連載小説
[TOP][目次]
チェーンソー男VSプライドの高い魔物達(前編)
                     注意!!!!!!

この話は投稿者様の希望により魔物娘がガチで死んでいきます。
中にはうおおおおおお、俺の嫁がー!!!!などといった方も出る可能性がございます。
こういう話が苦手な方は読まないことをお勧めします。
いや、バトル物に死者は付き物だという強者はそのままお読みください。


覚悟はいいですか?・・・ではどうぞ。









  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「くそ!どこだよここは!?」

深い森の中で黒いつなぎを着て片手には白い布に包まれた何かを持っている男が悪態をついていた。

「たく、あのヒゲ野郎が!何がここから近い所にあるだよ!めちゃくちゃ遠いじゃねえか!!」

どうやら男はある場所を目指していたらしいが聞いていた話と違うようでかなりご立腹のようだ。

「ああーだんだんイライラしてきたなーもう!!!こんなことならあそこでやっちまえばよかったな。・・・金にもなって更には人も殺せるそんな場所があるっていうから来てみたっていうのにこんな山の中なんて聞いてねえぞ!!」

男はバトルクラブの事を聞き、己の欲望のために目指しているようだ。

「あのヒゲ野郎からもらった地図だとこの辺なんだがな。・・・お!もしかしてあれか?」

男の目に映ったのは洞窟の入り口だった。

「多分ここだな、よーし!待ってろよ!!俺の獲物と金貨達!!!!」

 ズダダダダダダ・・・・・・

男は躊躇することなくダッシュで洞窟に踏み込んでいった。

   ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「はあ、はあ、はあ、や、やっとついた」

男はバトルクラブの入り口に居た。

「なんて複雑な洞窟だよ。無駄に体力使っちまったぜ。っふー」

実は以前洞窟を迷ったあげくクラブを一部破壊した奴が出たため、クラブでは迷子防止の立て札を設置してあったのだが。

「しかし途中にあった、なんか書かれてる木の板があったけどなんだったんだろうなありゃ?」

この男字が読めないようだ。

「まあいいや、さっさと入るか」

男は重そうな扉を片手で軽々と押し開けていく。
扉を開けると受付であろう場所に長蛇の列ができていた。

「なんだこりゃ?」

「バトルクラブ参加者はこの列にお並びください!!」

係員であろう女性が声を出している。
どうやらこの列は参加登録の列らしい。

「マジかよ。・・・しかたねぇ並ぶか、これも金のため俺のためっと」



しばらくしてこの男の順番がやってきた。
男の顔はすごく不機嫌そうで今すぐ暴れたいと顔に書いてあった。

「お待たせいたしました。参加申し込みですね?」

「ああ、そうだよ」

「ではお名前と参加するバトルをおっしゃってください」

「名前はケイクス、参加するバトルってなんのことだ?」

「ケイクス様、係員の説明を聞いていませんでしたね」

「うっ、すまん、イライラして聞いてなかった」

受付の女性の眼光に少したじろぐケイクス。

「しかたありませんね、ざっと説明します」

俺は説明を受けた。
なんでもここでのバトルはいろいろあるらしくて、大体の奴らはシングルバトルというものを選ぶらしい。
説明を受けてる中で一つだけ興味があるバトルがあった。
シングル1VS3というバトルだった。
このバトルは三人のチームに対して1対1の勝負を三回行うという物だった。
もちろん勝ったときの金額は一生遊んで暮らせる金額だった。

