読切小説
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触手的な彼女
昼休み。学校の屋上階段。
この学校の屋上は解放されておらず、近くに人が来ることはまず無い。
人知れずにナニカを行うのには実に都合がいい。

「先輩……。今日のお昼…ください……」
後輩がスカートをめくりあげる。そして下から現れるピンク色の触手。
自分たちにとってこの光景はもう日常だ。



一年生が入学しもう慣れただろう頃。
大して親しくもないクラスメイトに声をかけられた。
「なあ、オマエ彼女はいないか?」
いきなり何なんだ。一人身の自分を馬鹿にしたいのか?
「いや、バカにしてるわけじゃねぇよ。彼女のいない寂しい奴だけの耳寄りな話があってな……」
声を潜めて話し出すクラスメイト。

その話というのは―――させっ子のことだった。
「今年の新入生なんだけどよ、手当たり次第にオトコを喰っちまってる女がいるんだ。
 それも普通のエンコーじゃなくて、金を取らねえ上に生でやらせてくれる」
金を取らない? ただの痴女じゃないのか?
「そうだ、痴女だ。その言葉を使えば良かったな。まあとにかく一年に痴女がいるんだよ。
 ただ、そいつは金を取らねえ代わりに毎回毎回新しい男を紹介しろって言うんだよ。
 で、オレもときどき世話になってる身なんだが、もう知り合いがいないんだ。
 だからさ、助けると思って……一緒に来てくんね?」
なんで自分が行かないといけないんだ。他のクラスメイトでもいいだろう。
「それが……もうこのクラス、オマエしか残ってないんだ」
なにっ!? 自分以外の男全員その女と寝たのか!?
「全員というか、彼女がいる奴はダメなんだそうだ。
 女付きを除くともうオマエしかいない。なあ、頼むよぉ……」
手を合わせて拝まれる。しかし、自分はそんなビッチと寝たくなんかないぞ。
「たのむ、顔見せだけでも! そうすりゃ気分が悪くなったって帰っていいからさ!」
顔見せも面倒だが、余り断り続けると暴力に訴えられるかもしれない。
何かもう目が血走ってるし。
……わかったよ、いつ行きゃいいんだ?

「ありがてぇ、ありがてぇ。んじゃ、今日の放課後、部活が皆終わった後体育倉庫に来てくれよな!」
体育倉庫。部活動が終わった後となると、結構時間があるな。
それまでなにして時間を潰そうか。

特にやることも無く、校内をブラブラして回る。
カーンという打球の音。野球部は青春してるんだな。
廊下の窓から校庭を眺めそう思った。

日も傾きそろそろいい時間。
約束通り、体育倉庫へ向かうとクラスメイトが出迎えてくれた。
「お、来てくれたか。じゃあ早速顔見せを……」
ゴロゴロと音を立て倉庫の扉を開くクラスメイト。
…大して開いていない。隙間を通れというのか。

顔だけ見せてとっと帰ろう。
そう思い隙間に近づいたら中の光景が見えた。

「んっ……! ぷぁっ…、次、ちょうだぁい……」
裸の女生徒。髪はショートで可愛い。
一対一ならお付き合いをお願いしたかもしれない。
しかし……。

「ほら、さっさとどけ! 次は俺の番なんだからな!」
「汚ったねーな! 出した奴ちゃんと掻き出せよ!」
「後ろは初体験なんだよなー。どんなもんだろ」
その女生徒に群がる局部を露出した男たち。
……なんだよこれ。マジで気持ち悪くなってきたんですが。
男どもは女生徒全ての穴にかわるがわる挿入し、出すだけ出して交代。
集団で婦女暴行していますと言われても通るんじゃないかこれ?

「ほら、さっさと入れよ。お前が入らないと約束破りになっちまうからな」
クラスメイトは背を押して隙間から押し込む。
とたんに鼻に充満するムワっとした匂い。

「ほら、センパイ新しい男連れてきたよ! これでいいよね? ね!?」
媚を売るように自分を見せつけるクラスメイト。
他の男どもからも視線を集める自分。コッチ見んな。

「新しい男の人…? ありがとぉ……。あなたぁ、いっしょに気持ち良い事、しよ?」
自分を見る視線が厳しくなる。どうも新入りは第一優先でヤれるらしいな。
しかし自分はこんな痴女とセックスなんぞしたくない。
嘘でなく気分が悪いと言って帰ることにする。

「うーん、残念だったね!」
「でも、俺たちが良くしてやるからさ!」
辞退した自分に興味をすっかりなくし、女生徒に向き直る男たち。
まったく、こなきゃよかった……。


次の日。
「おーい、お前にお客さんだぞー」
ドア付近の奴がニヤニヤ笑いながら話しかけてくる。
一体何なんだと思ったら。
「こんにちは。先輩……」
昨日の女生徒だった。

後輩の女生徒に廊下に連れ出される。
えーと、なに? 自分に何か用?
「その、先輩は…昨日しませんでしたよね?」
……なんだ? 痴女は自分の裸を見た相手を逃がさないとでもいうのか?
「ちょっと…お時間貰えませんか?」
おい、まだ午前だぞ。
だいたい、ヤリたいなら昨日の男どもとやればいいだろう。
「アレは仕方なくっていうか……ともかく、それとは別件です」
もじもじしながら後輩は話す。
「えっと、つまり……先輩が好きなんです!」
おい! なにいきなり言いだすんだよこんな所で!
人通りのある場所での告白に焦る自分。
幸い、聞いている者はいなかったようで突っ込む奴はいなかった。

