連載小説
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(54)デュラハン
鍛冶屋の玄関先で、二人の男が顔を合わせていた。
「とりあえず、帰ったらサイズが合っているかどうか確認してくれ」
湾曲した鉄板の左右に鎖の輪が取り付けられた、拘束具めいたものを差し出しながら、男がもう一方の男に話しかける。
「ええと・・・たぶんぴったりのはずだ」
器具を受け取った男は、鎖の輪に両手を通し、一瞬目を閉じてからそう答える。
「たいそうなご自信だな」
「まあ、毎晩抱いてる嫁の体だからね」
二人は言葉を交わすと、低く笑った。
「なあに?お客さん?」
すると玄関の奥から高い声が響き、壁に手を添えながら一体のサイクロプスがひょっこり顔を出した。
「ああ。品物の受け取りだ」
「サイクロプスさんですか。今回の受注、ありがとうございました」
鋼鉄の眼帯で目元を覆うサイクロプスに、二人はそう声をかけた。
「それじゃ、今日はここで失礼するな」
「ああ、うまくいくといいな」
「ありがとう」
二人の男は手を握りあうと、くるりと背を向けて歩きだした。
一人はサイクロプスの妻の元へ、もう一人はデュラハンの妻の元へ、だ。



「これがそうか・・・」
鎧を脱ぎ、首元を襟ですっぽりと包む部屋着をまとったデュラハンが、ベッドに腰掛けたまま、夫の差し出した器具を受け取った。
彼女の肩幅ほどの湾曲した鉄板と、左右に鎖の輪が付いた器具だ。
「本当に、これでどうにかなるのか?」
「ああ、絶対大丈夫だ」
「しかし・・・私としては、こんなものに頼りたくはないのだが・・・」
デュラハンが手元の器具に視線を落としながら、困ったような言葉を紡いだ。
「でも、来月の夫婦闘技大会で、一番困るのは首を落とされたときだろ?」
「うむ・・・」
デュラハンに出会ったら首を落とせ。そう書物に記されるほどに、デュラハンにとって頭が落ちることは致命的な弱点であった。
種族的に、感情だとか欲望だとかを内にため込む気質であるため、一度首が外れて解放されてしまえば、歯止めが利かなくなるのだ。
「闘技場で首を落とされて、衆人環視の下夫婦の営み開始で失格負けとか、いやだろう?」
「うむ・・・確かに」
負けるのもイヤだが、夫婦の営みを他の連中に見られるのはもっといやだ。自分が乱れる様子を見るのは、夫だけであってほしい。
その二文を胸の内側にしまい込みながら、デュラハンは頷いた。
「だからこそ、この特注の首ガードをつけた方がいいんだよ」
デュラハンの手の中の器具を示しながら、男はそう言った。
彼女の肩幅と同じ幅の金属版こそ、彼女の肩の上に覆い被さり、胴体の首の継ぎ目を塞ぐ為の器具だった。
一般的に流通する首の固定具と異なり、こちらは首が落ちても、内側にため込んだものが解放されないという一品である。
正直、デュラハンは、自信の首を落とすほどの技量を持った相手ならば、潔く負けを認めるつもりだった。
だが、闘技場という場所で、抑圧していた想いが爆発し、夫婦ともども痴態を晒すのは避けたい。
そこで、夫が鍛冶屋と相談して作り上げたのが、この首ガードだった。
「とりあえず、つけてみようか」
「うむ・・・」
彼女は部屋着の襟を留めるボタンを外し、首を露出させた。
前は鎖骨の少し上から、後ろはうなじと肩の境目に続く線が、デュラハンの首に刻まれていた。
「外すよ」
「頼む」
男がデュラハンの頬に手を添え、力を込めて持ち上げる。
すると、さほど抵抗もなく彼女の首が胴から外れ、胴側の断面から桃色のもやが少しだけ立ち上った。
「どう?」
「大丈夫だ・・・このまま、頭を抱いてほしいが・・・まだ我慢できる」
昨夜の内に一度頭を外したためか、ある程度冷静な口調でデュラハンは答えた。
「首、どうする?」
