連載小説
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喪失→展開
出したばかりで脱力している俺のを手で軽く摩り、自身の秘裂へと宛がうとクチュクチュと刺激を与える。
『ん・・・こうすれば勃つかな?あ・・・きもちいいね、誠司』
だらしなく口を開き、涎を垂らしながら自分と俺を刺激する望。

『ま、完全に勃たなくても入れちゃえばいっか。動いていればその内に勃つよね?』
そんな事を言いながら半立ちの俺の性器を、毛も生えていない小さな穴に合わせ腰を落とし始める。
ヌチュっという音を立てて少しずつ飲み込まれていく様を、ただ見ていることしか出来ない。
『は、はいっ、て、くる・・・』
しかし、途中で何かに阻まれて最後まで届かない。



『誠司、分かる?それ・・・




俺の「処女膜」だよ?』



その言葉を聴いた瞬間、一気に血が集まり、自分でも引くくらいに勃起したのが分かった。
『うわー・・・ロリコンの上に処女好きだったなんて。こんな変態に視姦されたんじゃ、体が女になるのも無理ないか』

否定はしない。
処女が嫌いな男などいるわけがない。
そうでなければ勃たないという訳ではないが、出来るなら自分でそれを奪いたいと思うのは特別な性癖ではないと思う。

『じゃ、いくよ?』

その言葉を合図に止めていた腰を再び沈め、望の秘裂に俺のモノが飲み込まれていく。
『くぅっ・・・い・・・』
望は涙を浮かべて、俺の肩に置いた手を振るわせる。

「痛みを我慢しているのだろうか・・・」

そんな事が頭に浮かび、堪らず声を掛ける。
『だ、だいじょうぶ、か・・・?』
何とか口は動くようで、先ほどよりは詰まらず言葉になった。
『ん・・・だい、じょぶ・・・でも、』
望は目を瞑り、言葉を振り絞っていた。
『でも・・・何だ?痛いか?』
俺には望が無理をしている様に見え、申し訳ない気持ちになる。


『誠司のが大きすぎて、いっぱいになりそ・・・』
目の前の悪魔はどこまで俺を興奮させれば気が済むのだろうか。
そんな事を言われて興奮しないほど、俺は子供ではなかった。
『あ、また、おっきくなった・・・』
どうやら望の膣内で膨らんでしまったらしく、望が悩ましげに眉を寄せる。
そしてついに、グチリと音を立てて俺のものが全て望に飲み込まれてしまった。

『はっ・・・はっ・・・』
望は短い息を繰り返し、俺の肩に置いた手で体を支えている。
『全部、入ったね・・・』
そう言ってにこりと笑みを浮かべる様は先ほどまでと打って変わって、まるで天使のような愛らしさだった。
『ああ。・・・辛くないか?』
無理をしたであろう望を少しでも褒めてやりたくて、抱きしめ頭を撫でたかったが、硬直の魔法をかけられた体ではそれも叶わない。
『見て、誠司。ここに誠司の元気なおちんちんが入ってるんだよ?』
望はそう言うと体を支えていた手を動かし、自分の臍の下辺りを愛おしそうに撫でる。
『あは、中でビクビクしてる』
まるで妊婦がお腹の中の子供にでも話し掛けるようなシチュエーションだが、腹の中にいるのは胎児ではなく俺の性器であるという事実がどうしようもなく興奮させる。

『初めてだからあんまり上手じゃないかもしれないけど、誠司が気持ちよくなるように頑張るから』
そんな健気なことを言う天使はゆるゆると腰を持ち上げ、またじわじわと腰を下ろす。
それだけでも十分気持ち良かったが、望の膣内も腰の動きに合わせて蠢き、引く時は引っ掛かり押し込む時は絡んでくる。
『のぞ、む・・・やばい、気持ち、良すぎて、イっちまう・・・!』
消して激しい抽送ではないが、初めての行為という事もあって早くも俺の限界が近付く。
俺と望の接合部からはぐちゃぐちゃと卑猥な音がして、粘つく液体が糸を引いていた。

『ん・・・いいよ』
望は嬉しそうに笑い、抽送を激しくすると粘着質な音とは別に、パンパンと肉のぶつかる音がする。
『やば・・・望、抜けっ・・・!』
そろそろ本当に限界が近いことを訴え、一旦性器を抜くように声を上げる。
『だ、だめ!こっちに、出してって、あっ・・・言った、じゃんっ!』
しかし、望は激しい抽送をしながら涙の浮かんだ目をこちらに向ける。
『いや、な、中出しは、まずいだろっ!』