「ああもう、時間が無い……今日、放課後保健室で待ってますからっ!」
もうすぐチャイムが鳴るので、後輩言うだけ言ってダーッと走っていってしまった。

……自分が好き? 昨日が初対面のはずだぞ?
どういうことなの…? と疑問に思うが、後輩をほったらかしにするわけにもいかない。

授業が終わった後、保健室へ向かう。扉に手を当てガラガラと開く。
「あ、来てくれましたか!」
ベッドに座っていた後輩がこちらを見て笑顔になる。
はいはい、来ましたよ。で、何の用?
「ええっと……先輩が好きなんです。わたしと付き合ってくれませんか?」
その件だがもう少し詳しく。自分たちは昨日会ったばかりだよな?
「はい、そうです。……昨日はあんな姿見せてすみませんでした」
申し訳なさそうに頭を下げる後輩。いや、謝らなくていいけど。

とりあえずアレか? 一目惚れとかそういうの?
「一目惚れ…とはちょっと違います。先輩は昨日わたしに手を出さなかったから……。
 わたし、体目当てじゃない人と付き合いたいんです」
体目当てじゃない人? もしかして男を食いまくってるのって恋人探しのため?
「違いますっ! あんなことやりたくてやってるワケじゃありませんっ!」
いきなり大声を出す後輩。ちょっと、静かにっ…!
「あ、すみません…。その、信じ難いかもしれませんけど、
 わたし男の人とセックスせずにはいられない体なんです。
 我慢しようとしてもダメで、男断ちしてると頭がおかしくなって、誰でも良いやって……」

それは大変だな。でも、それなら自分じゃなくてもいいんじゃないか?
「そうかもしれません。でもあの状況でわたしを抱かなかった男の人は先輩しかいなかったんです」
きっとあれだよ。君は恋に恋しているとかそういうものなんだ。
ああいう男との付き合いを切って、ちゃんと探せば優しくしてくれる相手は必ず見つかるよ。
……無責任だが自分にはそれぐらいしかアドバイスできない。

「探してる暇なんてありません。もう限界なんです。……たぶん、近いうちにわたしは本当におかしくなります。
 そうしたら体目当ての男を好きになってしまうと思います。どうでもいい、一番手近な男を…」
……聞き辛いんだが、何かクスリとかやってないよね?
ピクン、と反応。まさかヤバイモノでも常習してるのか?
「…クスリなら一度だけ。あ、でも麻薬とかそういうものじゃないですよ。
 綺麗になる薬だって言われて、一粒だけもらって飲んだんです」
うーむ、なんか怪しいが一粒でどうにかなるなんて考え辛いしなあ……。
「それ以来だんだん体が疼くようになって、おとこ…の…ひとを……」
ああっ、泣かないで。…トラウマ掘り返しちゃったっぽいな自分。

「お願いです先輩……。体目当ての人なんて好きになりたくないんです。
 わたしの恋人になってください……」
後輩は涙を溜めた目で見上げる。
しかしそう言われても自分の方は好きになる理由が…。
嫌いにはなれないし、同情もするけど付き合う程の強い動機がなあ。

「……先輩が断るならわたし、死にます」
え!? なんで!?
「体しか興味の無い男を好きになるぐらいなら、死んだ方がずっとマシです」
ちょっと待て! 命を粗末にするな!
自分が振ったせいで彼女が死んだらこっちが一生級のトラウマだ。
そりゃもう止めるしかない。

「じゃあわたしと付き合ってください。先輩を愛するために生きますから」
な、なんかすごい話が重くなってないか?
ちょっと話をする程度の気持ちで来たのに、何故こんな人生かかった選択を?
「答えてください、先輩」
ここで首を横に振ることができる奴は相当の人でなしだと思う。
一般人として選択肢はYESしかないだろう?

「本当に……いいんですね? わたしの恋人になってくれるんですね?」
自分の返答を確かめるように訊き直す後輩。
それに頷いて答える。
「あ、ありがとうございますっ! せんぱいっ!」
うわっ! 抱きついてきた!
ギューッとしがみ付いて頭をスリスリしてくる。

…よく考えてみれば普通に可愛いし、自分も一人身だから問題はないんだよな。
今になって下心が芽生えた自分。これを知ったら彼女はどう思うのやら。

「…先輩、セックスしたいですか?」
内心を見抜いたように後輩は訊いてくる。
…体目当ての男は嫌いじゃなかったのか?
「先輩は体目当てじゃないからいいんです。それに恋人同士でエッチするのは普通でしょう?」
安心したせいか、逆にオープンになったらしい。
「それとも、汚いわたしとはシたくないですか?」
ここで断ったらどうなる事やら。

保健室のベッドに自分は横たわる。
その上に裸になった後輩が馬乗りになった。
「先輩は大事な人ですから。わたしが気持ち良くしてあげますね」
そう言って既にとろとろの女性器を指で開く。
綺麗だな。あんなに男とまぐわっていたのに。
「じゃあ、入れますね。んっ……!」
彼女はゆっくりと腰を下ろしながら飲み込んでいく。
ああ、気持ち良い……。
自分は女性経験は大して無い。ちょっとばかり金で買ったことがある程度だ。
商売女と比較しても彼女の経験数は群を抜いて多いだろう。
しかし膣の締まり具合は圧倒的に後輩の方が上だ。

「どうですっ…!? 先輩っ…!」
ぐちゅりぐちゅりと腰を跳ねさせる後輩。
とても気持ちいいよと答えておく。実際嘘じゃないし。
「ありがとう先輩っ! もう、大好きですっ!」
はっ、はっと息を上げながら動き続ける後輩。
やがてその足腰からなにかにょろにょろとした物が―――っておい!

「へ…? どうしたんですか、せんぱぁい…!」
とろけた顔の後輩。
どうしたじゃない! なんだよその肌突き破って出てる物っ!?
「突き破って……? え、なにこれっ!」
どうやら本人は気付いていなかったようだ。
というか本当に何なんだよこれ!?

ピンク色の触手? とでも表現すべきものが彼女の体から伸びて動き回っている。
さらによく見たら肌を突き破っているのではなく、根元で溶けたように一体化していた。

「わっ、わたしも分かりませんっ! 動かないでよ、気持ち悪いっ!」
ウネウネでたらめに動いている触手を掴んではがそうとする後輩。
しかし全く効果は無いようだ。そもそも数が多いので一、二本抜けたところで焼け石に水。
とりあえず離れよう!

