読切小説
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バフォ様はカリスマが足りない
 ウチのバフォ様、ウムラト様にはカリスマやらなにやらが足りない。どれぐらい足りていないかというと……耐性無視の破壊効果と攻撃力吸収効果がない癖して特殊召喚できないラ一の翼神竜並みに何もかも足りない。……
 そんなラーの翼神竜は存在しないが。そんなラーは存在しないが。
 ラーの話はさておくとして、自身にカリスマ性が無いことをウムラト様は自覚はしている。自覚はしているのだが……
「御主よ! ワシのサバトには何故に人がおらぬのじゃ! ワシのカリスマ度故か! ワシには何故カリスマが足りないのじゃ! そもそも、カリスマを増やすにはどうすればよいのじゃ!」
「…………はぁ……」
 とりあえずそのフードと両手に持っているポテチとコーラを自重すればある程度のカリスマは取り戻せなくはない……の、だろうが……まあ、間違いなくキレるだろうが。
「なんじゃ、ワシの高貴なる嗜好に文句があるのかえ?」
「カリスマ云々の前にそのポテチとコーラを置いてください。あと、エージェントを見たら容赦なく襲ってしまう信者を彷彿とさせるそのボロいフードも。話しはそれからです」
「今のトレンドなのじゃ。何故これをやめさせようとする?」
「確かに流行ってますけど……カリスマとは程遠いアイテムですよ?」
「…………そうか」
 心なしかしょんぼりと、両手に持った物を置き、それにフードを被せ、代わりに赤いローブを纏った。
 しょんぼりしていようとも情けをかけるのはよくない。これもウムラト様の為……。
 しょんぼり涙目のウムラト様可愛い!
 それにしても……カリスマを増やすのはどうすれば……カリスマ? カリスマ……カリスマデュエリスト? ……いや、全然カリスマ無いか。
 ……あれ、カリスマって……どうやって成長させればいいんだ? あれ、成長じゃなくて強化?
 ……、……そうだ、色々と試してみるしかないか……?「ウムラト様、とりあえずウムラト様が格好良いと思う格好をしてみてはどうですか? 例えば……アニメやゲームなどの、カリスマ度の高い台詞を真似た言葉で勧誘をしてみるなど試してはどうでしょうか……」
「うむ。試しに言動だけ真似よう。」
 一抹の不安を感じながらも、とりあえずウムラト様の希望に一任してみた。

「御主、L(ラージ)B(バスト)S(サキュバス)か……ならば取引をせぬか? ワシからは肩こりを取り除く秘術を授けよう。その代わり御主はワシのサバトに入れ」

 ……あまりの酷さに言葉を失いかけたが、とりあえずツッコむことにした。
「…………ウムラト様、肩こりを取り除く秘術とは、もしかして……」
「でっかいムダチチがある故に人は肩こりで苦しむのじゃ。乳など……脂肪など……そんなものは要らぬ!」
「…………ウムラト様、悲しいお方……」
 持たざる者にとっては持つものの悩みさえ妬ましいということなのだろう……俺には、男にはわからない話だが。
 それはそれとして、無い胸を張るウムラト様は本当に素晴らしいものだ。
 他のところにツッコむのはやめることにし、代わりにウムラト様のレン高原を拝むことにした。
「……素晴らしい台詞じゃったが、欠点があることに今気がついた」
「素晴らしい……のですか……」
「その言い回しに言いたいことはあるがそれは後回しにするのじゃが……先程の台詞は、巨乳にしか使えぬ。騙しやす……もとい、純粋な子供相手には理解されぬじゃろうな。故に……子供用の勧誘と並乳の大人への甘言は別のものでなければならぬのじゃ」
「……それで、ウムラト様はなにか良い考えがあるのですか?」
「うむ。まずは幼女を勧誘する甘言であるが……」

「ねぇ知ってる? 願いを叶えるおまじない! 小さいままならどんなことだって出来るんだよ! だから、ね? 一緒におまじない、してみようよ!」

「……アウト」
「何故じゃ? 間違ったことは言うておらんぞ?」
「願いが絶対酷い形で叶います。程度で言えば、意識不明で植物人間状態の友達を救ってあげたいという願いに、その子の生命維持装置を外して苦しみから救ってあげたと言ってのけるくらいに酷い詐欺ですから」
「そこまで言うか!」
「もしくは、事あるごとに契約を迫る白い悪魔並みのエグさです」
「御主の喩えがそれほどのエグさじゃな」
「ウムラト様程ではございません」
「こやつめ、ハハハ…………『おにいちゃん、ウムラトとしたいの? ……もう、おにいちゃんったらしょうがないなぁ……今日だけだよ? ウムラトのおまんこで好きなだけびゅーびゅー射精していいのは』」
「!!???!?!?」(無言の鼻血)
 いきなりおにいちゃんよびはひきょうだとおもった(小学生並みの感想)
「クク、甘い。攻撃に対する構えをとれず、直撃を喰らい無様に鼻血を垂れ流すか……所詮御主は小童ではないか」
「……ウムラト、様……カリ、スマが……」
「…………おお、今のワシ、カリスマに溢れておったぞ!」
 熱い自画自賛。完全に台無しである。


