連載小説
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act27・絶叫!パワフル草野球2011 ゲームセット
3…


2…


1……きゅー!






(画面の前のお友達も一緒に歌ってみよう)
『草野球天国』 (元ネタ・影山ヒロノブ『ベースボール天国』)
歌・ロウガ=サワキ


また来たな よく来たな
他にも良い作品(やつ)あるだろうに
セラエノの野球場
お前らよく来たね

振り返ればライバル バット振って襲い出す
なんて素敵な乱闘だろう
戦(いくさ)忘れて 一緒に殴り合う
嗚呼、夕日が染みる なぁダチ公

魔物たちとやる野球は こっちも命懸けだけど
野球、好きなら構わない
あっという間に ノーアウト満塁!?
嗚呼、とんでもないね

素晴らしい草野球天国
泣いても泣かされても 生きてる心地がするぜ every Happy

また逢おう また逢おう
ゲストのみんなで集まって
黄昏の野球場
魔球を持ち寄って
everybady
奇跡でも 不思議でも
デタラメだから楽しいね
ホームランの放物線
その先に夢を見て…
everybady
また来たな よく来たな
他にも良い作品(やつ)あるだろうに
セラエノの野球場
お前らよく来たね











さぁ、ついにゲームは最終回、9回の裏を迎えております。

綾乃
「7回の見せ場の後、特に見せ場がないままチーム志雄が5対4で1点リード。チーム志雄はアンブレイ投手続投のままで行くようだな。ところで、実況。」

はい何か?

綾乃
「前回を『ダイジェスト1』と銘打ってやっておいて、いきなり最終回とかどういう料簡だ。貴様の返答如何によっては……斬る。」

うわ、放送席で太刀を抜かないでください!!
えっとですね。
わざわざダイジェスト2をやるほどの見せ場を考え付かなかった、というのもあるのですが……、このSSの元になっているPSP版パワプロ2010でのシュミレーションでも8回に見せ場が起こらなかったからというのが本当です。
だから綾乃さん、とりあえず無言で私の腹を刺すのはやめてもらえませんか?
うん、超痛い。

綾乃
「…………まぁ、死なれても困るしな。」

ありがとうございます。
でも、刺したまま抜いてはくれないんですね。
さぁ、9回裏すでに2アウトのチーム雷紅狼。
この回最初のバッター、7番イチゴ選手に代わって代打のノエル=ルオゥム選手をセカンドフライに討ち取り、続く8番アルフォンス選手がつわりのためにベンチに下がって代打のガーベラ選手を3球三振で仕留めるなど、アンブレイ選手、変化球が冴え渡り、チーム雷紅狼の代打構成に反撃の機会を与えません。

綾乃
「……むしろ妊娠中にプレイするなよ。私も人のことは言えたものじゃないが…っと、アンブレイ選手の情報が入ってきたな。前回伝えたように、アンブレイ選手は投げれない変化球はないそうだ。すべて特性の糸でボールに魔力を流し込んでいるから自由自在に操れる……って、これ変化球じゃないじゃん!!」

変化球です。
現実世界の野球でも『ボールに魔力を流し込んで操ってはいけない。』というルールが存在しない以上、限りなくグレーな投球ですが反則ではないので、変化球として認められています。




(ベンチにて)

イチゴ
「こんの馬鹿弟子がー!!ワシの代わりも務め切れんとは情けないのじゃー!!!」

ノエル
「よ、余は弟子になった覚えはない!!それにそなただって全打席三振しただけではなく、この試合のチャンスをすべて台無しにしたではないか!!そもそも今回、余は出番がなかったはずだから準備運動もしていないのに、あんなデタラメな変化球が打ててたまるか!!!」

アルフォンス
「む〜〜〜、吐き気が〜〜……。」

ガーベラ
「あわわわわ!?お姉ちゃん、つらかったら病院に連れて行くよ!!」

ネフェルティータ
「投げ切った……、最終回まで投げ抜きましたよ……。本当に代えのピッチャーを用意していないなんて……、これは一体何ていう責め苦ですか…。明日、筋肉痛が出ないように、今夜はセトにお風呂でマッサージしてもらわないと…。あ………、でもこれってロウガさんが私を信用して任せてくれたんですよね…?そうすると…………、この疲労と明日の筋肉痛はロウガさんの愛の証?…………うん、まだ頑張れそう。」





これで最後のバッターになってしまうのか。
バッターは9番・宗近選手。
本日の成績はノーヒット、1打席目で四球で出塁しただけです。
今シーズンは1割9分9厘、14本の本塁打を記録。
低迷した今シーズンでしたが、綾乃さんは個人的に友好があるようですが、今シーズンの彼女の印象は綾乃さんの目から見てどうでしたか?