望との子どもがほしくないという意味ではなく、単純に時期の問題だ。俺も望もまだ学生で、その生活は親の収入で成り立っている。
そんな立場の人間が子どもを持っても、生まれた子どもを幸せには出来ないと俺は思っている。
恐らく望も俺の真意を理解したのか、にこりと笑みを浮かべる。
『そ、だね。まだ、俺たち学生だもんね・・・』
どうやら俺の言いたい事を理解してくれたようで、抽送を止めて俺の顔を見つめてくる。


『・・・でも、』
しかし、そこまで言うと望は再び抽送を再開する。
『お、おい!』
驚いた俺は静止を促すべく声を掛ける。


『・・・大丈夫。さっき、アルプになったばかりで、生理っ、まだだからっ・・!』


先ほどの天使から一転して、再び悪魔の笑みを浮かべた望はとんでもない事を口にして、舌なめずりする。
『いいの、誠司?妊娠を気にしないで好きなだけ中出し出来るなんて今だけだよ?』
その発言で俺の理性はぐらりと揺らぎ、このまま望の膣内に自らの精を塗り付けたいという欲望が膨れ上がる。
『ね、だからさ、ちょうだい?』
実際問題、硬直の魔法を掛けられている俺には望の行動を止める事など最初から出来ない。
望が言いというのであれば、望がそれを欲しているのであれば与えたい。
愛がほしいのであれば愛を、精がほしいのであれば精を、例えそれが俺の全てだったとしても。

『わ、かった!中でっ!出す、からな!』
『う、うん!出して!俺の膣内で!誠司のを、いっぱい!』
俺の言葉に喜びの声を上げ、より一層抽送を激しくする。
『は、はひっ!せ、せいじ・・・!』
望は視線が定まらず、俺に体を預けると腰だけを打ち付ける。
『ぐっ!の、ぞむ!そろそろ・・・!』
『あっ・・・ひっ・・・いっ・・・』
腰の奥から何かがこみ上げてくる。それを限界まで我慢して、出来るだけ長く今の快感を感じていたいと思う。
『くっ!だす、ぞっ!』
『ひいっ!あ、あついの・・・出てる・・・!』
しかし、そんな我慢は数秒も持たず俺はイってしまう。どくりどくりと先ほどの口淫の時よりも多くの精が望の膣内へと注ぎ込まれる。

『膣内に出してもらうの、きもちいい・・・』
『望・・・』
俺と望のいる空間に甘い空気が漂う。それに満足感を覚えつつ、そろそろ硬直の魔法を解いてもらおうと思った矢先である。
それまでうっとりとした顔で吐精の余韻に浸っていた望が、腰をゆるゆると動かし始めた。
『の、望?腰が、動いてるぞ・・・?』
望の異変に気付いた俺は驚きの声を上げる。

『性欲溢れる男子高校生が、1回中出ししたくらいじゃ満足出来ないでしょ?』
『い、いや、大丈夫!十分満足しました!』
望から出た驚きの発言に、俺は若干食い気味に答える。

『俺はまだ満足してないっ!』
そう言うとぐりっと腰を捻り、未だに望の膣内に収まっている俺の性器を刺激する。
『ちょ、まっ・・・』
『ね、誠司。もっとちょうだい?』
俺の制止の声など耳に入っていない望は、まるで獲物を見つけた獣の様に目をギラギラさせる。
『・・・の、望?ちょっ!望さん!?』
『こ、これっ・・・きもちくて、とまんない・・・!』
体の動かない俺を他所に、望むは歓喜の声を上げて踊り狂う。
その後、2回イったところまでは何とか意識を保っていたが、さすがに体力の限界を訴える俺の意識は、文字通りゆっくりと落ちていった・・・。





『・・・っ!・・・ぃじ!誠司ったら!起きろ!』
『こ、ここは・・・』
体を大きく揺すられる感覚と名前を呼ばれることで俺は意識を取り戻した。
『たく、折角の初めて記念なのに、何で寝ちゃうかなー』
『寝て・・・はっ!』
いつの間に解けたのか、望のかけた硬直の魔法は解けており、体が動いた。
そして思い出す。目の前の少女に気絶させられるまで精を搾り取られたことを。


『(魔物娘・・・恐ろしい娘っ!)』


『最後まで責任取るって言ったくせに』
『お、おいおい!それが生死の境を彷徨った人間に言う台詞か!』
呆れたように呟く望の台詞に、俺は即座に反論する。
『なにそれ?』
『初めてであんな何度もされたら気絶するわ!』
『・・・運動不足なんじゃない?』

『ゴツッ!』
そこまで言われたところで俺は望の頭に手刀を落とす。勿論、それなりの力で。
『いったー!いきなり何すんだよ!』
『・・・望』
痛みに頭を抱え、それでも尚俺を睨んでくる望の目を見ながら名前を呼ぶ。

『な、なんだよ・・・』
先ほどまでと違う俺の態度に少し怯んだ望は身構える。
『正座しなさい』
『な、なんで・・・』
最初は反抗的だった望だが、少し厳しい顔をするとブツブツ言いながらベットの上に正座する。
『よろしい。まず、俺に言うことはないか?』
『え、・・・早漏?』

