連載小説
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チェーンソー男VSプライドの高い魔物達(中編)
 注意!!!!!!

この話は投稿者様の希望により魔物娘がガチで死んでいきます。
中にはうおおおおおお、俺の嫁がー!!!!などといった方も出る可能性がございます。
こういう話が苦手な方は読まないことをお勧めします。
いや、バトル物に死者は付き物だという強者はそのままお読みください。

覚悟はいいですか?・・・ではどうぞ。






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「さあ、次の俺の獲物は誰だ?」

全身にリーフの返り血を浴び、不敵な笑みを浮かべながらケイクスは司会に質問をした。

「ケイクス様・・・」

「なんだ?」

「今回の勝者はケイクス様ですが、少々注意をさせていただきます」

「ああん、注意だ?」

「死者に対しての追加攻撃はやめてください」

「なんでだよ?」

「当クラブはたしかに殺すことは禁じてはいませんが精一杯、いや、命をかけて戦ったものに対しての冒涜は許されてはいません」

「んだと?だがルールには死者の攻撃は禁止なんてどこにも書いてなかったぜ」

「たしかにルールには書かれていませんが、当クラブでは暗黙のルールとなっておりますので、以後気をつけていただきたいのです」

「・・・ちっ、わーったよ。要するに死んだやつに攻撃しなきゃいいんだな」

「その通りです。では次の対戦相手を紹介しましょう」

 パチン

司会兼審判の男が指を鳴らした。

 ・・・・ドドドドドド!!!!!

何やら物凄い勢いで闘技場にやってくる足音が聞こえてくる。

「な、なんだ?」

「・・・・・ぅぅぅぉぉぉぉおおおおおおお!!!!!」

そして雄たけびを上げながら一人の魔物が闘技場に飛び込んできた。

「リーーーーーーーーフーーーーーー!!!!!」

そしてケイクスの横を通り過ぎ、リーフの元へと駆け寄っていく。

「リーフ!!!おい、しっかりしろよ!!おい!!!」

腹部と胸から大量に出血して血みどろになっているリーフを抱きかかえ、大声で声をかけ続ける。
しかし、その返事に答える術はなかった。
すでに死んでいるのだから。

「おいお前、そいつはもう死んでんだ、つまんねえことやってねえでさっさと準備してくんねえか」

「・・・お前か、リーフをこんなにしやがったのは」

リーフを抱きかかえる魔物は、ワナワナと振るえていた。

「そうだ。やっぱり人を殺すのもいいが、魔物を殺すのは一番いいねえ。感触がぜんぜん違うからな」

と、さも大したことがなかったかのように喋るケイクス。

「よ、よくも、男の分際で、リーフを・・・」

その魔物からすさまじい闘気が噴出しはじめた。

「ほう、すげえなこの闘気、これだけの威圧感は結構久しぶりだな、あれはいつの時だっけかな?」

とすでに観客の中にはあまりの威圧感に気絶する者も出る中で一番近くにいるケイクスは余裕の表情で威圧感を受け止め、さらには考えことまではじめた。

「・・・シルキィー、来てるか?」

突然何も無いところに喋りかける魔物。

「・・・ええ、来てるわ」

その後に何も無い空間から黒いマントに身を包んだ魔物が姿を現した。

「ゼナ、リーフは私が責任を持って埋葬するわ、だからあそこの下種をこの世から消してしまいなさい」

シルキィーと呼ばれた魔物は静かな怒気を含んだ声でゼナと呼んだ魔物に命令する。

「いつもなら、お前の命令は嫌なこったって断るところだが、いいぜ今回はその命令全うしてやるよ!」

そういってリーフの亡骸を手渡し、自分の手のひらに拳を打ち込みケイクスを睨みつける。

「でも気をつけなさい。この下種はそんじょそこらの下種とは分けが違います」

「わーってるよ。リーフをあっさり殺すほどだ。おそらくは勇者以上の実力だろ」

「私は戻りますが、絶対に死ぬのではありませんよ」

「・・・まかせとけ」

そういうとシルキィーと呼ばれた魔物はリーフを抱きかかえ虚空へと姿を消した。

「終わったか?つまんねえ三文芝居は?」

「・・・ああ、終わったよ・・・ついでにお前の運命も終わらせてやる」

「そうかい、できるもんならやってもらおうか」

「・・・おい!司会!とっとと進めてくれ。一秒でも早くこいつを殺したい」

「同感だな」

「わかりました。それではシングル1VS3第2回戦を行います!プライドの高い乙女達から副将、アマゾネスのゼナの登場だ!!!」

 ウオオオオオオオオオオ!!!!!