綾乃
「そうだな……。こんなものではない、というのが身内贔屓の感想かな?」

なるほど、ありがとうございます。
さぁ、サイン交換を終えてアンブレイ選手、マウンドのプレートを踏みます。
おっと、ここで宗近選手、バントの構えです。
これは一体どういう作戦なのでしょうか?

綾乃
「わからないな…。でも、忘れてはいけないのはチーム雷紅狼を指揮するのはカズサという古狸で、それを実行するのが稲荷様ということだ。絶対に何か裏があると思うんだ。」






アンブレイ
(今頃バント?まぁ、俺の七色の変化球にかかればチョチョイのチョイってやつだな。)


ズザッ


アンブレイ
(お望み通りバントさせてやるよ。すでにヒロのガキがバントシフトのサインを出しているしな!忌々しいけどよ、サードのクックは馬鹿みたいに肩が強いし、ファーストのキリアの足はフレック級の速さだ。どんなにやっても負けねえ勝負。本編じゃ喰われて死んじまったけどよ、今度こそ俺は勝ち組になってみせるぜぇ!!!!)





アンブレイ選手、振り被って………投げたストライク!!
宗近選手、一旦バットを引いて様子を見ました。
何やらベンチとアイコンタクトでサインを交換している模様。
いやぁ、球場全体に怪しい雰囲気が広がっていますね。

綾乃
「それはそうと、稲荷様のユニホーム。あれはどうにかならないのか?上着のサイズが合っていなくて、ボタンが止まっていなくて……、む、胸の谷間が物凄い自己主張しているじゃないか。」

あ、あれですか?
どうやらチーム志雄のクック=ケインズ選手対策だそうです。
彼、巨乳に目がないという噂だったので、敢えて谷間を強調することによってクック選手の集中力を落とそうという狙いがあるそうですよ?

綾乃
「……いや、何だか稲荷様の趣味のような気がしてきた。」

そうこう言っている内に、アンブレイ選手、振り被って……投げました!
変化球、ストライク。
これで2ストライク、追い込まれてしまいました。
宗近選手、未だバントの構えを変えません。
内野は前進守備、ヒロ選手は念のために外野も前進守備を指示します。
さぁ、これが最後になってしまうのか。
アンブレイ選手、振り被って……。




アンブレイ
(へへ……、次で最後だ。俺は変化球投手ってイメージが付いているけどよ、案外直球も捨てたもんじゃないんだぜ…。)

ズザッ

アンブレイ
(ラストは渾身のストレート……。)
「喰らいやがれぇぇぇぇぇ!!!!」

シュッ………


宗近
「ほほ……、可愛い坊やですこと。
 それを…………、待っていたのです!!
 破ぁぁぁぁぁっ!!!!


ぐわっしゃっ……



秘技・真鎧通し



アンブレイ
「馬鹿な!?『燃えろ!!プロ野球』じゃねえんだぞ!!!」





打ったぁぁぁぁぁぁ!!??
アンブレイ選手の渾身の148キロのストレートを、信じられないことにバントで高々と放物線を描いて打ち返しましたぁぁぁー!!!!
センター、リオン選手、一歩も動けないまま打球を見上げて………
入った、ホォォォォームラン!!!!
バックスクリーン直撃の特大バントホームラン!!!
信じられません、まるでファミコンのクソゲーのようです!!!
アンブレイ選手、未だ信じられないものを見るかのように、バックスクリーンを呆然と見詰めたまま動けません!

