、一気に腰を沈める。

「うあ……っく……!」
「んぁあ♥ さっきまで童貞だったくせに♥ もうあーしのマンコの位置覚えてる♥」
「はぁっ、はあ……!」
「キて♥ もっともっとパンパンして♥」

 耳元でいやらしい事を囁かれ、ぼくはケダモノのように腰を振った。激しく腰を揺さぶり、使ったことの無い筋肉を使っているけれど、疲れも痛みもなかった。ただただ火野さんと一緒に気持ち良くなりたい。それしか頭になかった。

「火野さんっ、火野さんっ!」
「んあ♥ あ……♥ か……カロル、って呼んでぇ♥」
「か……カロルさんっ♥ カロルさんっ♥」
「ぁあっ♥ 幸人くんっ♥ ゆきとくんっ♥」

 名前を呼び合い、腰を打ち付け合う。もうそれだけで脳を焼かれるほど気持ちがよかった。技術を意識することも気遣いをすることもできなかった。ただ、愛するメスとの交わりの快感を求める事しかできなかった。

「ちゅー♥ ベロちゅーしよ♥ そっちのがきもちーから♥」

 言い終わるより早くぼくはカロルさんの唇に吸い付いていた。二人とも口を開けっぱなしにして、だらだらと唾液を口の端からこぼれさせながら、べろべろじゅるじゅると舌を絡ませあった。

「んは♥ じゅる♥ れろぉ♥ じゅるるぅっ♥」

 ぎゅっと両の手を握り締め、ぐっちゅぐっちゅと音立てて腰を打ち付ける。何が気持ちいのか、何が何だか分からない。ただ目の前のカロルさんが愛おしくて、キモチ良くて、腰の動きが止められない。

「ふぁ♥ んちゅ♥ れる……♥ すき♥ しゅきぃ♥」
「ぼくも、ぼくも好きだよ……」
「もっと♥ もっと好きってゆってぇ♥」

 壊れたおもちゃのようにぼくは「すき」「だいすき」とカロルさんの耳元で囁き続けた。ぼくの言葉だけで、カロルさんはびくびくと体や羽、尻尾を震わせ、イってしまっているようだった。イくたびにぎゅうぎゅうぬちゃぬちゃと膣肉が絡みついてきて、ぼくはもう限界だった。

「カロルさ……ぼく、また出る……っ」
「いいよ♥ 沢山出して♥ あーしのこと孕まるくらいとぷとぷしてぇ♥」
「うん、出すよ……っ! ああっ、出る、イっ、く……————っ!!」

 カロルさんの中でぼくのモノが膨れ上がり、爆発したみたいな勢いで精液がびゅるびゅると飛び出た。粘ついた濃い液体がびくんびくんと断続的に放たれ、カロルさんの中へと注いでいく。びゅるりと放つ射精の感覚に合わせるようにカロルさんが甘い喘ぎ声をあげ、イっているのかきゅうきゅうと膣内を締め付けるので、いつまでも興奮と快感が収まらず、どくどくと射精が止まらない。
 どれくらいそうしていただろうか、ようやく射精が収まると。流石に空っぽになった実感がわいてきたぼくはカロルさんの横に倒れ込んだ。はあはあと荒い息を吐くぼくの頬に、そっとカロルさんの手が触れた。彼女の方を見ると、快感で上気した顔でにっこりと微笑みかけてくれた。空っぽになった性欲の場所が、幸福で満たされるような感覚だった。

「ちょーキモチかったよ♥」
「ぼくも、すごかった……」
「初えっちのくせに女イかまくるとかヤバくね?」
「それはカロルさんが……」
「なんだよあーしが雑魚だっての?」
「カロルさんが好きだったから、とか……?」
「……言ってて恥ずかしくねーの?」
「……ちょっとだけ」

 カロルさんはくすくすと笑うと、そっと体を寄せてきた。ぼくも体を寄せたけど、それで精いっぱいだった。今日はもう動けそうにない。でもそれで十分だった。カロルさんと身を寄せ合っていれば幸せだった。

「てかどぉしよ、こんなに出されたら赤ちゃんできってっかも♥」
「……そう、だよね」
「もしデきてたらどうしよっか♥」
「だ、大丈夫。責任取るよ……!」
「ホントに?」
「うん、だから……ぼくと……っ!」

 ぼくが一大決心を口にしようとすると、むにゅ、と何かで口が塞がれた。カロルさんの尻尾だ。彼女はぼくの口を塞いで、またくすくすと笑っていた。

「なんてね、あーしはサキュバス族だから精液は栄養なんだよねー。だから栄養源にしちゃえば赤ちゃんできっこない、と思うから安心しなよ。幸人くんの人生めちゃくちゃにしたくないし。幸人くんはマジメに勉強頑張んなって。それでさ、いい成績出して自分のやりたいことしてさ……」

 なんだかお別れの言葉のようで、ぼくは泣きそうになっていた。やっぱりぼくみたいな人間とカロルさんは一緒にはなれないのだろうか。ぼくは何も言えずにただカロルさんの言葉を聞くしかなかった。

「それで、さ……そうやっていつまでも――私と一緒にいてくれる?」

 とても、真面目な声色だった。
 少し、不安そうな色を含んだ声。
 ぼくは彼女の手を握り、首をしっかりと縦に振った。

 彼女は微笑み、そして口を開いた。

「じゃあ毎日10発はヤろうね!」
「……マジ?」

 少し間を開けて、ぼくたちは大声で笑った。
21/12/02 06:54更新 / TakoTako

■作者メッセージ
連載の方であげていたものを再アップしました。
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