「は、はい! すぐ退きます!」
腰の上から退こうとする後輩。
しかし離れようとした瞬間、触手が自分と彼女の体を結び付けてしまった。

「なにっ!? なんなのよぉっ!?」
後輩はもうパニック状態だ。まあ、自分もかなり混乱しているが。

「先輩を離しなさいっ! この―――ングッ!」
触手が後輩の口に潜り込み言葉を封じる。
さらに体の表面を這いまわり、胸を揉み、肛門にまで入りこむ。
「んぐっ! ん! んんんー!」
彼女は逃れようとしているが、やがて抵抗が弱くなり目がトロンとし出した。

その次に触手は自分に標的を変えたのか、手足が動かないように縛りあげてきた。
ちょっとやそっと、力を込めても千切れたりしない。くそっ…!
そして触手は彼女の体を自分の上へ動かし、女性器をグッと開く。
まさか、彼女とセックスさせようっていうのか?

触手がベッドへ巻きつき後輩と体を密着させる。自分のモノは再び彼女の中へ埋まった。
すると彼女は自分で腰を動かし始める。
おい、そんなことしてる場合か!

口を封じていた触手が抜け、彼女が言葉を発する。
「せんぱぁぃ……これ、すっごく気持ちいいですよぉ……」
触手の一本を撫でながら陶酔したように言う。
「先輩のことは好きですけど、ちんぽが一本しかないのは寂しいなぁって思ったんですよねぇ…。
 そしたらこれが出てきて、わたしの口もお尻も胸もぜぇーんぶ埋めてくれたんです。
 んふっ、これで先輩以外の男に穴を使わせることなく輪姦気分が味わえますよぉ……」
なんだよ、それ。
「あ、もちろん先輩が他の穴を使うのは自由ですよぉ。そのときは触手でまんこ埋めますからぁ…」
……こいつは洗脳でもされたのか!? その異常な物をどうにかしろよ!
「じゃ、また動きますねぇ……」
後輩は喋っている間止めていた腰を再び使い出す。
そして触手もまた動き出す。

自慰でもするように触手を体中を這わせる蠢かせる後輩。
膣の壁ごしに後ろの穴に入った触手が動いているのを感じる。
「せっ、先輩っ! どうですっ!? もう出そうですかっ!?」
出そうだよ。こんな状況だってのに。
「そ、そうですかっ! ならまんこにお願いしますっ!
 先輩専用のまんこに精液たっぷり出して下さいっ!」
上から腰を叩きつけられ、ついに射精してしまう。
「あ、ああっ…! 先輩の精液来てるぅっ! おいしいっ!
 先輩の子種とっても美味しいですっ! もっと出してぇっ!」
自分を縛っている触手がブルブル震えている。
そこで完全に理解した。この触手は後輩の一部なんだな、と。

事が終わると触手はシュルシュルと彼女の中へ戻っていった。
自分も自由に動けるようになったので距離を取る。ベッドの上だけど。
「せんぱぁい……良かったですかぁ……」
緊張の絶頂から弛緩の余韻へ。またとろけた口調になる後輩。
……良かったよ。で、さっきの触手は何なんだ?
普通の人間はあんなもの出したりしない。
「あれはぁ……くすりの副作用みたいですぅ…」

とろけっぱなしの後輩の言葉をまとめるとこういうことらしい。
綺麗になる薬といわれ飲んだのは、触手の卵だった。
触手は男の精液を栄養にして育つので、宿主に男漁りをさせた。
そしてさっきの交わりで成体になり、完全に同化した。

「それで、先輩の一押しで成長したから、先輩以外は受け付けない体になったみたいです」
やっとまともな理性が戻ってきた後輩。
少しは羞恥心も回復したのか制服を抱いて体を隠している、

自分以外は受け付けない体か。
となると自分が相手しないといけないんだろうな、ハァ……。

とりあえず身繕いをして帰るか。
べたついた液を拭って……こんなところでいいか。
じゃあ、さようなら。また明日ね。
「え? 恋人なのに送っていってくれないんですか?」

彼女の家は自分のアパートと逆方向だった。
人通りが少ないので、後輩は腕に抱きついてベタベタしてくる。
特に話題もないので、歩きがてらどこから薬を入手したのか聞く。

「市街地に時々占い師さんが来るんです。以前その人に見てもらったら、綺麗になれる薬だと渡されました。
 一粒でいいからって言われたので、深くは考えずに……」
そんな怪しい人からもらった物を口にするなよ。
「先輩は分かっていません。女の子は美しくなるためなら危ない橋だって渡るものなんですよ?」
そう言われたら返せない。自分は男だから。

やがて後輩が立ち止まった。
「ここがわたしの家です。どうもありがとうございました」
ペコリと頭を下げて、庭へ入っていく彼女。
……教会に住んでたのか。そんな体で帰ってきて礼拝なんて神様怒らないの?