「見えるところに・・・そうだ、私の膝の上に頼む」
男はデュラハンの首を、ベッドの縁で揃えられた彼女の両足の上に置き、肩のあたりが見えるよう角度を整えた。
「見える?」
「見える」
「じゃ、上脱いで」
「脱がなきゃいけないのか?」
自信の膝の上で、デュラハンが目を丸めた。
「そりゃ、体にフィットするように作ってあるから、服を着たままじゃ装着できないよ」
「・・・わかった」
彼女は男に首ガードを渡して、部屋着の裾に手をかけ、袖から腕を抜きながら、脱いでいった。
上着を脱ぎ、襟の高いシャツを脱ぎ、下着を外す。すると、彼女の乳房が、男の目の前に晒された。
「脱いだぞ」
「じゃあバンザイして」
「バンザイしてる隙に、おっぱい触っていいのだぞ」
「はいはい」
首が外れ、本心が垂れ流しになっているデュラハンに、男は軽く返しながら近寄った。
そして、掲げられた二本の腕に、首ガードの左右の鎖を通した。
腕の間を湾曲した鉄板が通り、首の断面を覆う。鎖骨の上をすっぽりと覆うように、首ガードが彼女の体に装着された。
「どう?」
「うーん・・・」
デュラハンは腕をおろすと、膝の上から自分の肩を見上げながら、軽く腕を上下させ、腕を回した。
「擦れたりは?」
「していない・・・うん、思ったよりいい感じだ」
一通り腕を動かしてから、彼女は膝の上の頭を両手で持ち上げ、首ガード越しに胴体側の断面の上に、自信の頭を乗せた。
鉄板のくぼみに、彼女の首が収まる。
「・・・軽く体を傾けても、大丈夫のようだ」
「それはよかった」
男は、デュラハンに下着を差し出しながら、頷いた。
首が外れている状態なら、せっかく脱いでいるのだから一発、などと彼女は求めるのだが、首ガードはしっかりと様々なものを押さえ込んでいるらしい。
「それじゃあ、首ガードをつけたまま一週間過ごしてみようか」
「一週間?」
「うん。一週間後に首を外して、どのぐらい首ガードが機能するか確かめるんだ。首を外した直後は大丈夫でも、一晩かけて溜めた感情は押さえ込められませんでした、じゃ困るだろ?でも、一週間分の感情をどのぐらい押さえ込められるかわかれば、闘技場での精神の乱れや興奮を押さえ込めるか予想できるからね」
「うむ・・・確かに・・・」
デュラハンは男の言葉に頷いた。
「じゃあ、一週間がんばってみよう」
「うむ」



そして七日後、寝室に男とデュラハンの二人がいた。
首ガードが全く機能せず、デュラハンが溢れ出る感情と衝動に身を任せてもいいように、すでに二人とも衣服を脱いでいた。
身につけているのは、デュラハンの首と胴の間に挟まれた、首ガードだけだ。
「じゃあ・・・いいね?」
「うむ・・・頼む」
ベッドの上に横たわったデュラハンが、自身を跨ぐように膝立ちになった男に頷く。デュラハンが突然興奮し、男に抱きついた衝撃で彼が首を落とすようなことがあっても、彼女が怪我しないようにするための姿勢である。
男は指を彼女のうなじに触れさせ、頬に親指を添えながら力を込めた。軽い重みと、微かな抵抗感の後、ついにデュラハンの首が外れた。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
首を胴から離しただけの姿勢のまま、二人はしばしじっと固まっていた。
しかし男は無論、デュラハンも指一本動かす気配はなかった。
「・・・・・・押さえ、込めてる・・・?」
「た、たぶん・・・」
男の漏らした言葉に、デュラハンは戸惑いながら答えた。
実際、首が外れた直後は、距離を置いているはずの胸から突き上げられる感情と衝動に頭が真っ白になり、訳が分からなくなるのだ。
そういうことがないということは、首ガードが機能しているということだろう。
「よかった。これなら、前日と試合直前に発散させてから首ガードをつければ、闘技場で首を落とされても大丈夫だね」
