連載小説
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第三章 クノイチとの初夜
「サラさん…起きてはる?」
「むにゃ…うぅ〜ん…」
ベッドの上、カーテンの間から漏れる薄明かり。まだ早い。もう少し寝ていたい。昨日はとても色々あったから。
「起きな悪戯してまいますよ…?」
下からゆったりとした女性の声が聞こえる。声だけで穏やかな気分になる。誰だろう、この優しい声の持ち主は。
「くす♪…可愛いらしい寝顔………我慢できません♪」
「んぁ…?」
夢現のぼくの下腹部に凄まじい快感が走る。跳ね起きると、ぼくのモノが極東の美女に手淫されている。
「ちょ…ッ……ぁっと、トモエさん何を!だめ、ん……ですぅう…!」
「くす♪女の子みたいな体してはるけど、ここはちゃあんと立派な殿方なんやねぇ♪」
細く白い指でとても大切に扱われている。しごくと言うにはあまりに優し過ぎる動き。もどかしい。
「どやろ…?ちゃんと出来てますぅ?」
「はぁあう!こんなっ、やッめッてッ…」
「……うち、下手?」
「そ、そんな事はッ…!とても気持ちぃッ…ですッ、けどッ」
「よかったあ♪えぇんやね?」
トモエさんは相変わらずとてもマイペース。綺麗な手でぼくのモノをゆったりさする。行ったり来たりする度に、軽く握ってみたり指でなぞってみたり。
「と、トモエさん…!一旦、いったん止めてッ」
「はいな…♪」
腰砕けになるぼくは、やっとの思いで上半身を起こし、悪戯していた美女に批難の目を向ける。
「そんな怖い顔しんといて?ちょっと悪戯しようと思っただけなんよ」
全く反省の色を見せず、とろんとした目つきで豊満な肉体を惜しげもなく晒している。とりわけ浴衣がはだけて見える魔乳が凶悪だ。魔乳には東洋文字の刺青の様なものが浮き上がり、耳はとがって、大きなお尻からは長い尻尾が伸びている。これがクノイチである彼女の本当の姿なのだろう。
「っいきなりすぎます。何もかも」
「堪忍。でも、しぃ〜…やよぉ?まだラウラちゃん寝てはるからねぇ」
隣ですやすや眠るゴブリンの少女。一歩間違えば大変な事になる。
ゆやんゆよんと胸を揺らしながら身体を寄せてくる。うわ…!甘ったるい匂い…!
「サラさんったらよくこんなモノ持ってて周りに隠せたねぇ」
ぼくのアレに優しく手を触れて愛しげにくにゅくにゅする。
「あっ……ちょ…っ、ぁんっ、ラウラは遅くまで寝てますし、ん…使用人達は許可を出すまで入るなと言いつけてあるから…」
「それはええ事聞きました…♪」
「ちょ…トモエさん…?そんな格好で、朝から、あまり近付かないでください」
「どして?目障り?」
「………正直、襲っちゃいそうです……ぼくも、男…ですから……」
「襲ってくれはってええんよ?」
あられもない姿で誘って来る極東のサキュバス。理性で本能をねじ伏せ、何とか話す。
「ッ昨日と話が違うじゃありませんか。お友達から…はじめるってぇえ…」
「あらぁ…“サラさんは”うちをお友達と思って接してくれてもええって言うたのん。うちはずっと狙てましたよぉ…?」
「何ですかっ、んぁッ、その詭弁」
「最初に言うたでしょ?うちは悪い女ですよ?絶対に落としてやるとも言いました。クノイチに二言はありません。覚悟なさってぇな…?」
とても愛らしい笑顔で更に身を寄せる美女。わざと身体を見せつける様にいやらしく。しな垂れかかってくるトモエさんにどうにか離れてもらおうと頭をめぐらす。
「ラウラがっ、んっ……ラウラが起きちゃいますよ」
「サラさん、可愛えなあ。御自分でラウラちゃんは遅まで寝てる言うてはりましたよ」
言いつつ内股までさすりはじめる。こちらに快楽を与えて逃げられない様にしつつも、絶対にすっきり出来ない絶妙な動き。何と言うテクニックだろう。
「ふぁ…だめっ…ぁん」
「声まで女の子みたぁい……イケズしたなりますぅ…」
