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第五章 過去と現在と未来への色々

 過去へ戻れる馬車があったら、あなたはそれに乗りますか?

 現在の幸せを数値化した資料があったら、あなたはそれに目を通しますか?

 未来が見える井戸があったら、あなたはそれを覗き込みますか?

 人間のあなたは、どう思う。魔物の妻は、どう思う。

 この本も、いよいよ最終章です。


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≪ 質問 : 41
  魔物との結婚を考えている方へ、
  【先輩既婚者】として言っておきたい事はありますか? ≫

・アマゾネスを妻に持つ男性
「家事能力は、ある程度高めておいた方が良いと思います。主夫として生活する事になったり、お嫁さんが何も出来ない、してくれないという場合もあったり……色々な可能性が考えられるので」

・シー・ビショップを妻に持つ男性
「神父様のお説教ではないですが、【自分がされて嬉しいと思う事を、きちんと相手にもしてあげましょう】って事ですね。僕は、妻から奉仕と献身、そして微笑の大切さを学びました」

・ダークプリーストを妻に持つ男性
「『パンデモニウムに、行きたいかぁ〜♪』と訊かれても、気軽に『オーっ!』と答えないこと。一度そう答えたが最後、速攻で連れて行かれて干物にされますからね。もう大変ですよ?」

・マタンゴを妻に持つ男性
「もしもあなたが、数万人に一人と言われる【マタンゴの胞子に対する抗体を持っている人間】ならば、夢のような結婚生活を送る事が出来るでしょう。愛の構築には、時に運も必要なのですよ」

・バブルスライムを妻に持つ男性
「人間の適用力というものをナメてはいけません。頭で考えているだけでは絶対に理解出来ない事もあるのです。例えばほら、うちの奥さん……すごくいい匂いですよ?」

・アントアラクネを妻に持つ男性
「何事においても、寛容の精神が大切です。いちいち細かい事に戸惑ったり、腹を立てていたりしては、とても持ちません。食っちゃ寝、食っちゃ寝している嫁さんを、笑って許してあげましょう」

・アヌビスを妻に持つ男性
「人間にも魔物にも同じ事が言えると思いますが……言動がいい加減な奴、生活態度がだらしない奴、お金や時間にルーズな奴はモテませんね。特に、アヌビスには嫌われてしまうでしょう」

・アラクネを妻に持つ男性
「目や足が沢山ついているのが怖い? いやいや、そんな外見上の特徴に囚われていては駄目です。人間と魔物なんですから、違いがあって当然です。大切な事は、もっと他にあるはずですよ?」

・ミミックを妻に持つ男性
「魔物さんとの出会いが無くても、焦ったり嘆いたりしてはいけません。私のように、ある日突然箱の中に引きずり込まれる事だってあるのです。いつも心に余裕を持つ事が大切ですね」

・ユニコーンを妻に持つ男性
「ユニコーンと所帯を構えたいと思う人は、何が何でも童貞を守り抜いて下さい。……なお、妻に確認したところ、『ご自身を慰めるのは、どうぞ思う存分ご自由に』との事ですので、ご安心を」


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≪ 質問 : 42
  奥様に言われて、ショックだった一言を教えてください ≫

・ベルゼブブを妻に持つ男性
『……臭っ! ち、近くに寄って来るでない!』
(風呂上りにこう言われると、ものすごく混乱します。君は、石鹸の匂いが嫌いだもんねぇ)

・メロウを妻に持つ男性
『んもぅ、君は実にスケベな男の子だなぁ』
(……ちょっと待て。常時脳内桃色春景色なお前にだけは、言われたくないよ!)

・ユニコーンを妻に持つ男性
『あ、あら……あの競走馬さん、鞭で叩かれて……「もっとブッて!」って言ってますわ』
(もうその言葉を聞いて以来、草競馬も馬術競技会もまともな目で見られません)

・ラミアを妻に持つ男性
『本当にアンタは、一度言い出したらしつこいわね。ヘビみたいな執念深さだわ!』
(あなたにそんな言い方をされるのは、ある意味ものすごく名誉な事ですよ……)

・オークを妻に持つ男性
『(僕の脇腹をブニュっとつまんで)……ダーリン、お菓子ばっかり食べてると太りますよ?』
(その後、「お前が言うな!」と反撃し、夫婦お肉つまみ合い戦争が勃発しました)

・レッサーサキュバスを妻に持つ男性
『えぇ〜い! たったの八回戦で勃たなくなっちゃう、こんなチ○コを作ったのは誰ですか〜!』
(製造者責任という観点で言うのなら、故郷で暮らしている両親だと思います)

