ベッドで寝て良い、と言われたのでイルのベッドで横になりがら目を閉じる。蔓
が複雑に絡みあってできたベッドは意外にも寝心地がよく優しく包み込まれてい
るようだ。
　柔らかい花の匂いに抱かれていると、取り留めのない考えが頭の中を巡る。

(勢いでキスまでしちゃったけど・・・セーフだよな・・・っつーか、下も立ちっ
ぱなしだよ・・・)

　催淫効果でもあるのか一向に治まる気配がなく、体も少しほてっている気がする。

(だいたい・・・イルだって・・・誘ってきたんだし・・・)

　言い訳でもするように、寝返りをうつ。いや、打とうとしたのだが、うまくできなかった。

「？」

　もぞもぞと体を動かして納得がいった。蔓が絡みついていしまったらしく、体が動かない。仕方ないな、と深く考えもせずに解こうと腕を動かす。

「？？？」

　手を伸ばして解こうと思ったのだが、なかなかうまくいかない。指先に結び目は触れるが、解こうと努力する事を嘲笑うかのような絶妙な位置に結ばれている。

「・・・おかしいな」

　格闘する事数分、一向に緩む気配がない。幸い、寝ていても気がつかないぐらいなので縛られる事に対する痛みはない。
　もぞもぞとしていると、視界の端で何かが動いた。

「あ、起こしちゃった？」
「ううん、最初から起きてたから・・・動けないの？」
「絡まっちゃってね・・・解いてくれない？
　解けなくて、困っているんだ」
「良いよ」

　朝まで絡まったままじゃなくて済みそうだ、と胸を撫で下ろす。一人緊縛など興
味ないし、放置もゴメン被りたい。
　明日からサバトの集団健康診断なので、朝から蔓の跡などあったらバフォメットと魔女達のテンションはＭＡＸだろう。そうなったら仕事どころではなく、魔女(達による一方的な)裁判で弁明の間もなく罪状を突き付けられ、絞(搾)られる。
　イルはソロソロと俺の上に乗った。

「・・・イル？」

　いくら待っても解こうとする気配がないので、思わず声を掛けてみる。しかし返事がない。
　どうしたのか、と思ってイルの顔を見るとイルの顔は赤く、熱っぽい吐息をしていた。

「僕が・・・ディアンを襲ったら、ね」
「！？」

　頭の中が真っ白になる。イルはいつも言い付けを守っていたし、人を襲わないとも約束してくれた。だから、俺はイルの事を少なからず信頼していたし、イルも俺を信頼してくれていると思っていた。
　だから、この行為はイルの裏切り行為だし、胸を刺すような痛みがあった。

「イル・・・人を襲わない、て約束したよね？」

　イルは首を縦に振った。

「俺に嘘をついたの？」

　イルは首をブンブンと振った。

「良くない事って分かっているんだろ？」

　イルは首を縦に振った。

「じゃあ、止めるんだ」

　ピクン、とイルは俺の上で体を震わせた。それから、しばらく俯いたまま沈黙する。

「今、解けば怒らないで許してあげるから」
「・・・嫌・・・だ」
「イル！」

　嫌だ、という意思表示に俺は思わず声を荒げる。

「僕だって魔物だもん！人を襲って何が悪いのさ！

　初めて、イルが感情を爆発させるのを見た。
　真剣な瞳で、目には涙を浮かべている。

「ディアンの事が好きになっちゃったんだ・・・ずっと機会を伺っていたんだよ？」

　胸が疼き、痛んでいるのに一向に気づいてくれなかった。襲おうとした魔物さえ
診るのに、隣にいる自分は診てくれない。
　ディアンは誰にでも優しいから、どうしようもない位、不安になる。
　不安で、不安で、襲えるのなら、襲って自分の物にしたかった。
　でも約束を守らなくちゃいけなくて、ずっと悩んでいた。

