読切小説
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働く自宅警備員!
「ん……んん…………」
「あ、起きた〜? 良いよそのまま寝てても」

下腹部に走る気持ちの良い痺れを感じながら、オレは目を覚ました。
寝惚け眼を擦り、目の前に映るのは……産まれた時からいつも見ている我が家の自室と、愛しい女性の、ちょっと顔が赤らんだ可愛らしい笑顔だった。
いくつものつぶらな瞳が物欲しそうに俺を見つめている……そんな彼女の顔見ていたら、彼女の右手で寝起きの頭を抱きよせられ、潤んだ唇が寝起きで乾燥している俺の唇に触れた。
触れるだけの可愛らしい目覚めのキスだが……たしかに心地良いものだ。

「んん……んっ!」
「あんっ♪ もう出しそうなのね。このままいっぱい出していいよ♪」

そんな彼女の顔をジッと見ていたら、強い刺激が腰から頭に掛け抜けた。
下半身から感じる刺激は何かと思い視線を下に移動させたところ、そこには、硬く聳え勃つ自分のペニスが、愛しい彼女の硬い足……と言っても傷付く事などなく、普通の指と同じように柔らかな黒足に擦られていた。
じんわりとした痺れも、意識したからか大きなものとなり、射精感が込み上げてきた。

「んんっ! んぁ……」
「あんっ♪ 身体がアナタのでべたべた……♪」

そのまま我慢する事無く、彼女の黒く艶のある下半身に精液を噴き掛ける。
沢山ある足一つ一つに降り注ぎ、彼女を穢していく……

「おはようセーラ……今日も働いているね」
「おはようシモン。アナタの性欲処理が私の仕事だもん、朝から楽しく働かせてもらうわ♪」

そう、愛しの彼女セーラは人間ではない。
身体の上半身は人間女性のように見えるが、よく見ると耳は尖っているし、頭からは触角が生えている。それどころか下半身はまるで蟻のように黒光りな昆虫のものが生えている。
そう、つまりセーラは魔物である。
とはいえ、ここは親魔物領なので、愛しの妻が魔物というのは何も珍しくはないのだ。

「君はきっと種族一の働き者だ。誇りに思うよ」
「そうかな。きっとベッドの上なら皆旦那の性欲処理の仕事ぐらいしているよ。むしろそれしかしてないんじゃないかな?」

ちなみに、蟻のような下半身と言ったが、セーラはジャイアントアントではない。
ジャイアントアントにそっくりだが、よく見れば足は8本あるし、目も複数ある……そう、彼女はジャイアントアントに紛れて怠惰を貪る種族(とは言い過ぎな気がしなくもない)、アントアラクネだ。

「さてと、もっとお仕事しないと。まだガチガチだもんね……❤」
「ああ、よろしく頼むよ」

そんな彼女が何故ジャイアントアントの巣穴では無く我が家に居るのかというと……出会いの頃まで話は遡る……




……………………



…………



……








「ふぅ……今日もいい天気だ」

彼女との出会いのきっかけは、とある日の午後の事だった。

「こういった日はゆったりと紅茶を飲むに限る……っておわっ!?」
「あーどもども。お元気ですかー?」
「……何しに来たお前……」

大きな窓から射し込む気持ちの良い午後の陽ざしを自室で紅茶を飲みながら浴びていたら、突然その窓から現れた小柄な人間と大きな蟻を足して2で割ったような黒い影。

「よいしょっと。別にいいでしょ? 幼馴染みが遊びに来るぐらいさー」
「遊びに来るのはいいが窓から侵入するのは幼馴染みはもちろんの事たとえ親戚でも良くないぞ」
「細かい事は気にしないの。いつもの事じゃん。気にし過ぎるとしーちゃん禿げるぞ」
「禿げないし気にし過ぎでもないししーちゃん呼ぶな」
「えーいいじゃんかしーちゃんはしーちゃんなんだからさ。私の事も昔どおりにあーちゃんって呼んでくれてもいいんだぞ!」
「断る。というかアイビー、お前は何しに来たんだ? 一人で来るなんて珍しいじゃないか」

その影の正体は……幼馴染みであるジャイアントアントのアイビーだ。この街の外れにあるジャイアントアント達の巣穴に大勢の家族と住んでいる。
街外れに住むジャイアントアント達はこの街や隣の街を中心に建設業を営んでいるので、街中でもよく見掛けるのだ。
その中でも彼女は、小さい頃から時々姉達の仕事についてきては抜けだし俺を含む街の子供と遊んでいたのでとても仲が良かった。その事もあり、こうして成長した今でもたまに彼女は家に遊びに来ては近況などの話をして去っていくのだ。
とはいえ、既に彼女は同じグループで遊んでいた別の友人と結婚しており、また真面目に仕事をしている事もあって最近はこうして乗り込んでくることも少なくなっていたので、彼女と会うのは久しぶりであった。

「いやあ、この家から50メートル先にある土地で今家を建ててるんだよ。丁度休憩時間だしこうして顔を出したんだよ」
「なるほどね。そういえば前の家主が王魔界に引っ越したとか何とかで今は空き地になっていた気がするな」