肌が触れ合い吐息も交わる距離。凶悪な胸がぼくの胸に押しつけられ、ぐにゅりと形を変える。肌艶までいい。女の人の肌ってこんなに綺麗なの?こんなの反則だ。
「とっ、ともえひゃん…」
「なぁあにぃ……?」
「そのっ、あっ…やめてぇ……ぇえ」
「なんでえ?気持ちええんやろ?それとも、うちを立ててくれはったん?やっぱり本物と人形じゃあ勝手違いますぅ?」
クノイチは人形で夜の技術を磨くのか。ちょっとほっとした。もし他の男の人と練習してるんだったらもやもやしていた。
「あ…いまとても可愛えお顔された。何かええ事でも?」
「トモエさんがあッ、まだ男性経験がなくてっ、よかったなって…とってもぉ!ッ、ッ、ッ、お上手だしぃッ!!……ぁんっ経験豊かなのかと……不安でしたっ…」
「まあ…♪妬いてくれはったん?嬉しいわぁ…♪」
華やかな笑顔になるトモエさん。だが手は止めない。ぼく自身を弄る。意地悪だ。気付けば唇が触れそうな距離まで顔を近付け合っている。本当に綺麗な人だな。
「ジパングの魔物はとりわけ貞操観念がしっかりしてますから、慕う殿方に処女(はじめて)捧げる場合がほとんどなんよ…?うちも、ここは絶対好いた殿方に捧げよう思てましたぁ…」
ぼくの指をそっととり、自分の下腹部に持っていくトモエさん。秘部に触れさせようとした所でぼくは慌てて引っ込める。
「あん……イケズぅ」
「と、トモエさんっおねがい…ぼく…ぁっ♪」
必死に堪えて身体を離す。最後の抵抗。
「正妻になろなんて虫の良い事考えてません。身体だけの関係でもええんやよ?」
「ぼくは妻となる女性と……えっちしたいと思います。手ぇ…とめて…!」
先程からとても気持ちいい事をされて喘ぎながら必死に抵抗していたのに、聞こえのいい言葉で返してしまう。我ながら本当に酷い男だ。
「本当に止めて欲しいなら、うちを魔法で吹き飛ばせばええやないの。サラさんの魔力なら造作もないやろ?」
「そんな事っ…できませんっ…」
女性に暴力は振いたくない。トモエさんも全て分った上でやっている。この状況で騒ぎを起こせば隣で寝ているラウラに色々ばれる。使用人も駆け付けてくるだろう。にまにまと意地の悪い笑顔でぼくを嬲る。
しかし飽くまで手は優しい。責め苦というには余りに丁寧で優雅。傷付けないように手で包み込んでは緩急をつけてしごきあげる。
「堪忍な?酷い事言いますね?気ぃ悪せんといてくださいね?……サラさんはいつまで頑張らはる気なん?」
トモエさんの雰囲気が変わる。少し不安げな、今までに見た事の無い表情。親に叱られるのを恐れる子供の様な表情。拒絶されるのを恐れている様な。丁寧な手淫も止まる。
確かにトモエさんの言う通り。姫としていつまで振る舞えばいいのだろう?男として、えっちな事はしたくてたまらない。姫だから女性を恋人にする訳にもいかない。このまま一生一人で抱えて生きるのだろうか。
不安になってくる。
「うちなら何でもしますよ?魔物、ですから。よほど熱心に種付けしつづけても妊娠なんて滅多にしません。お姫様が遊郭や避妊具なんて買いに行く訳いきませんもんねえ。うちならサラさんにすっきりする為の道具になれます。クノイチはそういうもん。割り切れへん?」
「……〜〜〜〜ッ」
「ね?ええやろ?うちの前でだけ男の子に戻ってええんやよ?」
それが止めとなった。
ぼくは………ゆっくりと、しかししっかり頷いてしまっていた。

「嬉しぃ……♪うち、サラさん大切にします。出来るだけ長く人間で居てもらいます。王家としてお世継ぎも残さなあかんもんね。なんとかして人間の好い人も探さな。うふふ♪」
そうしてトモエさんの方からキスしてきた。
瞳を閉じて唇を受け入れた。生まれて初めてのキス。それも魔族の女性との。柔らかくてプルプルしている。曲がりなりにも反魔物国家の王族のやる事ではなかった。
もう後戻りできない。
唇でつつき合っていると、トモエさんは舌を入れて来た。なに…これ…!