「魔物の家に上がり込んで、寝ているんだもん・・・襲われちゃっても、文句は
言えないよね・・・」

　優しくイルの手が頬を包み、唯一自由に動かせる首を固定する。
　否応なしに、大きな瞳が俺を真っ直ぐに捉える。目の前にいるのは、餌を見つけ
た一匹の飢えた魔物。餌が何であるかなんて考える必要もなく、このままでは自
分が何をされるかなんて火を見るより明らかだ。にも関わらず頭の中では、イル
の睫毛が意外と長いんだなどという見当違いな感想を抱いていた。

「イル・・・」
「全部、ディアンがイケナイんだから…
　襲われたくない、なんて命ごいは言わないでよ？」

　もう一度目の前の少女の名を呼ぶと、彼女は魔物の様な馴れない嗜虐的な笑みを浮かべ、イルが覆いかぶさってきた。薄い桃色の小さな唇が近づいてくる。唇が奪われた。そろそろと躊躇いがちに口内に舌が侵入する。拒むように歯を噛み合わせると、拙い動きで歯茎をなぞり始めた。
　唇を奪われた俺は自然と鼻呼吸に切り替わる。イルの花から放たれる蠱惑的な芳香が俺の脳を麻薬の様に蕩けさせていくようだ。
　無論、その隙を見逃す程魔物は優しくない。僅かに開いた意識の隙間を目ざとく見つけてイルは俺の中に入り込んだ。意識が戻った時には既に遅く、押し返そうとしても舌を絡め合うだけの効果しか生み出さない。口の中に鮮烈な甘味が走る。思考が奪われるほど喉が渇く。それがイルの唾液のせいで、飲めば飲む程に渇くのは分かっているのに求めずにはいられない。

「あ・・・」

　不意にイルがゆっくりと唇を放した。けれど、今の名残惜しげな吐息はどちらの物か分からない。ペタンとイルは俺の腹の上に尻餅をつく。二人の唇は銀色の糸で繋がれていた。

「感じてるの・・・？」
「感じて、ないもん・・・」

　見ればトロンと目尻が下がったイルは俺よりも荒い息をなんとか隠しつつ整えようと必死になっていた。それでも魔物としてのプライドなのか、感じていないと言い張る姿はなんとも意地らしい。そう思ったのが悟られたのか涙目で上目遣いに睨まれた。

「絶対、僕より先にイかせてやる」

　そう宣言すると、僅かに俺の上から少し体をズラした。一体何をするのかと思っていたら、手を伸ばした先を見て理解した。

「ちょ・・・待った！」
「う〜ご〜く〜なぁ〜！」

　そのまま、俺のズボンに手をかける。イルは力は強くないし、運動神経だって良
い方じゃない。けれど、縛られた相手の衣服を剥ぐ事は簡単だ。
　体をよじって抵抗をする俺のベルトを外し、ズボンを脱がせる。魔物としての本能が刺激されるのか随分と楽しげだ。

「これから、ディアンは僕に搾られちゃうんだよ？
　自分より小さいマンドラゴラに搾られちゃうなんて恥ずかしいよね・・・」
「やめ・・・」

ろ、と言う前にイルは下着に手を掛けて引き下ろした。

「・・・」
「・・・」
「な、な、な、何ソレ・・・」
「まぁ・・・ねぇ・・・」

　イルは臨戦態勢の俺を見て固まる。次の瞬間には小さく体を縮めて怯えるように自らを抱いて、部屋の隅で丸くなっていた。
　しばらく部屋の隅にいたものの、意を決した様な表情で戻ってきた。