仄かに汗の匂いがしたので仕事中ではないのかとは思っていたが、案外近くで働いていたらしい。
家から出ない事が多いので工事しているなんて全然知らなかったが、たしかにそこからであれば1分もかからずにこの家に着くので、こうして休憩時間に遊びに来たという事だろう。

「気がするって……前に家を出たのはいつ?」
「ん〜……10日前か?」
「10日前かって……お籠りさんとはしーちゃんいい身分だね」
「実際いい身分ですから」

実際俺はここ10日ぐらいは外出していない。
まず、我が家はこの街一番の豪邸だ。両親が共に資産家で、俺達息子どころかこの先10世代ぐらいまでは一切働かなくても養っていけるような金持ち家族だ。弟だった妹は実際無職みたいなもので、自室で婿とセックス三昧な生活を送っている。
それに食料品などは両親が送ってくれたり、必要なものは元から妹である妹が買ってくる。なので俺は一日中家にいる事が多いのだ。
というか、俺は家にいる事が仕事でもあるのでなるべく外出は控えている。

「でも大変なんだぞ。お前は顔見知りだから良いが、実際同じように窓から侵入してくる輩もよく来るし、財産管理だって頭使うんだぞ」
「まあそうだろうけどさ……しーちゃんが警備員みたいな事やってる理由とかも知ってるから外出て働けとは強く言えないよ」
「わかっているならよろしい」

それに、俺は別に無職ではない。
我が家にはかなりの財産があるが、それらを管理しているのは全部家族である。また、こういった屋敷だとメイドなどを雇っていたりするのだが、うちでは雇う人間が何故か今まで全員よろしくない人達ばかりだったので、家の管理や身の回りの世話も家族で、それこそ自分自身で行っているのだ。
親の後継ぎは兄が、家の掃除や炊事などは妹が行い、元弟も最近は性交に夢中になり過ぎてサボり気味だが家族それぞれのサポートをし、俺は財産の管理や家の警備をしている。実際わりと泥棒に入られる事が多いので気は抜けないし、そういった輩を退治するために日々の訓練も欠かせない。
そんな事をしているので俺はあまり外出できない。財産の管理の関係で家を出る時もあるが、長い時間外出するのはよろしくないのである。

「いやでもさー、外に出ないと出会いもないよ?」
「出会い? 何の話だ?」
「何の話って……しーちゃん恋人いないでしょ?」
「ん……まあ……」

まあ、そんな感じで外出をしないものだから、アイビーの言う通り俺には恋人なんて居ない。実際異性の知り合いも少年だった時に出会ったアイビー含む数名しか居ないし、その数人も大体夫持ちか意中の男性がいる。
たしかに恋人がいないからと困る事は特にないが……兄にはドーマウスの嫁が、妹には人間の彼氏が、そして弟は自身がアルプ化して婿がおり、完全に一人身なのは自分だけなので若干の肩身の狭さを感じなくもなかった。

「それがどうした? お前がジャイアントアントの仲間でも紹介してくれるのか?」
「その通りだよ」
「まあそんなわけない……え?」
「うんだから私が紹介してあげようかって言ってるの」

そんな中、まさかの助け船が幼馴染みから出された。どうやら彼女の仲間を紹介してもらえるらしい。

「あーまあジャイアントアントじゃないけど、魔物ではあるよ……どうする?」
「ぜひお願いしますアイビーさん、いえあーちゃんさん」
「よーしよし。ではついてきたまえしーちゃんよ。まあその前に誰かに警備を任せてからね。すぐそこって言っても泥棒にその隙をつかれる可能性がゼロじゃないだろうしね」

これはまたとないチャンスだ。いきなり嫁に貰えと言われるのは少し困るが、断った場合他に出会いがあるのかと言われたら微妙だし、魔物である点は兄のパターンからして一切困らないので、その魅力的な案に乗らせてもらうことにした。
ただ一つ気になる点と言えば、相手がジャイアントアントじゃないという事だ。すぐそこに行くという事は作業現場に行くと思うが、現場に他の種族の魔物がいるというのだろうか。
どちらにせよこんなチャンスは親魔物領に住んでいようが外出しないからそうあるもんじゃないので、丁度一勝負終えて部屋から出てきていた元弟達夫婦に警備を任せ、アイビーについていった。

「ほら、ここで働いているんだ」
「ほお、近いな。そしてジャイアントアントがいっぱいだ」

そして家を正面の門から出て歩く事1分以内、そこでは十数人のジャイアントアント達が働いていた。
コンコンカンカンと、協力して大きな家を建てている。それでもアイビー含め数人が休んでいるところを見ると、数人チームで交代で休憩しながらやっているようだ。

「それで、しーちゃんに紹介したいのはこの子!」
「あ、どうも」
「えっな、なんですかアイビーさん!?」

そして、隅の方で大きな椅子に寝転がって休んでいたジャイアントアント……

「彼女はセーラ。よく見るとわかるけどアントアラクネなの。うちの群れに紛れ込んでたんだけど、妹の旦那さんが洞察力優れてて見抜いちゃったんだよね。それからは現場の命綱や材料として糸を出してもらう係をしてもらっているの」
「あ、本当だ足が8本ある」
「え、あ、は、はじめまして、セーラです」
「あ、えーと、アイビーの幼馴染みのシモンです」