『がんばれーゼナー!!!』
『そんな下種野郎はとっとと殺してくれ!!!!』
『うおー!!!リーフちゃんの仇を取ってくれ!!!!』

「おーお、ずいぶんと嫌われたもんだぜ」

完璧に観客はゼナの応援に回っている。
まさにアウェーである。

「それでははじめ!!!」

 カーン!!!

ゴングがなると、ゼナは静かに構えを取る。
それに対しケイクスもチェーンソーを構える。

「なんだ、いきなり攻めてくると思ったがずいぶんと冷静だな」

「リーフを殺すほどの実力者に速攻攻撃は無意味だと思っただけだ」

「そうかい、なら俺から攻めるぜ」

ケイクスは足に力をこめ、一気に地面を蹴る。
凄まじいスピードでチェーンソーを構えながら突撃する。

「死ねー!!!」

ケイクスの眼には何も対応できずにいるぜナが写って見えた。
確実に当たる、あの実に心地よい感触がまた得られる、そう考えていた矢先だった。

 ドカッ! ズザザザザザザ

突然背中に激痛が走り、前のめりに倒れるケイクス。

「ってーーーー!!!・・・ちくしょう、なんだ何が起こりやがった?」

背中に手を当て、痛みに絶えながら振り向くと足を突き出しているゼナの姿があった。

「おかしいな、いつのまに後ろを取られたんだ?」

「どうした?さっきまでの威勢のよさは?」

「ふん、ちょっと油断しすぎただけだ」

「その油断が時として命取りになると覚えておいたほうがいいな。もっともお前を殺すからそんな必要はないがな」

ゼナは攻撃の態勢を取る。
そして・・・消えた。

「な!?ど、どこにぐあ!?」

目の前に現れ、ケイクスの顔面をゼナの右拳が捕らえる。
そのまま連撃を叩き込むゼナ、左の拳でボディを叩き込みくの字に曲げ、右膝で顎を蹴り上げる。
宙に蹴り上げられるケイクスに止めと言わんばかりにゼナは飛び上がり一回転してからかかと落としを頭に叩き込む。
そのまま地面に叩き落されるケイクス。

 ヒューン!!! ズガン!!!

地面には穴が開き、もくもくと土煙があがる。

 スタッ

地面にゼナが降り立った。
ゼナは穴に近づきケイクスの姿を確認する。
穴の中はまだ土煙がひどく、中の様子がまだわからない。

「おい!お前まさかこのくらいでくたばったわけじゃないだろう!さっさと出て来い!!」

しかし、一向に返事が返ってこない。
次第に土煙が晴れ、穴の中の様子が見えてきた。

「!?いない!どこに行った!?」

ゼナが驚いて穴の中を凝視していると。

  ・・・ュィィィィィイイイイインンンン!!!!

どこからかこんな音が聞こえ始めた。

「な、なんだこの音は?・・・ハッ!?下からか!!」

するとゼナの足元に亀裂が起こり始めた。
ゼナは瞬時に後ろに飛びのいた。

 ギュイイイイイインンンン!!!!! ズガン!!!

亀裂が起こった場所からチェーンソーが飛び出し、続いてケイクスも飛び出してきた。

「ちっ、やっぱりばれたか」

「まさか本当に生きてるとはな、ちょっとショックだぞ」

「それはこっちの台詞だ。あんなに綺麗に叩き込まれたのは親父にボコにされたとき以来だ」

ケイクスは殴られた場所をさする。

「だが威力は親父のほうがもっと強かった。その程度じゃ俺は殺せないぜ」

「お前、まさか今のが私の全力とでも勘違いしてるのか?」

「いーや、恐らくまだ余力は十分に残っているんだろう。だがそれを考えても俺は殺せないと思っただけだ」

この言葉にゼナの表情が強張る。

「本気でそんなことをいってるのか?」

「おお、もちろんだ」

「フフフフフ、アッハハハハハハ・・・・・・舐めるのも大概にしろー!!!!!」

一瞬でケイクスの懐を取り、ある構えを取る。

「くらえ!!!絶掌!!!」

右の掌を腰に構え、回転させながら掌底を放ってきた。
狙う位置はケイクスの心臓の位置だった。

 ズドン!!!!!