「おい、それじゃさっき言ってたシングル1VS3ってやつに参加させてくれ」

「!?・・・本気ですか?」

「ああん、俺が冗談を言うような奴に見えるか?」

「いえ、ですがこのバトルは途中で棄権をすることができません。それ相応の実力がなければ、確実に死にます。・・・それでも出場しますか?」

「男が一度言ったことを曲げるわけねえだろう。参加するつったら、参加するんだよ」

「わかりました。それではあちらの方にお進みください。途中に係りの者が扉の前で待機していますので詳しい説明はそちらで」

「おう」

ケイクスは臆することなくズンズンと進んでいった。

  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

シングル1VS3 控え室前

「ふああああああああああ、暇だな」

扉の前でのんきにあくびをする男。

「まっこんなところにくる物好きは命知らずな馬鹿だろうからな、今までここに来た奴は全員死んでるしな、しかしさすがに本ばかりじゃいい加減飽きてくるな、あーあ暇だー」

 コツコツ・・・・

「おっもう交代の時間か?いつもより早いな。さて今日は誰が来たのかな?」

足音に気づいた男はのんきにそんなことを言った。

 コツコツ ザッ

「あれ?あんた誰?」

「ああん、おめえこそ誰だよ?」

「俺はここの係員だ」

「ふうん、おめえが、俺はシングル1VS3の参加者のケイクスだ。なんか受付の姉ちゃんに詳しい説明はあんたに聞けって言われたけどって聞いてるか?」

係員の男は途中で口を開き驚いた表情をしていた。

「おめえ、何そんなに口を開けてるんだ?」

ケイクスの頭の上には?マークが飛び交っていた。

「・・・はっ!あ、あんた正気か!?なんでこのバトルに参加した!?」

「なんでって、金と面白そうだったからだ」

「ば、馬鹿なこと言ってんじゃねえよ!あんた見たところただの人間のようだが、相手がどんな奴かわかった上で参加したのか!?」

「ああ、たしか魔物が3対でチームを組んでるって聞いたぜ。それがどうかしたのか?」

「どうかしたのかじゃない!、相手はそんじょそこらの魔物とは訳が違う、このクラブのオーナでもあるデルフィニア様が集めた言わばエリートだ。その実力は並みの勇者クラスなら簡単に倒せるほどだ。それでも!あんたは参加するって言うのかい!!」

係員の言葉にケイクスは震えていた。

「なっ、今からでも遅くないべつn「・・・」ん?なんか言った?」

「はっはっはっはっは!!!!そうかいそうかい、並みの勇者なら簡単にやられるレベルかい!そいつは楽しみだぜ!!はっはっはっはっはっは!!!!」

「な、なんで、笑ってるの?」

「こいつが笑わずにいられるかい!!俺はよ人を殺すのが大好きなんだ!!!!特に自分は強ええと思ってる奴をぶち殺すのなんざ、よだれが出そうだぜ!!!!」

係員は震えていた。
目の前の男は確実にどこか壊れていると、そんなやつの近くにいて自分は大丈夫なのかと恐怖に震えていた。

「ああん、何震えてるんだよ?・・・!そうか、俺にビビッてんなさては?心配すんな、俺はイライラしていなきゃ基本的に人を殺したりはしねえよ。今は心底楽しみでな、お前なんかどうでもいいんだよ。ところで俺はどうすればいいんだ?」

「・・・!ああ、この部屋で待機していてれ。恐らくは現在あんたと戦う魔物が決められているはずだから」

「そうか、それじゃ待つとするかねぇ」

 タッタッタッタッタ・・・・

「ケイクス様!!いらっしゃいますか!!もし準備ができていたら闘技場までお越しください!!」

別の係員である女が走りながらそれを伝えに来た。

「どうやら待たなくていいようだな」

不敵な笑みを浮かべてケイクスは係員について行った。

「・・・何者だ、あいつ」

ただ一人残された男の係員が人知れず呟いていた。

  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「それでは、ご健闘をお祈りしています」

ケイクスは無言で前へと足を進めた。
闘技場に入ると、観客の歓声があがった。

「皆様お待たせいたしました!!!ただいまよりシングル1VS3のバトルを開始いたします!!!」

 ウオオオオオオオオオオ!!!!!!!

闘技場のボルテージが一気に上がった。

「今回のチャレンジャーは黒いつなぎが良く似合う、ケイクスだー!!!」

 ウオオオオオオオオオオ!!!!!!!

「対するは皆様ご存知のプライドの高い乙女達だ!!!!!」

 ヒャッホーーーー!!!!!!!!!!