暫くされるがままになる。とても優しく導いてくれる。たまに目を開けると至近距離でキスに集中する美女の顔。キスを解く。
「ん……どないしはったん?嫌やった?」
「蕩けたトモエさんの顔をよく見たくて。ごめんなさい」
「なんやそんな事。これからいつでも見せますよ」
いつでも見せる、という言葉にぞくりとする。それは好きな時に好きな事をできると言う事。いや、掴み所の無いトモエさんの事だ。ひょっとしてまた詭弁かも。疑心暗鬼になってしまい、盛り上がった心が冷める。
「あら…なんや怖い顔されてる」
「ぼく最低ですね……トモエさんがまた“悪い女”に見えてしまいます」
「うふふ♪さんざイケズしましたもんねえ。でも安心して?サラさんをなるべく長く人間で居させよ思てるのも、お仕事お手伝いするのも、身体だけの関係でいいと思ってるのも本当」
暫く間をおいて
「…………堪忍、最後のはちょっとだけ嘘。出来ればうちに夢中になってほしいねぇ……」
頬を朱に染めつつ最後に本音を漏らしてくれた。彼女の真意を知る事が出来、再び燃え上がる。
「ん…」
先程トモエさんがしてくれたように、唇を重ね優しく導く様に舌を絡める。
「んっ…んん……♪んっ…んんん…」
隣でラウラが寝ているのに、情熱的なキスで昇り詰めていく。何度も啄ばむ様に重ねては離す。唇を離した時も舌は絡め続けて。先に舌を解いたのはトモエさん。唾液がねっとり滴り落ちる。
「ん……すごぃなぁ…飲み込みが早いわぁ。うち、泣かされてしまうやも」
「ぇ、嫌でしたか?」
「くす♪ええ意味でやよ?女を悦ばせる才能があるってこと。うちを早く泣かせて?」
「トモエさん…ぼく…!」
「あんっ…♪」
トモエさんのむっちりボディをベッドに押し倒す。
初めて男になった気がする。
「押し倒すのも優しいなぁ…でもがんがん来てくれはってもええんやよ?今まで我慢してきはったんでしょ」
「ぼくっ…初めてで上手く出来るか分かりませんけどっ…、えっちさせていただきますっ」
「よろしゅぅお願いいたしますぅ…♪」
トモエさんの帯を緩め、股を開いてもらう。とてもゆったりした浴衣は、すぐに肌蹴させられた。うわ…すごく綺麗……
思わず生唾を飲みこみ、止まってしまう。目の前の女性を好きに出来る。そう思うと、ドキドキして動けなくなった。
「うぅ〜ん…おねえちゃ…」
「「!」」
ラウラの寝言にびくりとするぼく達。可愛い寝顔。熟睡している。寝返りをうって向こう側を向き、枕に顔をうずめてしまった。隣で眠るラウラに気を取られ、また固まる。
「…女待たせんといて…くださいな…」
「は、はぃ。ごめんなさい」
結合しようと腰を深く密着させる。しかしお互いの体液で滑って中々上手くいかない。
「くす♪ここやよ…?さ、自信持って…?うちも初めてなんやから…」
トモエさんがやんわりぼくのモノを掴んで導く。それに従いゆっくり繋がっていく。何かをゆっくり突き破っていく感覚。多分これが処女膜だ。本当に初めてだったんだ。
ぬる…
「っ…」
「痛いですか!?」
トモエさんは首を横に振りながら口を自らの手で塞いでいる。まだ挿入れはじめたばかりなのに、ぼくも気持ち好過ぎる。このまま結合を深くしても暴発するだけ。暫く呼吸を整える。
「だ、だいじょ…うぶやから……ね?……このまま一気に…」
「ぼくも気持ち好過ぎて…!しばらくこのままっ…!」
腰を引いてしまう。このままでは本能的に腰を突きだして彼女を傷付けてしまう。
「生殺しは嫌やぁっ……っずんって、きてぇえ♪」
潤んだ瞳でぼくを見つめる美女。むちむちの肢体が痙攣している。先程まで余裕たっぷりだった美女が切羽詰まっている。それだけで興奮する。
「わかり、ましたぁ…っ奥までっ、挿入(い)れますねっ」
っみちみちみちぃっ…ずぶずぶずぶ…
意を決しゆっくりと腰を沈めていく。ゆっくり押し広げられ、その度にびくんびくん仰け反るむちむちの美女。ぼくはこの女性の処女(はじめて)を奪い、無責任に欲望のまま繋がってしまったんだ。
ぐっと腰を突きだし、結合しきると、それだけで一仕事終えた達成感と快感。
あまりの気持ち良さに驚愕し腰砕けになっていた。
トモエさんの膣内(なか)は凄まじかった。まずキツキツ。そして温かい。更に複雑な内容。ぬめぬめの部分、ねっとりした部分、ひだひだの部分、つるつるの部分。様々な表情があり、どこに触れても違った感触が楽しめる。これを名器というんだろう。再び一呼吸置く。
「ぁ…ん、お願ぃ…動いてぇ…」
結合部から薄っすら血が滲むのに、かまわず求愛してくる。
