連載小説
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四月十日 満開の桜の下で
ピピピッ、ピピピッ、ピピピッ…カチャッ…―
僕は七時になるようにセットした目覚まし時計のスイッチを押して上体を起こして大きく背伸びをする。
僕の名前は河野翔(しょう)というまだ15歳の青年です。
そして今日は僕が通い始める「花白高校」の入学式でもある。

「ふぁあ〜ッ…眠たい…」

自分の部屋を出るとそこから広がるのは縁側からみえる大きな庭でありそこには一本の大きな桜が咲いている。
そしてそこに何やらゴソゴソしている何かがあった…―
んッ、ちょっと待って…。
僕はもう一度その何かを凝視してみると…―

「…えッ、どうして袋が…」

僕は縁側にある下駄を履いてからその袋に近寄る。
そしてその袋はモゾモゾしている。
そこでその袋の紐を解いてみると…―

「お、女の子…」
「…すぅ…すぅ…」

その袋を開けてみると袋が開きそこから白い長髪の女性が中で寝ていた…―
そしてこれが僕の人生を変える体験になろうとは思っても見なかった…―



僕はその女性を人生初のお姫様抱っこをしなが朝ご飯を食べる居間に向かう。
しかし僕は思うことがある。
それはこの女性に生えているものがまずは頭には黒い角、背中には黒い羽根、そしてお尻にある尻尾である。
間違いなくこの女性は人外であり俗にいうリリムであると判明した。
そして僕は足で居間の襖を開く。

「おはようお爺ちゃん」
「うむ。おや翔?その今お主がお姫様抱っこしているリリムは何者じゃ?」
「僕にもわからない。ただ桜の下で寝てたから」
「ふむぅ…、まぁ、良かろう。お主は朝食を食べて制服に着替えて学校に向かいなさい。後は紗代ちゃんと儂でやっておく」
「お願いします」

いま僕と話しているのはこの家の家主である宰相彰三(しょうぞう)という僕のお爺ちゃんである。
それから紗代というのはこの家で専属家政婦をしている女性である。
そして僕はリリムをお爺ちゃんに差し出してから自分の部屋に向かい学ランに着替えて玄関で靴を履いて玄関の戸を開ける。

「行ってきますッ!!」

そして僕は玄関の戸を閉める。

◇〜マリア視点

ここは何処なの?
あぁ、自己紹介を忘れていたわね?
私の名前はマリア・シルヴァーノというリリムよ。
そこで聞きたいのだけどどうして目が覚めたら別の部屋にいてそれでこのマッスル老人は何者よッ!?
そして隣にはジパングの服をきた女性がいる。

「ふむぅ…、自己紹介が遅れたの?儂の名前は宰相彰三というものだ。そしてこの隣にいるものは儂の専属家政婦の三根紗代(さよ)というものじゃ」

彰三という筋肉老人は微笑み、紗代という家政婦は床に手を付き頭を下げている。

「ま、マリア・シルヴァーノよ」
「ふむぅ、マリア…。お主に聞きたいことがあるんじゃが?」
「ええッ、どうぞ…」

彰三は私を鋭い視線で見つめる。
そして私も見つめ返すがそこでニコニコしている紗代は何を考えているのかが分からない。

◇〜翔視点

入学式が終わり僕は通学路を歩いている。

「おーいッ!!」

僕の後ろから呼び止める人の声がする。
そして僕は振り向くと…―

「よぅ翔。相変わらずだな?」
「やぁ徹。徹も相変わらずだね?」

いま一緒にいるのは相坂徹(とおる)という僕の親友である。
そして僕らは帰り道が一緒なので中学まではよく二人で帰っていた。
そして徹が同じ高校とは嬉しい限りだ。

「なぁ、お前は聞いたか?」
「んッ、何を?」
「決まってるだろッ!!部活動だよ」
「あぁ、部活ね?ごめん僕はしないよ?」
「そうかぁ?おっとッ、それじゃあまた来週な?」
「うん。またね」

僕は徹を僕の家の前まで見送りそして僕は玄関を開けると…―

「ただいま」
「おかえりなさい」
「ただいまお爺ちゃん。それでリリムはどうしたの?」
「それがの?…おぉいッ、帰ってきたぞ」

お爺ちゃんが後ろを向いて誰かを呼び出すと厨房から先ほどのリリムがエプロン姿で同じ姿の紗代さんと一緒に現れる。

「今日から一緒に暮らすことになったマリア・シルヴァーノじゃ」
「…よ、よろしく」

僕は玄関で鞄を落として…―

「えええええええええええええッ!!!」

僕は玄関で大声をだして驚く。
この先が心配になりました…―
12/04/03 15:54更新 / パンドラ
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■作者メッセージ
三作目です。
いやぁ〜、難しかった…。
次回はどうしようか悩んでしまう…。
では次回をお楽しみにッ!!

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