……いや、アントアラクネのセーラを紹介された。
そう、妻のセーラとの出会いは、幼馴染みの紹介によるものだったのだ……



……………………



…………



……







「……ねえシモン、ねえってば!」
「……ん? おっとなんだい?」

愛する妻との出会いの記憶を思い出していたら、呼ばれている事に気付けなかった。

「何よさっきから無視して……もしかして他の女の事でも考えてた?」
「え? うーん……」
「ち、ちょっと、なんで否定しないの?」
「いやぁ、君との出会いの頃を思い出してたからね。まだアイビーの奴に紹介されてた時だから、あながち間違ってないかなと……」
「むぅ……」

正直に話したのだが、気にくわなかったのか頬を膨らましてどうみても不機嫌になってしまったセーラ。
その顔ももの凄く可愛くて永久保存しておきたいのだが、そうも言ってられない状況みたいだ。

「いくら出会いのきっかけとなったアイビーさんの事とはいえ、セックス中に他の女の事を考えられるのは気分が良くないなぁ……」
「えっと……セーラさん、この糸はいったい……」

そう言いながら彼女は、俺の身体に素早く糸を噴き掛けた。
ジャイアントアントにそっくりでもしっかりとアラクネ属なんだなと思っている間に、糸で身体を固定されて身動きが取れなくなってしまった。手も足も固定されるどころか、頭や身体自体をベッドに括り付けられてピクリとも動けない。動くのは口と糸が巻かれていないペニスぐらいで、ココだけは彼女の手淫によってピクピクとせわしなく動いている。

「という事でぇ……好き勝手させてもらうね♪」

そう言いながら、先程から優しくペニスを撫でていた柔らかくて温かい手を離し、もぞもぞと俺の上で身体を反転させた。
顔をペニスの方へと移動し俺の頭を彼女は跨ぐような姿勢になった。そのため、彼女の性器が俺の目の前に現れた。

「はむっ、じゅる……私のも舐めたければ舐めていいよ。舐めれるものならね♪」
「くっ、ぐおお……」

彼女の可愛らしい唇が俺の醜い肉棒を咥え、しゃぶり始めた。
カリ首を絞め、鈴口をねっとりと舐めまわす。いくらされても慣れるものではなく、俺のペニスはすぐにでも射精しそうになっている。
目の前では興奮で既に湿っている彼女の陰唇が踊っているが……彼女に縛られピクリとも動けないので、舐めるのはおろか触れる事すらできない。
たまに下がってくるが、舌を限界まで伸ばしてもほんの少し足りないぐらいの高さを保たれているので届かない。

「じゅず、れる、ん……じゅぷ、じゅる……」

こちらが必死扱いて舌を伸ばしている中、セーラはより激しくフェラチオで攻めてくる。
わざと音を立てて聴覚的にも犯し、俺の興奮を激しくしているようだ。
流石魔物娘と感心するが、それ以上に込み上げてくる射精感と、目の前にある愛しの人の秘所に触れられないもどかしさに悩まされる。

「んっんっじゅるるる……」

ペニスをすっぽりと咥えて顔ごと上下に動かし攻め立てるセーラ。また中の精を吸い出すかの如く擦ってきたり、小さな牙でカリ首を引っ掛けたり、口を窄め鈴口全体を圧迫してくる。強過ぎる刺激に、実際は動かせないのだが腰を浮かそうとしてしまう。
また、刺激は股間に直接送られてくるそれだけではなく、俺の頭上にぽたぽたと降ってくる彼女の愛液も俺の中の欲望を駆り立ててくる。

「じゅぷ、じゅぽ……んぶっ♪ ごくっ♪」

じゅぷじゅぷと激しい攻めの前に、結局彼女には一切触れられないまま、俺は彼女の口に精を吐きだしてしまった。
ドクドクと彼女の喉を潤させるかのように流れ込む精液に、彼女も満足そうに顔を赤らめ喉を鳴らす。興奮して滴り落ちてくる愛液の量もまた、空腹の人が御馳走を前にして垂らす涎の如く垂れ落ちてくる。

「んふふ……美味しかったわよ」
「ふぅー……!!」
「そんな恐い顔しないでよ。元はと言えば他の女の事を考えてたシモンがいけないんだからね」
「そ、それはそうだが……」

彼女に攻められるのは嫌いではない。ジャイアントアントに似ていても彼女はアラクネ。その性格はどちらかと言えば嗜虐的だ。
今回に限らず、いつもセックスの際は彼女が優位の事が多い。そのほうが『働き甲斐』があるらしい。
とはいえ、こちらが何もできないというのはよろしくない。俺だって彼女の柔らかい胸を揉みたいし、彼女の貪欲な秘所を指や舌で堪能したいものだ。
自分の手で彼女が感じてくれている顔がみたい。魔物娘の夫ならば誰もが考える事をできないのは、なんとももどかしいものだ。

「しっかしまだ硬いわねぇ……」
「それはまあ、インキュバスだからな」
「あら、出会った時から何発も出せた程には性欲は強かったじゃないの。まあでもそっちのほうが働きがいがあるから良いけどね♪」
「そ、それはいいが……できればこの糸を解いて欲しいのだが……」
「まだダメ。ほら、今度はこんなにとろとろになったおまんこに挿れてあげる。中に1発出してもらってから解いてあげるね」
「そ、そんなあ……」