「だめ……射精(で)ちゃう」
「イケズせんといてぇ…ぁっ…う」
すぐにでも激しくえっちしたい欲望を抑え込み、トモエさんに具合を確認する。
「痛くないっ…んです…か?」
「少しッ、びっくりしただけやから…っ、うちに構わんと好きに…っん…」
本気で泣きだしそうな顔になったので、彼女に従いゆったりと腰を振りだした。
「んぁっ!…んっ♪…んっ…んっ♪」
「トモエさ…!」
努めて優しく腰を振る。暴発しそう。だけど出来ない。いつの間にか彼女の魔族の長い尻尾が絡みつき締め上げていたから。
「うふふ♪これでっ…すぐには…っ達せま、はぁ…せんやろぉ…?さぁ、うちを、がんがん突いてぇ…」
「トモエさんっ」
ただ暴力敵に無理矢理締め上げている訳ではない。絶妙な力加減で競り上がる子種を押し返しつつしごいている。尻尾遣いまでとんでもないテクニックだなんて。
「トモエさん……っ、優しくするって決めたから…!だからぁっ」
身体を密着させて愛撫する。愛撫の度にびくりと反応するトモエさん。そしてその反応を見計らってゆったり腰を振る。愛しい存在を傷付けないように細心の注意を払って。
「サラっさん…!うちの事は、ぇえからぁっ…楽しんでくださぃな」
「トモエさんこそっ、どうしてほしいんです…?」
「うちぃ…んぁっ!サラさんっの、…好きなようにッ、してぇえ…♪お願ぃっ」
潤んだ瞳と色の乗った優しい声で絞り出すトモエさん。ぞくりとする。
ぼくの中の雄が目覚めてしまう。
「そんな事言ったら…!ぼく…!」
本能的にぐっと一番奥に乱暴に腰を突き入れてしまう。
「ッんぁああっ!!」
「ごめんなさいっ」
「か、勘忍…叫んでまいました…起きてなぃぃ…?」
「そ、そんな事より貴女が心配で」
隣を気にするトモエさんと、トモエさんを傷付けてしまったと気が気でないぼく。
相変わらずラウラはすやすやと寝息を立てていた。ラウラの眠りの深さに感謝しつつトモエさんを抱き締める。
「ぁっ…ええんよ…うち、惚れた殿方に…ぁん、無茶苦茶にされたいのん♪」
「っっ!」
余裕が出て来たのだろうか。トモエさんはむちむちした太股でぼくを咥え込み、ベッドをを軋ませ始めた。折角トモエさんを気遣ったセックスをしていたのに、トモエさんは理不尽にもぼくの雄を挑発する。
「サラさんがその気にならんのやったらぁ…!うちが…あん…勝手に楽しみますぅっ…♪」
「ちょ…トモエさ…!」
流石は魔族の女性。凄まじい腰のうねりでぼくを強制的に獣にさせようと促す。
「んっ…ぁっ…んんん…!どぅ…?うちのカラダっ…♪気持ちぇえです…?」
「だめぇえッ!」
大きく叫んで仰け反り、慌てて口を塞ぐ。駄目だ。このままじゃまたトモエさんのペース。ただただ気持ち好過ぎて。
――コンコン。
ノックの音。
「サラ様、よろしいですか」
「!」
今度は執事長のアレックスが来た。ドア越しに応答を待っている。折角魔性のクノイチとえっちをしているのに。不満が一気に腰の動きへ昇華される。
ぐんっ…!
「あぁああっ♪♪ぅちっ…ぁっ…ん…」
「ごめんなさい…」
小声でトモエさんに謝り、腰を止めると
「やぁん…やめんといてぇ…♪うちが何とかしますからぁっ♪」
トモエさんは何事か甘声交じりに呟きながら指を不思議な形にして合掌した。
途端にぽんっともう一人のトモエさんが出てくる。更にもう一人のトモエさんも不思議な形の合掌をすれば、そのトモエさんはぼくと瓜二つの姿に化けた。
「っぁ…何の魔法ですっ?」
「これは忍術とっ、いいますぅ…♪影分身と変化の術ですぅう♪あぁあん♪折角やからラウラちゃんもぉッ、退いてもらいましょか…っぁ♪」
もう一人のトモエさんが化けたぼくは、すやすや眠るラウラをそっとお姫様だっこし、執事長に応対した。分身に任せてえっちしつづける。
「うち……いや、私、今日ちょっと体調がすぐれないみたいなの。風邪がうつったら…ん…大変だから、ラウラを部屋に寝かせて……んぁっ♪」
本体と構わずえっちしていたら、連動していたらしい。
影分身のぼくは今にも崩れ落ちそうだった。
「サラ様っ!大丈夫ですか!?」
「だ、大丈夫ですっ。…んっ…本当にごめんなさい。今日は一日寝てるわ。予定も悪いけど全部断って。ぁぅっ…ラウラが起きたら謝っておいてください。風邪が治ったらお詫びしますからっ……!」
「サラ様っ、本当に大丈夫でしょうか?サラ様に何かあれば私は…!」


やばい。忠誠心の高さが今は煩わしい。執事長は未だにぼくに化けたトモエさんを戸越しに引きとめる。早く目の前の女性に集中したいのに…!