「うぅ・・・練習したから、大丈夫。大丈夫、僕なら気持ち良くできる・・・」
「イル・・・そこ・・・太もも・・・」
「え、あ！・・・ぜ、前戯、だもん！」

　何度も自分に「大丈夫」と言い聞かせている。極力視界に収めないように視線を逸らし、小刻みに奮えながら手を伸ばす。


「ん！」

　俺に一瞬だけ触れると、慌てて手を引っ込めた。

「痛かった？」
「・・・いや」

　催淫効果で敏感になっている俺には甘美な刺激だった、とは口が裂けても言えない。

「じゃ・・・するね・・・」
「わかった」

　イルは再び手を伸ばすと、感触を確かめるように扱き始める。魔物にしては随分とぎこちない愛撫で恥じらいがあるのか手際も悪い。けれど、一つ一つの動作がとても丁寧で、気持ち良くなってもらおうとしているのがすぐに分かる。

「気持ち良く・・・なってきた？」
「あぁ・・・気持ち良いよ・・・」

　不安げに尋ねたので、頷いてやると、イルは嬉しそうに顔を綻ばせた。

「もう少し強く握っても大丈夫だよ」
「こ、こう？」
「うぁ！」

　不意打ち気味に弱点を強く刺激され、思わず腰を浮かせて声を漏らしてしまう。

「痛かった？」
「いや・・・逆・・・」

　偶然の産物ではあるが、ほぼイキかけた。ある程度刺激を予測していたので、たまたま堪えられた様なものだ。
　イルは「痛かったら言って」と前置きし、半信半疑に奉仕を再開する。相変わらず奉仕はぎこちないが、こちらの表情を伺い弱点や最善な力加減を探ってくる。

「フフッ、僕の手、ディアンで汚れてきたよ？」

　クスクスとイルは嬉しそうに笑った。

「僕の事、感じてくれてるんだ・・・ねぇディアン、いつイッてくれても、どこに出してくれても良いからね？」
　イルは優しく囁いた。
　それでなくても催淫効果のある蜜で体が火照っており、延々と強弱のついた不規則な刺激を受けて限界が近い。調度、一際強い快楽が俺を襲った。

「わ♪」

　イルは白く粘つく体液に汚されながら、自分の奉仕が実った事を理解すると顔を
喜色に染めた。

「こんなに一杯熱いのが、僕、火傷しちゃうよ・・・それから、すごく男の人の匂いがする。フフッ、僕にディアンの匂いが染み込んじゃったらどうしよう」

　そう言いながら、イルはそっと衣服についた体液を掬いとる。そのまま、しばらく弄んだ後、こちらを横目でみながらソレを口に運んだ。その姿は堪らなくイヤラしい。クチュクチュと自分の指を舐め、全てを味わっても暫く名残惜しげに行為を続けていた。

「ふふっ、僕、ディアンの事を襲って食べちゃった。ディアン、すごく美味しかったよ？
　もっと、ディアンの事を食べたいな」

　そういって欲望のままにイルは俺に手を伸ばす。今まで一緒にいたが、今のイルが最も魔物らしい。ただ、やはりイルは魔物として半人前だ。伸ばしてきた腕を取り、そのまま引き寄せて体ごと上下を入れ替える。

「キャ・・・！」

　小さな悲鳴を上げて、イルはあっさりと組み伏せられた。最初は何が起きたのか分からなかったようだが、自分の置かれた状況を飲み込むと主導権を取り戻そうとパタパタと暴れ始めた。けれど、力の弱い小柄なイルでは成人男子を押しのける事は不可能だ。

「イル、本当に襲うつもりなら、最後まで拘束していないと駄目じゃないか
　自分の優位性に油断しているから、組み伏せられちゃうんだよ？」
　俺を縛っていた戒めはイルが魔力を使って動かしていた蔓によるものだ。イルは魔物の中でも魔力を扱うのが下手で維持するためには、それなりの集中が必要である。だから、自分に有利な土地まで俺を誘い、蔓のベッドの上で寝かせてから襲ってきたのだ。そこまでは用意周到だった。
　けれど、経験が足りない