綾乃
「稲荷様だから出来る芸当だな。ボールがバットに当たった瞬間、カズサ以上の威力を誇る真の鎧通しを、バット越しでボールに叩き込んだんだ。これも手で打ってはならないというルール通りだから問題はないはずだな。」

そうですねぇ、綾乃さん。
宗近選手、ファンの声援に手を振りながらベースを一周します。
そしてそのままホームベースを………、おお!!
バック転で踏んでホームイン!!
まるで現ソフトバンクホークス監督、西武ライオンズ時代の全盛期の秋山監督のような派手なパフォーマンスで、ついに9回の裏、チーム雷紅狼、同点です!!
さぁ、これで負けはありません。
後はこのまま同点で終わるか。
それともサヨナラ勝ちという夢を掴むのか!!
尚、今回は延長戦はありません。
3時間半ルールを採用しているため、この回が正真正銘最後の回になります。

綾乃
「3時間どころか、3ヶ月も放置していたクセに。」

しゃーらっぷ!!!





宗近
「ほほほ…、敢えて上総乃丞と不仲を装ってみたり、今シーズンを棒に振って打撃不振を装ってみて正解でしたわね。こういう土壇場で油断してくれるから経験の浅い若い子って好きですよ♪これからもお姉さんの良いカモでいてくださいね♪♪」

みしみしみし……

宗近
「……あら?何の音かしら?」

ブチンッ(ユニホームのボタンが千切れた音)





―――――――――――――――――――――――――――――――――


チーム志雄、選手の交代をお知らせします。
ピッチャー、アンブレイ選手に代わりまして、紅龍雅選手。
そして出血多量で倒れたクック=ケインズ選手に代わりまして、三塁にファラ選手のご子息、リトル=アロンダイト選手が入ります。





リトル
「え、もしかして僕の出番ってこれだけ!?」





綾乃
「……尚、クック選手の出血多量はうちの稲荷様が原因です。無理に小さなユニホームを着るから、ボタンが弾け飛んでしまうんですよ。むしろ稲荷様、この放送聞いていたら反省してください。せめてアンダーシャツくらいきてください。いや、それよりも下着ぐらい付けてください!!」

えー、場内では嬉し、もとい、けしからんハプニングがあり、ざわついております。
チーム志雄は、ゲスト最大の切り札、紅龍雅選手を出してきました。
本編においては、ウェールズ=ドライグ選手と合わせて第二部二大看板の一人として宿利作品オリジナルキャラを差し置いて、主役に抜擢された実力者。
先程、更新された第100話で、ついに立身出世の最終目標である皇帝に就任するなど、目覚しい活躍を見せております。
そんな訳で、本編『Lost in BLUE』もよろしくお願い致します。

綾乃
「変なところで宣伝を入れるな。」

サーセン。
さぁ、投球練習が終わって、マウンド上。
龍雅選手とヒロ選手が打ち合わせしております。
尚、この二人組みですが、セラエノ学園の保健体育教師、ホルスタウロスのアスク先生によれば、『絶対デキている』との見解を寄せられております。

綾乃
「ああ……、アスク先生の…。でも六え…じゃなくて龍雅は私の弟分で幼い頃から知っているのだが……、カズサと違って衆道の気はなかったぞ。その証拠に、アルフォンス嬢との間に子供も出来ているようだし、あいつは巨乳が好きだし………うん。何だか言っててムカついてきたな。試合が終わったら捻り潰してやろう。」







龍雅
「な、何だか悪寒が…!?」

ヒロ
「大丈夫ですか?」

龍雅
「あ……ああ、大丈夫だ。おそらく昨夜、たっぷり汗を掻いたにも関わらず裸で寝てしまったのが原因だろう。いかんなぁ……、妊娠中ってことでアルフォンスと最後まで出来なかったのに、お互いに口やら手やらで求めて……。途中から完全に責められ続けて、気が付いたら朝だった…。」

ヒロ
「あの……、紅将軍……。私、こう見えて経験がないので………その…。」

龍雅
「ああ、すまんすまん。ま、大人の特権ってやつだ。」

ヒロ
「しかし、こうして同じチームで一緒に戦える日が来るとは思っていませんでした。いえ、あなたと共に戦えることを夢見ていたと言っても良い。本編では完全に敵味方に分かれてしまっていますが、あなたは私の尊敬する人の一人です。」

龍雅
「まぁ、そう固くなるなよ。硬くして良いのは、股間だけだぜ?」






さぁ、打ち合わせが終わったようです。
キャッチャーのヒロ選手、ポジションに戻りまして試合さいか…っと?
チーム雷紅狼の沢木監督がベンチから出てきました。
どうやらここで代打のようです。
1番、途中出場のルシフェル選手のところで代打です。
ルシフェル選手は3打数2安打と今日、当たっている選手ですが、まさに最後の代打攻勢。
出し惜しみはない、ということでしょう。