「……ウムラト様、勧誘は俺に任せてください……案件にならない程度に頑張ります」
「過度の勧誘は自重するのじゃぞ? 御主の逮捕はワシに効く」
 俺だって、家事スキル0のウムラト様に何日も留守番してもらうのは不安だ。しかも、留守番を避けるには妹に頼る、しか……
 ……閃いた。通報されない、良い方法を閃いた
「ウムラト様、俺に良い考えがあります」
 俺の今の表情は、死神を誘導して邪魔なライバルを殺すことに成功した某夜神さん家の息子さんのような顔をしているだろう。
 ……結果は、35秒で勝ちを宣言したはいいものの、凶器を偽装されていた挙げ句、結果としてその勝利宣言によってその場にいた全員に自身が犯人であることがバレた某夜神さんちの息子さんのような状態だったのだが。

「……クソアニキ、なんでアタシ、こんなに小さくなってんの?」
 マンガのようなタンコブが出来ているウムラト様を引き摺って、ブカブカの服を着た黒髪ポニテの幼女こと、俺の妹の夏海が案の定俺のことを睨みながら部屋に入ってきた。
「…………よ、良かったじゃん。これでロリコンの先輩に振り向いてもらえ」
「黙れ」
 案の定平手打ちされた。地味に痛い。
「……確かにロリコンの先輩に好かれたいって言ったよ。でもさ、それはアンタの好みを参考にしたかっただけであって、まさか魔女にされるなんて……」
「本当に申し訳ない」
 顔をグーで殴られた。久し振りのマトモな会話とはいえ、流石に茶化すのは良くないだろう。
 とりあえずウムラト様を強奪のち膝に抱えながら真面目な話をすることにした。
「夏海……サバトに」
「ふざけんな!」
「お前の憧れてるロリコン先輩、修の具体的な性癖を教えてやるから、二人でサバトに入ってほしい」
「…………勧誘もやる代わりに、追加でアタシの服も奢れ」
「分かった」(無言の握手)
「触んな」(無情のはたき落とし)
 泣いた。無言で泣いた。情けないが、妹に拒絶されて無言で泣いた。

「ふむ……夏海を我が傘下に加えることが出来たか……流石じゃ」
 その日の夜、風呂の中で今日ウムラト様が気絶していた時の経緯を話すと、ついさっきまで鼻歌を歌っていたのが嘘のようなカリスマバフォメットと化していた。
「まずは二人じゃ。これでお飾りサバトの蔑称で呼ばれることはなくなるじゃろうな」
「……そう、ですね」
「…………心配せずとも、いくらサバトが大きくなり、ワシやワシの魔女に惹かれた者がいようとも、ワシは御主のもので、御主はワシのものじゃ。それは未来永劫変わらんよ」
 シャンプーハットを被りながら、ウムラト様が念を押すように言った。
 ……ウムラト様らしい、色々と台無しな言葉だった。
15/10/03 17:55更新 / ウマノホネ

■作者メッセージ
「カリスマのあるバフォ様を書きたかったと言っておきながら、カリスマを自分で破壊しているバフォ様を書いたじゃないか!やっぱり和久名は僕達魔物娘好きを馬鹿にしているんだ」
「ならばくれてやる。お前に一番相応しいカードだ」つ《DDバフォメット》
(DDバフォメット……DDのレベルを変更する、DDではかなり有用的な効果を持ったモンスター……でもこれ1枚だけを渡されてもトイレの紙以下の使い道しかないじゃないか……! こんなカードを渡してくるなんて……馬鹿にしているんだ、同じコモンズなのに……!)

はいどうも。和久名です。
カリスマがあるようでカリスマのないバフォ様を書きたかったのでかきました。「やっぱり和久名はサバトの裏切り者だ」
後悔など一切ありません。やはりバフォ様は可愛らしいお方なのです。

……たまにはカリスマ溢れる
(ついでに小さなおまんまんからせ《強引な番兵》)
バフォ様が見たいです

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