観客に痴態を晒すことなく試合を続行、もしくは潔く負けを認められる。
男はほっと胸をなで下ろした。
「じゃあ、一週間窮屈な思いをしていただろうから、首ガードを外すね」
「いや、ちょっと待ってくれ」
男の言葉に、デュラハンは制止の声を上げた。
「もう少し、このまま・・・いや、私の首を抱いてくれないか・・・?」
「え?別にいいけど・・・首ガード、外さなくていいの?」
「外したいのは山々だが、首が外れているのに理性を保っていることが初めてなんだ」
「そういえばそうだね」
デュラハンの言葉に男は頷いた。彼女の首が外れているときは、浮かび上がった本心がそのまま口から紡がれ、思うがままに体が行動するという。酒で自制心が弱まったようなその状態は、デュラハンにしてみれば酔っぱらいのように素面とは言い難いのだろう。
「だから、今の内にいろいろ試しておきたい」
「わかった」
自制心が強く、理性的で、自身を押さえ込む傾向にある首がつながった状態のデュラハン。
その彼女の求めに、男は応じることにした。
彼はデュラハンの首に指を添えたまま持ち上げた。そして、前かがみだった姿勢をまっすぐに整え、自身の胸の中に、彼女の頭を抱いた。
「・・・・・・温かいな・・・」
男の腕の中で、デュラハンの首が目を細め、そう呟く。
「体を抱きしめられたことは何度もあったが・・・こんな気分で頭を抱えられたのは初めてだ・・・」
彼女が感慨深そうに、どこかうっとりとした口調で呟くと同時に、彼女の体がベッドにひじを突いて、上体を起こした。
「今度は、お前を抱かせてくれ」
「じゃあ・・・」
「ああ、首はそのまま抱いていてくれ」
首を下ろそうとした男にそう告げながら、デュラハンは体をベッドの上で膝立ちにし、男の後ろへ回った。
そして腕を広げ、彼の背中に乳房を押し当てながら、彼女は男に抱きついた。
「ふふ、温かい・・・」
体の前面や腕を伝わる男の体温と、頭を包み込む温もり。その二つに、デュラハンは静かな心地よさを覚えていた。
乳房が男の背中で押しつぶされ、圧迫感が彼と密着しているという実感をもたらす。
一方男も、背中に押し当てられる乳房はもちろん、二の腕に触れる彼女の腕や、腰のあたりに触れる腹、太腿、そして腕の中から立ち上るデュラハンの髪の香りに、自身の心臓が高鳴っていくのを感じた。
「ドキドキしているな・・・」
首を抱えられているおかげで、男の鼓動がデュラハンにはよくわかった。
「君も、ドキドキしているね」
背中に押し当てられる乳房越しに、心臓の脈動を感じながら、男はそう返した。
「こんな気分、初めてだ・・・」
首が外れているのにどこまでも冷静。だというのに、こうして静かに興奮しつつある。矛盾した感情に、彼女はくすりと笑った。
心地の悪い矛盾ではないからだ。
「・・・・・・しばらくじっとしていてくれ・・・」
このまま温もりを感じながら、抱きつ抱かれつしたまま、眠ってしまいたい。
そんな欲求が胸に浮かぶほど、デュラハンは安らかな心地になっていた。
しかし、彼女はその欲求を押さえ込むと、彼に体に回していた腕を動かした。手のひらを二の腕に触れさせ、男の肌をさする。
目に見えるのは男の顔と、首を抱える彼の腕と天井ばかりだったが、彼の肌の感触は伝わっていた。
肌とその下の筋肉、体内を巡る血潮と温もり、それらを手のひらで感じながら、デュラハンは体をさすった。
二の腕から肩口、肩胛骨の左右の縁を伝い、わき腹から原に回り込んで、下腹へと手が移る。
「おや・・・固くなっているな・・・?」
指先に触れた、固く熱い屹立に、デュラハンは男の腕の中で呟いた。
「私はただ、お前の体に触れているだけだというのに、ここをこんなにして・・・」
「ごめん・・・君とこうして触れ合っているだけで・・・」
