読切小説
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バレンタインの朝、帽子屋の家で目覚めた君は

 やあ。やっと起きてきたね寝ぼすけ君。うん? 昨日のことが思い出せない? まぁ、気にすることはないさ。僕が寝床を貸してあげただけのことだからね。


 礼なんていいさ。君の背だとベッドからはみ出しそうで心配だったけど、ギリギリ収まってよかったよ。それよりほら、これをどうぞ。心配しなくたっていい。ただのホットチョコレート。体が温まるよ。……美味しい? よかった♪


 ところで君が話していた昨日の、バレンタイン? そうだ。その話が一夜のうちに広まってしまったみたいでね。好きな人にチ〇コを送る日だなんて、僕達におあつらえ向きだと思わないかい?

 ……正解。窓の外がチョコだらけなのは、みんな君の話に影響されてのことさ。ふふ、そんなに恐縮しないでくれ。皆楽しんでいるんだからね。

 さっきまで外に出ていたんだけど……どうしたんだい、そんなに慌てて。君の声が変わっている? 何を言ってるんだい? “もともとそういう声だった”じゃないか。それに、“君が僕を見上げてるのも、別に不思議に思うことじゃない” そうだろう? それよりほら、マグカップの中がもう空っぽみたいだ。おかわりをどうぞ。

 それでね、朝散歩をしていたら案の定、皆チョコづくりに夢中だったよ。トランパートがどこかで見つけた媚薬を混ぜてたっけなあ。それにジャバウォックもだ。ぎこちない手つきで頑張っていたのが微笑ましかった。途中で我慢できずにオナっていたけどね。いい隠し味になるんじゃないかな。

 え? 今度は髪が伸びた? そりゃあ“ホットチョコレートを飲んだんだ。髪だって伸びるし胸だって多少膨らむ”に決まってるじゃないか。まだ寝ぼけているみたいだね……ほら、もう一杯飲めばすっかり目も覚める筈だよ。

 それより、ああ、ドーマウス。彼女も頑張ってたようだけど、とろとろのチョコまみれになっていたよ。もっともそのままリボンを付ければ完成でいい気もするけどね。
 マーチヘア? うん。会ったよ。出来上がったチョコを渡しに行く途中だったみたいでね。匂いを嗅がせてもらったんだ。うん。よくできていたよ。「初めてのチョコづくりにしては上手だ」って褒めたら「初めて」と「コ作り」に反応してしまってね。興奮した様子でイってしまったさ。


 うん? 僕の帽子かい? それがね、昨日君をベッドに運んでからのことだ。中から無尽蔵にいろんなチョコが溢れ出して止まらなくてね……。あんな絶倫見たことない。それでまあ、皆のチョコづくりの素材にって、広場に置いてきたんだ。なあに、君の精があれば帽子なんてあっという間にできるさ。バレンタインが終わったら、お揃いの帽子で通りを歩こうじゃないか。

 どうしたんだい? 顔が真っ赤だけど……。それにそんなに体を震わせて、息も荒いみたいだ。

 なんてね、そろそろいいかな。ほら、僕のこの股のものが見えるかい? いやぁまいったよ。起きたらこうなっていてね。これもチョコでできているんだ。嘘だと思うなら舐めてみるといい。
 なんてったって今日はバレンタイン。“好きな人にチ〇コを送る日”なんだろう? なら、今の僕程最適な魔物はいない。心配しないで、こっちの穴はちゃんと残ってる。どちらかが先にメス堕ちするまで、今日はお互いにチ〇コを送りあおう。


 それじゃ、ベッドに行こうか。お嬢ちゃん。
18/02/14 07:41更新 / 小浦すてぃ

■作者メッセージ
 はい、というわけで、イケタチのマッドハッターにチョコをあげる女の子になるSSでした。いかがでしたでしょうか? 主人公が性別が完全に変わったのかあくまで男のままなのかはご想像にお任せします。個人的には残ってたほうがいいですね。(イケタチ魔物娘にメス堕ちさせられたいって思うことたまにありますよね)
改めて、読んでいただきありがとうございました!

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