連載小説
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(49)魔女
町外れの小さな家に、子供の泣き声が響いていた。
泣き声の主は、おむつで尻を膨らませた男児だった。足は細く、ハイハイはできるものの立ち上がることはまだできそうにないほどだった。
「はいはい、今行きますよ〜」
男児のいる部屋のドアが開き、十二三ほどの少女が姿を現す。
彼女はエプロンで軽く手を拭きながら、男児に歩み寄ると、彼をひょいと抱き上げた。
「はいはい、よしよし」
男児の尻に右手を、背中に左手を回し、泣き声を弱めつつある男児をあやす。
しかし、彼女の口から続いた言葉は、おそらく十以上は歳の離れた男児に対するものではなかった。
「どうしたんですか、お兄さま〜」
彼女の言うとおり、男児は魔女である彼女のパートナーであり、『お兄さま』と呼ぶほど歳が離れていた。しかし、先日若返り薬を服用してから、男は二十以上も若返ってしまったのだ。
「あぶあぶ」
少女の腕の中で、ろくに回らない舌を使って、何事かを少女に伝えようとする。
「うーん・・・おむつはきれいだし、寂しかったのかしら・・・?」
男児を抱いたまま、彼女は泣き声の原因を探る。
すると、男児は小さな手のひらを彼女の胸に当て、細く短い指でエプロンの布地を掴んだ。
「あぶ・・・あいあい」
「ああ、おなかが空いてたのね!」
彼女は男児の求めを理解すると、大きく一つ頷いた。
「じゃあ、ご飯にしましょうね〜」
少女は床に膝をつき、男児を一度床に横たえると、体の前面を覆うエプロンを脱いだ。そして質素なブラウスのボタンをはずし、下着のシャツをめくる。
すると、彼女の二つの小さな膨らみと、桜色の先端が露わになった。
いつもならば、少年と見分けがつかないほど平らな胸に、虫さされめいた乳首と乳輪が張り付いているだけだ。だが、彼女のパートナーが若返り薬を服用するのと同時に、彼女も母乳分泌薬を飲んだため、僅かとはいえ乳房の膨らみが生じているのだ。
「はいどうぞ、お兄さま」
男児を抱き抱え、彼の唇を乳首に寄せる。すると男児は、口をいっぱいに開いて彼女の乳房に吸いついた。
「ん・・・」
乳房の先端に触れる温もりと柔らかさ、そして乳首から何かが吸い出されていく感覚に、彼女は声を漏らした。
僅かばかりの膨らみとはいえ、乳房の内側に母乳を蓄えていたため、胸が張っていた。その張りがもたらす微かな息苦しさや痛みが、男児への授乳によって引いていく。
次第に楽になっていく乳房の張りが、乳首の内側を母乳が擦る快感に加わり、心地よさを彼女にもたらす。
それは、体の心が温まるような、ほっとする心地よさだった。
「ん、ん・・・」
男児は唇を窄めて乳首を吸い、溢れ出る母乳を舌を波打たせて喉へと運んでいった。呼吸にあわせて変化する圧力や、触れては離れる舌先の動きが、少女に快感を走らせる。
そして、男児はしばし母乳を飲んだところで、唇を薄い乳房から離した。
「お腹いっぱいになったわねえ」
少女は男児を一度離すと、片手で下着のシャツを下ろし、男児の顎が肩に乗るような姿勢で抱いた。そのまま、男児の背中を軽くたたいてやる。
「けぷ・・・」
「はい、げっぷが出ましたねえ」
男児の口から漏れた、ミルクの香りのする吐息に、少女は一安心した。
少女と男が薬を服用する前に、育児書の類を確認していたため、もう一つ一つの動作を迷いなくできるようになっていた。
「ふふ、じゃあねんねしましょうねえ」
お腹がいっぱいになれば自然と眠くなる。少女は、男児を抱き抱えたままブラウスのボタンを閉じると、優しく揺すり始めた。
「んん・・・」
しかし、男児は少女のあやしに、寝息ではなく小さく声を漏らした。少女の腕の中で、男児の体が微かに力み、少しの間を置いて震える。
「ん?ちっちかなあ」
少女はおむつ越しに伝わる微かな温もりにそう男児に話しかけると、ひょいと立ち上がって、棚から替えのおむつとお尻拭きをとった。
そして、部屋の一角においてあったソファーの上に男児を仰向けに寝かせると、おむつを外した。
「ふふ、いっぱい出たわねえ」
おむつの内側に広がる透明な染みに、彼女は男児に向けてほほえんだ。
少女に抱き抱えられながら小便など、以前の男ではプレイの一環でもない限りしないことだった。
「ちぃち、ちぃち」
「そうね、気持ちよかったねえ。きれいにしましょうねえ」
男児のぎりぎり意味が伝わるかどうかと言う言葉に応えながら、彼女は湿り気を帯びたお尻拭きを一枚手に取り、男児の濡れた股間を拭く。