絶掌と呼ばれた掌底はケイクスの左胸、つまり心臓の位置に当たっていた。

「これで二度とお前が喋ることはない」

勝利を確信したぜナはそんな言葉を呟いた。

「・・・・・・おい、これで終わりか?」

「!?」

「今のがお前の本気だって言うなら、やはりお前に俺は殺せない」

「バ、バカな、確かに心臓の位置に打ち込んだのに」

「ああ、たしかにここに俺の心臓はある、が、その程度じゃ俺の心臓は止められねえよ」

「くっ!ならば最終奥義を使ってでもお前を殺す!!!」

ゼナは後ろに飛びのき絶掌の構えを取って瞬時に飛び出す。

「くらえ!!!!!!私の最終奥義を!!!!!!」

するとゼナの残像が現れはじめ、ケイクスに向かって突撃をする。

《残像絶掌!!!!!!》

それぞれが掌底の構えを取っており、どれが本物か全く分からない。
しかしケイクスは不敵な笑みを浮かべていた。
ケイクスはチェーンソーを構える。

「俺の技を見せてやるぜ!!!」

ケイクスはチェーンソーの刃を限界まで回し始めた。
チェーンソーから光が漂い始め、次第に輝きが増した。

「魔殺し!!!!!!」

勢いよくチェーンソーを横薙ぎに払った。
すると払ったチェーンソーから光の斬撃が飛び出した。
それに気づき素早く回避するぜナ。
残像達も素早くよける。
光の斬撃が後ろに飛んでいったのを確認したゼナは再度、残像とともに攻撃を仕掛ける。

「残念だったね、意外な攻撃だったけどその程度じゃ私はたお!?」

突然喋るのをやめたゼナ。
同時に残像も次々と消える。

「・・・ば、ばか、な」

「言い忘れたけどその斬撃、俺が標的と決めたやつを追いかけ続ける特殊な斬撃だ」

そう、先ほどの斬撃が旋回してゼナの背中から腹部を両断したのだ。

 ズルリ ドサ!!ドサ!!

ゼナが倒れた。
上半身と下半身に分かれて。
両断された場所からは止め処なく血があふれていた。

「かはぁ!り、りーふ、ご、ごめん、か、た、き、とれな、か、た・・・」

がくりと動かなくなるぜナ。

「はあー死んじまった。これじゃー心臓が抉れねえじゃねえか」

「・・・・・・ふ、ふざ、けるな、わ、たしは、まだ、いき、てる」

「おっ、本当だ。じゃあ止めを差さねえとな」

そう言って、ぜナに近づくケイクス。

「それじゃあ、お前の心臓もらうぜ」

「・・・・・・か、てに、しろ」

「んじゃ、いただきまーす」

前のめりに倒れているぜナを仰向けにして持っているチェーンソーを左胸に当てる。

 ギュイイイイイイインンンン!!!!! ビシャシャシャシャシャ!!!!!!

チェーンソーがゼナの胸を切り裂く、ゼナはそのショックで眼を見開いたまま絶命した。
そして心臓を取り出し勢いよく握りつぶした。

「うーーん最高だね!!!このゼナとか言ったけ?最高の感触の心臓を持ってるじゃねえか!!!となると最後の相手はこれ以上の感触を持ってるんじゃねえか?」

心臓を握りつぶした感想を興奮して喋るケイクス。

「勝者 ケイクス!!!」

司会兼審判の男が勝者を告げる。
しかし観客は歓声を上げなかった。

「なんだい、なんだい歓声の一つや二つくれてもいいじゃねえか。それは置いといて、次の俺の獲物はどんな心臓を持っているのかな?」

と連戦の疲れを見せず、次の相手の心臓のことを考えるケイクス。

「さあ司会のおっさん、最後のバトルを始めようぜ!」

もはやこの殺人鬼は誰にも止められないのか?
殺人鬼のバトルはまだ続く。

TO BE CONTINUE
11/02/17 17:51更新 / ミズチェチェ
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■作者メッセージ
ケイクスの殺人バトル第二弾です。
今回はケイクスの技と打たれ強さを描いてみました。
そして、アマゾネスのゼナの格闘術はいかがでしたでしょうか?
残念ながら死んでしまいましたが個人的には結構好きなキャラでした。
さあケイクスの話も次回で最後です。
この話でも登場した、シルキィーという名の魔物、はたしてこの魔物はどういった魔物なのか?
それは次回のお楽しみ。
感想をお待ちしております。

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