『ゴツン!!!』
人にとんでもなく失礼な事を言ってくれた望に、手刀ではなく今度は拳骨を落とす。無論、先ほどよりも強く。
『いったー!!!ちょっとくらい力加減してよ!』
『ごめんなさいでしょ!(てか、俺、早漏なのか・・・)』
驚愕の事実を知りながら、望に説教する。聞き分けのない子どもを前にした親の気分だ。
『俺、別に悪いことしてない!』
そういうと、望は頬を膨らませてそっぽを向く。俗に言う、「ふん!」というやつだ。
普段であれば可愛く見えるその仕草も、命の危険を感じた後ではむしろ若干のイラつきさえ憶える。

『ほー・・・人を動けなくした挙句に、話も聞かず犯し続け、気絶にまで追いやったのはドコの誰だ?』
正座はしているものの、全く反省の色を見せない望を正面から見据え、俺は腕を組んで説き伏せる。

『じゃ、「同性」の「親友」を「性的」な目で「視姦」した挙句、「女」に変えたのはドコの誰だよ!』

しかし、直後に俺と同じように腕を組んだ望は、言葉の端々にアクセントをつけ、俺の心にチクチクと針を刺す。
『・・・・・・・・俺です』
痛いところを容赦なく指摘され、堪らず今度は俺が項垂れる。
『ま、俺は誠司みたいに「些細」な事でグチグチ言わないけど。・・・誠司はどうなの?』
『・・・仰る通りです』
ぐうの音も出ないやり取りに、「望ってこんなに頭良かったか?」と失礼な考えが頭に浮かんだ。
決して言葉にすることはないが・・・。

『よろしい』
望はそう言うと、俺の足の間に体育座りすると体を預けてきた。どうしたのだろうかと思った時、望の小さな声が聞こえる。
『・・・ありがと』
『・・・?どうしたんだ、急に』
突然の望の態度の変わりように素直に驚き、様子を伺う。

『いやー、さすがにちょっと怖かったんだ。。。』
『何が?』
『んー・・・もしかしたら、誠司に嫌われるかも、とか』
そう言って苦笑いして、頬を掻く望を後ろから抱きしめる。
うなじに顔を埋め、俺よりもずいぶん小さい望の体温を感じながら小さな声で呟く。
『・・・嫌う訳ないだろ』
望はぴくりと反応して、小さく「そっか」と零した。
前を向いてその表情までは分からなかったが、目の前にある耳は真っ赤に染まっていた。
『俺の方こそ、望をこんな体にしちまった。謝っても許してもらえないかもしれないけど、本当に悪い。。。』
文字通り生死の境を彷徨い、治療により蘇生した望を「魔物娘」へと変質させてしまった。
その事に罪悪感を感じていた俺は、許してもらえないだろうと思いつつ、それでも謝罪する。

『んー?ああ、そんなこと気にしてないよ?』
しかし、当の望はあっけらかんとした態度で笑いながら答えた。
『で、でもお前、好きな女の人いたんだろ?』

そうだ。
望はテニス部に所属する魔物娘「白川」に好意を寄せていた。
『て言っても、誠司からの視線を感じるようになって、それどころじゃなかったからなー』
『すまん・・・』
確かにインキュバスとして復活してからの望は魅力的で、その姿を四六時中見ていた気がする。
『ああ、ごめん!別に責めてるんじゃなくて、やっぱり親友が悩みを抱えてるって方が俺の中で大事だったんだよ』
『望・・・』
望のその言葉に「俺は何て掛け替えのない友を持ったのだろう」と、嬉しさと申し訳なさと感謝といろいろな感情が沸き上がる。

『だから・・・代わりと言ってはなんだけど、約束は守ってもらうからね!』
『約束・・・?』
『そう、約束!』
望の発言の意図が分からず首を傾げる。
『・・・?』
『わ、分かんないかなー!病院で!みんなの前で言ったでしょ!』
そんな俺に焦れたように望は声を上げた。そして俺の頭の中に、望の言うその時の情景が浮かぶ。


「俺だけはこれからもあいつの親友です」


『もう親友の関係じゃ満足出来ないから、これからは、こ、恋人、として・・・』
そこまで言われて、俺はようやく望の謂わんとしている事を理解した。
抱きしめる腕に少しだけ力を加えて、ぎゅっと体を密着させる。
『ああ、約束だ。これからは恋人として、お前のそばにいるよ』
そう言って望の頭にちゅっと軽くキスをする。
望は恥ずかしいのを誤魔化すように「えへへへ」と笑った。

でも、俺には確かに見えた。
望の目尻に涙が浮かんでいるのが。
14/04/29 21:02更新 / みな犬
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