次の日。
昼食を食べに行こうとしたら後輩がやってきた。
「先輩、いっしょに食べません?」
語尾は疑問形だが、一人分には大きい包み。
彼女の中では決定済みか。

彼女が案内したのは人気の無い屋上階段だった。
なんでこんなところで? せめてイスがあるところで食べるべきじゃ…。
「それは色々あって…とにかく、まず食べちゃってください」
包みを解いて弁当箱を取り出す後輩。
まあいい、頂こう。恋人手製の弁当なんて初めてだし。

弁当を食べ終わりご馳走様でしたと感謝の言葉。
後輩は幸せそうに微笑む。
「じゃあ先輩、こんどは先輩がわたしに食べさせてください」
自分が弁当作るのか? たぶん不味いぞ。
「いえ、お弁当じゃなくてですね……」

立ち上がりスカートをめくる後輩。
下着はつけておらず大事な所が丸見えに―――え?
「先輩の精液、欲しいんです。一番大事な食糧はそれですから」
まて、時間あまりないぞ? せめて放課後に……。
「服を脱がなければそんなにかかりませんよ。ほら、こうすれば……」
ジュプリと彼女の穴から一本の触手が伸びる。
それは自分の前まで来ると先端を凹ませ筒のようになった。
「先輩、おちんちん出して下さい」
え? まさかそこに入れろってのか?
でもこれで立たせるのはキツイ……。
「んん…ダメですかねえ? じゃあ、飲ませてあげます」
そのとたん触手が動いて口に潜り込んだ。変に温かくて柔らかい感触。
そして何か甘い物をドロッと口の中に流しこまれた。

うぇっ! 飲んじまった! 今のなんだ!?
「ちょっと熱くなる飲み物ですよ。害はありませんから安心してください」
熱くなる飲み物? あー、確かに体が火照って……立っちゃった。

もうしょうがない、やることやっちゃおうという気になってチャックを下げて自分のモノを取り出す。
「うわぁ…先輩のおちんちんやっぱりかっこいいなぁ。じゃあ貰います」
後輩は筒状の触手を男性器に被せてくる。
その中は熱くてドロドロ。それこそ女性器よりもいい感じだ。
「動かしちゃいますね」
じゅぷっ、じゅぷっと音を立てて手コキのように触手が自分のモノをマッサージする。
「ね、ね、どうです先輩? わたしの触手まんこっ…!」
これはこれで気持ちいい……んだけど、セックスしている感じが薄い。
やっぱり体の触れ合いが無いとさ。
物足りなさに彼女を抱きしめ、服の上から胸などをまさぐる。
「あっ、体触りたいんですか? どうぞ…」
後輩が上着の裾をめくる。そこから手を入れ直に胸をわしづかみ。
けっこう大きくて揉み応えがある。
「先輩の手あったかい…っ。もっと弄っていいですよっ……」
彼女の方からキスをしてくる。こちらの口に舌が入り、ねちゃねちゃと唾液が混ざる。
「んむっ……せん、ぱいっ…! 好き…ですっ! 大好き…っ!」
好き好きと何度も彼女は繰り返す。
そのセリフに恋人っていいなあと幸福感に浸る自分。
そして射精感へと変わる昂ぶり。
「あ…もう、出ます…かっ? んっ……いつでも、触手まんこにっ…出して、いいですからねっ…!」
いつでもと言うが、こちらはもう限界。即座に出す。
「んんんっ! せっ、先輩の精液っ…! おいしいっ、もっと飲ませてっ!」
男性器を包んでいる触手がゴキュリゴキュリと飲み干すように、彼女へ向かって蠢いている。
今自分が出してる液体はあの中を通っているのか……。

射精も終わると彼女も腹が膨れたらしい。
ちゅぽんと触手は自分のモノを離しスルスルと後輩の穴の中へ戻って行く。
「ふはぁ……お昼ごはん、ありがとうございましたぁ……」
とろけた顔の後輩。おい、もうすぐ昼休み終わるぞ。早く教室に戻れよ。
ちゃんと戻れるか心配だが、自分も遅刻はしたくない。
しょうがないので人目があるところまではおぶってやった。

次の休み。後輩を誘って街へ出る。
本人はデートだなんだと騒いでいたが、元凶の占い師を探すためだ。
とっちめて彼女を元に戻す手段を吐かせてやろうと思う。

「うーん、いないですねえ。見かけるのは不定期ですから、今日は来ないのかもしれません」
……結局何の収穫も無く、その日はただのデートで終わった。
いや、悪くは無いんだけどさ。


ある日、後輩と男の言い争う声を聞いた。
「オマエ最近付き合い悪いじゃねーか。相手してくれないからこちとら溜まってんだぜー、オイ?」
いかにもガラの悪い声。
「すみません。わたしはもうああいうことは止めたんです。どうか他の人を見つけてください」
きっぱりと断る後輩。
「ハァ? なんだ? ビッチのテメーが好きな男でもできたってのか? くっだらねーな。
 テメェはちんぽがありゃダレだっていいんだろ? そう言ってたじゃねーか。
 どーせ、その相手も体目当てだよ。でなきゃ公衆便所と誰が付き合うってんだ」
酷い言葉だ。トラウマ抉りまくりじゃないか。
「そんなことありません! 先輩はアナタと違って体目当てなんかじゃないですっ!」
後輩の大きい声。やばい、なんかスゴイ嬉しい。
ここで助けなかったら、男がすたるよな。ちょっと割って入る。

あー、そこの後輩さん。お話し中悪いんだけど、ちょっと仕事手伝ってくれないかなー。
「あ、先輩っ…! ちょっと失礼しますね」
失礼するのはいいんだが、そんなに喜んだ顔はしないでくれ。
……バレるから。

「あぁん!? オメーかコイツの男ってのは?」
凄んでくる不良。怖っ、NOと言いたい。
でも、ここで違いますといったら彼女傷つくだろうな。
とりあえず否定も肯定もせず沈黙しておく。
すると―――。

「先輩っ!」
痛い。殴られた。頬が熱い。
「なに勝手に便所を一人占めしてんだよ、テメーはよっ!」
二発目。今度は腹。いいとこ入った。吐きそう。
「止めてくださいっ! 先輩にヒドイことしないでっ!」
そして三発目―――が入る直前。
ヒッと不良が息をのむ声が聞こえた。
…ん? どうしたんだ?