ぷよぷよの太腿に、丸みを帯びた尻、つるつるの下腹を濡らす尿を、男児がかぶれないように拭っていく。
すると、彼女の手の動きに、男児の股間が反応した。未だ未発達の肉体の中、そこだけが薬を服用する前とほとんど変わりない、無毛の陰茎が徐々に大きくなり始めたのだ。
「あらあら、お兄さまはいけない赤ちゃんですねえ」
勃起しつつある肉棒に、彼女は男児の顔を見た。
「これじゃあ、おむつつけられませんよ〜?」
「だあだ、ぬうぬ」
「はいはい、きもちよかったんだちゅねえ」
彼女は勃起と睾丸を手早く、しかし丁寧に拭うと、使用したお尻拭きから手を離し、おむつを男児の尻の下に敷いた。
「はぁい、じゃあ、ぬきぬきしましょうねえ」
男児への呼びかけに、彼はきゃっきゃと声を上げて喜んだ。幼いながらも中身は男。これから少女がしてくれることを理解しているのだ。
「ん・・・」
少女は男児の肉棒を軽く握り、優しく上下に擦り始めた。
同時に口を開いて、屹立の先端に唇を寄せる。
「んちゅ・・・ん・・・」
「あーあ!きゃぁ!」
陰茎への接吻と手コキに、男児が声を漏らした。
しかし少女は男児に返答するわけでもなく、黙々と肉棒を刺激し続けた。
指の力を変え、握ってはゆるめを繰り返しながら、亀頭より下を擦り続ける。同時に、亀頭に寄せた唇で、キスするように亀頭を吸い、時折舌で舐める。
純然たる、男児に気持ちよくなってほしい、という奉仕だった。
やがて、男児の声が小さくなり、柔らかそうな彼の頬に赤みが帯びる。少女の唇と手に、興奮しているのだ。
一方男児の股間でも、肉棒が小さく脈打ち、彼の小さな心臓の鼓動を少女に伝えていた。
「ん・・・ちゅ・・・あむ・・・」
彼女は上下に動かしていた手を止めると、一度指を離して、五本の指先を肉棒に当てた。そして指先を滑らせて、肉棒の表面を撫でながら、彼女は亀頭を口に含んだ。
裏筋と亀頭の境目に舌を当て、軽く波打たせながら、口全体で亀頭を吸う。すると、彼女の口内で赤い粘膜が震えた。
「ん・・・んん・・・!」
男児は口を結び、手を握りしめながら、一丁前に少女のもたらす快感に堪えていた。だが、彼女に最後まで堪えきらせるつもりはなかった。
もう一方の手の指も、屹立に添え、十本の指先で巧みに屹立全体を撫でさする。同時に、口中の亀頭の吸引も、顔を小さく前後させ、カリ首のあたりを唇で擦ることで変化を付けた。
すると、男児の屹立が彼女の手の中で小さく跳ね、少女の口内に白濁がほとばしった。
「・・・・・・!」
「んん・・・!」
どろどろとした粘液の噴出に、彼女は一瞬口を止めるが、一滴も逃すまいと唇を締める。そして、先ほど男児が少女の乳を吸ったときのように、舌を波打たせて喉奥へと白濁を運んでいく。
男児による少女への『授乳』は、そう長くは続かなかった。
しかし、彼がまとめて感じた快感は、少女の授乳の快感を上回っていただろう。
少女が口中に迸る精液が止まったのを感じたとき、男児はすでに目を閉じて眠っていた。
よほど気持ちよすぎて、失神してしまったらしい。
「んふふ・・・」
彼女は肉棒を軽くしごいて、尿道の中の残滓を吸い出すと、小さくほほえんだ。
股間は湿り気を帯びているのだが、不思議と一人だけ気持ちよくなった男児に対する不満はない。おそらく、男児という赤子の世話をするだけで十分満足で、体が二人目の『赤ちゃん』を求めていないからだろう。
彼女は男児の股間をおむつで包むと、汚れたおむつとお尻拭きを手に立ち上がった。
「じゃあお兄さま、また後で・・・」
部屋の扉を開いたまま、彼女は眠る男児を残し、部屋を出ていった。
12/09/30 13:28更新 / 十二屋月蝕
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■作者メッセージ
「さーて、晩ご飯はなににしましょうかねえ」
「だあだ」
「そうねえ、お野菜たっぷりのお粥もいいわねえ」
「おや嬢ちゃん、お使いかい?」
「夕ご飯の買い物です」
「へえ、弟の子守もしているのに、晩ご飯まで作るのか!偉いねえ!」
「弟じゃありません!お兄さまです!さ、お兄さま行きましょう!」
「だあだ」
「ああごめんよお嬢ちゃん・・・・・・・・・・・・おにいさま?」
とかいうエピソードを入れようとして断念しました。

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