「謝らなくていい。私たちは夫婦だからな」
それよりも、普段の自分でもこうして興奮してくれるだけでうれしい。
その言葉を胸にしまいながら、デュラハンは男の屹立を軽く握った。
「考えてみれば、いつもお前と肌を重ねているのは、首が外れているときの私だな。たまにはこうしてみるのもいいかもしれない」
肉棒を、指で軽く握っては緩めながら、彼女はそう男に囁いた。
「『私』を・・・愛してくれ・・・」
デュラハンのささやきに、男は胸の奥に火が点るのを感じた。
「・・・わかった」
男は、デュラハンの首を片手でしっかりと抱えると、軽く上半身をひねり、後ろから抱きつくデュラハンの体に空いた腕を伸ばした。彼女の体を抱き寄せ、背中を軽く撫でる。
首ガードがあるため、直接断面に触れることはできないが、男は湾曲した鉄板に唇を当てた。彼女の温もりが、固い鉄板越しに彼に伝わる。
「こっちにも・・・」
デュラハンが男に接吻を求めた。まるで、自身の身体に嫉妬するようであったが、男は抱えた彼女の首に唇を当てた。
まずは額。軽く唇を窄め、後にならぬ程度に当てては離しを繰り返し、頬から彼女の唇へ移る。
するとデュラハンも唇を窄め、男とともに軽く、唇を吸いあった。
だが、唇を重ねるうち、男が小さく声を漏らした。デュラハンの身体が、男の屹立を握る指に少しだけ力を込めたからだ。
肉棒を締め付けるかの序の指がもたらしたのは、痛みではなく快感だった。男が絶頂に至るのに必要な、快感の刺激が彼を少しだけ押し上げる。
「もう、我慢できないんだ・・・」
男が唇を離すと、デュラハンが熱を帯びた声でそう紡いだ。
「もう・・・」
男は無言で頷くと、彼女の首を抱えたまま、後ろにいる胴体に向き直ろうとした。
「あ、待って・・・」
突然デュラハンが男を呼び止めた。
「何か・・・?」
「その・・・今日は、後ろからして欲しいんだ・・・」
男の腕の中から、彼を見上げながらデュラハンが求める。そして、顔を赤らめ、視線を逸らしながら彼女は続けた。
「それと・・・私とお前がつながっているところを、よく見たい・・・」
羞恥心と衝動に挟まれながらも、そう求めた彼女の姿に、男は内心興奮した。
「ど、どうしたらいい・・・?」
彼女のも留める体位で、二人の交わりがよく見えるようにするにはどうすればいいか。
男は興奮によっていくらか思考力の落ちた頭で、必死に考えた。
「私が四つん這いになるから、首を膝の間に置いてくれ・・・そして、お前が後ろから私を・・・」
デュラハンはそこまで紡いだところで、周知のあまり口を閉ざした。
だが、男にはその指示で十分だった。
男はデュラハンの首を抱えたまま、彼女の身体から腕を放し、ベッドの中心を空けた。すると、彼女の身体はベッドに両手と両膝を付いて四つん這いになり、両足を広げた。
彼女の太腿が左右に開き、両足から内腿へと透明な粘液を垂れ流す、桃色の亀裂が露わになる。
「ここでいいかな・・・?」
男は、シーツを踏みしめる二つの膝の間に、デュラハンの頭を天井を仰ぐように置いた。
「ああ、ここでいい・・・よく見える」
口を開き、物欲しげに涎を垂らす自身の女陰を見上げながら、デュラハンはそう答えた。
男の指が彼女の首から離れ、彼は屹立に指を添えながらデュラハンの尻ににじり寄った。
「入れるよ・・・」
「あぁ・・・」
自身の女陰と男の屹立。その二つを見上げながらデュラハンが頷いた直後、男は彼女の腰に手を添え、屹立を突き出した。
膨れた亀頭が桃色の亀裂を押し開き、女陰の内へ押し入っていく。
亀裂と肉棒の隙間から粘りを帯びた愛液が溢れだし、太腿を伝って膝へと垂れていく。
「ん・・・!」
挿入の瞬間を目で見ていたため、膣を押し開かれる感覚が一層強くデュラハンの意識に届く。
男の屹立はずぶずぶと彼女の亀裂の奥へとしずみ込んでいき、ついにほぼ根本までが収まった。