苛立ちがどんどん腰に昇華されていく。
「ぁんっ、あんっ、あんっ…ぁぁあああっ…!堪忍……うち、気ぃやってまいそぉっ…!」
「だめ…」
腰を振る本能を抑え込んで必死にセックスをとめる。



「サラ様、顔が真っ赤です。今、国一番の医者を…!」
「だ、大丈夫です…寝ていたら治りますからっ…今日はそっとしておいて。命令ですっ」
執事長アレックスは心配そうな顔で外へ引っ込んだ。
何とか分身のぼくはやり過ごしてくれた。かなり危なっかしかったけれど、ぼくのせいだ。
アレックスにも悪い事をした。本気で心配してくれたのに、こっちはえっちに酔いしれてるんだから。



「〜〜〜〜〜〜〜ッ!ッ!!ぁあっ♪」
ドアを閉めた瞬間、トモエさんは絶頂した。綺麗な身体を仰け反らせ、長い黒髪を振り乱しつつ。仰け反った時にどたぷんとこぼれる魔乳。同時に、分身も絶頂し消えてしまった。

「はぁ…はぁ…はぁ……うちが気ぃやると消えてまうんですぅ……でもぉ…よかったでしょぉ…?これで今日一日中交われますぅ…」
トモエさんと一日中周りを気にせずセックス出来る。そう言われて火がついた。
「トモエさんッ!」
「きゃっ…!ちょっとっ…あぁあああん!」
ベッドを軋ませるほど腰を振りだす。
「…!うちっ、ぁんっ!あっ!あっ!あっ!」
「誘ったのはトモエさんでしょっ!いまさら止まれませんっ!」
トモエさんを強引に抑え込んで唇を奪い、腰を振る。
至近距離で見るトモエさんの顔は、一瞬驚いた顔になったが、すぐに嬉しそうな“女の顔”になっていた。
「っ…っ…っ…」
互いの唇から甘声が漏れ出るが、大きな叫びにはならない。しっかり口付けしているから。
再三激しい行為を望む事をほのめかしていたし、ぼくも限界。ならば本能に身を任せるのも良いよね。
「ッ〜〜〜〜!」
今までと打って変わって強めに速めに突きこむ。キスしながらの激しい行為で、はだけていた浴衣はベッドの下にこぼれ落ち、気付けば全裸に。これでいい。生まれたままの姿で生えっち。解き放たれた快楽は止まる事をしらない。
「〜〜!〜〜〜〜!〜〜〜〜!!」
明らかに反応が良くなった。トモエさんは血色のいい肌を更に紅潮させ、汗ばみしっとりした身体をうねらせる。本当に激し目が好きなんだ。
このまま自分本位のセックスをしてやる。今はただ気持ち良くなろう。
「っ♪っ♪っ♪っ♪」
腰を小刻みに振り、絶頂に向かっていく。動きがあまりに単調で正直だったため、トモエさんも察し、ぼくに絡めた尻尾を緩めた。
「ちょっ…トモエさん射精るぅうううううッ!!」
快楽のあまりキスを解き海老反る。トモエさんの尻尾が堰き止めていた精の奔流が雪崩をうってやってきた。
刹那絶頂。あっという間だった。
海老反り、腰を一番奥に向かって突き出し、むちむちの太ももをがっちり掴んで。
ぼくは魔族の女性に思いっきり膣内射精(なかだし)してしまった。
身体と本能は正直であり、目の前の女性を孕ませようと一番奥にぐりぐり押しつけ子種を送り込む。ベッドに押えつけた豊満な肉体に強烈に自分を刻みつける。







「はぁ…はぁ…はぁ……素敵…でしたよ…やっぱり殿方なんやねぇ…」
「ご、ごめんなさい。夢中で…お辛くないですか?」
「はぁあ……くす♪えぇんやよ…?とっても気持ち好かったですから。したくなったらいつでも呼んでくださいね?」
結局彼女の望むままになってしまった。ただ、心地良い疲労感と、生まれて初めて女性を抱いた高揚感でぼくはいっぱいだった。気持ち良かったし、とても綺麗だった。
