連載小説
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幼きふたりの日常
~ 次の日 ~

「モルト!良いかしら!これがあなたのこれからのトレーニングメニューよ!
毎日やるのは早朝のゆったりとしたランニングと軽い体幹トレーニングのみ!筋力トレーニングを毎日は禁止!まず初日は腹筋と背筋を!次の日は腕を鍛える!そしたらその次の日は足を、その次の日は強めの体幹トレーニング!その次の日は身体を休ませる!
食事は栄養バランスよく!そのなかでも特に筋肉を作るたんぱく質を重視した食事を!
お風呂は寝る前に36〜7度の熱すぎないぬるま湯に最低20分は肩まで浸かること!お風呂からあがったら湯冷めする前にすぐ寝ること!
睡眠は最低でも8時間!最高でも10時間まで!寝過ぎも寝なさすぎも厳禁!夜9時には寝て朝6時には起きること!」
ガミガミ

「う、うるさいなぁもう……………
アイラってばお母さんかよ…………」

「お母さんじゃありません!お姉さんです!
あとそれから座学も大切なトレーニングの一環!というわけで毎日勉強もやりますからね!」

「えええ!!勉強もかよー!」
バシッ!
「痛いっ!」

「文句言わない!!」
バシッ!バシッ!

「な、なぐるなよぉ!うわぁぁぁぁぁん!!」




~ 早朝 ~

「ふっ!ふっ!ふっ!ふっ!」
タッタッタッタッ!

「良いわよモルト!そのペースを保って!早朝のランニングは一定のペースを保ち続けて!遅すぎてもダメ!速すぎてもダメ!
そんでもって走りながら呼吸を意識して!吸うことだけじゃなくて吐くことも意識して!深呼吸してリラックスしながら走るのよ!」
タッタッタッタッ!

「ふっ!ふっ!ふっ!ふっ!」
タッタッタッタッ!!



~ お昼 ~

「18!19!20!」

「はい!腕立て伏せ一旦止め!」

「え?まだまだできるぞ!?」

「1分間休憩を入れてまた腕立て伏せ20回!この流れをあと10回繰り返すのよ!それが腕の疲労を軽減させながら無理なく強い負荷をかける方法なの!
わかったら1分間の休憩!」

「はいはい!わかりました!」

「はい!は一回!!」
ポコッ!

「うわぁぁぁぁん!!」





~ 夜 ~

トントンッ!トントンッ!
ジュワッ!ジュワッ!
「はい!完成!アイラお姉さん特性の栄養満点ウルトラスーパースタミナフルコースメニュー!
残さず全部食べなさい!」
ドンッ!!

「ちょっと量多くない?特に野菜多くない?もっと肉食わないと強くなれないよ!」

「効率よくお肉を栄養に変えて身体に吸収させるためにはお野菜も大切なの!わかったら残さず食べなさい!
スープから飲んで身体の体温を上げてから次にお野菜、お肉とご飯の順番に食べること!食べるときには最低20回は噛んでから飲み込むこと!それと食べ終わったらしっかりと歯磨きすること!」

「わ、わかったよ!もう!いちいちうるさいな!まったく!」
ズズズッ!ゴクッ!
「ん!?美味しい!!」
ゴクゴクッ!!
「あー!めちゃめちゃ美味い!このスープすっごく美味い!こんな美味しいスープはじめて飲んだ!!」

ドキッ!
「そ、そう………………」

パクッ!!モッシャモッシャ!!ゴクッ!!
「ん!こっちの肉野菜炒めも!スッゲー美味しい!ん!んん!!こんなに美味しいなら毎日でも食べたいよ!」

ポッ!!
「っ!!………………ま、まぁ!このアイラお姉さんが作ったし!当然よね!」

パクッ!モシュッ!モシュッ!
「ん!んん!!マジで美味しい!!いくらでも食べられる!アイラ口うるさいけど料理は美味い!」
ベシッ!
「痛い!」

「飲み込むのが早い!あと生意気な口は厳禁!」




~ 数日後 ~

「今日はお休みの日!トレーニングは禁止です!いいえ!今日は身体をしっかり休ませて明日からのトレーニングにしっかりと備えるトレーニングです!
分かったらベッドに横になって身体を休める!」
ビシッ!

