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2話:多々良さん

 現在、五月の終わりごろの昼下がり。外の日差しは燦燦と照っていて、まだギリギリ春ではあるが夏ばりに暑い。ここ数年間は季節の区切れ目がよくわかんなくなっていて、夏夏冬冬ぐらいに感じられる。
 そんな中僕はアウトドア用の長袖ジャケットと長ズボン、帽子を着用させられ、さらに重たい木箱を背負わされ、コンビニの前に立っていた。
「……」
「よく似合ってんぜー。ほれ、虫よけスプレー」
 僕に虫よけスプレーを散布するメイさんも、同じように長袖長ズボン帽子に木箱という格好をしていた。
 今回僕は、東の片割れへの配達と共にお姫様との面会を行うのだ。配達の方はここに住まわせてもらっている礼で手伝うことになったのだが、もう片方は僕の中立の立場を保つ条件として双方に対する幾度かの顔合わせが求められたから行くのである。
「で、メイさん、このクソ暑い恰好は一体」
「本当は村に着いてからでもいいんだが、その分荷物が重くなるからな。今ここで着ていく」
「でも、東まで行くのにここまでする必要ありますか?」
「問題は東に着いてから姫さんのとこに行くまでだ。入り口からも屋敷は見えるし、案外近いように思うけども、あれはあえてそう見せているらしい。実際はかなり遠いし、途中で森に入らなくちゃならねぇ」
「えぇ……何のためにそんな嫌がらせみたいなこと……」
「嫌がらせ、なんだろうなぁ」
 二人の姫様の対立。それがあったとしてもお互いの勢力に全くの出入りがないわけではないということらしい。だからこれはやってきた向こう側の使節に対する姫様の精神攻撃なのだろう。初見で村に入って、そのままなんの装備もしなければひどい目に遭うと。
 となると、西も同じことをしているのは想像がつく。あっちの屋敷もかなり遠い位置にあるのだろうなぁ……
 あぁ、なんとさもしい争いか。子供か。
「さて出発だ。東に着いたらいったん休憩だからそこまで頑張るように!」
「ら、らじゃー」

 さて、とりあえず東までの行程は暑い暑いと唸るだけで特に語るべきこともなかった。
 しかし、東の片割れの入り口から村に入ったとたんに、今までの暑さも吹き飛ばすような悪寒に襲われることとなった。
 あの時と同じような視線だ。淫欲に火照って絡みつくような視線。
「目がいいからな、どっちの種族も。壁越しでもけっこう見えちまうくらいにはな」
「やっぱり、僕そういう目で見られてるんですかね」
「まぁ、男ひでりだからねぇ。魔物娘の性だ」
 中立でいるということは、どちらの味方にもなるということでは決してない。そんな少し考えればわかることを、この視線によって痛感した。今まで自分は中立という肩書に庇護されているものだとばかり思っていたが、世の中甘くないのだ。
「まぁ安心しなって。その肩書が完全に無効ってわけでもないさ。ウチはこの村の流通を担っているんだ。ウチの一言で自分たちの商品を外に売れなくなるんだ。いきなり襲ってくるなんてことはねぇさ」
「……」
 そして何よりも恐ろしいのは、この性欲に塗れた視線に晒されることに興奮を覚えていることだ――