「約束を破って人を襲おうとしたイルには、お仕置きしないとね・・・」
「嫌だ・・・駄目・・・許して！脱がさないでよぉ！」

　組み伏せたまま、イルの服に手を掛けると必死になって抵抗した。けれど抵抗虚しくワンピースは簡単に脱がされた。

「お願いだよ、僕の体を見ないで・・・恥ずかしいよ・・・
　謝るよ・・・服を着させて・・・」

　イルは半ベソで自分の体を隠して嘆願する。
　けれど、俺はそれを無視してイルを抱きしめて、キスをした。最初は逃れようと本気で暴れていたが、イルの頭を撫でてやりながらキスしている内に段々と抵抗が弱まり、唇を離す頃には自ら舌を絡めてきた。物欲しそうな表情をしているイルを助け起こして、オデコにキスをする。

「俺はイルの事好きだよ
　それに・・・俺はイルの体は綺麗だと思うよ？」
「僕の足・・・根っこだよ？」
「でも、そのお陰で沢山の魔物と人を助けられただろ？」
「僕・・・他の魔物みたいにできる事ないよ？」
「そんな事ないさ、薬草は俺より上手く使えるだろう？」
「僕の胸・・・ちっちゃいよ？」
「サバトを見てみろよ、みんな胸はって勧誘してるだろ？」
「・・・」
「・・・」

　泣きそうな位に濡れた瞳を向け沈黙する。抵抗する気も失せたらしく、解放しても大人しくしていた。

「・・・ばぁかぁ」

　ギュウ、とイルは俺の服を握った。

「・・・下着、脱がせるよ？」
　イルは何も言わず、微かに頷いて答えた。他人に脱がされる事に抵抗があるのか、体を強張らせ顔を背ける。
　生まれた姿を戻ると、イルは恥ずかしそうに蔓を動かして恥部を隠そうとした。

「隠しちゃ駄目だよ」
「あぅ・・・」

　クスリ、と笑うとイルは言われた通りに自分の体に巻こうとした蔓を解いた。軽いキスを交わし、イルの先端を指先で弾く。口移しで飲ませた蜜の効果もあるだろうが、元々かなり感じやすい体質らしく、それだけであっさりと腰が砕けた。

「イル、まだ始まったばっかりだよ？」
「だってぇ、ディアンがぁ・・・ひゃうぅぅぅん！」
「俺がどうしたの？」

　言い訳をしようとする、イルの腕を指でなぞると情けない嬌声を上げた。ひくひくと体を引き攣らせるイルはついイジめてあげたくなる。イルも小鹿の様に体を震わせながら、物欲しげな表情を向けた。

「言いたい事があるなら、遠慮せずに言うという約束だったよね？」
「な、なんでもな、ぁぁぁあああん！」

　快楽に飲まれて力が入らず、這いつくばっているイルの胸元に手を入れて揉むと面白い程感じてくれた。

「イルの感じている所、すごくイヤラシくて、すごく可愛いよ」
「やらぁ・・・ひょんなころ、言あないで・・・」

　耳元で囁くとロレツが回らないまま抗議する。そろそろ、俺も我慢の限界かもしれない。イルの体を持ち上げる。イルの女の子は既に十分過ぎる程に濡れていて、足元に小さな染みを作っていた。
　イルを抱き寄せると、敏感な所にそこが触れる。

「イルに挿れたいな・・・」
「むりだよぉ・・・そんな大きいの入らないよぉ・・・」

　耳打ちすると、嫌々と言うように力無く首を振る。けれど、抱かれている事に抵抗を示さず、俺を掴む手も緩めようとしない。それどころか、無意識に自らの蔦を用いて絡み付いてきた。
　嫌というのは口先だけで、本当は押し倒されて一緒になりたいのだろう。