・魔女を妻に持つ男性
『あのね、おじさん……じゃなくて、旦那様。え、エヘヘ。お仕事の感覚で、つい……』
(勧誘がお仕事だから、職業病的につい出ちゃったのはわかるけど、何と言うか、こう……)

・サイクロプスを妻に持つ男性
『……目に、ものもらいが出来た』
(一つ目のサイクロプスがものもらいになると、夢に出そうなほど怖い顔になるんです……)

・バフォメットを妻に持つ男性
『お前は、ロリコンだ。ロリコン検定一級だ。そう、ロリコンという名の紳士なのだ!』
(そして脳内に浮かび上がる、【燕尾服を着て、胸にロリコン検定一級勲章をつけた自分】の図)

・スライムを妻に持つ男性
『……ふにゃちん。私のカラダより、プルプル。ふにゃちん』
(し、仕事で疲れてて勃起しなかっただけだもん! ふ、ふにゃちんじゃないもんっ!)


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≪ 質問 : 43
  人間として、奥様の言葉にハッとした事はありますか? ≫

・ゾンビを妻に持つ男性
『生きてるって……なに?』
(それに答えられるなら、きっと俺は哲学者として生計を立ててるよ)

・ダークプリーストを妻に持つ男性
『困った時だけ頼られる神様も、きっと困惑していらっしゃるでしょうね』
(確かに、人間って自分勝手に神様を利用してますよねぇ……)

・妖狐を妻に持つ男性
『本音と建前も程々にしておかないと、そのうち自分の本心すら見えなくなるわよ』
(職場の人間関係に悩んでいた時、この言葉は胸に刺さりましたね)

・ゴーストを妻に持つ男性
『人生には限りがあるからこそ、人間は色んな事に一生懸命になれるんじゃないの?』
(既に死んでいる彼女から、生きる事に関する大切な鍵を受け取ったような気がします)

・ラージマウスを妻に持つ男性
『子育てだと思うから、疲れるんだよ。【子育て&子に育てられ】だと思いなよ』
(子供に何かを伝え、子供から何かを伝えられ。なるほど、これは相互成長だ)

・ダークスライムを妻に持つ男性
『肌の色や国の違いが何だってのよ? 私達の方がよっぽど多様で融通が利いてるわ!』
(つまらない理由で殺し合いまでする人間と、多種多様なスライム種の面々。なるほどなぁ)

・セイレーンを妻に持つ男性
『上手くなければ、歌ってはいけないの? 人間にとって、歌は恥を知るためのものなの?』
(様々な技術や形式に囚われた結果、我々は歌の楽しさを忘れてしまったのかも知れませんね)

・ガーゴイルを妻に持つ男性
『立像や肖像画になった奴が偉いんじゃねぇ。そんな奴を支えた、名も無き人間こそが偉いんだ』
(言葉遣いは乱暴ですが、彼女の価値観と観察力はさすがだと思います)

・アントアラクネを妻に持つ男性
『何で人間は、一生懸命に休もうとすんの? 休暇を味わい尽くそうと必死になるのって、変よ?』
(仕事に終われ、休みに終われ……言われてみれば、ふむ。確かに変な話ですよね)

・アリスを妻に持つ男性
『ねぇねぇ、大人って楽しい? 大人になって良かったなぁって、いつ思った?』
(「それはね……」と答えようとして、うっと言葉に詰まりました。これは難しい質問ですよ)


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≪ 質問 : 44
  「あなたのここを直して欲しいなぁ」
  奥様からそんな風に言われてる事はありますか? ≫

・ホルスタウロスを妻に持つ男性
「『モぅ〜。タバコはやめなきゃ、メぇ〜ですよぉ〜』と、いつも注意されています。明日辺り、薬屋さんへ禁煙の相談に行こうかなぁ」

・アカオニを妻に持つ男性
「私はお酒が一滴も呑めないので、彼女には退屈な思いをさせているようです。『まぁ、しょうがねぇさ』と責めずに認めてくれている分、何だか余計に申し訳ないと言うか、何と言うか……」

・ワーラビットを妻に持つ男性
「妻のお尻についている、あの丸くて可愛くてホワホワの尻尾。それを撫で過ぎたり、ポコポコ叩き過ぎたりして、『もう!』と怒られています。反省はしているのですが、止められないんですよ」