2発目を出したぐらいでは俺の性欲は治まらない。インキュバスとなった人間とはそんなものである。という事で俺の愚息は未だに彼女の綺麗な手の中で硬く張りつめている。
もちろんそんなインキュバス以上の性欲を持つ魔物であるセーラもまだまだ満足していない。そもそも本番はまだしていないので、満足なんてするはずがなかった。
なので今度こそ自身を縛る糸を解いてくれとお願いしてみたが、彼女の機嫌はまだ戻り切っていないみたいで、1発分は自分の好きにさせろと言われてしまった。
この手で彼女を抱き寄せたり性感帯を撫でたいという欲求があるのでもちろん不満はあるが、今回は自分が悪いので強く文句は言えない。

「ほーら、シモンのおちんちんが私のナカにぃ……♪」
「うぁっ、相変わらずの名器だ。すごく気持ちが良い」
「アナタ専用のおまんこだもの。すごく気持ち良くないわけがないじゃない❤」

セーラは再び顔をこちらに向け、自身の秘所を広げながら腰を下ろしてきた。
ゆっくりと彼女のナカに沈んでいく我が愚息。その中は熱く、ぎゅうぎゅうと貪欲に締めつけ、無数の襞が精を搾り取ろうと蠢く。
既に2回射精していなかったら入口で暴発していたかもしれない。それだけ気持ちが良いのだ。

そういえば、初めての時は瞬殺だったなぁ……



……………………



…………



……







「へぇ、じゃあセーラさんはアントアラクネだってバレたけど追い出されずに済んだのですか」
「はい。働く時に手伝ってくれるなら部屋を使ってもいいしご飯もちゃんと分けてあげるよと女王に言われました」

アイビーによって紹介された俺達は、その場でお話を始めた。
どうやら彼女はきちんと全員からアントアラクネだと認識されてしまっているらしく、アイビーが言っていた通り現場の命綱や材料として糸を出す係をする事でそのまま住ませてもらっているらしい。

「失礼な事を言いますが、働くアントアラクネなんて居るとは思いませんでした」
「まあ、世間一般ではアントアラクネと言えば働かない怠け者のイメージが強いですからね。私もバレるまでは巣穴で気に入った男が来るのをただ待ってるだけでしたから、間違ってはいませんね」
「あ、そうなんですか」
「ちょっとゴメンねセーラちゃん。50センチぐらい糸を出してもらえないかな?」
「あ、はい。わかりました」

話の途中で他のジャイアントアントに頼まれて建築材として使う糸を出している彼女。その時の表情がちょっと色っぽい。
こうして二人きりで話していて面白い娘だなと思ったが、その表情を見て俺はドキリとした。

「あら、どうかしましたか?」
「あ、いえ。その……かわいいなと思って……」
「えっ? そ、そうですか……」

俺に可愛いと言われて、顔を赤らめる彼女にまたドキッとしてしまった。
今まで幼馴染み含め女性のそういった仕草を見てもなんとも思わなかったが、セーラの場合は仕草、表情のどれをとってもかわいいと思えてしまう。

「なんというかその……照れます」

そう言って恥ずかしがる彼女。そんな彼女にジッと見つめられる度にこちらも照れてしまう。
なんとなくだが、俺達の間には良い感じの空気ができあがっていた。

「すみません、俺そろそろ家に帰らないと……先程も言ったように家を物理的に護らないといけないので……」
「あ、そうですね。あの……また、お会いしてもよろしいでしょうか?」
「是非とも。俺の家はあそこなので、好きな時に来て下さい」

だが、これ以上外で話をするのは時間が許してくれない。楽しい時間というのはあっという間に過ぎてしまうようで、俺がアイビーと共に家を出てからもう1時間半は経過していた。
元弟達夫婦に任せたとはいえ彼女達は彼女達でどうやら今は兄に頼まれた別の仕事があるみたいだし、それ以上にまたイチャイチャして不届き者の侵入を許してしまいかねない。
仕方ないのでここで話を切るが、彼女とはこれっきりの関係で終わらせたくは無い。という事で俺は彼女に自分の家の場所を教えた。
アントアラクネはあまり巣穴から出ないイメージがあるものの、こうして他のジャイアントアントと共に働きに来ているので、俺の事を良く思ってくれているのであればきっと来てくれるだろうと思ったのだ。
家の場所を教えた後、またいつか会う約束をして俺は家へ戻った。
手を振る彼女の姿に心を躍らせながら……



……………………



「ふぅ……そろそろ寝るかな」

その日の夜。俺は日課のトレーニングを終え、寝る準備をしていた。
家に侵入してくる輩は夜のほうが多いが、予告状とか送ってくる間抜けな怪盗でも現れない限り俺は夜きちんと寝る。寝ていても気を張ってはいるので家の中で怪しい気配や物音がしたらすぐに起きられるし、動く事もできるので問題は無い。
むしろそういった輩を倒す為の身体作りとして規則正しい生活は必須なのだ。ぐっすり眠れないので大変ではあるが、疲れが取れないわけではないし、何よりこれが俺の仕事なので仕方は無い。