アナウンス(ルナ)
『えー……けほん。選手交代のお知らせを致します。バッター、ルシフェル選手に代わりまして、ロウガ。バッター、沢木狼牙。背番号90。』



綾乃
「はぁ!?」

これは驚きました!!
まさに元阪神タイガース監督、藤村富美男氏の伝説、『代打、ワシ』!!
水島信司氏の『あぶさん』こと、景浦安武の背番号90を付けて、そして手に1mもある規格外の長いバットを手にして沢木監督が出てきました。

綾乃
「………おかしい。」

どうしました、綾乃さん。

綾乃
「あの顔は何か企んでいる時の顔だ…。わざわざ長打を狙えるルシフェル選手を引っ込めてまでカズサが出てくる理由が見当たらない…。」







狼牙(二代目がいるので敢えて漢字表記)
「クックック……、久々の出番だぜ…。作者の野郎が、外伝で俺を出すとか言っておきながら、本編の進み具合でしか外伝を書けないことをすっかり忘れていたおかげで……、俺は第二部になって完全空気だもんな。悪いな、ベニロク。俺が目立つお膳立てをしてくれて。」

龍雅
「ふっ……、気にするな沢木。俺とお前の仲じゃないか。いっぺん、テメエとは決着を付けておきてえと思っていたところだし、ちょうど良かったのさ。ところでこんな諺知ってるか?年寄りの冷や水って。」

狼牙
「知ってて、返してやんよ。老いて益々盛んって諺もあるんだぜ。」

龍雅
「奥さんの前で泣きっ面かかせてやらあ!!」

狼牙
「吐いた唾飲まんとけよ、ゴラァ!!!」





険悪です。
この二人、仲が良いんじゃなかったんじゃないんですか!?

綾乃
「同族嫌悪ですね。」

いや、それを言ったら綾乃さんだって…って綾乃さんも沢木監督の遠縁に当たるんですよね?
思いっ切り親族婚じゃないですか!?

綾乃
「ああ、確かに家系図的にはそうだけど、沢木家本家と紅家、それに私の沢木分家は実はそれ程近い血統じゃないんだ。龍雅の父上は、いくつかある沢木分家の一つから紅家に養子に出されたお人でね。私の沢木分家は、父上の何代か前に枝分かれした家なんだ。だから苗字こそ同じだけど、血の繋がりは薄いんだよ、私たち。」

本編の裏設定を語っていただきありがとうございます。
沢木監督は左打席に入ります。
左腕一本で打つつもりです。
今シーズンの成績はもちろんありませんが、現役生活での通算成績は打率2割9分9厘、本塁打412本、そして安打数は1622を記録しております。

綾乃
「……一体、いつプレイしていたんだ?」

それは言わない約束です。
さぁ、主審がプレイをかけまして試合再開です。
紅龍雅選手は今シーズン、アルヴァロス選手、アンブレイ選手と共に抑えの三本柱、『ArAnTトリオ』として見事レギュラーシーズン1位通過の原動力、不動の勝利の方程式の締め括りとして活躍して参りました。
そして沢木監督とはまさに因縁の対決。
最後の大勝負、目が離せません!!





龍雅
「ストレートだ!!」

ヒロ
「……!?」

龍雅
「この勝負、全球ストレート勝負だ!!!沢木に変化球で勝ったとしても何の自慢にもならねえ。こいつには力で捻じ伏せて初めて勝ったと言えるんだ!!ヒロ、お前も気合を入れろ。目の前の老人は、お前が考えるより遥かに人外の化け物だ!!!」

ヒロ
(……わかりました。紅将軍、この勝負……、あなたに預けます。全球ストレート、渾身の力で私のミットに叩き込んでください!!)

龍雅
「…………ヒロ、………お前の魂、受け取ったぁぁぁぁぁ!!!」






龍雅選手の足が高らかに上がる!
まるで巨人の星のようにダイナミックなフォーム!!
そこから満身の力を込めて、一球目を………。





龍雅
「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

狼牙
「魔力解放!!!」





沢木監督の右腕が動いた!!
しっかりとバットを握り締め、スイング開始の力のタメを作ります!!