・メロウを妻に持つ男性
「下品な話で申し訳ありませんが、朝勃ちしていないと怒られます。運が悪いと、『だらしないぞぉ〜!』という声と共に尾ヒレで股間を叩かれます。起床、即、昇天の勢いです」

・ラミアを妻に持つ男性
「うちの奥さんは、冷え性なんです。あと、冬の寒さが苦手なんです。だから、体が冷えると僕に巻き付いて暖をとろうとするのですが……僕もやっぱり、冷え性でして。要:体質改善、ですね」

・スフィンクスを妻に持つ男性
「キャット種らしく、彼女はお風呂が嫌い。逆に私は、お風呂が大好き。だから、あの手この手で私を風呂場から遠ざけようと必死ですね。色々とされたり言われたりしています。はい」

・ナイトメアを妻に持つ男性
「僕には、歯ぎしりという悪癖がありまして……これがもう、大不評です。あなたの夢の世界に入り込みたくても、その音が辛すぎて集中出来ません、と。う〜ん、どうしましょう?」

・ベルゼブブを妻に持つ男性
「生鮮食料品を買う際は、必ず【おつとめ品】からチェックするように厳命されています。値段の安さと、あのくたびれ具合の良さがわからんのか……と、怒られる事もしばしばです」

・ローパーを妻に持つ男性
「見捨てる事が出来なくて、ついつい捨て犬や捨て猫を保護してしまうのですが……その子達が家内の触手にじゃれついて、大変な事になるんですよね。一体どうすればよいのでしょうか」

・ギルタブリルを妻に持つ男性
「屁をこくと、ものすごく怒られます。実は以前、嫁が背後に忍び寄って来た事に気づかぬまま中腰で放屁してしまい、離婚の危機に陥りました。以来、ず〜っと厳重注意なんです」


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≪ 質問 : 45
  お互いの故郷や実家に里帰りをする事はありますか? ≫

・ワーウルフを妻に持つ男性
「僕の実家は酪農を営んでいるのですが、妻が近くの森に住む狼達と会談の場を持ち、【人間が食料を提供する限り、積極的に家畜を襲わない事を約束する】という平和条約を締結してくれました」

・セイレーンを妻に持つ男性
「僕の故郷に伝わる民謡や子守唄が、彼女の琴線に触れまくったようで……。祖母や母から教えられた様々な曲を、今も僕の後ろで楽しそうに口ずさんでいます」

・エンジェルを妻に持つ男性
「実家の近所に住むお年寄りの皆さんから、『天使様を連れて来なすった!』と驚かれ、讃えられ、拝まれました。いやいやいや。別に僕は何もしてませんから。そんな手を合わせられても」

・デュラハンを妻に持つ男性
「彼女の実家に招かれた際、義父と二人で酒を酌み交わしました。そして、日常生活から首が外れた際の対処法に到るまで、様々な事を教えてもらいました。ご教授、感謝感謝です」

・稲荷を妻に持つ男性
「ジパングにおいて、九尾の狐は神に近い存在なんですよね……。村の皆さんから拝まれる妻を見て、自分はものすごい相手と結婚したんだなぁと、しみじみ実感しました」

・河童を妻に持つ男性
「帰省で明かされた、衝撃の事実 / 僕と奥さんの出会い ⇒ 川の上流から流れて来た奥さんを、僕が救助した / 義父と義母の出会い ⇒ 川を下りきり、海に浮いていた義母を義父が救助した」

・ゆきおんなを妻に持つ男性
「彼女と僕は、幼馴染なんですよ。そして家同士も、家族ぐるみの付き合いなんです。ですから、お互いの実家に何の気兼ねも無く出入り出来るんですよね〜。穏やかでいい関係でしょ?」

・ハーピーを妻に持つ男性
「うちの奥さんは、卵料理が得意なんです。先日、私の実家へ帰省した際も、両親にそれを振舞って大絶賛されていました。ちなみに、その卵の出どころは秘密です。ふっふっふ」

・アカオニを妻に持つ男性
「五年穿こうが、十年使おうが決して破れないという『オニのパンツ伝説』をご存知ですか? 昨年、妻の故郷を訪ねた際、その製造工場を見学したのですが……凄かったです、オニの技術力」

・ゴブリンを妻に持つ男性
「祖父→親父→俺は、ご近所でも有名なそっくりフェイスでして。初めてそれを見た時の妻は、呼吸困難を起こすほどの大爆笑でした。妻よ、俺は将来確実にハゲるから、覚悟しておけよ?」