「そう、嫌がるなら止めようか」
「え・・・」
「だってそうだろう？
　嫌がる相手とする訳にはいかないもの」

　敢えて焦らしてみる。ゴメンね、と頭を撫でるとイルの顔は唇を噛んで小さく俯
いた。

「やだ・・・僕のこと・・・して・・・」
「うん？何だって？」

　顔を赤くし、蚊の鳴く声で呟いた。言わなくても言いたい事は分かる、それでもイルから聞きたい。俺は人間だから、互いに愛し合っている事を確認したいんだ。

「もう一回言ってご覧？」
「僕の事、一人前の魔物にしてください！」

　拳を握り羞恥を堪えてイルは言った。俺の中で愛おしさが溢れる。そっと抱き寄せて口づけを交わす。さて、そろそろ本番かな・・・

「ディアン・・・恥ずかしいのは、僕だけ？」
「？」

　唇を離すと、拗ねたように言った。

「僕だって・・・そういう事、言って欲しいよ・・・」
「！」

　イルにねだられて、俺の顔が熱くなるのを感じた。言われる方は嬉しいが、言う方は死ぬほど恥ずかしい。
　口に出そうとすると、喉の奥で止まってしまう。ジィ、と期待を込めた視線ずっとこちらを見ている。

「イル・・・俺をイルの最初で最後の被害者にしてくれないか？」
「ねぇ、それ、こっち見て言ってよぉ」
「・・・イル・・・お、お、お」

　イルは心底意地悪な笑みを浮かべてねだる。それが本当に幸せそうなのだからタチが悪い。顔を背けても言い淀むのだから、顔を見てなんて言える訳がない。

「・・・言えるかぁ！」

　再びイルを押し倒す。イルは二、三度だけ驚いたように目をパチクリさせていたが、嬉しそうな表情を浮かべ、それから少し恥じらった。

「お仕置き・・・だからな」
「・・・うん」

　微かに頷いて答えた。少し体を動かして互いに一番楽な姿勢を取る。イルは足を開き、俺もまだ何も知らない割れ目に宛がう。

「あ、あのさぁ・・・」

　互いに準備ができた所でイルは口を開いた。

「僕、本当に初めてなんだ・・・
　だから・・・その・・・優しく、して？」

イルは、やはり恐いのかソコを直視できず顔を背けた。小刻みに身体を震わせて、ギュウッと俺の手を握る。

「お仕置きだ、て言ったはずだろ？」
「でも・・・」

　怯えた表情を浮かべ、視線を泳がせる。その仕種は堪らなく可愛らしい。
　分かってるよと、イルの頬に悪戯なキスをする。からかわれた事を悟ったイルは
不満げに唇を尖らせる。けれど、幾分リラックスできたのも確かなようだ。頭を撫でて全身の力を抜かせるように促すと、素直にそれに従った。

「できるだけ痛くないようにするから
　でも、無理だと思ったら言うんだよ？」
　微かに頷いたのを確認し、俺はゆっくりとイルの中へと埋没させる。他人を自身の中に受け入れるという未知の恐怖と不安にイルは小さく息を飲む。自らさえも受け入れた事のない繊細なソコは、壊れてしまいそうな程押し広げられながらも必死になって俺を受け入れようとする。

「あ・・・ぐぅ・・・」

　俺にすがるようにしながら、痛みに耐える。しかしそれは単に痛みに耐えているだけであって、決して苦しみに耐える表情ではない。むしろ、痛みを受け入れてなお喜びが勝っている表情だ。
　イルが痛がる姿を見る事は罪悪感があったが、その表情を見て救われる。

「イル、初めて、もらうよ？」
「・・・うん・・・あげる」

　一拍置いて腰を使って一気に貫く。強烈な抵抗の中に薄い膜を破る感覚がある。

「ひ・・・ぎぃ・・・！」

　文字通り身を裂く激痛にイルは身体をよじった。額には脂汗を浮かべ、歯の隙間から吐息を漏らし、少しでも痛みを逃がそうとしている。

「・・・ディアン・・・ディアン」

　熱に浮されたように俺の名前を呼んで、首に手を回す。二人の体に蔓を巻き付けて、密着して決して離れないようにする。


どれくらい互いに密着したまま経っただろうか


痛みのピークを越し、落ち着いたタイミングを見計って、唇を重ねる。無言のまま、クチュクチュと卑猥な音を立てながら、互いに貪欲に求め合った。唇を離すとイルは熱っぽい吐息をもらす。イルは時折襲い来る鈍痛に顔を緊張させながら、動ける様に少しだけ蔓の拘束を緩めた。
　イルは自分のソコを覗き込み、結合部と滲み出た純潔だった証を見た。