この司会で観客は歓喜の声を上げた、どうやらかなりの人気者らしい。

「それではまずは先鋒の登場だ!!!」

司会が告げるのと同時に向かいの入り口から姿を現したのは長い耳とキツイ目つきが特徴的なエルフだった。

「エルフの弓使い!リーーーフーーーーー!!!!!」

 ヒャッホーーーー!!!!!!!!!!

「ああ、うるせえ」

ケイクスはあまりのうるささに耳に手を当てた。

「あなたが私達の相手ね」

「・・・」

「まったく、なんで私があなたみたいなゴミと戦わなくちゃならないのよ」

「・・・」

「何とか言ったらどうなのゴミ」

「はあー」

「あら?ため息なんて吐いてどうしたの?いくら死んでしまうからと言ってもそんな簡単にあきらめるものじゃなくてよ」

「ちげえよ、強い奴と戦えるって聞いたのにお前みたいな雑魚が出てきてがっかりしてんだよ」

 プチ

リーフのこめかみがピクピクと動いた。

「ま、まさか、こんな、ゴミごときに雑魚呼ばわりされるとは思って無かったわ・・・絶対殺す」

まさに絶対零度の殺気がケイクスを襲う。
しかし当の本人は全然気にもしなければ、動揺もしなかった。

「まあいいや、ささっと終わらせようぜ」

「・・・審判、合図」

 カーン!!!

合図とともにリーフは背中にある矢を取り、即座に放った。
その矢のスピードは速く、一直線にケイクスの額に飛んでいった。

 パシッ

しかし当たる直前にケイクスは矢を掴み取っていた。

「ふーん、結構早いな」

リーフは驚いた。
まさか放った矢を掴み取られるとは思っていなかったからだ。
いや正確には避けるのも不可能だと思っていたからだ。
並の人間なら避けることができないスピードで放たれていたのだ。
それを平然と掴み取るケイクスに素直に驚いたのだ。

少々認識を変えなければ、この男は強い。

「一本で駄目なら、何本でも撃つまで、食らいなさい!五月雨撃ち!」

リーフは何本も連続で矢を放った。
それも先ほどと変わらないスピードで、その光景はまさに矢の雨と言ったところか。

「ちっめんどくせー」

ケイクスもさすがに横に走って的を散らす。
しかし、横に走っている間も矢は途切れることなく襲ってくる。

「めんどくせーがそろそろだな」

そうケイクスは闇雲に逃げているわけではない、リーフの矢が尽きるのを待っているのだ。
そしてついに、リーフの矢が尽きた。

「くっ、しまった」

「矢が尽きたんじゃもう攻撃の手段は無いな」

「くっ・・・・なんてね」

「何?」

「矢が無いなら作ればいいのよ、こんな風にね!!」

リーフが弦を引き絞る、すると光が急激に集まり矢の形を作る。

「なっ!?」

「食らいなさい!!シャインアロー!!!」

光の矢が先ほどとは比べ物にならないスピードで飛んできた。
ケイクスは咄嗟にその場に伏せた。

 ドッカーン!!!

後ろにあった壁は見事に吹っ飛んでいた。

「どうかしら、エルフ族に代々伝わる秘技の感想は」

「やるねえ、だが所詮は弓、俺の敵じゃねえな」

「あら、そんな強がりがまだ言えるなんてたいしたものだわ」

「強がりかどうかはすぐにわかるさ、俺もそろそろ攻撃するからな」

そう言うと、ケイクスは持っていた白い布に包まれた物から白い布を引っぺがす。
布に包まれていたのはチェーンソーだった。

「さあ反撃開始だ」

「そんなもので私に勝てると本気で思っているの」

「ああ本気だ」

「なめるのも大概にしなさい!!!!」

ブチキレたリーフは再び狙いを定める。

「くらえ!!!ギガントシャインアロー!!!!」

先ほどまでの細い矢ではなく、手で鷲づかみができるほどの大きさの矢がケイクスを襲う。

「ふん、しゃらくせえー!!!!!」

 ギュイン ブロロン!! ブロロロン!!!