「トモエさん、…その、寝ているぼくにいきなり襲う事だってできたでしょう?なぜ敢えて起きてからぼくに……?」
行為の後、余韻に浸りつつ身体を預けてくる魔性の女を愛撫しながら聞いてみた。
「くす♪サラさんの意思でうちを抱いて欲しかったから。それに、うちは悪い女です。サラさんが姫と男の狭間で抵抗される姿に………ぞくぞくしてぇ♪」
「本当に悪い人」
仕返しとばかりにむちむちの身体を抱きしめてキスする。
「トモエさん…その…また…」
「うふふ♪えらい積極的になってくれましたねぇ」
トモエさんは惜しげもなく身体を晒し預けてくる。今までほとんど男として生きた事は無かった。長年抑圧した性欲が暴走している。
「失礼いたしますっ」
彼女の立派なお尻を掴んで持ち上げ四つん這いにさせる。
「ぁ…サラさん…後ろから…?」
「いけませんか」
「んーん。サラさんのお好きに…」
ぐちゅ……ずんっ
「ぁぁあああっ♪サラさんのがぁあっ♪」
「乱れたトモエさんっ…可愛いっ…!」
いきなり後ろから繋がった。まるで犬の交尾。妾腹とはいえ、王族のする行為ではない。下品で激しく無遠慮なセックス。
「ぁっ♪ぁっ♪ぁっ♪ぁっ♪」
「トモエさんっ!トモエさんっ!トモエさんっ!トモエさんっ!」
愛しい女性の名前を呼びつつガンガン腰を振る。こんなの初めてだった。父上は生前相当な女好きで色々な所に女を作っていたそうだけど、好きな人とのセックスがこんなに気持ち好くて幸せなら分る気がする。
「ぅちっ、またっ、……んんんん♪」
「トモエさん…っごめんねっ、ごめんねっ、はげしくてっ!」
「えぇからっ♪ええ…からっ♪うちを好きにしてぇ♪」
「ぅああぁっ!すきっ!トモエさんっ」
途端にびくんと仰け反るトモエさん。ぼくも密着して魔乳を鷲掴みする。
「ぁん!胸もぉ♪」
トモエさんは蕩けた声で泣く。掴んだ胸はとても重い。おまけに滑々しているのでしっかり握らないと手から零れてしまいそう。滅茶苦茶に揉みしだくと、甘息を洩らしつつ応えてくれる。
「サラさん♪あんまりッ、はぁん!がんばらはるとっ、おからだにっ、ぁはっ♪さわりますよぉっ♪」
「トモエさんが好過ぎてとまれないんですっ!」
本当にそうだった。初めて抱いた女性が魔物娘。それも極東のサキュバス、クノイチ。艶やかな黒髪と血色のいい肌とむちむちの身体。身体の相性が抜群すぎた。
「トモエさんっ…!」
「あん♪」
おっぱいを揉みしだきながら腰を滅茶苦茶に振り続ける。
「トモエさッ…ぼくだけのものになってください…っ毎晩抱きますっ」
「は、はぃい…お受けしますぅッ♪うちはサラさんのものですぅッ♪」
長い尻尾がハートマークに巻かれている。大きな瞳にもハートが輝いている様。この人を何度だって抱きたい。
雄の繁殖欲や独占欲に支配され、今まで生きてきた人生で思ってもみなかった思考が次々に湧きあがってくる。
「トモエさんッ…!きもちぃっ…!いぃいよぉっ…!」
「うちもぉッ!うちもぉッ!」
目の前の人しか見えない。突く度に長い黒髪を乱し、大きな尻と胸を弾ませ喘ぐ愛しい人。
ひたすらトモエさんを叫びながら巨大な尻を責め立てる。本当にケダモノセックスだ。
勢い任せの激しい行為は限界も早い。
「トモエさんっ、ごめっ…もう…!」
「はぃぃい♪きてぇえ♪」
トモエさんが受け入れ体勢だったので腰を速めた。
どくん…!