「いやぁっ♥イクゥぅっ♥んひィっ♥! んんんッっ♥♥!! はぁぁっんっ♥!!」
 びゅるるっ!びゅく!びゅくっ!びちゃっ!
 腰を押し付け、幸ちゃんの小ぶりな蜜壺の奥深くにどろりと煮凝った雄汁を吐き出す。ありったけの熱が放出されくらくらとした余韻と共に頭がすうと冷えていく。
「はぁーっ♥はぁーっ♥んくっ♥いっ♥」
 対してありったけの欲望を注がれた幸ちゃんは熱が未だ冷めやらぬ様子で余韻に身を震わせている。
 初めての交わり以降、彼女は正常位でするときにだけ、前髪をカチューシャで上げていた。そうすると彼女の淡い橙色を湛えた瞳が媚熱を持った眼差しを投げかけてくるのがよくわかる。
「夕さぁん……♥目、合わせてくださいぃ♥」
 し終わった後、彼女は決まってそう言ってくる。そうすると彼女は悦ぶ。
「あっ♥ゆうさぁん♥ゆうさん♥ゆうさん♥すきっ♥すきっ♥すきっ♥」
 幼さの残る甘ったるい声で僕への好意を惜しげもなく晒す。感じているのか、目からは大粒の涙がポロリと零れ落ちてくる。
「幸ちゃん……」
 僕はそんな風に言うことはできなかった。心ではいまだに劣情が燃え盛っているというのに、それを表に出して幸ちゃんにぶつけることができなかった。
「すき♥すき♥あいしてますぅ♥」

 というわけである。最近彼女の瞳を見つめ、そして見つめられながら欲情しているせいで刷り込まれてしまった。彼女たちの大きな目を見るだけでなく、それに見られてることを想像するだけで、無性にむかむかと発情するようになってしまったのだ。
 今もそうだ。村の人の単眼を想像するだけで下半身がイラつく。そして――
「夕、どうかしたか? 熱中症か?」
「ねっ、ちゅー、しよう!?」
 メイさんの青色の瞳を見るだけで……吐き気がするほどに催してしまう。
 今は炉端の石に腰をかけて休んでいるところなのだが、全然心が休まらない。
「――い、いや、大丈夫ですよ、ちゃんと水分とってますし」
 危ないところだった。もう少し頭がぼうっとしてたら思わず、という所だった。
メイさんの唇を見る。ぷるんと艶やかにリップが塗られた薄い白色の唇。こんな柔らかくて気持ちよさそうな唇でキスされたり、フェラされたりした気持ちいいだろうなぁ……
 駄目だ、雑念が払いきれない。
「そ、そろそろ出発しませんか? エンジンがかかっているうちにイっちゃいたいです」
「ん? 本当に大丈夫か?」
「は、はい」
 というわけで、あまり長い時間休憩には時間をさけなかった。この人と二人っきりでいすぎると思わずレイプしてしまいそうで怖かった。
 メイさんはものすごく僕を信頼してくれているようだし、その信頼を裏切りたくはない……が、しかし、信頼を裏切って軽蔑されたうえで獣欲に任せて彼女の体を貪りたいという気持ちがせめぎ合っている。
 悶々とする僕の気も知らずに、メイさんはるんるんと楽し気に歩を進めるのだった。