龍雅
「沢木!!」

狼牙
「来い!我が宿敵!!!」

龍雅
「喰らえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」


剛ッ!!!


狼牙
「喰らう!!!!」


カキィィィィーン………





―――――――――――――――――――――――――――――――――



《打ち上げ会場・居酒屋 フラン軒にて》

リトル
「ひどい話じゃないですか。僕なんか本編で出番削られていっているんですよ。それなのに、あんなチョイ役なんてないじゃないですか。義父上はあんなに目立ったっていうのにー。」

リオン
「まあまあ、僕なんか本編で途中退場しちゃいましたし、出番のことは言いっこなしで…。後、飲みすぎですよ?お姉さーん、空いたジョッキ片付けてくださーい。」

リトル
「知っているんですよ、僕は!リオンさん、出番がないって言っていますけど、外伝でレギュラーになるって!もう打ち合わせとか撮影準備だって終わってるそうじゃないですか!!」

リオン
「うわ、それを今言っちゃう!?駄目だよ、君だってこれから美味しい思いするって、僕知っているんですよ!!台本見せてもらった時には、心の底から羨ましかったんですからね!!!」

レオン
(お前だって、色々美味しい思いをするクセに……。)






ヒロ
「まさか、あのストレートを打たれてしまうとは…。」

アンブレイ
「まぁ、クヨクヨしなさんな。俺だってバントでホームランとか訳のわからない状況で失点したんだぜ。お前のせいじゃないさ。敢えて今日の負けの原因を挙げるなら………、クック!!テメエが初回にベースを踏み忘れていなかったら勝てたんじゃねえかぁぁぁーっ!!!」

クック
「……あ?何か言った?」

ヒロ
「うわ、灰皿に凄い本数!?」

アンブレイ
「……ああ、お前まさかまだオッパイをグローブで触ったことを気にしてんの?」

クック
「まあな。」

アンブレイ
「たくっ、しけたツラしてんじゃねえよ!仮にもこの俺様をぶっ倒した野郎が高々オッパイ程度で沈んでんじゃねえ。第一、テメエには本編に帰れば立派なオッパイ持った婚約者がいるじゃねえか!!帰ったら下半身のお世話してもらえ、コンチクショウ。」

ヒロ
「え、クックさん、婚約されているんですか!?それでしたら尚のこと、その女性を思えばこそご自重なされた方が…。神の教え云々というか人として、じょ…、女性の胸ばかりに気を取られてはいけません。」

クレイネル
「その通りですよ。」

ヒロ、アンブレイ、クック
「「「いたの!?」」」

クレイネル
「失礼な。所用で席を外していましたが、私もこうしてワインを嗜んでいたところです。私が言うのもアレですが、あなたもそろそろ私のライバルキャラだって自覚をお持ちになりなさい。」

クック
「いや、俺、本編ではかなり頑張ってんだけど…。死にかけたし。」

クレイネル
「努力が足りないというのです。すぐに巨乳如きにうつつを抜かすからゼロみたいな単細胞の戦闘狂にも追い詰められてしまうのです。」

クック
「いや、あいつはマジ強いし…。」

クレイネル
「…………まぁ、良いでしょう。ところで表にあなたを迎えに来た方がいますよ。私も顔見知りなので言伝を預かっていますが、他人の乳に触れなかったことで号泣したこと、あちらの稲荷のユニホームが破れて乳が露わになった時も意識を失う程出血したこと、後こちらの世界で作った訳のわからない借金のことで、とってもキツイお話があるとのことです。……………ラモナが。」

クック
「(がたっ)お、俺は逃げる!!何でそれを早く言わねえんだ!!!」

クレイネル
「それはあなたの成長を心待ちにしているからですよ、ふふふ…。そう、これは試練なのです。あなたが私という頂に辿り着くために、人として一皮剥けるための大いなる試練なのですよ♪」

アンブレイ
(酔ってる…。クレイネルの野郎が珍しく酒に酔ってる…!?)