彼女の胎内に二度目の膣内射精。しっかり射精しきる。最初の射精で吸い尽くされ、もうほとんど射精ないけれど、それでも愛しい女性をいかに求めているか伝えたかったから。
ほぼ空射ちに近い射精を楽しんだ後、念入りに奥をぐりぐりしてから引き抜く。
「ッんあんッ!…イケズぅ…うち、もう少しサラさんと一つでいたかったのにぃ…」
「そ、そんな事言わないでください…また抱きたくなりますから…」









白いベッドに長い黒髪を広げつつ肩で呼吸する極東の淫魔。
不意に冷静になる。
とんでもない事をしてしまった。反魔物国の姫を演じる身でありながら、魔族の女性を欲望のまま抱き、楽しんでしまった。しかも愛しい女性を乱暴に犯してしまうなんて…
これじゃあ人間じゃなく発情期の動物だよ…
自己嫌悪に陥っているとトモエさんが乱れた呼吸を整えつつ話しかけてくる。
「不安ですぅ?大丈夫。うちの魔力で汚さんように気ぃつけました。少しずつ少しずつ、じぃーっくり、うち好みのインキュバスになっていただきますぅ」
「結局インキュバスにするんじゃないですか」
「くす♪魔物の女と番(つが)ったのですから、遅かれ早かれそうなりますぅ。それとも、もう、うちとはこれっきり?それなら……インキュバスにはなりませんけど」
「そ、そんな!トモエさんとはこれからもずっと…!」
「うふふ。嬉しぃ…♪大丈夫。うちはクノイチやから、夜の技術はそれなりですぅ。房中術言いますのん。10年かけてインキュバスにする事だってできますぅ。その内に早く人間のお妃さま見付けんとねぇ…♪」
本気で人間のお嫁さん探しまで手伝ってくれるらしい。でもぼくはトモエさんが好きになってしまった。初えっちの相手。欲望に身を任せた爛れた関係。ぼくはトモエさんの虜。
「トモエさんを妃にしたいな」
「っ♪♪…………今のは聞かんかった事にします」
嬉しそうな、けれど少し寂しげで批難も混ざった様な微妙な顔つきになり、ぴしゃりと言い放つ。ぼくが反魔物国家の姫を演じていない普通の男なら、すぐにでもこの女性と結婚したかった。これほど国が煩わしく感じたのは初めてだった。
「トモエさん、愛してる。永遠にぼくの隣にいてください」
「……本気にしてまいますよ。うちは魔物やのに」
それには答えず、首筋を舐める。
「やぁん♪ちょっとぉ…♪まださっき“した”ばっかりやないの…♪」
キスし、おっぱいをすくい上げる様に揉みしだくと、ぼく自身は準備万端になってしまう。
「…と、トモエさん」
「くす♪腹上死しはる気ぃ?」
応える間も惜しい。そのまま押し倒し繋がる。正常位だ。
「やぁ〜〜〜〜〜ッ♪絶倫さん…や!…ねぇ…♪」
「だってぇっ、トモエさんがっ、魅力的だからっ…!」
ベッドをギシギシさせつつ獣欲を暴走させる。
「そ、そんなに一日で抱かれるとぉッ♪インキュバスになるのもッ、はやぃよぉ…?」
「ぁああああぅぅううう!そんなぁッ!」
痛い所を突かれる。だが止まれない。多分魔族の夫は皆そうなんだ。愛おしくて、気持ち好くて、止めたくても止められないんだ。
「あぁぇっ♪朝あんな必死に抵抗されてたの嘘みたいっ♪」
「言わないでっ!トモエさんとえっちしまくりたい!」
何度も何度も責め立てる。自分自身でもびっくりだった。疲労感が襲って来るし、もう何度突こうが射精ない。けれども目の前の女性を貪りたい雄の本能が底無しに湧いてくる。
「さ…ら…さんっ…いとおしいっ!こんなむひゅうにらってくらはってぇええ♪」
「ぼくもれすぅぅうっ!」
お互い呂律が回らなくなりつつ貪りあう。ただひたすら肉体を求め合うのみ。終わりの見えない肉の宴。

「トモエええええっ」
「ひゃいっ♪」
もう気持ち好過ぎて何が何だかわからない。ただ目の前の女性が欲しい。
組み敷いた女性をばちゅんばちゅん責め立てる。まるでお漏らしした様に愛液が垂れ流され、口からも涎がとろりと溢れる。
「トモエッ、トモエッ、トモエッ」
「ひゃぃっ♪ひゃいっ♪ひゃいぃいっ♪」
突く度にトモエを呼び、トモエもそれに応えてくれる。
嬉しくてばるんばるん乱れる凶悪な魔乳に吸い付く。
「ぁぅッ♪すっちゃぁらめええ…!」
トモエが弱々しく抵抗する。何で今更。これはぼくのものだ。
思いっきり吸い上げると、乳首から甘いものが溢れだす。美味しい。
「らめえええっ!うちのおっぱいからまりょくすっちゃぁああっ!インキュバスになっちゃうぅう!」
インキュバス…?何それ…?