 先ほどまでは日光が直接照り付けていたのだが、高いところで木の葉茂る森林の中は日陰になってとても涼しい。道の傍には川も流れていて清涼な行程であった。
「いいですねぇ、この森。すごく気持ちがいいです」
 先ほどのムラムラも、こういう爽やかな場所の中ではあっけなく鎮火した。実に清々しい気分だ。
「まぁな。だけども知らないうちに虫に刺されんだな、これが」
 言いながらぱちんと掌で羽虫を潰す。
「それにな、この森だけは油断してると問答無用で襲われるぞ」
「え? 何に!? 熊とかですか!?」
 ――熊ならいいんだがな。
その呟きの意味を理解したのはわずか数秒後のことであった。
「――――っ!!!!」
 なんとどたどたと横の茂みから、唸り声と共にクマが飛び出てきたのだ――!
しかし、唸り声は熊のものではなかったし、その熊は何かから逃げているようで我々には見向きもせずに通り過ぎていく。
「ア˝˝――――――――――っっっ!!」
 獣よりもおぞましく、足が竦んで腹の底がひっくり返るくらい恐ろしい唸り声。その本体が、クマを追って同じ茂みから飛び出す。
「あっ!」
 それは赤い肌の人間――いや、サイクロプスだった。僕の身長なんかよりよっぽど高く、多分熊と同じくらいの背丈。身に纏う獣の皮から覗く四肢は岩のようだ。手入れなんて概念は知らないであろう銀髪はひどく飛び跳ねている。眼球は充血し瞳も赤く、まさに血気盛んと言う他ない。
 鬼。まさしくそれであった。
「……オトコっ」
「ひっ!」
 僕が彼女をじろじろと見ている間、彼女も僕を見ていたようだ。そしておそらくは、ターゲットにされた――まずい!
「オトコ……オカス」
「た、たすけ」
 じりじりとこちらにやってくる。よく見ると、右手に刃こぼれの激しい刀が。
 多分、魔界の金属だから斬られて死ぬことはないだろうけども、死ぬ一歩手前まではいくだろう。
「たすけてぇ!!」
 情けなく、僕は叫んだ。
「――おい」
 びくっ、と目の前のサイクロプスは驚いたように飛び跳ねる。
「ほおずき」
 くるりとそいつはそのままメイさんの方を見る。一方メイさんはというと、触手と自身の目全部を使って睨みつけていた。その視線には怒りがのっている。
 眼で射殺す。時代が時代ならそれが可能だっただろう。サイクロプスが鬼ならば、メイさんはゴルゴーン――
「駄目だ」
 ドスを効かせた声。しかしあくまでそれだけなのに、赤いサイクロプスはすごすごと全身の力を抜いてしまった。
 そしてしばらくこちらを恨めしそうに見て、熊を追いかけ去っていった。
「……い、今のは」
「古株だ、この村の。まぁ、直に話す機会は設けるから気にすんな」
「はぁ……」
 え、僕あの人と会話することになるの?
 一体どういう考えがあるのだろうか、この人の頭には。

 道中危機には遭遇したが、なんとか無事に森を抜け目的の屋敷に着くことができた。あんなに燦燦としていた太陽も、今ではすっかり隠れ気味になってしまった
「でっか……」
 縦ではなく、横にデカい。メイさんのコンビニはこの和風の屋敷にいくつ入るだろうか、それすらも全く分からないほどに広大だ。
「あら、メイちゃん。ご苦労さまぁ。今日は暑くて大変だったでしょお?」
 門の傍ではこれまた背の高いサイクロプスが箒で落ち葉を掃いていた。さっきの『ほおずき』とは打って変わってゆったりとした雰囲気の大和なでしこであった。
 肌は青色。目は優しい緑色。長い黒髪をさらさらと揺らし、額にはちょこんと小さな角があった。体形はかなりふくよかで、着物を大きく押し上げる豊満が目立っていた。
「あら? この坊やが噂の」
「あ、はいっ、夕多夕です」
 一礼。すると向こうも。
「ふふふ。偉い子ねぇ。多々良よぉ。気軽におばちゃんって呼んでねぇ」
 ゆったりとした一礼。ふんわりと膨らんだ黒髪からは石鹸の匂いがした。
「は、はい! お母さん!」
「あらあら。じゃあ、せっかくだから夕くんのママになっちゃおうかしらねぇ」
「ぜ、ぜひ!」
 メイさんからのたくさんの視線が痛いが、多々良さんの包容力には勝てなかった。
 この人の所作からは気品が感じられる。物腰柔らかで、ひどく怯えて泣き出しそうな僕をよしよしと頭を撫でて受け入れてくれる。この人の背後からは光がさしていた。
「……いくぞ。ごめんねー、多々良さん。こいつちょっと疲れててさ」
「けっこう道のりが長いものねぇ。ゆぅーっくり、休んでいきなさいなー」
 もう少し多々良お母さんと接してやすらぎたかったが、メイさんに引っ張られ、僕は泣く泣く屋敷の中へと入ったのだった。
「……マジかぁ。まぁ、確かに多々良さんは母性溢れる人だけどもさぁ」
 胸か、もうちょい胸が足りないのかな。
 長い廊下を歩きながらそんなことを言い自分の胸を見るメイさんだが、多分あの人の母性はそこだけから発せられるものではないだろう。
 相棒村、案外エンジョイできそうだな。なんだかテンションが上がってきた。
「おっぱい……釈然としねぇなぁ」