「じ、じゃあ、僕のベッドから出てけよ!」

「ダメ!モルト落ち向きないから目を離したらすぐウロチョロするでしょ!ほら!お姉さんが見ててあげるからしっかりと身体を休ませなさい!」
バサッ!

「わ、わかったよ……………まったくホントに口うるさいんだからアイラは!」

ムギュッ!
「よーしよし!私に勝ちたいなら素直にお姉さんの言うことを聞きなさい!
それが強くなる1番の近道です!」
ムギュウゥッ!!

ドキッ!
「うわっ♥️あ!そ、そんなに引っ付くなよぉ!あ、暑いだろ!」
ドキッ!!ドキッ!!

「こうしてないとモルト大人しくしないでしょ!大人しく寝んねしてなさい!」
ギュウッ!!

ドキッ!
(うぅぅ……………あ、アイラにこんなに抱きしめられて、うぅ……なんだか変な気分になっちゃうよぉ…………)
ドキッ!

「それじゃお昼寝ついでにアイラお姉さんがモルトくんにお話をしてあげましょう!
いい?勇者って言うのはね!勇敢で勇気ある者ってかいて勇者なの!勇敢で勇気ある者っていうのはモルトみたいにただ命知らずの無鉄砲なヤツのことを言うんじゃなくて〜
モルト?」


「すぅ……………すぅ……………」

「あらあらモルトったら!寝ちゃって………
……………全く!寝顔まで生意気ね!」

「う〜ん、すぅ……………すぅ……………あいらぁ!」

ドキッ!
「!?………寝言?」

「う〜ん………
見たかぁアイラぁ…………泣いて謝ってぇ………土下座するならぁ………このモルト様の家来にしてやらないこともないぞぉ〜
う〜ん、すぅ……………すぅ……………」

「起きろ!この馬鹿モルト!」
ポコッ!

「痛い!な、なんだよぉ!寝てろって言ったり起きろって言ったり!!」







~ 数日後 ~

シュッ!!
シュッ!!
「おりゃっ!おりゃっ!」

カンッ!!
キィンッ!!

「良いわよモルト!
太刀筋も身体の動きも上達してるわ!
見違えるように成長しているわよ!」

カンッ!!
キィンッ!!

「えへへ!そうかな!?
アイラ倒すまでもうちょっとかな!?」

ザシュッ!!
ポコッ!

「うぐっ!!」

「ふんっ!まだまだよわっちいわね!モルトは!」

グスッ!!
「うっ!……………うっ!……………」

「!……………へぇ……」
(モルトってば泣かなかった………………
ふふっ!内側もしっかり成長してるのかしら?)




~ 1年後 ~

「アイラ!聞いて驚け!今日ボルロフとサリソスと剣で勝負して勝ったんだ!」

「へー!やっと勝てたんだ!まぁ私がトレーニング見てあげてるんだから当然よね。」

「へへへっ!ホントにありがとうなアイラ!
アイラのおかげで僕強くなれてるよ!」

ドキッ!
「っ!ま、まぁ!ちょ〜っとずつだけど成長できてて良かったじゃない
モルトにしてまぁまぁ上出来なんじゃない?」

「へへへっ!見てろよ見てろよ〜!もうあっという間にアイラよりも強くなっちゃうからな!」

「……………………」

ザシュッ!
ザシュッ!
ポコッ!
「うわっ!!
くっそぉ!!負けたぁ!!」

「ふん!モルトってばまだまだ弱いわね!
私を越えるなんて何百年先になることやら!」

「くっ!諦めない!諦めないぞ!
アイラ!もう一本頼む!」

「……………分かったわ!」
19/09/24 18:45更新 / J2
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■作者メッセージ
~ 更に1年後 ~
「えーと…………トマトと、オレンジと、オリーブオイルと、それと小麦粉を10キロっと……………うーん………お、重い…………」

「これくらい俺が持つよ!」

「あっ!モルト!」

「よいしょっと!次はどこにいくんだ?」

「えっと、お肉屋さんだけど…………大丈夫?重いでしょ?一旦家に置いていく?」

「へーきへーき!このくらい!とっとと買い出し終えてトレーニングしようぜ!」

「……………そうね……」

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