下がっていた頭をあげると、服を破って触手を生やした後輩。
その何本かが腕に巻きついて振り上げた拳を止めていた。
目を見開いて驚いていた不良だったが、触手を離すと情けない声を上げて逃げていく。
助かった……。

「先輩…ごめんなさい」
そこらに座って休むと、謝ってくる後輩。
あー、別に重傷でもないんだし、謝らなくっていいって。
「でも今までわたしがあんなことしてたせいで……」
それはもうどうしようもない。前向きにいこう。
それより穴だらけの制服をどうにかしないと。

「あ、それなら……」
いきなり服を脱ぎ出す後輩。全て脱ぐと目を閉じた。
すと体の輪郭が揺れ、肌の上に制服が表れた。
え? なにこれ?
「その…擬態っていうんですか? 着馴れた服ならこうやって再現できるんです」
擬態ねえ……。
手を伸ばし服に触れてみるが、触感は間違いなく制服の布地。
一体どうなっているのやら。


その日も保健室へ来てくれと言われたので放課後向かう。そして歩きながら考えた。
…いつも留守にしているけど、この学校の養護教諭はなにやってるんだ? 
別に重要なことでもないけど、ただ気になった。

保健室の扉の前へ立つと、中から叫び声が聞こえた。
なんだ!? 何かあったのか!?
急いで扉を開けると。

「いやぁー! 離してっ! どっか行ってよバケモノっ!」
触手に絡みつかれているどこかケバイ女生徒と。
「いいじゃないですかぁ…。男の人にたっぷり愛してもらえるようになるんですからぁ…」
女生徒を凌辱? している後輩の姿。

なにしてるんだお前。
「あ、先輩もう来たんですか。ちょっと待ってくださいね。すぐ済ませますから」
済ませるってなにやってるんだよ。
「先輩わたしのせいでヒドイ目に会いましたよね。アレって女の人が相手してくれないからじゃないですか。
 だからわたしの代わりに、この人に相手してもらおうかなって」
本人は思いっきり嫌がっているようだぞ。無理やりやるのは良くない。
「そうでもないですよ。この人“お前のせいで男が相手してくれない。どうしてくれるんだ”って言って嫌がらせしていた人ですから。
 前のわたしみたいになれば、男の人に大人気で喜んでくれると思いますよ?」
たぶんそいつが好きなのは男じゃなくて金だ。
「ちょ、ちょっとあんた! 助けてよっ! コイツどうにかしてっ!」
どうにかしろと言われても……。

自分はこのところあちこちから男子の厳しい視線を浴びていた。
暴力を振るわれたのは今日が初めてだが、このままだとまたあるかもしれない。
あるいはもっと陰湿な事をされるかも……。

この女生徒が捌け口になれば、自分を目の敵にするやつはいなくなるだろう。
それに死ぬわけでもないんだし……。
身の安全と女生徒の尊厳を秤にかけた結果、見過ごすことにした。

「残念ですね、先輩は助ける気はないみたいですよ?」
クスクス笑うと後輩は女性器から触手を一本伸ばす。
その先端は男性器そのもの。
「ひっ! ま、まさか……」
青ざめる女生徒。
「これ、あなたのまんこに入れてあげますね。
 うふふ…わたしの卵植え付けちゃいますよぉ……」
その次の瞬間、彼女の触手は獲物に襲い掛かる蛇のように素早く動いた。

「嫌ぁぁっっ! 入れないでっ! 気持ち悪いっ!」
女生徒はいきなり挿入される不快感に叫び声をあげる。
「んっ……んん? これがあなたのまんこ? ……緩いじゃないですか。
 こんなんじゃ男の人が相手してくれなくて当然ですよ」
嫌がらせの意趣返しもあるのか、後輩は毒を吐く。 
「こんなまんこじゃわたしも気持ち良くなれませんね。
 …先輩も待たせちゃってるし、さっさと植えちゃいますか」
期待外れといった顔で、乱暴に触手を動かす後輩。

「いっ、ぎぎ……っ! しきゅ、う…、が…っ!」
女生徒の腹が膨らみ、中で何かが蠢いているのが分かる。
まさか、そんなとこまで触手を……?
「あら! 子宮の中はちゃんと締まるじゃないですかっ。
 よかったぁ、先輩とわたしの赤ちゃんが粗末な女の中で育たなくて」
待て、自分の赤ちゃんとはなんだ。
「えーとですね、わたしはもう子供産めないんですよ。子宮が無いので。
 だから触手で女の人の腹に卵産み付けて、育ててもらうんです。
 見ててください…もうすぐ出てきますよ……」
後輩の腹が少し盛り上がり、膨らみが股間へ向かっていく。
「ほら、見てください先輩っ! 触手の中進んでますっ!」
確かに触手の中を丸い何かがズルズルと移動しているのが分かる。
それはやがて女生徒の中まで入っていき――。
「出ちゃうっ、出ちゃいますよ先輩っ! わたしたちの子供この人に植え付けちゃいますっ!」
性的快楽を感じているのか、声が昂ぶっている。
……女生徒の方は子宮を弄られたショックでか、すでに白目をむいて気絶している。
「あ、あ、卵がそこまでっ…! んんっっ!」
股間の触手が震えると、女生徒の穴からブバッと大量の白濁液があふれ出した。
逆流だとしたら一体どれほどの量を注いだのか。

「ん―――っ。はあ、終わりましたぁ…」
後輩は触手を抜くと穴の中にまで戻した。
「ごめんなさい先輩、待たせちゃって。じゃあ今日もシましょう?」
何事もなかったように笑う姿は可愛いが、気絶した女の横でまぐわうのも気が引ける。
その日は帰らせてもらうことにした。


「せんぱぁい、たまにはもっと遠くへ出かけましょうよぉ…?」
後輩と恒例の休日デート。
彼女はどこかへ行きたいようだが、自分の目的には占い師探しもある。
この街を離れては意味がない。ブラブラしながら歩く。

「んー、じゃあ手を繋いで下さいよぉ」
手か…まあそのぐらいはしないとな……。
そう思いそっと彼女の手を握った途端、自分の袖に何かが潜り込んできた。

うわっ! 何だ?
繋いでいる手を見たら、後輩の袖から細めの触手が伸びて自分の袖に入って来ていた。
おい、こんな所で出すな! 見られたらどうするんだよ!
「大丈夫ですって。他人のことなんてみんな気にしませんから」
微笑む後輩。本当に大丈夫…なのか?