 商品の売り買いは明日であり、お姫様との面会もその時に行われる。それまではしばしの休憩だ。今日は身体的に疲れたが、次はきっと精神的に疲れることになる。今のうちに思いっきり羽を伸ばすとしよう。
 ということで僕は今温泉に浸かっているのだった。屋敷の近くには刀の原材料である魔界鉄鉱石の鉱山があり、その掘削の過程で温泉を掘り当てたのだという。
 この屋敷、単に長の住まいというだけではなく温泉旅館としての側面も持っており、一般客も来ているほどだ(何度か顔を合わせたが、事が起こりそうになったときはメイさんが止めてくれた)。温泉から出ればなんと卓球も出来るし古い感じのゲーム筐体もあった(これもメイさん経由で仕入れたものらしい。メイさんは現代の文化をちょくちょく持ち込んでいるのだ)。
「〜♪」
 この異界に迷い込んだ当初はどんな過酷な生活が待ち受けているのだろうかと不安に思っていたが、存外住めば都である。確かに仕事はきついがハイキングだと思えば楽しみも見出せるだろう。相棒村万々歳だ。
「はぁ〜……気持ちいい」
 体に温もりが染みわたっていく……魔力が体の節々の痛みを揉んで和らげてくれる……まるで自分がお湯に溶けていったみたいだ。
「だろう? 昔っからこの温泉は効き目がすごいんだ」
「ですね〜……え?」
「よっ」
 メイさん!?
「夕くん、隣良い?」
 多々良さん!?
 恵体の二人の女性が、僕を挟むように座った。メイさんはあけっぴろげに、多々良さんは要所要所を腕で隠しつつ。
 僕も慌てて股間を隠す。
「……っ!」
 気づいていたさ。そもそも男が一度たりとも来ていないこの異界に「男用」の概念がないことなんて。だから他のお客さんが来た時にはそそくさと逃げる準備はしていたのだ。
 だがこの状況はとてつもなく気まずい。顔も知らぬ他人から逃げるのはいいが、顔見知りから逃げるのは厳しい。特に多々良さん。この人を無下に扱うようなことはしたくない!
 しかし、メイさんにはあらかじめ入浴の時間をずらすようにお願いしていたのだが……
「いやさ、多々良さんに誘われちゃってね。そりゃ入るしかないっしょ。申し訳ねぇ」
 申し訳なさそうな気配ゼロなんですけども。
「ふふふ、恥ずかしがり屋さんなのね、夕くんは。でもあまり気にしない方がいいわよぉ? 周りの子皆魔物娘なんだし、誰も夕くんのはだかを気持ち悪いだなんて思わないわ」
「い、いやそういう問題じゃ……」
 会話ということで思わずそちらの方を見てしまうのだが……うぅ、おっぱい大きいなぁ、多々良さん。メロンくらいありそう。
「やっぱり好きなんだなぁ、おっぱい」
「ちょっ! メイさん!」
「あらあら」
「ウチもある方なんだけどな〜」
 メイさんは頭の後ろで手を組んでセクシーなポーズをとる。毛の一切生えていない腋が艶めかしく雫を滴らせるのを見て、僕は股間が熱くなるのを感じた。ちなみに、メイさんはオレンジくらいといったところか。
「いいのよ〜男の子は少しぐらいえっちじゃないと」
「でもなぁ、夕は多々良さんにお熱みたいだしなぁ。ここは多々良さんがセクシーポーズしてくれないと満足できないだろうなぁ」
「メ〜イ〜さ〜ん〜!」
 多々良さんをそういう下品なことに巻き込むのはやめてほしい。いやほんと、この人を卑猥な目で見るようになったら僕は僕の人間性を疑うことになってしまう!
「多々良さん。付き合わなくていいですよこんな下品なことに!」
「こ、こうかしら……夕く〜ん。だっちゅ〜の♥」
 しかし多々良さんは両腕でおっぱいを挟むようにして肩をすくませ、上目遣いでこちらを見てくるのだった。
 ぷにゅりとたわわな果実が腕で押しつぶされる。それを、顔を真っ赤にしながら恥ずかしそうにやっている多々良さん――っ!
 脳みそがオーバーヒート寸前まで高ぶった。
「あ、上がります!」
 危うくぶっ倒れそうになりながら、僕はせっかくの温泉を後にしたのだった。