「んはぁッ!さ、サラさん…ッおくひはにゃひれッ。おひめひゃまとひてがんばるんでしょぅッ?まらインキュバスにはあ…!」
トモエが何か言っているけど、こんな美味しいもの離したくない。薄くて優しい甘みで、口の中ですっと溶けて喉まで行かない。母乳じゃないようだ。そりゃそうだ。だってぼくが抱くまで処女だったんだから。
「もっもう…!せわやけますねぇッ♪」
無理矢理トモエがぼくを押し倒して上下逆転。そのままぼくの口の中にある大きなおっぱいを乱暴にむしり取ると、強引にキス。何かを吸いもどされる様な感覚と疲労感。
「んんんんんっ…♪っぱ。うちのおっぱいから魔力吸いだそうとするなんていけない方…♪」
「なんでぇ…!トモエがほしかったから…!こんなおっぱいぶら下げてたらぁっ」
「からだならいくらでもあげますぅッ♪でもおっぱいはまだだぁめ♪インキュバスなるんは早いでしょぅ♪」
トモエはぼくに跨ったまま猛然と腰を振りだす。
「ああああああああッ!それッ!いいッ!」
「サラさんッ、うちぃッ♪」
ぼくに負けない腰振りでガンガン責め立ててくる。もしこれが初戦なら秒殺されていただろう。上下だけでなく、舐めるような腰遣いでぼくを感じさせてくれる
腰の振りだけでも強烈なのに、胎内はもっとえげつない。
まるで別の生き物のようにのたくり、膣内の肉が次から次に襲いかかってくる。
流石は極東のサキュバス。ひょっとしたらこちらのサキュバスと気持ち良さは互角かそれ以上かも。トモエしか抱いた事ないから分らないけど、トモエが最高の身体を持っている事は明らかだった。
「さらひゃんッ♪さらひゃんッ♪さらひゃんッ♪」
ばちゅんばちゅんと肉をぶつけ合い、楽しむ。トモエはぼくを楽しげに見降ろし、ぼくの反応を確認しながら腰の角度を変えて責め立てる。
「と、トモエぇッ!」
トモエの責めに合わせて突き上げると、蕩け顔が危険な発情顔に。
「さらひゃぁん♪うちぃい、とんじゃぅうう♪」
トモエも感じてくれている事に支配感を覚え、突き上げた。
途端に仰け反り、びくんびくんしてから倒れ込んできた。
倒れ込んでも腰を僅かに動かして気持ち良くさせてくれる。
「トモエえええええッ…!!トモエぇえええええええええッ!!!!はぁ…!はぁ…はぁ」
ぼくは絶頂した。空射ちだったけど、何度も何度も脈動して彼女を愛した。



その後も、前から後ろから向きあったり立ったまま突いたり再び押し倒したりと、手を替え品を替え、ありとあらゆる快楽や体位を教え込まれ、楽しんだ。

















「はぁーッ!はぁーッ!はぁーッ…」
「さ……さらさ…ん……おわりぃ…?」
カーテン越しに漏れ出る夕日。オレンジに染まるベッドに投げ出されたグラマラスな魔族の女性。乱れた呼吸と汗ばんだ身体はとても官能的だ。長い黒髪と尻尾もだらんと投げ出され、行為の激しさを物語る。この女性をぼくは好き放題してしまったんだ…
「ごめんなさい……あんまりきもちよくて…しあわせだったから…」
「くす♪うちもですぅ。またいつでもお相手致しますからね」
凄まじい疲労感。初えっちで連戦。欲望に身を任せた結果、全身は命を吸われた様にだるかった。でもそれ以上に幸せで気持ち好かった。これは親魔物国家が増えるのも納得だ。
「うふふ♪サラさんったら、さっきからうちの事呼び捨ててくれてますぅ。気付いてはる?」
「あ……ごめんなさい。馴れ馴れしかったですか?」
「いえいえ。お慕いする殿方に呼び捨てられるのは夢でしたの♪」
とても幸せそうな顔をしてくれる。ぼくも幸せだ。
ぼくはこの女性に全てを捧げ、全てを奪った。身も心も骨抜きにされ、片時も離れたくないとさえ思っている。今ももうトモエを抱きたい。
「“暗殺”されちゃいましたね」
「あらぁ♪ほんとぉ?うふふ♪嬉しい事ばかり言うてくれはりますねぇ♪」
事後の乱れた髪そのままに満面の笑み。愛おしい。
「トモエ」
「なぁに?……んっ♪」
甘く口付けしてトモエを愛撫しはじめる。
休憩は終わり。クノイチは全てを察し、股を開いた。
「あッ♪♪」











結局、本当に一日中えっちしてしまった。
ぼくが親魔物国家としての路線を考えるのはこれがきっかけだった。





次の日、とてつもない疲労感の中ラウラと使用人に心配されたのは言うまでもなかった。
トモエが東洋の秘薬で看病してくれたので大丈夫と言い訳した。




















to be continued
16/12/16 10:10更新 / 女体整備士
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