「しかしセーラさんか……可愛い娘だったなぁ……」

今日は昼過ぎからずっとセーラさんの事が頭から離れなくなっていた。あの顔が、あの表情が、身体も触角も何もかもが頭から離れず、鮮明に焼きついていた。
帰宅後妹や元弟に「ついにシモン兄さんにも春が来たかー」だなんて口を揃えて言われてしまったが、本当にそのまま良い仲になれたらいいなと思えるほど、この半日だけで俺は彼女にメロメロとなっていた。

「皆協力してくれるみたいだし、今度は自分から会いに行ってみようかな……」

魔物である元弟はもちろんの事、妹も俺に恋人ができてほしいみたいで、1日ぐらい警備の仕事変わってあげるから会いに行ってあげなよと言われた。
アイビー達の住処は昔から変わっていないはずなので行く事はできるはずだ。ジャイアントアント達のフェロモンにやられなければいいが……まあ、精通した後でも子供の頃ならなんとかなっていたし大丈夫だろう。

「ふぅ……」

そんな彼女と夢で会えたらいいな……なんて、ちょっと乙女チックな事を考えながら俺はベッドの中で目を閉じた。

「……」

そしてしばらくたった頃……頭上の窓が静かに開いた音で目を覚ました俺は、侵入者に気付かれないように寝ているふりを続けた。
スルスルと何かが擦れる音、そして上から感じる気配が段々と近付いてくる。どうやらロープか何かで天窓から降りているみたいだ。

「……」
「……何者だ!」
「いっ!?」

俺の部屋から堂々と入ってきた大胆な侵入者。それどころか俺の寝るベッドの上に乗るという、どう考えても喧嘩を売っているとしか思えない行動をとってきた。
喧嘩を売ってきた侵入者を後悔させる事にした俺は、ガバッと起き上がって侵入者の横へサッと移動し、腕を掴み床に抑えつけた。
相手がスライム系でなければこれで大体抑え込めるはずだ。しっかりとした腕の感触があるので、スライム系ではないだろう。
だが、暗くてハッキリとは見えないが、下半身が異形のシルエットを浮かべている。一瞬だけ浮かべた声も女性ぽかったし、おそらく相手は魔物だろう。過去にはラージマウスやアラクネなんかも財宝目当てに侵入してきた事があるので何ら不思議ではない。

「いたたっ! 痛い痛い!!」
「……あれ? この声は……」

だが、腕を折ってやらんとばかりに力を入れたところで聞こえた悲鳴は、とても耳に馴染む聞き覚えのある美しい声だった。
もしやと思い、侵入者の顔をよく見てみると……

「……セーラ……さん?」
「痛い痛い! はいセーラです! 離してー!!」
「あっす、すみません!」

なんと侵入者の正体は……昼間に沢山のお話をして、自分が惚れた相手であるセーラだった。
彼女が涙目で痛いと訴えかけているのを認識して慌てて拘束を解く。彼女が財宝目当てで侵入したとは思えないし、何よりこのまま彼女に痛い思いをさせたくなかった。

「うーイタタ……話の通りお強いのですね。魔物なので力には自信がありましたが、全然敵いません……」
「すみません。セーラさんとは気付かず……」
「いえいえ、こんな時間に窓から侵入した私が悪いのですから……」

とりあえずベッドに腰掛けてもらい、痛みで涙目になっている彼女に謝る。
結果論ではあるが、寝たふりなどせずに最初からきちんと見ておけばよかったと後悔している。

「そういえば何故窓から? もしやアイビーの奴からそう入れと言われたとか?」
「えーまあ、こんな時間に玄関から入るのもなんだかなーと思ったのと、アイビーさんにこの窓からならシモンさんの部屋に直通って聞いたので……」
「やっぱりですか……あのやろう……」

そして、どうして窓から侵入したのかを聞き出した。
どうやらしょっちゅう窓から入ってくる迷惑な幼馴染みの入れ知恵らしい。今度会ったらシバいておく事にする。

「それでこんな時間に来た理由は……もしかしてお話しに来たのですか?」
「はい。あれからずっとシモンさんの事が頭から離れなくて……つい来ちゃったって感じです。迷惑ですよね?」
「いえいえ、全然そんな事ありませんよ。俺もずっと頭からセーラさんの事が離れなくて、明日仕事を家族に任せて会いに行こうとしてたぐらいですから。それどころか夢に出てきてくれないかな〜とか思ってましたしね」
「あ、そうなのですか!?」

そして、来た目的のほうは……嬉しい事に、俺とお喋りをする為だったらしい。
俺としても夢の中でセーラさんとお喋りしたいと思っていた程だ。それがすぐにしかも現実で叶うとは……とても嬉しい事だった。

「あ、それと〜……」
「ん?」

じゃあどんな話をしようか……なんて考え始めた矢先、セーラの表情が一変した。
ちょっぴり涙目を浮かべながらも優しい笑顔だったのが……突然眼をぎらつかせ、妖しい笑顔へと変貌した。

「もう一つ、目的があったりするのよね……」
「えっセーラさん、これはいったい……」

そして、横に座っていた俺をベッドに押し倒し、両手足を自身の糸で縛り、セーラさんは俺の上に乗った。
舌舐めずりをし、妖しい笑みを崩さぬまま、月明かりをバックに複数の赤い瞳が俺の顔を見つめていた。