「あっ、先輩! 今日はいますよ、占い師さん」
なに! どこだ? どこにいる!?
彼女が指差したのは閉鎖された店舗の多い、人気の少ない路地。
その入り口付近に、看板とテーブルを置いている。
さっそく突撃。話を聞かねば。

「あら、お客さん? いま準備中だからもうちょっと待ってもらえる?」
怪しげなローブのフードを深く被っていて顔は良く見えない。しかし声から若い女だということは分かる。
ああ、すみませんがね、アンタがあの子にくれたクスリのおかげで体がおかしくなっちゃったのよ。
どうにか元に戻してもらえませんかね。

「元に戻す? 悪いけどそれはできないわ」
戻せない? どうして?
「だってすっかり馴染んじゃってるもの。初期ならともかく、完全に同化したらもう戻らないわよ」
おい……そんなやばい物なんで渡したんだ。
「その子が綺麗になりたいって言うから手助けした。ただそれだけよ。
 そもそも本人が嫌だっていってるの?」
自分を追っかけてくる後輩を見る。
……少なくとも今はすっかり楽しんでるなよな。
「ね。その子が納得しているんだからいいじゃない」
そう言われてもどこか納得できないんだが。

「先輩、あの人はわたしの恩人なんだから、あんなこといったらダメですよ」
彼女には自分が占い師に嫌がらせしてるように見えてたのか。
……ところでまた占い師からまたクスリっぽいもの貰ってたよな?

自分が詰め寄っていたら頭を冷やして下さいと、後輩が間に入り引きはがされたのだ。
その後はあっち行ってて下さいと言われ、遠巻きに二人が話しているのを見るだけ。
なにを話したのは分からないが、彼女が頭を下げた後、錠剤の詰まった小瓶を渡されたのは見えた。

「わたしが飲むわけじゃありませんよ。だから安心してください」
じゃあ何に使う気なんだよ。
「え、それは……あ、先輩! 信号青ですよっ! 早く渡っちゃいましょう!」
あからさまに話題をずらす後輩。
まあいい。これ以上デートの雰囲気を悪くするのは避けたいし、問い詰めるのは後にしよう。

街を歩いた後、映画を見たらもう夕方。
さて、教会まで送ってお開きと―――。
「あの、先輩。……先輩の家、行ったらダメですか?」
……まさかのお家見学ですか。

後輩とともに自分のアパートに向かう。
エロ本が転がっているわけじゃないけど、恋人を部屋に上げると言うのは緊張するな。
カギを差し込んでカチャリ。扉を開き、はいどうぞ。
「それじゃ、おじゃましまーす……」

とりあえず部屋に上げてみたが、やっぱアレかな。
男の部屋へ女が来たいと言うのはそういうサインと受け取っていいんだろうか。
すでに散々セックスした仲だが、自室という初めての場所に緊張してしまう。

「先輩、ジュース開けちゃいましょう」
夕食といっしょに買ってきた缶ジュースを開ける後輩。
…待った。せっかくだからコップに入れよう。
缶から直接飲むというのが、なんか雰囲気を壊しそうなので。

キッチンでガラスのコップを手に入れ居間へ向かう。
缶を傾けコポコポ。えー、では乾杯。
「かんぱーい」
カチンとコップをぶつけ合う。そしてゴクリと一口。
ん? 味が変わったか? 前と少し違うような…まあ気のせいか。

ジュース片手に、後輩と特に意味の無い話をする。
あー、話しっぱなしのせいか熱くなってきたな。

突然すっと後輩が立ちあがる。なに? トイレか?
「いえ、トイレじゃなくて……。ちょっと着替えに」
着替え? 服の入るようなデカイ鞄なんて持ってないはずだが…。
疑問に思っている間に、彼女は扉の向こうへ消えてしまった。

着替えねー。一体どんな服に……あれ? 自分倒れてる?
いつの間にか床に転がっていた自分。体も異様に熱いし……まさか!
ジュースの缶を手にとり良く眺める。
…うん、そっくりのアルコール飲料とかじゃなかったな。しかしそうするとこの熱さはいったい…?

「お待たせしました、先輩」
扉から現れた後輩。おお、どんな姿に――。
「どうです? 着馴れてるから変な所は無いと思うんですけど……」
彼女の着替え。それは教会のシスターさんの衣裳だった。
成程。着馴れてるから擬態したのか。確かにこれなら服の必要はないな。

うん、よく似合ってるよ。清楚さが増した感じ。
「清楚、ですか。……でもこれからそんな言葉と無縁のことをするんですよわたしたち」
後輩はそう言って妖しい笑みを浮かべる。
おう、望むところだ。いくらでもやってやるぜー。
熱のせいか自分の思考はおかしくなっているようだ。

さっそくヤろうと立ち上がったところで、膝が砕けた。
ドタンと床にぶつかる。どうしたんだと足を見――足が無い?
ズボンの裾から出ているのは黒いツタ状の何か。
そして体をねじろうとしたら仰向けに倒れ込む。
やっぱり腕も無い。
いったいどうしたんだと思ったところで気がついた。
……おまえの仕業か。

「ええ、そうです。先輩がコップ取りに行っている間にジュースの缶に混ぜちゃいました。
 今日占い師さんにもらった薬です。これを飲むと男の人は一時的に触手になるんですって」
一時的。その言葉に今はない胸をなでおろす。ずっとこのままだったら発狂しかねない。
「流通している物は理性が無くなるそうなんですけど、これはちゃんと頭の働く新薬の試作品だと言っていました」
…理性が無くなった方が良かったかも。だいたい、なんでこんなことをする。
口は無くなっても、テレパシーかなにかで意思は伝わるのか彼女は少し赤くなる。