「うぅ・・・!」
男は小声でうめくと腰を引いて、今し方挿入したばかりの屹立を抜いていく。
亀裂から出てきたのは、愛液にまみれてらてらと光を照り返す肉棒だった。ほんの少し、デュラハン自身の体液が絡み付いただけだというのに、デュラハンにはひどく淫らなもののように見えた。
そして、亀頭が亀裂から顔を出す直前で男は腰を留め、再び腰を突き出した。
肉棒が膣壁を擦りながら押し開き、彼女の胎内の折り重なる襞をかき分けていく。
突いては腰を引き、また突く。ゆっくりとした動きではあるが、前後の揺れ幅の大きな彼の腰使いは、デュラハンの膣奥を突いて、甘い刺激を生み出していた。
同時に彼女は自らの目で、自身と男の性器が絡み合い、愛液を白く泡立てる様と、快感に男の肉棒が小さく震え、自身の陰核が膨張する様を見ていた。
目と腹の奥からもたらされる二つの刺激は、デュラハンの頭の芯を痺れさせていくようだった。
「も、もう・・・!」
男がいつの間にか彼女の腰をつかみ、苦しげに声を漏らした。
いつしか男の腰の動きは細かく、肉棒を女陰に抜き挿しするというよりも、膣奥を小突くような動きになっており、彼の限界が近いことを伝えていた。
「ああ、我慢するな・・・」
絡み合う性器と泡立つ愛液、そして視界の中で上下に揺れる男の睾丸に目を釘付けにしたまま、彼女はそう告げた。
直後、男が深々と屹立の根本までを女陰に突きいれ、全身を震わせた。
睾丸を包む皮の袋がきゅっと縮まり、蓄え込んでいた精液が彼女の内側に迸る。
男の体の中にあったものが、確かに自身に注がれている。
胎内で脈打つ肉棒と精液の迸り、熱とともに、デュラハンはその目で男の射精を見ていた。
そして男とほぼ同時に、彼女も絶頂を迎え、ベッドを覆うシーツを握りしめた。
しかし、彼女は意識の奥を快感に焦がされながらも目を見開き、男が精液を自身にそそぎ込む様子をじっと見ていた。
心なしか、男の肉棒の脈動に自身の下腹が小さく動き、そそぎ込まれる精液に膨れていくように見える。
そして、肉棒の脈動が収まり、男の射精が収まった。
「はぁはぁはぁ・・・」
男は荒く息を吐き、絶頂の瞬間に全身に込めていた力を抜いた。
デュラハンの胸中にじわりと温もりが芽生える。
「よかった・・・すごく、よかった・・・」
ベッドの上に膝建ちになり、腰をつかむ手を取りながら、デュラハンはそう口を開いた。
「こんなに愛してくれて、私は幸せものだな・・・」
身を起こしたことで、屹立と女陰の隙間からとろりと溢れだした精液を見ながら、彼女はうっとりと続ける。
「今度は、こっちの『私』を・・・愛してくれ・・・」
彼女は左右の手で首ガードの鎖をつかむと、肩を覆う鉄板を外した。
その瞬間、彼女の内側に込められていた想いが溢れだした。
肉欲と、情動と、感情と。そして、男への愛おしさが溢れだした。
デュラハンは、自身の頭を塗りつぶしていく衝動に、身を任せていった。
一週間ぶりの、二人の夜が始まった。
12/10/13 16:03更新 / 十二屋月蝕
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■作者メッセージ
首が外れてやりたい放題のデュラハンもいいけど、感情を押さえ込みつつも行為に積極的なデュラハンもいいよね!
でも、首がつながってる状態じゃえっちなことに興味があるけどプライドが若干じゃましてる気高い女騎士と変わりがないよ、どうしよう!
ということで首ガードを考えました。
これなら、首ポロリしても多少は大丈夫です。
サイクロプス鍛冶特製の首ガード、デュラハンとあなたの斬新な夜のお供にいかがでしょうか。

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