「……」
 電気の付いていない部屋。その天井のシミを数えている現在午前二時。隣の布団ではメイさんが就寝済みでくーくーと可愛らしい寝言が聞こえてくる。
「…………」
 眠れない。ギンギンである色んな意味で。
 横で眠っているメイさんを見る。
「……うぅ」
 さっき理性で押さえつけてたものが今更になって暴れだしているのだ。はっきりと目に焼き付いたというのは不幸にも誇張無しだったようで、メイさんの、そして多々良さんの裸のポージング姿が何度もフラッシュバックしている。
 おかげで股間の熱が冷めない。
「……」
 音を立てないように部屋を出て、僕はトイレに向かった。
 やはりこれもメイさんの輸入なのだろうか、トイレは現代風でしかも洋式だった。屋敷自体は古風なせいでそのギャップに戸惑ってしまった。
「……はぁ……なんかなぁ」
 一体僕は何をやってるんだろうかと、個室の中の便座に下半身を出して座った時にようやく思い至った。
 多々良さんで抜くのは論外として、同居人、しかも恩人の裸体を想像して抜くというのはどうだろうか。しかも僕には既に幸ちゃんという子がいるというのに。これは幸ちゃんに対する不義なのではないだろうか。
「……そもそも幸ちゃんとどういう関係を築いてるんだ僕は」
 幸ちゃんがすきすき言ってくれているから忘れていたが、どう考えても恋人ではないだろう。一発ヤって後は流れで……みたいな。この関係こそがそもそも不義なのではないか。でも襲い掛かってきたの幸ちゃんだしなぁ……これが魔物娘流の愛のはぐくみ方なのか?
 抜いてもいないのに賢者になる。あまり気持ちのいい感覚ではない。というか本格的に鬱屈としてきた。
「うわぁ、なんかノリで腰を振ってたけども、かなり屑じゃないか……」
 一度転落すると駄目だ。なんだか泥沼にはまった気分だ。
「くっそぉ……なんだこの気分」
 コンコン
 もやもやと考えているうちに、いつの間にかトイレに入ってきた人がいるらしく、個室の扉がノックされた。他の個室は全て開いてるのだが、何の用だろうか。
「もうこんな時間なんだけれども、どこか具合でも悪いのぉ?」
「た、多々良さん!」
「あらぁ、夕くん? お腹でも痛いのぉ?」
 慌ててズボンを履き、ドアを開けた。
そうかこの人スタッフ側の人なのか。で、多分見回りでもしてて電気の点いてるトイレを発見したんだな。
「い、いえ、もう大丈夫です。部屋に帰りますね。お騒がせしてすみません!」
「そう?――」

