連載小説
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四匹目。〜闇夜に紛れ影を這う蛇〜後編

「師匠様、今日の稽古は
一体なんでしょうか?」

「あー?手裏剣の練習だ」

「・・・はい」

「やれ」

「師匠様、どうして私には
まだ基本的な事しか
教えてくれないのですか」

「お前の覚えが悪いからだ」

「・・・」シュン

「昼はずっと基礎稽古
夜は得意な者に声をかけてあるから
その者に習え」

「師匠様は夜はお暇では」

「夜くらい、ゆっくりさせろ」

「・・・はい」



ーーーーーーある日の夜ーーーーーー



おい!そこの者!
そこで何をしている!

おい!...!?

貴方様は...どうして...!

はっ!?お待ちください!

そこから先は...!


「悪いが...出ていかせてもらう」

ダメです!お戻りください!

誰か!誰かー!


「師匠様、お戻りください」

「どけ、クイナ」

「それは聞けません」

「・・・いいだろう
最後の稽古をつけてやる」

「・・・」キッ

「...いくぞ」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「...チッ
少々侮っていた
まさか右目を持っていかれるとは」

「...」ドサッ

「...惜しかったな」

「...し...しょ...さ...ま」



ーーーーーー現在ーーーーーーー



「あの夜と同じだな」


「・・・」チャキ


「そう身構えるな
教えたろう、常に自然体であれと」


「・・・」


「お前はわかりやすい
そして、覚えが悪い」


「・・・もう、あの時とは違います」


「どうだかな
それで、どうする?」


「貴方様を、暗殺します」


「本人の前で、それを言うか」


「・・・」


「なめられたものだ
いいだろう、来い」


「・・・」サッ



キィン!キィン!ガッ!
キィン!ガキィン!!



「そんなものか」


「・・・まだ...まだ」



ヒュン!キィン!ガッ!
ガキィン!!ヒュン!
キィン!キィン!キィン!



「・・・!」


「終いだ」



もはやこれまで


そう、思われた瞬間。



ドスッ!



鈍いものが思い切り
何かに突き刺さった
かの様な音が響いた。



「して...やられたか...」


「・・・」ハァ...ハァ...



男の腹に、思い切り
打ち付けられた尻尾。



「...基礎稽古が役に立ちました」


「...そう...か」



『見えて』いたはずなのに
何故、反応できなかったのか



「いくら貴方様の目でも
盲点というものはありましょう
それを、利用させて頂きました」


「...なるほど」


「...えぇ」


「...なかなかやるようになった」


「・・・」スッ


「...ふっ
だが、まだまだだ」


「・・・?」



ボフンッ!



「・・・!!!」


「分身で済むと思ったが
やはり、強くなったな」


「!?」


「気付かなかったのか?
本当にお前は覚えが悪い


俺が、己と影をすり替える
術を得意なのは知ってたろうに」


「・・・!」


「だが、もはや関係ない
お前はここで死ぬからな」


「・・・」


「さらば、だ」


「・・・!」キッ



スパーン!!!カラン



「...何?」


「・・・」サッ


「よく避けられたな」


「...なぜ...ですか」


「・・・」


「...なぜ...里を、
皆を、私を見捨てたのですか...!」


「...疲れたからだ」


「・・・?」


「...お前の様な
弱き者をずっと見ているのが」


「・・・!」


「だから、抜けたが
何か問題でもあるのか?」


「...私には...わかりません」


「お前などにわかって
もらおうとは思っていない」


「・・・お願い」


「・・・何?」


「・・・貴方様は
何を隠そうとしているの」


「何も無い」


「嘘!あの日から!
あの日から貴方はどこか
変わってしまった」


「・・・」


「...なぜ
何も話してくれないのですか」


「お前には、関係ない」


「本当に、どうして...!」


「そろそろその問答も飽きたぞ」



キィン!キィン!キィン!
キィン!キィン!キィン!



「しぶとい」


「...負けられない」



キィン!キィン!キィン!キィン!キィン!キィン!キィン!キィン!キィン!
キィーンッ!カラン



「...くっ」


「はぁ...はぁ...」


「ここまでやられるとは」


「えぇ...終わりです」



スパッ!



「こっちだ」


「・・・っ!」



スパッ!スパッ!スパーン!!



「どこを狙ってる」


「・・・なら」



ユラリ、サッ、スパッ!



「・・・ちぃ」


「...当たった」


「当たり所が悪いな」


「・・・!?」


「...ちっ」グラリ


「...あ...あぁ!」サッ


「...あ...が...とう
クイ...ナ...」


「...え...待って...!」



ーーーーーーー別の宿ーーーーーーー



「・・・はぁ」

「・・・あの...」

「...なんだ」

「...教えては
頂けませんか、全てを」

「聞かない方が幸せな事もある」

「...聞かせてください」




忍びの里に来る前の事。



「何?どういう事だ」


「そのままにございます
貴方には、あの里を
破壊していただきたい。」


「そこへ行けばいいんだな?」


「えぇ、頼みます」



ーーーーーー時が経ちーーーーーー



「話が違いませんか?
なぜ、里が発展しているのです?」


「...さぁな」


「知っていますよ?
貴方が、あの里で
何をしているのか」


「・・・」


「明日、兵を向かわせます
貴方が、里の者を
皆殺しに出来なければ」


「・・・わかった
やればいいのだろう」


「えぇ、信用していますよ」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「その日、俺は里を出た
皆の心を殺してな」


「・・・」


「そういう事だ
俺は里には戻れんのだ」


「...そんな」


「俺の事は、もうほっておけ」


「出来ません」


「...何?」


「...私は貴方を暗殺します
そのために来たのです」


俺はクイナに押し倒された


「...何をする」


「そういえば、夜の稽古は
まだ一度もしてもらっていませんね」


「...好きにしろ」


「...はい♥」


「ただしな」


「・・・?」


「されるがままのつもりはない」


「...♥はい♥貴方様...♥」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「という訳だ、団長殿」


「そうか」


「団長殿、アナタは...」


「言うな、わかっている」


「そうですか、では」


「またいつでも来い」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「今帰った」


「おかえりなさいませ」ペコ


「いままで通りにしろ」


「...しかし」


「...はぁ、わかった」


「...♪」


「...おい」


「・・・なんでしょう?」


「今日の夜も、またやるか」



「...はい♥」
16/03/04 01:13更新 / 紫酔染香*・ω・)ゞ
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■作者メッセージ
ついに折り返しまで来ました

拙い文章で申し訳ございません_|\○_

まだまだ、ですねぇ( ̄・ω・ ̄)

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