「ディアンと繋がってる・・・」
「まだ痛む？」

　それを見て、ポロポロと泣きはじめたイルに尋ねるとフルフルと首を横に振った。

「違うよ
　ディアンに一人前にしてもらったから・・・すごく嬉しいんだ・・・」

　エヘヘ、と涙でグチャグチャになったまま笑顔を向ける。

「ディアン、僕のナカは気持ち良い？」

　全く開発されていないイルの中の締め付けはキツク、挿れているだけで、そのまま果ててしまいそうだ。気持ち良くないはずがない。

「じゃあ、僕でいっぱい気持ち良くなって良いよ」
「大丈夫？」
「うん、僕もディアンを感じたい」

　だから動いて、とイルはねだった。俺はそれに頷いてイルを労りながらゆっくり
と腰を使い始める。

「あ・・・ぅん♪」

　一突きごとに甘い悲鳴をもらす。下の口からは逃げ場を失った愛液をおもらししていて、快楽に蕩けた表情が情欲を誘う。
　イルが快楽に感覚に慣れてきた事とみるや、段々とピストン運動の速度を上げて
いく。早くイルと上り詰めたい。

「らめだょ、ディ、アァン♪そんなに、強、キュゥ！僕、壊れちゃうぅ♪頭、真
　っ白になっひゃって！オカヒク、なっひゃう！」
「イル、そろそろ出すよ！」
「ディアン、ディァァァアアア！！！」

　お腹を破るような勢いで、腰を突き入れる。イルは弓の様に体を逸らして痙攣させた。
　気を失う程の快感が背筋を走り抜け、俺はイルの中に全てをぶちまけた。
　大量に注ぎ込んだせいで、全てを受け止めきれず白く粘性を持った液体が秘所から零れ落ちる。

「あぅ・・・あ・・・すごい・・・」

　絶叫した後、イルは肩を震わせながら焦点の定まらない視線で呟いた。
　寄せては返す快楽の余韻に翻弄されるように、イルは時折小さな喘ぎ声を漏らしている。

「・・・イル」
「・・・うん？」
「・・・気持ち良かった？」
「・・・すごく」

　それを聞いて安堵する。そして、体を心地好い感覚が包み込んだ。そろそろ本当に限界だ・・・

「イル、ゴメンね・・・そろそろ限界だ・・・」
「うぅん、大丈夫
　このまま・・・ね」

　イルも少し疲れたような笑みを向けた。

「・・・違うんだ・・・理性を保つのが・・・限、界・・・」
「・・・へぇ？」

　マンドラゴラの叫び声には魔力が宿る。イルには簡単なルーンが刻まれているが、イルに有利なこの場所での負荷には耐えられなかったらしい・・・

　そして、イルの蜜には強精効果があるらしく、一向にモノが萎える気がしない。

・・・本当にゴメン

「ちょ・・・ディアン！
　少しで良い！少しで良いから休ませてぇぇぇえええ！！！」

　今宵、マンドラゴラの叫び声は絶えないみたいだ。

■作者メッセージ
押し倒そうとして逆に押し倒され、そのままソフトに攻められるシチュエーションが好きなんだ。

そして

ロ　リ　コ　ン　じ　ゃ　な　く　て　も(強調)
“ツルペタ系頑張るヘタレ僕っ娘最強説”を信じているのは俺だけじゃないはずだ！！！
高らかに宣言しよう！(ロリコンじゃないけど)その一人だ！
さぁ！　同志は挙手してくれ！！！