「本当に大丈夫? おちんちんぱんぱんに膨らんじゃってるけども」

「い、いやこれは、その……」
 だ、駄目だ。やめてくれ。多々良さんまでそうなったら僕は何に縋ればいいのかわからなくなってしまう!
「痛そうだけども……ぬいてあげる?」
「ぬ、ぬくっ!? いや、だ、だめですそんなことっ!」
「でもそのままじゃ眠れないでしょう? 大丈夫、ぱぱっとぴゅっぴゅしちゃいましょ?」
「あ、ああ……」
 幸ちゃんの誘惑はものすごくいやらしい。業務中に艶めかしく唇を指でなぞったり、小さく自分の下腹部を指したり。その目もまたすさまじくエロい。
 だけども多々良さんは違う。えっちのためじゃなくて、本当に僕を心配して言ってくれているのだ。
 その純粋な配慮を僕は無下にできない。彼女の包容力は、まさしく魔力であった。
「あああ……」
「じゃあぬぎぬぎしましょ」
 沈黙を肯定と受け取られたのか、多々良さんは僕のズボンを脱がし、屹立した肉棒を手に取った。
「こう……かな? これくらいが気持ちいい?」
「は、はいぃ……」
 しゅっ、しゅっ、しゅっ
 大きくて柔らかい手でたどたどしくも手淫をしている。一番気持ちいい力加減というものは自分にしか出せないと思っていたが、多々良さんがしこしことしてくれているその事実だけで快楽は増幅していった。
「しーこっ、しーこっ、しーこっ」
 そうやって掛け声を入れられると、こっちがあやされているみたいでくすぐったい心地がする。でも僕はその心地に身を任せ、手コキのリズムを受け入れていた。
「あ、ああっ、うっ、きもち、いいっ」
「ごめんね、夕くん。私のせいで辛かったでしょう? ほら、夕くんの好きなおっぱい」
 そう言って彼女は和服をはだけさせる。どたぷんと肉を波打たせてメロンがまろび出た。
「あ、あっ、おっぱい、多々良さんっ、おっぱいで挟んでっ、くださいっ」
「お、おっぱいで……? こう?」
 多々良さんが跪くと、チンポは丁度彼女の谷間に埋まった。
「あ、ああっ、すごいっ!」
 柔肉に包まれ甘い快楽が全身を駆け巡った。ぎゅう……と多々良さんがおっぱいを横から押さえると、隙間なくチンポに密着し、一体化したかのような錯覚に陥る。
「あっ、腰が、うごくっ」
「じゃあ、好きなように動かしていいわよぉ〜」
 甘い声の甘い誘いに僕は便乗する。多々良さんの肩を掴んで腰をおっぱいに打ち付ける。正面から、おっぱいを犯している、いつもおまんこに入れるときみたいに!
ぱちゅっ ぱちゅっ ぱんっ ぱんっ
「すきっ! これすごく、いいっ! 好きっ!」
 そうか、この感覚が、幸ちゃんが味わっているものなのか。
「あ、くぁ、で、出るっ! 多々良さんのおっぱいに! 出しちゃう!」
「いいよ。おっぱいまんこにたくさんびゅ〜ってしておちんちん萎めましょうねぇ」
「あ、ああっ! あ!」
 びゅるるっ♥! びゅくっ♥!
 おっぱいの谷間奥深くに打ち付け、粘液を吐き出していく。
 びゅっ♥ びゅっ♥
やがて谷間だけでは収まらなくなると、上からジワリとため池のように溢れ、舌からはぽたりと白濁が垂れた。
「はぁー……はぁー……」
「すごぉい……いっぱい」
 多々良さんも呆然とし、目の前の精液だまりを見つめている。そして左右のおっぱいをぐりぐりと上下互い違いに動かし、最後まで絞りつくす。
ぐち♥ にゅちっ♥ ぐちゃ♥ ぶちゅ♥
 精子がすりつぶされる卑猥な音がトイレに響き渡る。
「でもまだ大きい……ねぇ、夕くん? 最後まで……シたい?」
「はぁ、はぁ」
 こくこくと言葉もなく頷く。むせかえるような性臭にあてられたのかここに来てようやく発情したように目を潤ませた。
「じゃあ……はい」
 個室の壁に手をついて、便座を跨ぐように尻を突き出す。服をめくると、陰毛が生えた性器が蜜を垂らしながら待っていた。
「幸ちゃんとかメイちゃんみたく剃れてないけども……ごめんなさい」
「だ、大丈夫です……じゃ、じゃあ、入れますね」
「うん……は、ぁ、くっ、ぅ……」
 サイズが合わないからちゃんとできるか不安だったが、一歩踏み出すと大きな膣襞が肉棒を包むように出迎えてくれた。
「あ、ぉ……気持ちいいっ……!」
 腰を掴み、これまた柔らかい尻肉に腰を打ち付けた。
ぱんっ♥    ぱんっ♥   ぱんっ♥      ぱちゅっ♥
 ぐちゅ♥    ぐちゅ♥    ちゅぷっ♥     ぐぷっ♥
「あ、あ、あ、んっ、ふぅっ」
 幸ちゃんのように激しく乱れたりはしない。大人の余裕を持った、だけども抑えつけるのも苦しそうなくぐもった喘ぎ。とてもいじらしくて、僕は抽送を速めた。
ぱんっ♥ぱんっ♥ぱんっ♥ぱんっ♥ぱんっ♥ぱんっ♥ぱんっ♥ぱんっ♥
ずちゅっ♥ずちゅっ♥ずちゅっ♥ずちゅっ♥ずちゅっ♥ずちゅっ♥ずちゅっ
「あっ♥あっ♥あっ♥こぉ♥らぁっ♥らんぼうにしちゃ♥めっ♥」
 ようやく、多々良さんを鳴かせることができた――っ!
「はぁ、はぁ、はぁ、お母さんっ、多々良ママっ」
「よんでっ♥ママって♥よんでっ♥ゆうくぅん♥」
「あああっ、ママっ!」
 びゅるるるっ♥ びゅくっ♥ びゅくっ♥!
「あっ♥ゆうくんのこだねっ♥! でてるっ♥」
 この射精がしばらくと続いた――そして十数回の発射の末、ようやく収まった。
 引き抜くとぼとぼとっとゼリーが床に滴った。
「はぁ……♥夕くん♥」
 多々良さんは僕をぎゅっと抱きしめた。