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≪ 質問 : 46
  もしも【奥様を人間に出来る薬】を手に入れたとしたら……。
  あなたは、それをどうしますか? ≫

・ゾンビを妻に持つ男性
「つらい人生の末にゾンビとなった妻へ、もう一度人間として生きるチャンスを贈りたい。だから、飲ませます。その結果、妻が新たな出会いを選び、自分のもとを去ってしまうとしても」

・ヴァンパイアを妻に持つ男性
「難しい質問ですね。私の妻は元人間のヴァンパイアなのですが、昔の自分に戻りたいのか、現在の誇りある生を大切にしたいのか……。正直、私には判断出来ない問題です」

・ガーゴイルを妻に持つ男性
「う〜ん、飲ませてみたいですねぇ。でも人間になったら、空を飛ぶ能力などは失われるでしょうしねぇ。得るモノと失うモノを、それぞれどう考えるかが大切ですねぇ」

・スケルトンを妻に持つ男性
「たぶん、飲ませると思います。それは身勝手な願望だ、一方的なエゴだと非難されても、私は彼女の心からの笑顔や涙、怒りや喜びの表情といったものを見てみたいのです……」

・マミーを妻に持つ男性
「常々、『人間に戻って、あなたと一緒に風が吹く道をお散歩したいなぁ』と言っている彼女のためにも、大急ぎで飲ませます。いつの日か、本当にそんな薬が出来たら素敵ですね」

・フェアリーを妻に持つ男性
「人間になった彼女の姿、ですか。うん、ものすごく見てみたいですね。とは言え、フェアリーとしての自由や天真爛漫さを奪いたくはないし……やっぱり要らない、のかな?」

・シー・スライムを妻に持つ男性
「のんびりと波間を漂っている時の妻は、最高に幸せそうな顔をしています。人間として陸で暮らす事も楽しいでしょうが、シー・スライムとして海を味わう喜びも大切にしてあげたいのです」

・ドリアードを妻に持つ男性
「本人に直接訊いてみたところ、『私はこの自然の中で、あなたと共に生きていきたいのです』という、優しい拒否の言葉が返ってきました。彼女が望まぬ事を実行するつもりはありません」

・マーメイドを妻に持つ男性
「王子様と結ばれるあのおとぎ話のように、僕の奥さんも人間になりたがっている……のでしょうか? きちんと本人に訊いて確かめてみたいような、何だかこのまま訊かない方が良いような」

・マンドラゴラを妻に持つ男性
「人間になった姿も見てみたいですし、頭の花に蝶がとまっている現在の姿も可愛いですし。う〜ん……とりあえず、今のところは必要ないですかねぇ」


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≪ 質問 : 47
  人生最後の日を、どんな風に迎えたいですか? ≫

・ゴーレムを妻に持つ男性
「彼女へ感謝の気持ちはもちろん、【俺の墓守なんてしなくていい。これからは、自由に生きなさい】というメッセージを伝えてから死にたいですね。遺言状も残しておいた方が良いのかな……」

・ゴーストを妻に持つ男性
「自分が死んだその時から、我々夫婦の本当の長い旅が始まるのではないか。確証があるわけではありませんが、そんな気がしてなりません。だから、希望を持って死にたいです」

・ダークスライムを妻に持つ男性
「嫁さんの胸に抱かれながら息を引き取って……願わくば、そのまま肉体を吸収してもらいたいですね。それが自分にとって究極の最期であり、理想的な旅立ちであるような気がします」

・ジャイアントアントを妻に持つ男性
「僕のお墓は、彼女が。彼女のお墓は、僕が。実は既に場所を決め、きちんと掘ってあったりするんです。いつか微笑と共に眠りにつき、隣合った手作りのお墓で永遠の時を過ごすために……」

・スキュラを妻に持つ男性
「私は、火葬文化の国で生まれた人間なのですが……死後は、海に散骨してもらうのも良いかなと思っています。最愛の彼女が住む世界で、永遠の眠りにつく。それも悪くはないでしょう」

・デビルバクを妻に持つ男性
「俺が死んだら、娘らと一緒に遺体を喰っちまってくれ。そう言った途端、彼女がボロボロと涙を流して首を横に振ったんです。滅多な事は言うもんじゃありませんね」

・ダークエンジェルを妻に持つ男性
「人として死ぬべきか、それとも妻の誘いに応じてパンデモニウムへ行くべきか。悩むところではありますが、あまり悠長に考え続ける時間もないでしょうしねぇ……」