「…だって、先輩のおちんちんは一つしかないじゃないですか」
は?
「わたしはたくさん触手出せますけど、先輩は一本だけ。寂しいじゃないですかそんなの。
 だから先輩も触手を使えれば、もっと気持ち良くなれると思って……」
そんな理由でか。
「そんな理由って…。先輩に巻きつけたり、自分の口やお尻に入れても持て余しているんですよ?
 一度ぐらい全部の穴に先輩のおちんちん入れてほしいです」
……自分には理解できん。が、それが望みと言うならやってやるか。
完全な触手の塊になった自分。床に落ちた服から抜け出し、彼女に絡み付く。

「ん、ありがとう先輩……。この服、破っても大丈夫ですからね……」
後輩もピンク色の触手を出し自分の黒い触手と絡めてくる。
では、早速。
彼女の紺色のシスター服をビリビリっと破り裸にする。
そして柔らかい肌に直接まきつく。
「ああ…先輩の触手黒光りしてカッコいいです……」
……触手の美的基準はよく分からん。
とりあえず、いつものように彼女の性器へ向かい侵入する。
「んふっ…! 先輩のちんぽ、いつもと違った感じで良いですねっ…! わたしも動かないとっ……」
彼女の中から押し出される感覚。
やがて女性器からズルリと自分の触手を飲み込んだピンクの触手が現れた。

……そうだよな。子宮が無いって言ってたし。
あえて考えずにいたが、自分は彼女の膣ではなく体内の触手に挿入していた。
改めて付きつけられるとなんかショック。

「ほらぁ…いまの先輩はたくさんちんぽあるんですから、もっと入れてくださいよぉ…」
体中から触手を伸ばし、先端を開く後輩。
これ全部に入れろってのか? そこまで器用な事はできそうにないぞ?
「んー、じゃあわたしが入れてあげます。ちょっと動かないでくださいね」
言うとおりに身を固める。すると一斉に彼女の触手が動きパクリと飲み込んだ。

「んぁっ! 先輩っ、先輩のちんぽがたくさんっ! 触手まんこにいっぱいっ…!」
比喩で無く全身が性器になり、無数の女性器に挿入している感覚。
しかも彼女が積極的に動き、ジュプジュプという音のオーケストラ。
快楽で頭がおかしくなりそうだ。というか普通の状態でこれを味わったら本当に発狂したかも。
幸い今の自分は触手化してるので、耐えながら動くことができる。
もっと巻きついて……ほら、しゃぶってくれ。
余っている触手を後輩の口に一本入れる。
(ん!? 口まんこ使いたいんですか? いいですよ、好きにしてくださいっ!)
…このテレパシー双方向なのか。いや、便利といえば便利だけど。
口を塞いだので、今度は後ろに入れる。
直腸は前とは違う締めつけ具合で…あれ? なんで行き止まり?
(あっ、そこは先輩用のただの穴です…。内臓なんてほとんどありませんから)
普通のサイズじゃ気付かないなそんなの。浅いけどこのまま……。
(突き破っていいですよ、先輩。なんともないですから)

…えー、ではお言葉に甘えて。
行き止まりの壁でさらに押し込む。
するとゼリーというか豆腐というか……まあ、そういう物を掘り進む感触がした。
(くぅぅっ、来てるっ…! 先輩の触手ちんぽわたしの中進んでますっ! もっと上まで……!)
彼女の言葉通りずっと上まで進んでいたら、口に入れていた触手とごっつんこ。
うわ、串刺しにしちまったのか。
(あぁん、いいんですよそれでっ…! 先輩ので中身かき回されて…えへへ)
正直、猟奇的だと思うが喜んでいるのでよしとしよう。

もう人型の穴は埋まったので、胸や尻に巻き付きなでなで。
(せんぱい、まだ穴が余ってますよ……)
え、どこに。
(うふふ。ココ、ですよ)
後輩は両手を動かして胸を弄る。
乳首をグリグリして――ちょっと待て!
(ここも穴ですよぉ…。どうせおっぱいなんて出ないんですから、この穴にも入れちゃいましょうよぉ)
いや、でもその穴は小さすぎないか?
(大丈夫ですって。串刺しにされても平気なんですから、そんな程度じゃ壊れませんよ…)
まあ、そこまで言うなら。
ちょっとためらいつつも、触手を乳首に当ててコリコリいじる。
(そんなんじゃダメですっ。刺すつもりで思いっきり押し込んでください)
刺すつもりでか。いくぞ、せーの…。
後輩のかなり大きい胸がひしゃげる勢いで突き入れた。

(うくぅっ! 入ってますっ! やればできるじゃないですかっ!)
彼女の乳首に入った触手。うわ、乳首の穴ってこんなに拡がるものなのか。
ブチブチと触手の周りで何かが千切れるような感覚。
どうやら胸はまだ人間と同じ構造だったらしい。
ウネウネと両乳首に入った触手を動かすと、合わせて胸も形を変える。
(これ、新鮮です先輩っ! おっぱいの中犯されるとかクセになりそうっ!)
元に戻ったら絶対やらん。今回だけだ。

彼女も穴埋めは満足したのか、動くことを要求してきた。
触手が多すぎて自分でもわけ分からんが、できるだけ動いてみる。
(ああっ…気持ちいいです先輩っ……。先輩の触手ちんぽで全部の穴犯されちゃって……。
 もう、射精したらどうなっちゃうんでしょうね?)
さあ、どうなるのやら。確実なのは自分の部屋が白濁液で汚れまくるということだけだ。

彼女がリードするように触手を動かす。
自分がそれに動いてついていく。
そんな感じでいたら、射精感が込み上げてきた。

どうやら触手は一本ずつ個別に射精するわけではないらしい。
本体?が絶頂するときにまとめて出すようだ。
これだけあったらどれだけの量がでるのやら。
あー、もう出そう。