ヒロ
(クックさん……、ご愁傷様です…。)






ネフェルティータ
「(ごきゅ、ごきゅ…)ぷはぁ♪運動した後は冷たいビールが美味しいですね、イチゴ先生♪あ、アケミさーん!!よ〜〜〜く冷えたビールを大ジョッキで2つ追加お願いしますー♪後、お摘みに唐揚げと枝豆と冷奴………、あ、それと焼き餃子とネギ塩カルビもー!!!」

イチゴ
「よく飲んで食えるのう。」

ネフェルティータ
「ビールなんて水みたいなものですよ〜♪」

イチゴ
「ワシも人のことは言えんのぅ。おーい、アケミ!!ワシにはよく冷えた日本酒を大ジョッキで3つ追加じゃー!!ツマミは焼き鳥を適当に40〜50本!それとトンコツラーメン、背油とニンニクとチャーシュー大目に!!ええい、面倒じゃ。やっぱり日本酒は樽ごと持ってくるのじゃー!!!」

ネフェルティータ
「あ、私もそれいただきます〜♪」

イチゴ
「深夜のテンションとは愉快なものじゃのう♪普段だったら食えんコッテリ系も難なく胃の中に納まってしまうわい。ところでオヌシ、次のお仕事の話、聞いておるか?」

ネフェルティータ
「いっただっきまーす…え?次の仕事ですか?」

イチゴ
「その様子じゃと聞いておらぬようじゃな。次回、『風雲!セラエノ学園』は久し振りにラジオ放送をするのじゃ。しかもただ放送するだけではないのじゃぞ。なんと、公開録音をするのじゃ!!」

ネフェルティータ
「こ、公開録音!?色んな人たちの前で……、私たちのあの恥ずかしいトークを見られながら録音しちゃう訳なんですね…。」

イチゴ
「うむ、しかもやっと相手方の事務所とも話が付いてのぉ……。ワシらの前番組のメインパーソナリティーの一人、ステラの嬢ちゃんがゲストで来てくれることになったのじゃ!!収録前に存分に揉み倒すのじゃ〜♪」

ネフェルティータ
「あまり変なことしないでくださいよ。ただでさえ、私たち……、むしろあなたが無茶苦茶やりすぎるせいで業界では評判があまり良くないんですから。で、どこで収録をするんですか?福(わん♪)yahowドーム?それともライブハウス武(わん♪)館ですか?」

イチゴ
「うんにゃ?そんな金があると思うか、わん娘め。聞いて驚け、見て笑え!ワシらが晒し者にされる聖地の名は………。」

ネフェルティータ
「(どきどき♪)」

イチゴ
「セラエノ鉱山温泉。」

ネフェルティータ
「ぶはっ!?素っ裸で晒し者!?」






綾乃
「ふふ……、お前は今日から雷紅狼だよ。その名に恥じない立派な男になるんだよ。」

雷紅狼
「あぶ〜♪きゃっきゃっ♪♪」

アスティア
「可愛いね、マイアが生まれたばかりを思い出すよ。」

マイア
「うわ〜……、ほっぺたプニプニしてる…。赤ちゃんって、こんなにホコホコしてて柔らかくて…、良い匂いがするんだね、母上。」

綾乃
「マイア殿、あなたもすぐに母親になれるよ。」

アスティア
「ところでお前の未来の旦那さんはどこにいるんだい?」

マイア
「………あそこ。」

ルッツ
「きゃ〜〜〜〜〜♪若いお父様って可愛い〜〜〜〜♪♪」

ルカン
「あ、ルッツ姉さんずるい!!私もお父様を抱っこしたいのにー!!!」

レアス
「未来では凛とした美人ですけど、過去のお父様ってホントに女の子みたい♪」

ツバキ
「父上、私が何かお飲み物をお取りしましょうか?」

サクラ
「マ、マイアさん!!それかロウガァァァー!!!たーすーけーてー!!!」

アスティア
「……………まぁ、未来でも家族仲は良いようで安心したよ。で、ロウガの名を継ぐあの子はどうしたんだい?さっきから姿が見えないようだけど。」

マイア
「ああ……、宴会から抜け出してルゥおば様のお店に行ったよ。あいつの嫁さん……、母上と同じ名前の同族なんだけど、彼女と一緒に…ね…。アレは父上の血というよりも、ダオラさんの影響だよ。」