「……」
 部屋に帰るとメイさんは起きていて、窓辺で月を眺めていた。
「よ、おかえり。どうだった?」
「いやその……気持ちよかったです……」
「はははっ。そりゃよかった。それにちょっと素直になれたじゃねぇか」
「素直って……」
「魔物娘の前じゃあ、性欲を隠すのなんて失礼にあたるぜ? もっと素直にさ、いろんな単眼っ娘に発情して、いろんな単眼っ娘とパコパコやればいいんだよ。深く考える必要はないぜ」
「あの、もしかして何ですけども……お風呂の時とか、さっきも、メイさんが仕組んでたりしませんか?」
 根拠は一切ない。ただ、この状況だとそう思うしかなかった。
「どっちでも同じさ……さぁて、明日は早い。もう寝ようか」
 食えない人だ。そう思いつつ、いつかこの人ともセックスするのだろうかと考えた。
 この人は甘く鳴いてくれるのだろうか……
 そんなとりとめのないことを浮かべながら眠りについた。

20/05/27 23:12 鯖の味噌煮

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設定変更しようかなと思います。なんか背は高めとか書いてた気がしますが、夕くんは見た目ショタということで。
欲を言うなら高校生から中学生に変更したい……どうでしょうか。


多々良
種族:サイクロプス
人間でいうと36歳
肌の色:青 目の色:緑色
身長:約190センチ バスト:Mカップ
東の片割れ温泉宿の従業員。お姫様の当初からのお供であり乳母。
ゲイザーとも仲良くしたいと考えてはいるがお姫様を説得できないでいる。好きな食べ物はピザで、メイ経由で購入して以来体重が増えている。
時々母乳が止まらなくなるのが悩み。
[エロ魔物娘図鑑・SS投稿所]
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33