「ふふふ……かぷっ♪」
「はうっ!? な、何を……」
「ふふ……夜、ベッドの上、魔物と言ったらもうわかるわよね?」

その顔が近付いてきたと思ったら……耳を甘噛され、更には息を吹きかけられた。
今まで見た事のある女性の中で一番大きな胸を押し当てながら、悶えている俺に向かってそう言う彼女。
俺は鈍感ではないし、何よりも親魔物領に住む人間だ。だから彼女が言いたい事はわかる。

「その……本気ですか? ジャイアントアント達のフェロモンにやられただけって事は……」
「本気よ。じゃなければわざわざアントアラクネが家から出て夜這いしに来ると思う?」
「い、いえ……」

わかるが、簡単には信じられなかった。
俺とセーラが出会ってからまだ半日程しか経っていない。長く付き合っていればいつかこんな日が来るかもしれないと思いはしたが、まさか即日とは思いもしなかったからだ。全く期待していなかったわけではないが、いくら相手が魔物とはいえ早過ぎではないかと。
でも……顔を赤らめ、俺の顔をじっと潤んだ目で見つめながら身体を弄る仕草からも本気で俺の元に夜這いしに来たという事だろう。

「私、今日のお昼にちょっと喋っただけでシモンさんに……いや、シモンに惚れちゃったの。あなたの事を考えると、身体が疼いて仕方がないの。ねえ、いいでしょ?」

そして……告白とも取れる言葉を、俺に向けて言い放ったセーラ。

「ああ。俺も、君の事が頭から離れなかったよセーラ。君に惚れたようだ。よければ俺の恋人になってくれないか?」
「もちろんそのつもりで来たのよ。もし嫌だって言われても無理矢理犯してやる勢いでね♪」
「は、ははは……」

俺も負けじと彼女に告白した。もう少しいい雰囲気で言いたかったし、もう少し彼女を知ってから伝えたかったが、こればかりは仕方がない。
それに、魔物との性交が始まったら、最初の頃は何かを言う余裕なんてないと兄やアイビーと結ばれた友人は言っていた。セーラの宣言通りおそらくこの後はそういった流れになるだろうから、言えるうちに自分の気持ちを伝えたかったのだ。

「それじゃあ早速だけど、いいかな?」
「いいよ。ただ、俺はこういったものは初めてだから満足させられないかもしれないけどね」
「あら、初めてなのは私もよ。でも大丈夫。リードしてあげるから♪」

そのまま彼女は俺の服に手を掛け、ゆっくりと剥ぎ取りながらそう言ってきた。
魔物の最大の愛情表現といえばやはり男女の営みだ。それを拒絶するなど考えもしないだろう。
ただ、自分は今まで女性経験など一度もない。だからどうしていいかわからないのもあり、少し悔しいが彼女にリードしてもらう形になりそうだ。
同じ経験無しでも、魔物と人間ならば魔物のほうが上手だから……と、皆口を揃えて言っていたのだから。

「あっ❤ 立派なモノを持っているのね❤」
「そう……なのかな? 他人の物なんてみようとした事ないからわからないけど……」

俺のズボンを下着ごと下ろし、露わになった男性器。
彼女に甘噛され、更には胸を押し付けられた影響で少し大きくなっているソレを、まるでそこに御馳走でもあるかの如くまじまじと見つめる彼女。
興奮によるものか漏れ出す吐息が先端に当たり、未知の刺激を与えてくる。自分の意識とは関係無しに、透明な液体がそこから漏れ出ていた。

「んっ、初めて触ったけど、なんか柔らかいけど硬くて不思議な感じね……」

赤い顔を更に興奮で紅潮させながら、俺の愚息をその綺麗な手で撫でる。
ゆっくりと裏筋に合わせて上下に、敏感な場所は少し指に力を入れきゅっと押しながら扱かれる。自分の右手でやるのとは比較にならない程気持ち良く、とても初めてとは思えなかった。

「ん〜こんなものかな」

奥から込み上げてくるものを感じたと同時に、彼女は手を離した。
生殺し状態で辛いが、その後すぐに彼女が取った行動を見て、そんな事はどうでもよくなった。

「ん……どうかな? スタイルはわりと自信があるけど……」

元々露出度は高かったが、着ていた服を全て脱ぎ捨て、裸を露わにしたセーラ。その美しさに視線も何もかもが彼女の艶のある身体に吸いつけられるようだ。
たわわで柔らかそうな美乳の先端に少し勃った可愛らしい乳首が付いている。そんなおっぱいが目の前で揺れ、縛られている手をつい伸ばしてしまった。胸へ伸びた手をセーラは掴み、縛る糸を切りそのまま自身の胸まで持って行き、触れた。
見た目通り柔らかいそれは、軽く握るだけで自由自在に形が変わる。指に少し力を入れるだけで沈み、それなのに押し返してくる弾力も兼ね揃えている。

「んっ……じゃあ、挿れちゃうね」

夢中になって揉んでいると、彼女はスッと腰を浮かせ、俺の眼に入るように自身の性器を指で広げた。
ゆっくりと開く動きに合わせ、ぬちゃぁと糸を引きながら割れる。そこは綺麗なピンク色をしていた。
そして、赤黒いペニスを食べてしまうかの如く、ゆっくりと腰を下ろした。