(ん、先輩イクんですか!? 先にイっちゃっていいですよ! わたしもすぐイキますからっ!)
自分は限界だが、後輩の触手もガクガク震えている。…じゃあお先に。

―――ダム決壊。射精の瞬間自分の脳裏にそんなイメージが浮かんだ。
(んぶっ! すっ、すごい量っ! 触手まんこでも収まらないっ!?)
自分の黒い触手が脈打ち、彼女のピンクの触手が受け取って飲み込もうとする。
しかし飲み切れないのかあちこちでつなぎ目からボタボタ零れている。
口と肛門から入ったものも凄い。後輩の体内に適当に撒き散らして、腹の部分が膨らんでいる。
一番ひどいのは胸だ。精液で風船のように膨らみ、爆乳なんてレベルを通り越している。

(ご、ごめんなさい先輩っ! ちょっと抜いてくださいっ!)
後輩がそんなこと言うのは初めてだ。まあ、イジワルする気もないので素直に抜いてやる。
繋がっている触手を片っ端から抜いていく。するとまだ出しきっていない精液が弱い勢いで飛ぶ。
乳首の触手を抜いたら、溜まっていた分がビュッと母乳のように飛びだした。

「うっ…ゲホゲホっ…! はぁ、はぁ……すみません。ちょっと、甘く見てました……」
口を解放されたので肉声でしゃべる後輩。かなり消耗したのか触手が力なく床に垂れている。
大丈夫かと近寄ろうとしたが動かない。あれ?

自分の体を見てみたら元の人間の姿で床に倒れていた。
服は床に落ちているので裸だけど。

「あ…戻りましたね。すみません、最後先輩を受け止められなくて」
ペコリと頭を下げる後輩。
いや、別に気にしてないから。
「そう言ってもらえると助かります……。それにしても先輩、すごくステキでしたよ…。
 惚れ直しちゃいました。もう、大好きです先輩っ!」
裸のまま抱きついてくる後輩。
自分も真正面から抱き合おうとしたら、膨らんだ胸がぶつかり、ぶびゅっと中の精液が飛び出た。

「そういえば膨らんだままでしたね。搾り出して……んっ」
両手に余っている胸をギュッギュッと握る後輩。
そのたびに両乳首から白い液体が噴出し床にこぼれる。
……なんというか、母乳の出る人が胸でオナニーをしているようだ。

先ほどあれだけ出したというのに、また自分のモノが勃起してきた。
「ずいぶん多い…ん? なんです先輩?」
えーと、すまんがせっかくだからその大きい胸で挟んでもらえないだろうか。
「このままで、ですか? はい、構いませんけど……」
彼女が胸を両手で支ええ、その谷間に挟みこむ。
大きすぎて完全に胸の中に埋まってしまう男性器。
よいしょ、よいしょと重そうに胸を動かす後輩。
さっきの触手の様な異次元的な快感は無いけど、こういうノーマルなセックスは落ち着く。

「んっ、んっ……先輩どうです?」
乳首から精液を垂れ流しながら後輩は胸を上下させる。
はぁ……なんかいいよね。
「そ、そうですか。…気が抜けてません?」
どこか引いたように言う後輩。
「……だんだん小さくなってきましたね。ほら、先輩のおちんちん、先っぽが見えてますよ」
あ、本当だ。これならそんなしないで元のサイズに戻るかな。
胸が軽くなり彼女の動きも早くなる。…もう出しちゃおう。
「先輩そろそ――んっ! ああ、顔がべちゃべちゃ……」
胸から手を離し指で顔の精液を拭う後輩。
その姿は普通の女の子のようで、あんな乱れていた女と同一人物とは思えない。
性欲とは別の愛おしさが込み上げてきて、そっと抱きしめる。
「あっ、先輩……。んふっ、愛してますよ……」
心が伝わったのか、彼女も優しく抱き返してくれた。


そろそろ夏休みになろうかという頃。
今となっては自分を睨むような男子はいない。
使えなくなった便所に固執するより、新しい方を使おうということなのだろうか。
あのケバイ女生徒のことは少し気になるが……。

「心配しなくていいですよ。元気に学校来てますから。それどころかすっかり仲良くなっちゃったんですよ?
 もう、お姉さま〜なんていってすり寄って来て可愛いです」
彼女が嫌がらせされることもなくなり、良かった……のかな。

そして夏休み初日。
すっかり朝寝坊して寝こけていたら、ピンポンピンポンとチャイムの音。
いったい誰だ? いい夢見てたのに。

「こんにちは、先輩」
扉をあけると後輩の姿。
どうしたんだ? こんな時間に。
「こんな時間って、もうすぐお昼ですよ。休みでも規則正しい生活をしないと……」
勝手に上がり込んで、布団を片付け始める後輩。
……触手も出して、転がったゴミなんかもいっしょに片づけている。
便利でいい…のか?

「ここに来たのは一つお願いがあってですね……」
お願い? デートなら明後日するはずだぞ?
「いえ、そうではなくて……」
彼女は持っていたカバンから小瓶を取り出す。
見覚えのある錠剤。しかし色は違う。
「あの占い師さんからまた違う薬をもらっちゃったんですよ。
 なんと、これを使うと先輩が分身するそうなんです。どうか一つ試しに……」
ビンをさし出す後輩。なんかもう体のあちこちから触手がにょろにょろ這い出ている。
…やれやれ、そっちはすでにその気か。

キッチンへ向かいガラスのコップを手に取る。
ジャーっと水を注ぎ、居間へ。

「うふふ……それでこそ先輩です。ホント大好きですよ」
いい笑顔を見せる後輩。
断れないのはこの顔のせいもあるのかな。


手のひらに錠剤を一つ、水と一緒に飲み込んだ―――。
11/11/23 10:40更新 / 古い目覚まし

■作者メッセージ
触手×触手とか誰得と思いましたが書いてしまいました。


ここまで読んでくださってありがとうございました。

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