・エルフを妻に持つ男性
「人間とエルフの間に横たわる、【寿命の差】という深い谷。それについては、きちんと話し合わなければと思うのですが……正直、今はまだその勇気がありません。我ながら何と情けない」

・リャナンシーを妻に持つ男性
「実は近々、彼女と共に妖精の国へ旅立つ予定なんです。みんなの前から消える僕は、肉体的な死よりも先に、社会的な死と消滅を経験する訳ですね。何だか不思議な気分です」

・ナイトメアを妻に持つ男性
「この手の話をすると、いつも穏やかで優しい奥さんが怒るんですよ。『そんな悪夢のような事を、お願いだから言わないで下さい』って。だから、毎日元気に生きていく事だけを考えています」


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≪ 質問 : 48
  突然ですが、奥様に向かって「愛してるよ」と言ってみてください ≫

・スケルトンを妻に持つ男性
「言い終わった途端、音を立ててバラバラになってしまったのですが。これは一体、どういう意味なんでしょう? 突然過ぎて、ものすごく驚いたんでしょうか?」

・レッドスライムを妻に持つ男性
「うわっ、すごい! 一瞬ですけど、うちの奥さんの体が真っ赤 → いつもの色 → 真っ赤 → いつもの色と点滅しました! いやぁ〜、愛の言葉の思わぬ効用だ」

・リザードマンを妻に持つ男性
「顔を真っ赤にした妻が、奇声を発しながら斬りかかって来たのですが。まさかアンケートに答える過程で、命の危機を感じる事になろうとは。よそのお宅の方は、大丈夫なんでしょうか?」

・ギルタブリルを妻に持つ男性
「う、ぐっ……こ、この質問に従って話しかけたら、近年稀に見るほどの勢いで、さ、刺されまくったので、す……。か、彼女の尻尾が、残像で五本に見えるほどの、い、勢いで……ガクっ」

・アヌビスを妻に持つ男性
「『あ、あ、愛の言葉を、か、語るのは、七時間後の予定だろう! お、驚かすんじゃないっ!』と怒られました。とりあえず七時間後、ベッドの中で愛を囁きまくってやろうと思います」

・ダークエルフを妻に持つ男性
「言い終わらないうちにグイと顎を持ち上げられ、『激しく? それとも優しく?』と問われました。なので、や、優しくと答えたら……それはもう、甘くとろける様に抱かれましたよぉ〜」

・マンドラゴラを妻に持つ男性
「ボンっという音が聞こえそうな勢いで赤面した後、久々に『キャーっ!』と叫ばれました。既に魔力は無いため、特に害はありませんが……何もそこまで驚かなくても」

・ホーネットを妻に持つ男性
「『突然何よ? 馬っ鹿じゃないの?』と言われましたが、その日の夜、こちらのベッドにそっと入って来て『さっきはゴメン。私も、愛してる』と告白してくれました。う〜ん、最高です」

・つぼまじんを妻に持つ男性
「彼女が入っている壺に向かって、【愛してるぞぉーっ!】と叫んでみました。すると中から、『ひゃあああ〜!』という叫び声が聞こえてきて……それきり、出て来ません。中で失神してる?」

・ケンタウロスを妻に持つ男性
「優しく微笑んで、『あぁ。知ってる』と言われました。……何でしょうか、この気持ち。驚くか恥じらうかしてくれると思っていたのに、何だか俺の方が恥ずかしいぞ」


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≪ 質問 : 49
  生まれ変わっても、奥様と一緒になりたいと思いますか? ≫

・サキュバスを妻に持つ男性
「それはもう、迷いなく『はい!』と答えます。そして願いが叶うなら、今度は性別が逆転した状態で出会いたいですね。一度でいいから、彼女を一方的にヒーヒー言わせたいんです」

・ジャイアントアントを妻に持つ男性
「是非、そうなりたいですね。そして今度は、共働きで仕事に打ち込む夫婦になれればなぁ、と。主夫としての暮らしに不満はありませんが、自分も男として少しは格好をつけてみたいので」

・アリスを妻に持つ男性
「もしも本当に来世というものがあるのなら、次は父と娘として向き合ってみたいですね。どんな形、どんな関係になろうとも、彼女が僕の宝物である事に変わりはありませんが」

・アヌビスを妻に持つ男性
「お前の死後の予定も、来世の段取りも、全て私が面倒を見てやる……と言われているので、何も心配はしていません。任せて安心、さすがのアヌビスです」