「んぅ、きたぁ……❤」
「あ、ああ……」

ピトッと入口に触れただけなのに、あまりもの気持ち良さに俺のペニスはビクビクと暴れ出した。
それを彼女の手が掴み、入口へと誘導して……そのまま中へ沈んでいった。

「うはっ、あっ……!」
「ひあっ!? なーに、もう射精しちゃったの?」

膣内は熱く、搾り取らんとばかりに内壁が絡みつく。
ぎゅぎゅっと締めつけ、ペニス全体を緩急付けて攻めるそれに、限界まで来ていた俺は耐えられず、中ほどまでしか進んでいないのに暴発してしまった。

「す、すまない……んっ!?」
「いいわよ。それだけ気持ち良かったってことでしょ。でも今度は、一緒にイキましょ……ん♪」

彼女を満足させるどころかまともに入ってすらいないのに射精してしまった事に、とてつもない恥ずかしさが込み上げてきた。
だが彼女は俺を責める事無く、上機嫌にそう言いながら俺の顔に顔を近付け……唇を押し当てた。
少しの間唇を重ねあった後、離れる際に上唇を一嘗めされた。その時の表情はとても妖艶で、彼女の顔から眼を逸らす事ができなかった。たとえ彼女に惚れていなかったとしても、一発で魅了されていただろう。

「まだ硬いからいけるわね? それじゃあ動くね」
「はっ! あ、ああ……」

彼女をただじっと見つめていたところに下半身から強過ぎる快感が来て、俺ははっとした。
静まりようやく奥まで達した敏感なペニスを、彼女が腰を小刻みにくねらせ刺激したのだ。
アントアラクネにはないと言われているが、彼女から感じるジャイアントアントよりも強いフェロモンが、元気を引き立てたのだ。

「んっ、あっ、ねえシモン、わかる? このコツンって当たってるのが、私の子宮口よ❤」

ゆっくりと、そして深く腰を振りながら喘ぐセーラと俺は、夜が明けるまで交わり続けたのであった……



……………………



…………



……







「はぁ……はぁ……ん?」
「ねえシモン、またボーっとしてない?」

頬をぺちぺちと叩かれて、俺は意識が現実へと戻った。

「いや、なんというかその……気持ち良すぎてちょっと飛んでたみたいだ……」
「あらそうなの? それならいいわ♪」

どうやら彼女のナカへ射精した時に、思い出していた初めての頃の気持ちよさと重なり合って許容量以上の快感が脳に達したらしく、俺は情けない事に意識を少し飛ばしていたようだ。
結合部からは彼女の愛液と出したばかりの精液が混ざったものが漏れ出している……だが、俺も彼女もまだまだ満足はしていない。

「じゃあ次はお望み通りあなたの好きに……きゃっ!」

ここでようやく身体が彼女の糸から解放された。
俺は堪らず繋がったまま起き上がり、右手で彼女の胸を揉み、左手で彼女の蜘蛛腹を撫でる。
彼女が身体を小さく震わせ少し悶えた後、今度は左手を頭に持って行き顔を近づけさせ、舌を絡ませるディープなキスをする。
絡みあう舌、互いに交換される唾液……息切れを起こさぬよう時々顔を離しながらも、数十分間ずっと口づけを交わし続けた俺達は、互いに蕩け切っていた。
接合しっぱなしの腰もガンガンと突き上げる。無数の襞がカリに引っ掛かり大きな快感が生まれる。
激しさのあまり膣から愛液が泡を立てながら噴き出してくる。汗や唾液など、互いの体液でベッドが汚れるが、自分で洗うので問題は無い。

「はぁはぁ……あんっ、いつになく激しいわね♪」

今まで焦らされた分だけ、煮え滾った性欲を彼女にぶつける。
受け止める側の彼女もまんざらでもない様子で、俺の動きに合わせて彼女自身も腰を捻る。
部屋に響く互いの肉をぶつける音が、更に気分を高めていく。
働く事が無いとまで言われる種族とは思えない程、激しい動きで互いを求めあう。

「んあっ♪ また出すのね❤ いいよ、いっぱい、ナカにだし、あっ、孕ませてぇ……❤」

何度出しても衰えるどころか硬さを保ったままのペニスが、膣のぬめりに善がりながら、彼女の子宮口をノックし続ける。
そのうち訪れる限界。それは互いにみたいで、抱きしめた彼女の身体も小刻みに震えている。
彼女の望み通り最奥に出す為に、そして彼女をイかせる為に、俺は一際深く腰を打ちつけた。

「ああぁ……ぁ❤ ひぁ……んんっ❤」

セーラの子宮口に鈴口が当たった瞬間、ペニスが激しく脈打ち、今日の中では一番かもしれない程大量の精液を、彼女の膣や子宮内に解き放った。
どぴゅ、びゅる、びゅくっと、そんな音が聞こえてきそうな程、子種汁を勢い良く彼女の中に出し続ける。膣内に納まりきらなかった分が、彼女の膣から逆流してくる。
抱きしめた彼女の身体は大きく痙攣し、彼女自身は蕩けた顔を浮かべ、言葉にならない音を漏らし、俺の肩にもたれている。どうやら彼女もイッたようだ。