チェーンソーのエンジンを勢いよくかけて、突撃するケイクス。

「そんなもので切れるほど私の魔力はやわじゃないわよ!!!」

「それはやってみねえとわかんねえだろう!!!」

 バチッ!!! ギュイイイイイインンンン!!!!!

ケイクスのチェーンソーがリーフのギガントシャインアローにぶつかる。

「なっ!?受け止めた!」

「だっしゃああああああああ!!!!!」

 バシューン ドッカーン!!  ドッカーン!!

ケイクスは見事にギガントシャインアローを真っ二つにした。

「そ、そんな、馬鹿な・・・」

「余所見してる場合じゃないぜ!!!」

 ザシュリ!! ギュイイイイインンンン!!!!! ザシュシュシュシュシュ!!!!

「ぐぁ、ああ、あああああああああああああああああ!!!!!!」

リーフの腹部にチェーンソーが進入していく。
そしてそのままリーフを持ち上げ、更に刃を回転させる。
中途半端に止まっていたリーフの体が刃が回転したことによりズンズンと下に沈んでいく。
リーフがチェーンソーの根元に沈んだころにはすでに息は無く、完全に死んでいた。
ケイクスは全身にリーフの返り血を浴びていた。
まるで血の雨を浴びたかの様な姿だった。
あたりには血肉が飛び散り、血の池を形成していた。

 ブン ズザザザザザアアアア

もう用はないと言わんばかりにリーフを投げ捨てるケイクス。
観客もあまりの残虐さに唖然とするばかりだった。
中には涙を流し恐怖におびえる者もいた。

「さて、最後にお楽しみをさせていただきますか」

そう言うとリーフに近づいていくケイクス。
リーフの左胸にチェーンソーを押し当てる。そして。

 ギュイイイイイイインンンン!!!!! ザシュシュシュシュ!!!!

リーフの左胸を一気に切り裂いていく。
このときのケイクスの表情はまさに悪魔のような笑みを浮かべていた。
そしてある程度切り裂くとおもむろに血にまみれた心臓を取り出した。

「へえ、なかなかきれいな心臓だな」

しばらく眺めて。

 グシャ!!! ボタボタ!!!!

心臓を握りつぶした。

「うーーさいっこう!!!!心臓を握りつぶしたときのこの感触が最高だよ本当!!!!」

一人歓喜の声を上げるケイクス。

「あ、悪魔だ」

観客の一人がそんな言葉を呟いた。
なんとも言えない雰囲気の闘技場。
しかしケイクスはそんな場の雰囲気など気にせずこう言ってのけた。

「さあ、次の俺の獲物は誰だ」

殺人鬼のバトルはまだ終わらない。


TO BE CONTINUE
11/09/01 00:15更新 / ミズチェチェ
戻る 次へ

■作者メッセージ
みなさんお久しぶりです。
今回は名無し様のゲストキャラ、ケイクスです。
主人公として書いていますが、どうみても悪役ですね。
設定も性格が単純と書かれていたのですが、心臓を抉るのが好きな単純な奴ってどうなんだろうと思い、性格は単純と言うよりは・・・バカかな?
あれこれって結局単純って意味かな?
まあそれはともかく今回バトルクラブ初の魔物娘の残虐な殺人シーンを敢行いたしました。
一応はあと二人ほど死ぬ予定です。
見るのが辛いよという方は申し訳ないとしか言いようがございません。
今回は名無し様の意見を尊重してチャレンジした結果です。
正直、ちょっと楽しみながら殺している俺と心を痛めながら書いている俺が居て複雑でした。
それとは関係ないんですが、これ書くの今日は2度目なんですよ。
書き上げたと思ったら、間違って×を押してしまい、悲しい目にあいました。
皆さんも小説を書くときは十分に注意しましょう。

それでは最後に読んでくださった皆さんありがとうございます。
ドシドシ感想をお待ちしております。

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33