・ワーキャットを妻に持つ男性
「暖かい日差しの中、彼女に膝枕をしてあげながらウトウトとまどろむ……。そんな時間を過ごす度、ずっとこのままでいられたらなぁと思うのです。だから、来世でも再び、ですね」

・カラステングを妻に持つ男性
「『転生しても、ちゃんと良い子にしていれば、私が見つけ出してあげるわ』と言われています。だからその言葉を信じて、次の人生も頑張ってみようかなぁと思っています」

・ミノタウロスを妻に持つ男性
「えぇ、それはもちろん。だって、あんな大暴走ミノタウロスにツッコミを入れられるのは、俺だけですから。彼女の相方は、この世界広しと言えども俺にしか務まりませんよ!」

・ハニービーを妻に持つ男性
「『生まれ変わっても、また夫婦になろうね! 私、次は頑張って女王になるから!』 無邪気にそう言う妻を見るたび、嬉しくて愛しくて、ついついギュッと抱きしめてしまいます」

・ワーバットを妻に持つ男性
「夜に訊くと、『さぁ、どうしようかな?』。昼に訊くと、『えっと、あの……はい』。そんな調子の妻なので、本心はどこにあるのやら。とはいえ、私の心は一つなんですけどね」

・おおなめくじを妻に持つ男性
「以前、僕が高熱を出して倒れた際、彼女がまるで別人のように素早く動いたんです。本人曰く、『あれはぁ〜、一生に一回だけのぉ〜、速さですよぉ〜』らしいので、是非とも来世でもう一度」


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≪ 質問 : 50
  今、奥様へ伝えたい事をご自由にどうぞ ≫

・ユニコーンを妻に持つ男性
「君が思っているよりも、僕は君のことが好きです。そして君も、僕に対して同じように思っていてくれたら嬉しいです。これからも、ずっと一緒に仲良くしていきましょう!」

・メドゥーサを妻に持つ男性
「心配しなくても大丈夫です。あなたの気持ちは、きちんと理解しています。僕は、あなたの意地っ張りなところも、心根の優しさも、全部知った上で愛しているのですから。ね?」

・アルラウネを妻に持つ男性
「『平気? 退屈してない?』 冬場、花弁の中で一緒に過ごす僕へ君はそんな風に訊いてくれるけど、全く問題ありません。僕はずっと君と一緒にいたいし、もっと君の事を知りたいんです!」

・ケンタウロスを妻に持つ男性
「娘の恋の相談に乗る君は、何だかとても楽しそうだよ。僕らが結ばれるまでには、それなりの紆余曲折があったものね。親父としては少し心配だけど、そんな君の横顔が、今も昔も大好きです」

・ブラックハーピーを妻に持つ男性
「色んな事があったけど、お前さんと夫婦になれて良かったよ。お茶目な妻であり、心優しい母であり、どこまでも信頼出来る友であり。そんなお前さんに、乾杯!!」

・ホルスタウロスを妻に持つ男性
「いつか、君のお乳は出なくなる。いつか、僕は白髪のお爺さんになる。そんないつかが来た時も、二人で一緒に笑い合いましょう。『お互い、年をとったね。長く一緒にいられたね』って」

・ミノタウロスを妻に持つ男性
「『大げさな事を言うなよ』と笑うかもしれないけど、娘を産んだ直後のあなたは、後光が指して見えました。だから、敢えてクサイ事を言います。あなたは、今も昔も、僕の輝く太陽だ!」

・オークを妻に持つ男性
「子供のために歌う、調子ハズレの子守唄が好きです。たくさん母乳を出すために、ご飯をモリモリと食べる姿が好きです。その他にも色々と、数え出したらキリが無いほど、君が大好きです!」

・シー・ビショップを妻に持つ男性
「君は、僕の命の恩人。君は、僕を新しい世界へ導いてくれた人。そして君は、僕の大切な大切な、世界で一番愛しい人。昨日も今日も明日も、ずっずぅ〜っと……愛していますっ!」

・クイーンスライムを妻に持つ男性
「二人で始めた生活も、今じゃすっかり【スライムの王国】レベルになったね。こんな頼りない王で申し訳ないけど、どうぞこれからもよろしく……我が最愛の女王よ!」

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では逆に、【あなたを魔物化する薬】を手に入れたとしたら……

それを飲みますか? 飲みませんか?

もしも飲むとするならば、一体どんな魔物になりたいと願いますか?


その答えは、読んでくださった皆様の心の中に。


……誰ですか?
「アリスになって、永遠ロリ成分自給自足!」とか言ってる人は。

10/05/27 10:54 蓮華

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