「ふぁ……❤ あなたの精液がいっぱい……❤」

少しだけぽっこりと膨らんでいるようにも見える彼女の下腹部。それだけの物を俺は出したのだろう。
それなのにまだまだ硬いままのペニスは、彼女の貪欲な膣に今も優しく揉まれている。
だからこそ、俺はまた1戦する為に腰を引こうとしたのだが……

「はぁ……あ、待ってシモン。はぁ、ここでいったん、はぁ、休憩しましょ」
「え?」

その前に彼女が、俺の耳元で息絶え絶えに休憩しようと言った。
どんなに激しくイッても、普段の彼女ならすぐにまた腰を振り始める。俺の方がへばらない限り休憩しようだなんて言った事が無かったので、俺は自分の耳を疑った。

「珍しいじゃないか。どうかしたのかい?」
「はぁ……えっとね、アナタの本業の方をやらないといけないわ。どうやら昨日の夜、センサーに引っ掛かったみたいだからね」
「お、そうなのか」

いったいどうしたのかと思えば、どうやら今、家の中に不届き者がいるらしい。
彼女の言うセンサーとは、家中に張り巡らしてある彼女の糸の事だ。家内の者以外が触れたり糸を切ると、この部屋に繋がっている糸が揺れ動くものだ。

「どうしてそれを早く言わなかったんだい?」
「だってアナタの硬く反り勃ったおちんちんが美味しそうで……それに、どうせ相手は動けないんだもの。しばらく放っておいても平気よ」
「それもそうだな」

しかも、その糸は肉眼で確認する事はできないうえ、家中に張り巡らされているため、進めば進む程糸が絡みつく仕掛けになっている。
なので、どこから侵入してどんなルートを通ろうとも、宝物庫や財産がしまってある部屋に辿り着く頃には全身に糸が絡まって動けなくなるのだ。
セーラと初めて出会って夜這いされた次の日から彼女はここで俺の妻として一緒に暮らしているが、その日の昼に来たアイビーが祝福してくれつつも「たまに糸を貰いに来る」と言った時に、このセンサーの案を思い付いたのだ。
妹の彼氏や元弟の旦那に協力してもらいそれぞれ別の進入ルートから何度か試してもらったところ、どうあがいても絶対途中で進めないようになっていたので即採用したのだ。
つまり、セーラは俺の性欲処理係としてだけではなく、実質俺と共に自宅警備の仕事もしているという事だ。
まさに、俺の妻は世界一働いているアントアラクネではないだろうか。

「いやぁ、セーラが来てからは多少怠けても問題無くなって助かるよ。君が自宅警備の仕事もしてくれたおかげでその分君との時間を過ごせるのだから」
「アナタとお話したり交わったりする為だもの。これくらいは働かせてもらうわ。さ、コソ泥鼠を駐在に突き出しに行きましょ。その後はきちんとした朝食を摂って、続きをしましょ❤」
「そうだな」

そういう事で、名残惜しみながら俺達は結合を解いた。引き際に抜けないように更に強く膣を締めるところから、口ではそう言いつつもやはりもう少し交わっていたいのだろう。
だが、侵入者を追い払うのが俺の仕事だ。放置しておいても相手は動けないから財産が盗まれる心配は無いが、そのまま放置し過ぎて極論餓死されても非常に困った事になるので、きちんと捕まえに向かわなければならない。
ただ、彼女のこのセンサーのおかげで俺の警備員としての仕事はとても楽になったと言える。
侵入者に対して気を張り詰める必要が無いので、夜は気にする事無く眠れるし、それ以上に朝も昼も夜も彼女とベッドの上で抱き合っていたとしても何ら問題が無くなったのだ。
まあ、財産管理の方の仕事があるので四六時中いつでも彼女と交わっているわけにはいかないが、それはセーラ自身も理解してくれているし、そういった仕事の後は互いに激しく求めあったりしている。

「よっと。さて向かうか。場所はどこだい?」
「C倉庫の前ね。多分男よ。誰の匂いも付いてないから駐在に突き出せば調教好きな娘とかが喜んだりしてね」
「そうかもな。突き出した後は妹の作るご飯を食べて、さっきの続きをしようか」
「もちろんよ。今日も一日ずっと働かせてもらうわ♪」

きちんと服を着て、まだ興奮醒め止まぬ彼女と共に部屋を後にした。
不届き者を突き出し、朝食を頂いた後に訪れる、彼女の仕事に股間と胸を膨らませながら自分の仕事に取り掛かるのであった。
14/05/04 23:30更新 / マイクロミー

■作者メッセージ
なんだか自分の頭の中でアントアラクネさんがフィーバータイムだったのでそのうちの一つを文にしました。
今回は働くアントアラクネさんのお話。きっと旦那とのセックスが仕事なら喜んで働くと思うんだ!www
ちなみに残り2,3種類ありますが文にするかはまだ未定。連載もありますしね。

そして久々のエロ。リーア以来なので実に3,4ヶ月ぶりです。
久しぶりに書いたのでわからなくなってましたが、いかがでしたでしょうか。
誤字、脱字、その他アントアラクネっぽくないぞゴルァ等ありましたら感想欄やメールで何なりと申して下さい。

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