綾乃
「子供ってそんなものさ。親の影響を受けなければ、もっと強烈な個性に影響を受けて大きくなるものだよ。で、カズサの名を継ぐ子に影響を与えた龍はどこに………って、店の端で稲荷様と……、彼女と同族と一緒に飲んでいるね。」

マイア
「………巨乳ばかりだから入り辛くって。」









ハインケル
「魔法お兄さんハインケル参上!魔法の陰謀でサーチ&デストロイ!!!」

ルシフェル
「魔界の平和は私が守る!!真(チェンジ)お面ライダー見参!!!」

ノエル
「誰だ、この者たちにウオッカ飲ませた愚か者はー!!!」

アケミ
「きゃあああああああ!!!店のお酒がほとんど消えてるー!!!!」

ネヴィア
「ああん……、ちょっと酔ってしまいましたわ…。」

ファラ
「………テーブル……グラスで埋まるほど………飲めば…な…?」

フレック
「スポーツってのも良いものだな。殺し合いをしなくて良いし、動くだけ動いた後の食事は美味いし、言うことなしってやつだな。」

シリア
「うん!そしてこの後で、夜のスポーツの時間だ!!」

フレック
「だが、断る。」

フレイヤ
「だからあれ程、力押しばかりでは失敗をすると教団時代から言っていたじゃないか。ヒロの指示に従っていたら、無失点で抑えられたかもしれないのに、お前の悪い癖だぞ。年下を軽視して失敗するのは。」

コーネリア
「ワシだってなぁ……。ワシだってなぁ…。えぐっ…、えぐっ…。」

ガーベラ
「ウェールズさん、好きです!!抱いてぇー!!!」

ウェールズ
「落ち着け!!むしろお前は未成年だろうが!!!酒飲んで何を口走っている!!!!どこでそんな知識を得やがった!!!!」

ガーベラ
「レディコミー!!!」

ウェールズ
「脱ぐな!!だから俺はロリコンじゃない!!!何度も言うが、俺は史上最強のマザコンだぁぁぁ!!!」



狼牙
「待たせたな。」

龍雅
「首尾は?」

狼牙
「安心しろ、ちょっと色を付けて振り込んで来た。」

龍雅
「ふっ、毎度有り。だが、誰一人気が付いていないようだな。」

狼牙
「ああ、さすが俺たちだと言うところだな。」

龍雅
「まさか俺とお前の勝負が八百長だとは気が付くまい。」

狼牙
「最後の渾身のストレートが、実は打ちやすいただの棒球だとも気付くまいよ。」

龍雅
「ふっふっふっふ……。」

狼牙
「クックックック……、でだ。何で急に金が必要になったんだ?」

龍雅
「いやぁ……、子供も生まれるし、アルフォンスの妹さんも一緒に暮らせるくらい広い家に引っ越そうと思ったら結構物入りでさぁ。金は天下の回り物とは言うが、どうやら俺のところに回ってくるのはもっと後らしい。そんな訳で金が必要になったのさ。」

狼牙
「…………ったく。そういうことならそうと言ってくれよ。今度は八百長とか抜きで、俺が何とかしてやるからさ。お前は俺の弟分だ。その弟分のために金を出すくらい惜しくも何ともねえんだからよ。」

龍雅
「すまんな……。」

狼牙
「謝んな、馬鹿。さあ、俺たちも飲むぞ!!今夜は肝臓がパンクするまで飲んで飲んで飲みまくるぞ!!!ついでに脱いで踊って、楽しもう。なぁに、どうせその内、みんな脱いで飲みだすんだからお前も気にすんな♪」



11/07/01 21:57更新 / 宿利京祐
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■作者メッセージ
ついに草野球編完結です。
長らくお待たせしてすみませんでした。
そんな訳で、沢木さんちの次男坊は『雷紅狼』に決まりました^^
志雄の名前、ですが……。
別の機会で再利用させていただこうと思っております。

そんな訳で次回、久々のラジオです。
いつも通りに、お悩み相談、ふつおたのコーナーをしますので
お便りをお待ちしております^^。
お便りはいつも通り、感想板かメールにて受け付けております。
次回ゲストは、沈黙の天使様より許可をいただいたステラちゃん!
それにともない新コーナーもやるので、どうぞお楽しみに!

では最後になりましたが、
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
長丁場、お疲れ様でした。
また次回、セラエノ学園ラジオにてお会いしましょう^^。

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